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富裕層の税金天国、摘発へ国際包囲網!?
スイス銀行の秘密口座に風穴!?
国際税務調査最新事情!
海外資産の申告漏れが増加!
ュタイン
リヒテンシ 件
事
大脱税
●ドイツ史上最大の脱税事件!
発端は昨年2月のドイツの巨額脱税捜査。民
有化後、世界中に展開したことで一躍その名を
はせた郵便事業大手「ドイツポスト」のツム
ヴィンケル総裁の脱税(独史上最高額)が発
覚。その後10日間で約150人の捜索が行わ
れ、うち91人が租税回避を認め、計2,780万
ユーロ(約36億円)を納付。
●情報提供者に高額報酬!
タックスヘ
イ
秘密口 ブン
座?
欧米で富裕層が税務当局の動向を注視して
います。米国では税務当局がプライベート・バ
ンキングを使った資産隠しの摘発に成功。金
融危機後、国際的な脱税への批判が高まって
おり、我が国の投資家も他人事ではない?
ドイツでは事業家や著名スポーツ選手、芸能
人ら1,000人が税務当局の目を逃れ、総計40
億ユーロ(約5,200億円)をリヒテンシュタイン
内の秘密信託に預けていた疑いが浮上。
摘発の証拠資料はリヒテンシュタインの資産
管理運用グループ(LGT)の元従業員が盗んだ
顧客情報で、ドイツ当局は420万ユーロ(約5億
4600万円)で入手したとか!
<一国の脱税調査で終わらなかった!>
08/2月
発端はドイツ脱税事件
●鳩山首相、本音の失言!?
先月、APECでのシンガポール訪問時、世
界有数の富豪として有名なブルネイのボルキ
ヤ国王と会談した鳩山首相は、「国民が無税と
聞いた。日本国民も移住したがるだろう」と
発言。資源が豊かで所得税不要の同国を持ち
上げたものですが、株式所得の脱税疑惑や偽
装献金問題の渦中の首相の本音とも?
08/3月
08/6月
08/7月
09/2月
09/3月
●世界の富裕層に震撼走る!
09/8月
さて、富裕層と税金問題は切っても
切れない関係ですが、世界的な金融危
機をきっかけに、各国に国際的な資産隠しと
脱税を捕捉する動きが強まっています。
09/9月
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ドイツポスト総裁らへ脱税捜査、摘発へ
米・オーストラリアが、独のリヒテンシュタイン金融機関へ
の脱税捜査に合流し、合同捜査開始
スペイン、伊、仏が自国のリヒテンシュタイン口座保有
者の調査を開始
リヒテンシュタイン警察、顧客情報を盗み、ドイツ当
局に売り渡した元行員を国際手配
米連邦検察当局、元スイスUBS銀行員を脱税
ほう助で起訴
米上院公聴会で元行員が脱税手口を暴露
UBSは刑事訴追を逃れるため、米当局と和
解、米内国歳入庁(IRS)に顧客2,500人の情
報を提出。米当局は52,000人分を追加請求
G20でタックスヘイブンのブラックリスト公表へ
スイス・リヒテンシュタイン、情報交換国際ルール受入れ
UBS、IRSへ顧客情報4,500人分を提出
IRSの「自己申告すれば刑事責任不問」に対
し、UBS以外のリヒテンシュタインや英国金融機関
の米国人顧客が自己申告に殺到
G20(金融サミット)で「税の透明性と情報交
換の改善」を合意
MONTHLY NEWS LETTER 2009.12
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●リヒテンシュタイン公国とは?
スイスとオーストリアに囲まれた小国で、
EUには加盟せず、人口は3万5,000人に過ぎ
ませんが、その存在はグローバルなビジネス
を行なう企業にとっては「大きな存在」とか。
今年2月になり、UBSは刑事訴追を逃れるため
に米内国歳入庁(IRS)に2,500人の顧客情報
を渡して和解。それでも、米当局は追及の手を
緩めず5万2,000人分を要求。UBSは「顧客の
情報開示は銀行秘密に抵触する」と抵抗。
<UBSの悪質な手口> 現金を手荷物扱いで!
