資産運用 相続・贈与 事業承継 ライフプラン 金融 経済 税金 資産ナビ 43navi.com -NEWS LETTER 資産ナビグループ事務局 P HONE (03)3491-3866 [email protected] 富裕層の税金天国、摘発へ国際包囲網!? スイス銀行の秘密口座に風穴!? 国際税務調査最新事情! 海外資産の申告漏れが増加! ュタイン リヒテンシ 件 事 大脱税 ●ドイツ史上最大の脱税事件! 発端は昨年2月のドイツの巨額脱税捜査。民 有化後、世界中に展開したことで一躍その名を はせた郵便事業大手「ドイツポスト」のツム ヴィンケル総裁の脱税(独史上最高額)が発 覚。その後10日間で約150人の捜索が行わ れ、うち91人が租税回避を認め、計2,780万 ユーロ(約36億円)を納付。 ●情報提供者に高額報酬! タックスヘ イ 秘密口 ブン 座? 欧米で富裕層が税務当局の動向を注視して います。米国では税務当局がプライベート・バ ンキングを使った資産隠しの摘発に成功。金 融危機後、国際的な脱税への批判が高まって おり、我が国の投資家も他人事ではない? ドイツでは事業家や著名スポーツ選手、芸能 人ら1,000人が税務当局の目を逃れ、総計40 億ユーロ(約5,200億円)をリヒテンシュタイン 内の秘密信託に預けていた疑いが浮上。 摘発の証拠資料はリヒテンシュタインの資産 管理運用グループ(LGT)の元従業員が盗んだ 顧客情報で、ドイツ当局は420万ユーロ(約5億 4600万円)で入手したとか! <一国の脱税調査で終わらなかった!> 08/2月 発端はドイツ脱税事件 ●鳩山首相、本音の失言!? 先月、APECでのシンガポール訪問時、世 界有数の富豪として有名なブルネイのボルキ ヤ国王と会談した鳩山首相は、「国民が無税と 聞いた。日本国民も移住したがるだろう」と 発言。資源が豊かで所得税不要の同国を持ち 上げたものですが、株式所得の脱税疑惑や偽 装献金問題の渦中の首相の本音とも? 08/3月 08/6月 08/7月 09/2月 09/3月 ●世界の富裕層に震撼走る! 09/8月 さて、富裕層と税金問題は切っても 切れない関係ですが、世界的な金融危 機をきっかけに、各国に国際的な資産隠しと 脱税を捕捉する動きが強まっています。 09/9月 Copyright© Consulting Alpha, Inc. All Rights Reserved ドイツポスト総裁らへ脱税捜査、摘発へ 米・オーストラリアが、独のリヒテンシュタイン金融機関へ の脱税捜査に合流し、合同捜査開始 スペイン、伊、仏が自国のリヒテンシュタイン口座保有 者の調査を開始 リヒテンシュタイン警察、顧客情報を盗み、ドイツ当 局に売り渡した元行員を国際手配 米連邦検察当局、元スイスUBS銀行員を脱税 ほう助で起訴 米上院公聴会で元行員が脱税手口を暴露 UBSは刑事訴追を逃れるため、米当局と和 解、米内国歳入庁(IRS)に顧客2,500人の情 報を提出。米当局は52,000人分を追加請求 G20でタックスヘイブンのブラックリスト公表へ スイス・リヒテンシュタイン、情報交換国際ルール受入れ UBS、IRSへ顧客情報4,500人分を提出 IRSの「自己申告すれば刑事責任不問」に対 し、UBS以外のリヒテンシュタインや英国金融機関 の米国人顧客が自己申告に殺到 G20(金融サミット)で「税の透明性と情報交 換の改善」を合意 MONTHLY NEWS LETTER 2009.12 43navi.com 43navi.com 43navi.com 43navi.com 43navi.com 43navi.com 43navi.com 43navi.com 43navi.com 43navi.com 43navi.com ●リヒテンシュタイン公国とは? スイスとオーストリアに囲まれた小国で、 EUには加盟せず、人口は3万5,000人に過ぎ ませんが、その存在はグローバルなビジネス を行なう企業にとっては「大きな存在」とか。 今年2月になり、UBSは刑事訴追を逃れるため に米内国歳入庁(IRS)に2,500人の顧客情報 を渡して和解。それでも、米当局は追及の手を 緩めず5万2,000人分を要求。