特別支援学級合同 生活単元学習指導案 平成 23 年 7 月 13 日(水)3校時 場所:わかば学級 授業者:T1千葉徹 T2鈴木みゆき 1 小単元名 夏の手紙をかこう 2 目 日本の夏の習慣である「暑中見舞い」の手紙をかく。 3 我が国の伝統文化とのかかわり 標 T3大槻園子 特別支援学級の伝統文化教育で目指す児童像を「季節の行事や生活の中の伝統文化に親しみをもつ 児童」「季節の行事や生活の中の伝統文化のよさを知る児童」と設定した。学習活動を通して,日常生 活の中にとけ込んでいる伝統文化に触れる機会を設け,そのよさやおもしろさを体験させたいと考え る。 特別支援学級では,これまでも,四季の移り変わりに目を向け,年間をとおして“季節”や“時節 の行事”等,日本や地域に昔から伝わる習慣やあそびなどを題材として取り上げ,生活単元学習とし て展開してきた。将来一社会人として生きていく力を身につけられるよう,生活の中の具体的な場面 での実際的・総合的な学習を大切にしている。 6月から7月にかけて設定している「夏のくらし」の中で,今回は「夏の手紙」(暑中見舞い)を取 り上げる。暑中見舞いは,暑い時期に相手の健康を気遣ったり,お互いに近況を報告し合ったりする という,日本に古くからある習慣である。これは,人と人との心をつなぐよき習慣であり,人とのか かわりが苦手な傾向にある児童にとって,社会生活スキルの一つとして身につけておく意義があるも のと考えた。これまで学習,体験してきた「年賀状」と対比する形で提示することで,児童の学習意 欲を喚起することができるものと思われる。 1年生から6年生まで個人差の大きい8名の児童が,それぞれに楽しんで体験し,さらに実生活の 中で実践してみたいという気持ちをもたせつつ,研究主題にせまる本時の手立てとして以下の3点を 考えた。 ① はっきりイメージでき,返事をもらえる可能性が高い身近な祖父母から,手紙を出す相手 を決めさせる。 ② 国語や図工の学習と関連させながら,「相手に喜んでもらえる手紙をかく」という気持ち を高めるようにする。 ③ 各児童の実態に合わせて, カードの大きさや支援の仕方, 活動内容などを吟味し,3人の 担任が分担して指導,支援を行う。 4 児童の実態(8名) A 文字を上手に書くことができる。簡単な作業ができる。 B 文字を書ける。細かい作業もできる。 C 文字はゆっくり書くことができる。簡単な作業は一人でできる。 D 文字を書いたり作業したりできるが, 集中力にやや欠ける。 E 文字はゆっくり書くことができる。作業は一人ではできない。 F 文字が書けない。作業は人の真似をして少しできる。 G 文字は書ける。簡単な作業ができる。 H 文字が書けない。常にそばについて支援が必要である。 -1- 5 学習指導計画(大単元「夏のくらし」全 21 時間・本時 大単元名 小単元名 夏のくらし 小単元 時 数 ①野菜を育てよう 5 ②七ツ森合宿へ行こう 4 ③七夕まつり 8 ④夏の手紙をかこう 2(本時1/2) ⑤手紙を出しに行こう 1 ⑥夏休みの過ごし方 1 時 夏 小単元「夏の手紙を書こう」18/21 時間) 学 習 活 動 評価の観点 ○夏の手紙(暑中見舞い)をかく。 の 1 ・手紙をかく相手を決める。 ・ 手 本 ・暑中見舞いの手紙をかく。 紙 時 ・絵やことばを添えて, 手紙を仕上げる。 手紙をかく相手を決める ことができたか。 ・ を 相手を意識してかくこと ができたか。 か ○夏の手紙を完成させる。 こ 1 う ・ ・前時の作業の続きをして仕上げる。 ていねいに最後までかく ことができたか。 ・前時に手紙を仕上げた児童は他の相手に手 紙をかく。 6 本時の指導 (1)本時のねらい ○おじいさん・おばあさんに暑中見舞いの手紙をかく。 (2)準備物 「月の名前」カード 手紙用台紙 めあてカード ひらがな,漢字用暑中見舞いの見本 あいさつの文用カード (3)本時の指導過程 ~ 別紙 (4)本時の評価 ○相手を思いながら,学習に取り組むことができたか。 ○暑中見舞いの手紙を描くことができたか。 <座席表・個人の評価の観点> 黒 板 T1 A B C D ・相手のことを考えながら手紙をかけたか。 ・相手のことを考えながら作業できたか。 ・「手紙をかく」ということが分かったか。 ・指示を聞いて作業できたか。 ・丁寧に文字を書けたか。 ・指示を聞いて作業できたか。 ・手本を見て正しく文字を書けたか。 ・手本を見て正しく文字を書けたか。 