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2014 年度 慶應義塾大学 文学部(世界史) 解答解説

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2014 年度 慶應義塾大学 文学部(世界史) 解答解説
Ⅰ
オスマン帝国史
解答
A-ブルサ
B-コソヴォ
F-マフムト2世
C-アンカラ
G-ポーランド
D-ユスティニアヌス
H-アフメト3世
E-モハーチ
I-クリム=ハン
J-アーヤーン
解説
全体的には標準レベルの知識を問う問題が大部分だが、やや細かい語句を求める問題も少数配合された記述問
題である。空欄補充型なのでヒントとなるリード文はしっかり読んだ上で、ケアレスミスだけはしないよう心が
けたいところ。なお、標準的もしくは平易な問題に関する解説は省略する。
( A )文脈からアドリアノープル制圧以前の首都なので、ここはブルサでないといけない。ブルサは教科書
の記載例は少ないが(山川出版社の用語集だと①)
、きちんと押さえておきたい。
( F )
「イェニチェリ廃止」や時期から考えて、タンジマートで有名なアブデュル=メジト1世と混同しない
ようにしたい。マフムト2世も教科書の記載例は少ないが(用語集だと②)、こうした重要な政策の実行者なので
押さえておくべきであろう。
( G )カルロヴィッツ条約を締結したヨーロッパ勢力の内訳としてオーストリア以外の国を問うのは、入試
問題としてはやや細かい要求である。しかし近年の本学部の傾向から考えると、なるべくこうした細部に関して
も目を通しておくべきだろう。
( J )アーヤーンは用語集だと頻度②であるが、これを選択問題ではなく記述問題で問うというのはなかな
か難易度が高い。ともかく、本学部の近年の傾向は、細かい語句の知識を要求する問題の場合、教科書に記載ゼ
ロのものは少数で、ほとんどは用語集での頻度①・②レベルを用いてくるので、対策はしっかり打っておくべき
である。
Ⅱ
中世の北欧関連史
解答
A-アーヘン
B-アルフレッド(大王)
F-グリーンランド
J-カルマル
C-ロロ
G-クヌート(カヌート)
K-ベルゲン
L-イヴァン3世
D-ノヴゴロド
H-タリン
E-キエフ公国
I-リューベック
M-ブルゴーニュ
N-マルグレーテ
O-アントワープ(アントウェルペン)
解説
教科書に記載例がゼロの難問や、ヒントが不十分のため難解な問題を含む大問。その一方で、リード文の有効
なヒントが後の空欄の方に示してある問題や、文脈をよく捉えると解ける問題も含まれるので、そちらでは確実
に得点しておくことが合格には有効である。なお、標準的もしくは平易な問題に関する解説は省略する。
( B )アルフレッド大王の人名自体は標準的なレベルだが、
「ヴァイキングの首長グスルムと協定」という文
中のポイントだけでは正答が難しい。年代も明確に示していないため、エグバートかアルフレッド大王かで悩ん
だ受験生が多かったのではないだろうか。
( G )これは11世紀前半という時期、さらにデンマーク・イングランドを含む「北海帝国」というポイント
から、
「イングランドを征服」という素直なヒントを述べていなくとも、クヌートを想起できるはずである。
( H )さすがにこれは受験生に正答を求めることは無理である。タリンの都市名は、教科書での記載例はゼ
ロであり、対策の打ちようがない。逆に、ここで得点差がつくこともないので、捨ててもかまわない問題と言え
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よう。
( I )
「ザクセン大公ハインリヒ獅子公の援助」や「バルト海交易の支配」だけではどの北ドイツ都市なのか
判断できないが、後半まで進むと「ハンザ同盟の盟主」というヒントがちゃんと用意されている。これは本学部
ではよくあることなので、慌てず最後までリード文を読んでいくこと。
( J )
「13世紀中葉以降、ストックホルムとともに確立した都市」ではヒントにならないが、これも後半に「デ
ンマーク主導の北欧3国の同盟」というヒントが存在する。慌てなければ平易な問題である。
( K )ベルゲンはハンザの四大在外商館が置かれた都市の一つであり、些末な語句と決めつけず押さえてお
きたいところだが、残念ながら現行の教科書では記載例がゼロ。現在の受験生には気の毒な問題である。
( M )百年戦争中にフランドルを支配下に置いたのがブルゴーニュ公国というポイントは、やや細かい事項
である。ただし、このブルゴーニュ公とのちに婚姻関係を結んでフランドルを相続したのがハプスブルク家のマ
クシミリアン1世であり、そちらの関連から問われる場合も考えられる。ブルゴーニュ公国は教科書の記載例が
少ないが(用語集だと②)
、なるべく押さえておきたい。
( O )2つめの空欄の後にある「経済・交易の中心地としての役割は、オランダ独立戦争以後アムステルダ
ムへと移り」という部分を見落としてはならない。この文脈から考えればアントワープが適切。ガンなどと混同
しないよう注意しておこう。
Ⅲ
ナポレオン戦争~ドイツ統一までの近代ヨーロッパ史
解答
A-ヴァルミー
B-宗教協約(コンコルダート)
E-バイエルン
F-クルップ
C-アウステルリッツ
D-フランツ2世