UBSは「顧客の 情報開示は銀行秘密に抵触する」と抵抗。 <UBSの悪質な手口> 現金を手荷物扱いで! 米国で募集した代理人に出来高を約束し、富 裕層に狙いを絞って営業をかける。現金を手荷 物としてスイスに持ち込んで秘密口座を開設。 美術品や貴金属を秘密金庫に預けたり、海外の タックスヘイブンを経由するなど、代理人が資 産隠しのノウハウを伝授。 登記された法人数が人口の倍以上で、人口 の 過 半 数 を 外 国 人 が 占 め る 理 由 は、同 国 が タックスヘイブンであるから。 タックスヘイブンとは? 「租税回避地」のこと。合法的に租税回避できる よう法人税や所得税が免除もしくは著しく軽減 される国・地域。他の国と租税条約を締結してい ないため、課税関連情報を得にくい。欧州ではモ ナコとリヒテンシュタインが該当。両国は所得 税だけでなく、相続税や贈与税もない。 ●「小国イジメ」と皇太子の怒り! 王室を支えるリヒテンシュタイン家の資産規 模は欧州ではトップクラス。そのリヒテンシュ タイン家直系で、国家元首代行のアロイス皇太 子は、ドイツ当局の脱税捜査に対し「小国いじ めで容認し難い」と抗議。富裕層をクライアン トにする同国にとっては、信頼低下は死活問題 になりかねないことに。 裏サブプライムショック ●脱税摘発へ各国が協調! ドイツの脱税事件にとどまらず、世界的な広 がりを見せたことにも注目です。ドイツの発表 後、英国の捜査当局も密告者から情報を買った ことを明かし、さらに米国、オーストラリア、 フランスなど7ヵ国の当局も加わって、国際的 な脱税捜査に発展しました。 ●守秘義務神話のスイスに飛び火! さらに6月には、米連邦検察当局はスイス最 大手UBS銀行の元行員を脱税ほう助で起訴。 MONTHLY NEWS LETTER 2009.12 UBS 側は顧客に会うため、年延 べ4,000回近くも渡米しており、開設した口 座は約5万2,000で、2005年前後には秘密口 座の資産総額は148億ドルにも。 <LGTも関与> 公聴会で元行員が暴露! リヒテンシュタインのLGT銀行も積極的に関 与。「LGTから顧客への郵便物は、当局の注意を 引かないよう、リヒテンシュタインからは出さず スイスやオーストリアから出していた」とか。 ●背景には米国の財政事情も! ある調査では、タックスヘイブンに預けられ ている米国人の資産は3年間で68%も増加して い る と か。米 内 国 歳 入 庁(IRS)の 計 算 で は 2001年の税金赤字(徴収した額と徴収すべき だった額の差)は毎年3,450億ドルに上り、う ち1,000億ドルが国外に流出。 ●米国富裕層、自己申告に殺到! 米国内でのUBSの営業資格はく奪を突き付 けられたスイスは、1934年の銀行秘密法以来 の守秘義務を緩和。一方、IRSはタックスヘイ ブン利用者に対し、「猶予期間内に自己申告す れば、刑事責任は問わない」と発表。UBSやリ ヒテンシュタイン、英国の金融機関の米国人顧 客が自己申告に殺到したようです。 ●タックスヘイブンの終焉? 金融危機対策で、欧米諸国はUBS はじめ大手金融機関に公的資金を投入。各国に は税収確保という切羽詰まった事情もあり、 「税金で救われた金融機関が富裕層の脱税をほ う助するのは容認できない」との機運が。世界 中の富裕層にとっては、別な意味でのサブプラ イムショックと言えそう。 Copyright© Consulting Alpha, Inc. All Rights Reserved 43navi.com 43navi.com 43navi.com 43navi.com 43navi.com 43navi.com 43navi.com 43navi.com 43navi.com 43navi.com 43navi.com 国際税務調査、我が国事情 ●7月人事、金融庁と国税が! 日本でも、スイスや英国の金融機関が富裕層 向けにプライベート・バンキングを展開。金融 を監査する金融庁に国税庁が協力すれば、タッ クスヘイブンを使った脱税ほう助は把握し易く なります。7月の人事で東京国税局長が金融庁 の検査局長に就任。マルサ(国税局査察部)と 金融検査の距離は確実に縮まったとも。 ●国税庁HPで配信ドラマ!? 