E F G ・教師の支援を受けながら手紙をかけたか。 ・教師の支援を受けながら手紙かけたか。 ・誰にかくかを意識してかけたか。 ・指示のとおりに作業できたか。 ・手本を見て文字を書けたか。 ・手本の文字をなぞれたか。 ・手本を見て正しく文字を書けたか。 ・教師と一緒に文字を書けたか。 T2 H T3 -2- (3)本時の学習過程 段 学 習 活 動 教師 児童 階 1 陰暦の月の名前を 言う。 文 月 つ 2 夏の季節であるこ か とを確認し,夏のイ メージについて話し む 合う。 季節は夏です 夏は暑いです 7 分 広 げ る 35 分 ま と 3め 分る 3 暑中見舞いの手紙 をかくことを知る。 しょちゅうみまいを かこう 7 次時の予告をする。 ・指導者の働きかけ と *指導上の留意点 T1 T2 T3 A B C D E F G H ・全体へ指示を出す。 7月のことを日本の昔の言い方で何と言いますか? *思い出せない場合は教室後ろの掲示を ・「月の名前」カードを掲示する。 ・ 児童のそばで一緒に言う。 見させる。 ・指名して発表させたりつぶやきを拾い *A/H:「夏」と復唱させる。 上げたりする。 ・個別に支援する。 *D/G:積極的に発表するように励ます。 *H:体験を思い出させるように話しか ける。 *A:「夏は暑いね」「アイス食べたね」な どと話しかける。 *E:「季節は夏です」と一緒に復唱する。 ・個別に支援する。 *C:知っているものの絵カードを名前を 言いながら机上に出す。 *E:積極的に発表するように励ます。 ・年賀状と対比させながら暑中見舞いの手紙について説明し,これからかくことを知らせる。 *暑中見舞いの手紙は,夏の暑い季節に,相手を気遣ってかく手紙であることを知らせる。 *見本(実物)を見せ,暑中見舞いの手紙についてイメージがもてるようにする。 さらに,内容や受け取ったときの気持ちなど体験談も話し,興味関心を高められるようにする。 ・めあてカードを提示する。 ・めあてが分かったか確認する。 ・めあてを読んで,個別に教える。 4 暑中見舞いの手紙 ・おじいさん,おばあさんの中からかく相手を決めることを知らせる。 をかく相手を決める。 *かく相手を決められるように話をした *A/H:イメージできない場合は相手を *C:父母の写真を見せどちらかを選ばせ り相談にのったりする。 指定する。 る。 *様子を見てB/D/F/Gにも支援する。 *E:だれに手紙をかくか相談にのる。 手だて①児童がイメージしやすく,返事をもらえる可能性が高い身近なおじいさん,おばあさんの中から 選ばせる。 *祖父母が具体的にイメージできない児童には,父母の中から選ばせるようにする。 5 暑中見舞いの手紙 *作成しやすいように,台紙にあいさつ文を貼ったカード形式のものにする。 をかく。 ①形式について知る。 ・見本を見せながら暑中見舞いの手紙の形式を教える。 ②あいさつ文を書く。 手だて③児童の実態に合わせてあいさつ文の手本を用意する。 しょちゅうおみまい *ひらがなと漢字の見本を提示する。 もうしあげます *文字が書けない児童には,予め印刷したものを貼らせる。 暑中おみまい *場所を示したり,手をとったりしながら書かせる。 もうしあげます *相手を意識して書くように声がけする。 *D/G:書き始める前に相手を再確認し *A:様子を見てほめたり,手を添えて 思いを膨らませるようにする。 支援したりする。 * C :一文ずつカードに書かせる。 *B:「~に手紙を書くよ」と声をかけ *H:ほめながら,最後まで書けるよう *E:手本を見て一文字ずつ丁寧に書くよ て書く意欲を高める。 に励ます。 うに励まし,頑張ったことをほめる。 *F:手本を見て一文字ずつ丁寧に書くよ うに励ます。 ③絵を選んでカードに 手だて②相手に喜んでもらうように,図工の時間に描いた絵(夏のイメージ)から選ばせる。 貼る。 *自分が描いた絵の中から気に入ったものを選ばせる。 *決められない児童には助言する。 *必要に応じて,のりづけの作業を手助けする。 6 今日の学習を振り *受け取った相手が喜ぶことを意識させる。 「おじいさんやおばあさんは,きっと喜ぶね」 返り,感想を話す。 *集中して頑張ったことをほめる。 ・本時の作業を続け仕上げること ・手紙ができたら郵便局へ出しに行くこと
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