H-シャルル10世
I-アルジェリア
G-ティルジット
J-シュレスヴィヒ・ホルシュタイン
解説
全体としては標準的な難易度のものが大半であり、細かい知識が必要なものが少数配合された記述問題。標準
的な問題でミスをしないことが求められる。なお、一般的もしくは平易な問題の解説は省略する。
( D )フランツ2世は神聖ローマ帝国最後の皇帝(オーストリア皇帝としてはフランツ1世)であるが、入
試問題一般の傾向から考えるとかなり細かい人名(用語集だと頻度は①)
。記述式のため難問である。しかしこの
皇帝はナポレオン戦争中の有名なアウステルリッツの戦いの「三帝」の一人でもある。複数の重要事項に絡む人
物のため、目を通しておきたい人名ではある。同様に要注意のオーストリア皇帝としては、三帝同盟への参加や
サライェヴォ事件すなわち第一次世界大戦の勃発に関してフランツ=ヨーゼフ2世も挙げられる。
( E )ドイツの領邦国家の中で王国に昇格したこと・立憲君主政になったこと、とリード文でのヒントは数
多くあるが、いずれもこのバイエルンを受験生が想起できるような内容ではない。
「西南ドイツ」に属するという
ポイントから推測するしかないため、なかなかの難問である。
( F )帝国主義の形成の分野において、クルップ社はコンツェルンの代表例として押さえておきたい。用語
集だと頻度③と、教科書の記載例は多いわけではないが、近年の早稲田・慶應の問題傾向からすると、本学部に
限らずトラストの代表例としてのスタンダード石油(ロックフェラー)とカーネギーの鉄鋼会社、さらに軍需コ
ンツェルンのクルップに加えて金融コンツェルンの代表例であるモルガン、この4社は知識を固めておくべきだ
ろう。
Ⅳ
遺跡から見た中国王朝史
解答
A-河南
B-卜辞
G-赤絵
H-張居正
(1)-ロ
(2)-ハ
C-易姓革命(論)
I-東林書院
(3)-イ
D-斉
E-郡県
F-半両
J-黄巾
(4)-ハ
(5)-イ
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解説
今年度の特色である、久しぶりに登場した正誤判定問題はこの大問に集中している。史料文の一節を題材にし
ている文が多く、細かい内容を含むものが多いが、ポイントをよく読み取ればすべて正答は可能。一方で、他の
大問と同様の語句の記述問題が10題あるが、やや細かい知識を求めるものが少数入っているので、こちらも気が
抜けない。なお、一般的もしくは平易な記述問題の解説は省略する。
( A )殷墟の所在地として河南省の省名を求めているが、このレベルの知識は早稲田・慶應の志望者であれ
ば持っているべきだろう。たとえば用語集で単体の語句として扱われているのではないが、出題例は意外に多い
ので要注意。
( B )甲骨文字ではなく別名の卜辞を求めているので、意表を突かれた受験生もいたことだろう。また、漢
字が正確に書けないと得点できないのが記述式の厳しいところ。ただし、語句としては押さえておくべきもので
ある。
( C )空欄の直前の「周の政権奪取を正当化するための理論」という文脈から、易姓革命(論)と答える方が
安全である。
「放伐」という語句も想起されるが、こちらは易姓革命の中で好ましくない手法であり、また「理論」
としているので、その方が自然だろう。
( D )始皇帝が最後に斉を滅ぼしたという知識は、かなり細かい。これは悩んでも糸口がない問題なので、
戦国の秦以外の6国のうち、秦に隣接しない国を考えて斉・燕に絞り、どちらかに賭けるしかない。
(1)まず、紂王は殷の最後の王として本文で述べているのがヒント。すると彼を武力で倒し周を創始したのは
武王であって湯王ではないのでイは該当しない。湯王は殷の創始者だが、彼の人名の知識は不要。また、やや細
かいが犬戎は西周の末期に鎬京付近を襲ったので、ハも該当しない。すると、酒池肉林の逸話という細かい知識
を持っていなくとも、ロが消去法で残せるはず。
(2)始皇帝の下で匈奴討伐に成功した蒙恬の名を知っていれば、ハが正解だとすぐわかる。ただし蒙恬は現行
の教科書の記載例がゼロであり、かなり細かい人名である。だが、霍去病が前漢の武帝時代の将軍・班超が後漢
の将軍とわかっていれば、イ・ロを除外して消去法で解くことができる。
(3)
「書物はすべて焼き捨てさせましょう」と、焚書であることが明確な記述からイを正解と見抜くべき。ロの
商鞅の逸話やハの『韓非子』の一節である「逆鱗」の話は入試問題のレベルを超えているので、相手にしないこ
とである。
(4)豊臣秀吉に侵攻された朝鮮に対して万暦帝が援軍を送ったことは重要事項であり、ハが正解というのは容
易に見抜ける。なお、イのエセン=ハンは正統帝を土木の変で撃破しているので時代が異なる。また万暦帝時代
には倭寇はすでに収まっているのでロも時代が合わない。平易な問題である。
(5)
「万暦帝時代に入京」というヒントから、この宣教師はマテオ=リッチだと想起できる。となると、イタリ
ア出身・初めて中国の内地に入る・中国最初の世界地図(『坤輿万国全図』
)という明確なヒントからイだと判断
できよう。なお、ロはドイツ出身なので時期は述べていないがアダム=シャールのことで、ハは明らかにブーヴ
ェのこと。平易な問題である。
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