米国で募集した代理人に出来高を約束し、富
裕層に狙いを絞って営業をかける。現金を手荷
物としてスイスに持ち込んで秘密口座を開設。
美術品や貴金属を秘密金庫に預けたり、海外の
タックスヘイブンを経由するなど、代理人が資
産隠しのノウハウを伝授。
登記された法人数が人口の倍以上で、人口
の 過 半 数 を 外 国 人 が 占 め る 理 由 は、同 国 が
タックスヘイブンであるから。
タックスヘイブンとは?
「租税回避地」のこと。合法的に租税回避できる
よう法人税や所得税が免除もしくは著しく軽減
される国・地域。他の国と租税条約を締結してい
ないため、課税関連情報を得にくい。欧州ではモ
ナコとリヒテンシュタインが該当。両国は所得
税だけでなく、相続税や贈与税もない。
●「小国イジメ」と皇太子の怒り!
王室を支えるリヒテンシュタイン家の資産規
模は欧州ではトップクラス。そのリヒテンシュ
タイン家直系で、国家元首代行のアロイス皇太
子は、ドイツ当局の脱税捜査に対し「小国いじ
めで容認し難い」と抗議。富裕層をクライアン
トにする同国にとっては、信頼低下は死活問題
になりかねないことに。
裏サブプライムショック
●脱税摘発へ各国が協調!
ドイツの脱税事件にとどまらず、世界的な広
がりを見せたことにも注目です。ドイツの発表
後、英国の捜査当局も密告者から情報を買った
ことを明かし、さらに米国、オーストラリア、
フランスなど7ヵ国の当局も加わって、国際的
な脱税捜査に発展しました。
●守秘義務神話のスイスに飛び火!
さらに6月には、米連邦検察当局はスイス最
大手UBS銀行の元行員を脱税ほう助で起訴。
MONTHLY NEWS LETTER 2009.12
UBS 側は顧客に会うため、年延
べ4,000回近くも渡米しており、開設した口
座は約5万2,000で、2005年前後には秘密口
座の資産総額は148億ドルにも。
<LGTも関与> 公聴会で元行員が暴露!
リヒテンシュタインのLGT銀行も積極的に関
与。「LGTから顧客への郵便物は、当局の注意を
引かないよう、リヒテンシュタインからは出さず
スイスやオーストリアから出していた」とか。
●背景には米国の財政事情も!
ある調査では、タックスヘイブンに預けられ
ている米国人の資産は3年間で68%も増加して
い る と か。米 内 国 歳 入 庁(IRS)の 計 算 で は
2001年の税金赤字(徴収した額と徴収すべき
だった額の差)は毎年3,450億ドルに上り、う
ち1,000億ドルが国外に流出。
●米国富裕層、自己申告に殺到!
米国内でのUBSの営業資格はく奪を突き付
けられたスイスは、1934年の銀行秘密法以来
の守秘義務を緩和。一方、IRSはタックスヘイ
ブン利用者に対し、「猶予期間内に自己申告す
れば、刑事責任は問わない」と発表。UBSやリ
ヒテンシュタイン、英国の金融機関の米国人顧
客が自己申告に殺到したようです。
●タックスヘイブンの終焉?
金融危機対策で、欧米諸国はUBS
はじめ大手金融機関に公的資金を投入。各国に
は税収確保という切羽詰まった事情もあり、
「税金で救われた金融機関が富裕層の脱税をほ
う助するのは容認できない」との機運が。世界
中の富裕層にとっては、別な意味でのサブプラ
イムショックと言えそう。
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国際税務調査、我が国事情
●7月人事、金融庁と国税が!
日本でも、スイスや英国の金融機関が富裕層
向けにプライベート・バンキングを展開。金融
を監査する金融庁に国税庁が協力すれば、タッ
クスヘイブンを使った脱税ほう助は把握し易く
なります。7月の人事で東京国税局長が金融庁
の検査局長に就任。マルサ(国税局査察部)と
金融検査の距離は確実に縮まったとも。
●国税庁HPで配信ドラマ!?