国税庁は10月末から、同庁のホーム ページで「国際的租税回避行為への対応~国際 税務専門官の仕事」なるドラマを配信していま す。税金や納税制度への理解を深めてもらおう との試みですが、先月9日からは、動画共有サ イトのYouTubeでも配信を開始。 ●中小企業や個人富裕層も対象! 「国際的租税回避行為」とは各国の税制や租税 条約の違いを巧みに利用して、租税負担を軽く しようとするもの。国際的な課税は、以前は大 企業や海外子会社が多い法人の問題でしたが、 近年、国際取引のすそ野が中小企業や個人富裕 層にも広がってきました。 ドラマ「国際税務専門官」 新興企業社長がタックスヘイブンのペーパー カンパニーを使って海外居住者を装い、自社株売 却益課税を逃れていたのに対し、国際税務専門官 が証拠をつかみ課税に至るというストーリー。 創業社長 株式 10億円 自社株上場前に、タックスヘイブン国に 出 国 し、そ の 国 の 居 住 者 に な っ た と こ ろ で、株を持ち出し、株の売却契約と株券の 引き渡しをして・・・と。しかし、自社株を買 い取らせると配当所得になってしまうか ら、グループ会社に借入をさせて買い取ら せよう。これで1億円かかるはずだった税金 はゼロ! 10億円はマルマル自分のもの! 人があり、②会社の看板もなく、現地社員もお らず事業活動の形跡がない。③年の半分以上、 同国に滞在しているが、生活の基盤はなく、リ ゾートホテルに長期滞在であることが判明。生 計一の家族の状況、社長自身の生活基盤、収入 から「日本の居住者」との判断に。 譲渡価額の10億円から取得費を差し引 いた残額に15%の所得税で1億4,000万 円。無申告で仮装隠ぺいのため、所得税に 40%で5,600万円の重加算税、他に地方 税が約5,000万円と延滞税が! ●国際化対応プロジェクトチーム 国税庁では、国際的課税回避行為に対応する ため、従来から主要な国税局に「国際化対応プ ロジェクトチーム」を設置し、体制を強化。大 阪局では昨年までの6年間で509億円を摘発。 <調査方法は?> 国内と違い反面調査ができ ないので、先ずは米国の民間調査機関(有料)を 使う。現地の長期滞在者が調査することも。租税 条約を締結している国では、相手国当局の了解が あれば、調査官が海外に反面調査に行くことも。 最近は国税局の調査官だけでなく、税務署の国際 税務専門官も、かなり海外出張に行っている。 租税条約とは? 正式名は「ニ重課税の回避及び脱税 防止のための条約」。現在56ヵ国と租 税条約が結ばれ、全国の国税当局は07年度、各国 と計29万4,000件に上る情報交換をしている。 租税条約を締結している国になら、調査委託 もできます。結果報告には時間がかかるとか。 ●「海外ならバレない」は誤解! 現在は100万円以上の海外からの送 受金があると、金融機関は取引内容が分かる調 書を税務署に提出する義務があります。ドラマ にもあるように、海外取引でも現地調査は行わ れます。安易な所得や資産隠しはご用心! (件) <送金資料から調査へ> 出国先で会社を設立、事 業遂行で今後1年以上滞在するという理由でその 国の居住者に。現地で売買契約締結と株券引き渡し 後、売却代金10億円が海外の社長の個人名義の預 金口座に送金され、「送金資料」から調査開始。 <相続税:海外資産関連調査の推移> ドラマでは、民間調査会社に現地調査を依頼 し、①設立した会社の登記上の所在地には別法 Copyright© Consulting Alpha, Inc. All Rights Reserved (億円) 400 500 407 364 400 308 297 300 225 225 100 0 100 200 237 212 155 83 90 14 15 197 129 136 16 17 148 100 47 H13 300 334 292 194 200 117 ●居住者、非居住者、実態は? 国際税務 専門官 0 申告漏れ課税価格 調査件数 18 19 (事業年度) 申告漏れ件数 MONTHLY NEWS LETTER 2009.12
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