学校配信用 平成23年 2月 1日 発行元 あすなろ会 代表 須田敏男(岩野田小) イメージが変わると感情が変わる 1月も終わり、今年度のまとめや次年度に向けての準備が始まる頃となり、忙しい毎日をお過ごしのことと存じます。 言葉と脳との関わりについて前回の通信で図解しました。これを日常生活における子どものトラブルの実例にあては めて説明します。 Aは、Bの顔をつねったり、叩いたりしてからかった。 Bは、反抗することなく一方的にやられた。 何とかしたいけど何もできない→体に反応(全身の震え、悲壮感漂う顔等) ※箱を壊したり、大声を出したりしてある程度うっぷんを晴らす事ができた。 でも、まだ、もやもやしたものが残る。 心の傷 肩に四角くて大きな黒い重いものを感じる。左側の顔から頭にかけていやな感じ。 Aへのいやな思い。顔を見たくない。 手だて1 目の前にAをイメージして、背景を変えたり、色を変えたり、ぼかしたりする。 (Bの反応: ちょっとよくなるが、消えない。自分の方に迫ってくる。 Aの姿が顔にくっついて離れないと訴える。Aが怖い。 ) 手だて2 自分の後ろから両親が手でB君をはがしてくれるイメージを作る。 左手でBを顔からはがし、手を握る。両手を合わせて、小さくして握りつぶす。 (Bの反応: 肩の黒いものが小さくなった。 ) その後、Aからの声かけや誘いにも何もなかったかのように接し、関わりの中で笑顔も見られるようになった。 <BのAに対するイメージの変化とAに対する意識や感情の変化> イメージを変える手だて からかわれる 友達 → 思い出す 嫌 い → 手だて 怖 い → 手だて 怖くない → 会っても平気 関わる → 友達 イメージすると、ある種の感情が沸いてきます。そして、その感情が現れる時、体のある部分にそれが強く現れます。 その現れた部分がどのように変化をしていくのかをみながら、手だてを講じます。 イメージを変えることで、子どもの感情を変えることができました。そのイメージを変えるために言葉を使います。 Aに「いじめないで仲良くしようね。 」とBへの謝罪やBへの対応の仕方を指導しても、Bの心に残った傷を取り除 くことはできません。心の傷を取り除くためにはBの心の中に入り、言葉を使って、過去の記憶を塗り替える必要があ ります。 この取り組みから脳を刺激する言葉の力の大きさを感じることができました。 (言葉を使ってイメージを変え、感覚 を変化させることができる。 ) ※子どもの方が大人より豊かにイメージできます。
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