有機分子達を考えて日常生活を理解しよう(6月19日) 化学研究所 教授

有機分子達を考えて日常生活を理解しよう(6月19日)
化学研究所
教授
年光昭夫
消化、吸収、味覚、齲歯
酵素
生体における化学反応の触媒 蛋白質
分子量
1万−100万
水素結合(アミド、カルボン酸残基、アミン残基等) 疎水基相互作用
オリゴ糖
(オリゴ
ギリシャ語 少ない(多くない;高分子との比較))
母乳中のビフィズス菌増殖因子
α-グルコース
6
H
4
6
H
H
5
H
1
H
HO
O
HO
5
3
H
H
CH2OH
O
HO
H
HO
OH OH
H
CH2OH
4
O
2
3
O
HO
300−3000
β-グルコース
CH2OH
HO
HO
分子量
O
2
OH
OH H
CH2OH
O HO
O
O
HO
HO HOCH2
CH2OH
O
1
OH
O
O
HO O
デンプン
スクロース
6
H
(ショ糖)
CH2OH
4
H
HO
HO
セルロース
5
3
H
H
O
1
2
H
OH
OH O 3
2
H
1
HO CH2
H
4
O
HO
6
CH2OH
5
H
腸液に含まれる「サッカラーゼ」によりグルコースとフルクトースに加水分解
される。小腸で吸収され、血流に入る。血糖値の急激な上昇。齲歯の原因。
ラフィノース
HO
4
H
6
CH2OH
H
5
3
HO
H
O
1
2
H
OH O
H
6
H CH2
4
H
HO
5
1
2
3
HO
O
H
H
OH O OH
H
H
4
3
2
H
O
1
HO CH2
6
CH2OH
5
HO
H
主にビートから抽出生成されるが、キャベツ、ブロッコリー、アスパラガスな
ど植物に広く含まれている。甘味はスクロースの20%、カロリーは約半分。
大腸まで届いてビフィズス菌を増殖させる。
α− ガラクトシダーゼによりガラクトースとスクロースに加水分解されるがこ
の酵素は人には見られない。
スタキオース
HO
H
HO
4
6
CH2OH
H
5
3
H
O
1
2
H
OH O
H
HO
4
6
CH2
H
HO
H
5
3
H
H
O
1
2
H
OH O
6
H CH2
4
H
HO
HO
5
3
H
H
O
1
2
H
OH O OH
H
4
3
2
H
1
HO CH2
O
HO
6
CH2OH
5
H
大豆に3−4%含まれる。甘味はスクロースの30%、カロリーは約40%。
ビフィズス菌増殖作用があり、納豆菌にも有効に働く。
アスパルテーム
CH2
H
O
C C OCH3
H
NH
HO C CH2
C C O
O
NH2
アスパルティン酸とフェニルアラニン(メチルエステル)
甘味はスクロースの100倍。カロリーはなく、齲歯にならない。
Phenylketonuria の人はフェニルピルビン酸が蓄積するので使えない。
キシリトール
OH
OH
HO
OH
OH
天然の代替甘味料で、最初はカバノキから採取された。
甘味はスクロースと同等。カロリーは60%。
口腔内の最近による酸の産生はほとんどないが、齲歯の治療効果まではない。
ラクトース
HO
H
HO
6
H
CH2OH
4
H
5
3
H
H
O
2
HO
1
3
5
O
4
OH H
OH H
H
H
CH2OH
2
1
OH
O
H 6
哺乳類の乳汁に含まれている。β−ガラクトシダーゼによってガラクトースとグ
ルコースに加水分解される。