国税庁は10月末から、同庁のホーム
ページで「国際的租税回避行為への対応~国際
税務専門官の仕事」なるドラマを配信していま
す。税金や納税制度への理解を深めてもらおう
との試みですが、先月9日からは、動画共有サ
イトのYouTubeでも配信を開始。
●中小企業や個人富裕層も対象!
「国際的租税回避行為」とは各国の税制や租税
条約の違いを巧みに利用して、租税負担を軽く
しようとするもの。国際的な課税は、以前は大
企業や海外子会社が多い法人の問題でしたが、
近年、国際取引のすそ野が中小企業や個人富裕
層にも広がってきました。
ドラマ「国際税務専門官」
新興企業社長がタックスヘイブンのペーパー
カンパニーを使って海外居住者を装い、自社株売
却益課税を逃れていたのに対し、国際税務専門官
が証拠をつかみ課税に至るというストーリー。
創業社長
株式
10億円
自社株上場前に、タックスヘイブン国に
出 国 し、そ の 国 の 居 住 者 に な っ た と こ ろ
で、株を持ち出し、株の売却契約と株券の
引き渡しをして・・・と。しかし、自社株を買
い取らせると配当所得になってしまうか
ら、グループ会社に借入をさせて買い取ら
せよう。これで1億円かかるはずだった税金
はゼロ! 10億円はマルマル自分のもの!
人があり、②会社の看板もなく、現地社員もお
らず事業活動の形跡がない。③年の半分以上、
同国に滞在しているが、生活の基盤はなく、リ
ゾートホテルに長期滞在であることが判明。生
計一の家族の状況、社長自身の生活基盤、収入
から「日本の居住者」との判断に。
譲渡価額の10億円から取得費を差し引
いた残額に15%の所得税で1億4,000万
円。無申告で仮装隠ぺいのため、所得税に
40%で5,600万円の重加算税、他に地方
税が約5,000万円と延滞税が!
●国際化対応プロジェクトチーム
国税庁では、国際的課税回避行為に対応する
ため、従来から主要な国税局に「国際化対応プ
ロジェクトチーム」を設置し、体制を強化。大
阪局では昨年までの6年間で509億円を摘発。
<調査方法は?>
国内と違い反面調査ができ
ないので、先ずは米国の民間調査機関(有料)を
使う。現地の長期滞在者が調査することも。租税
条約を締結している国では、相手国当局の了解が
あれば、調査官が海外に反面調査に行くことも。
最近は国税局の調査官だけでなく、税務署の国際
税務専門官も、かなり海外出張に行っている。
租税条約とは?
正式名は「ニ重課税の回避及び脱税
防止のための条約」。現在56ヵ国と租
税条約が結ばれ、全国の国税当局は07年度、各国
と計29万4,000件に上る情報交換をしている。
租税条約を締結している国になら、調査委託
もできます。結果報告には時間がかかるとか。
●「海外ならバレない」は誤解!
現在は100万円以上の海外からの送
受金があると、金融機関は取引内容が分かる調
書を税務署に提出する義務があります。ドラマ
にもあるように、海外取引でも現地調査は行わ
れます。安易な所得や資産隠しはご用心!
(件)
<送金資料から調査へ> 出国先で会社を設立、事
業遂行で今後1年以上滞在するという理由でその
国の居住者に。現地で売買契約締結と株券引き渡し
後、売却代金10億円が海外の社長の個人名義の預
金口座に送金され、「送金資料」から調査開始。
<相続税:海外資産関連調査の推移>
ドラマでは、民間調査会社に現地調査を依頼
し、①設立した会社の登記上の所在地には別法
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(億円)
400
500
407
364
400
308
297
300
225
225
100
0
100
200
237
212
155
83
90
14
15
197
129
136
16
17
148
100
47
H13
300
334
292
194
200
117
●居住者、非居住者、実態は?
国際税務
専門官
0
申告漏れ課税価格
調査件数
18
19
(事業年度)
申告漏れ件数
MONTHLY NEWS LETTER 2009.12