映像美学 槌橋 雅博 教養 講義 1∼4年次 前期 2単位 基 礎 分 野 授業目的・方針、到達目標 芸術作品創作の基本理念として要求される「美学」と「哲学」を、映画作家の見地か ら、芸術の歴史を辿って分析・解説する授業です。クリエイターとして活動して行くた めに必要な「創造性の確固たる地盤」を身につける事を目標とします。各回、映画・音 楽・絵画などを鑑賞しながら、体感的に学習します。 授業内容 1:芸術作品と美: A・タルコフスキー監督作品『鏡』と美の両義性 2:芸術創造の必然性: ニーチェの概念「力への意志」と創造行為の本質 3:芸術の生成と発展: 人類が芸術を生み出した経緯を原始美術から学ぶ 4:芸術の二源泉: 美術・音楽・文学における宗教性と娯楽性 5:日本・アジア・欧米の美:様々な文化における美意識の特性 6:美的表現の基本構造: ディオニュソス的な美とアポロン的な美 7:「力への意志」と宇宙論:宇宙開闢における量子論的トンネル効果と芸術 8:象徴と文化構造: 美における根源的イメージと認識のシステム 9:映画とシンボル表現: A・ラモリス監督作品『白い馬』 『赤い風船』の解析 10:映画美術と詩的映像: S・パラジャーノフ監督作品『ざくろの色』の解析 11:「力への意志」の多様性:様々な芸術表現における「力への意志」の飛躍 12:運動イメージ1: ドゥルーズの映画解釈とベルクソンの存在論 13:運動イメージ2: ベルクソンの存在論と様々な映像表現 14:時間イメージ1: ドゥルーズの映画解釈とベルクソンの身体論 15:時間イメージ2: ベルクソンの身体論と様々な映像表現 準備学習 疑問点は後日まで残さないように努めてください。 評価方法 授業で学習した美学と哲学に基づいて、指定した哲学的寓話を独自に転換し、ヴィジ ュアルで表現した課題作品による評価。 参考テキスト 『タルコフスキイの映画術』アンドレイ・タルコフスキイ著 水声社 『シネマ1』 『シネマ2』ジル・ドゥルーズ著 法政大学出版局 『ツゥラトゥストラ 上』 『ツゥラトゥストラ 下』ニーチェ著 ちくま学芸文庫 『Truths:A Stream』槌橋雅博著 アート・オブ・ウイズダム −210−
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