WING DAILY(毎週月−金曜発行、祝日休刊) 第1937号 2009年(平成21年)6月26日 金曜日 (1) WING DAILY 【HEADLINE NEWS】 ★EADS、日本法人「EADSジャパン」設立へ 欧州航空宇宙・防衛大手、欧州勢が日本市場で攻勢 欧州の航空宇宙・防衛大手EADSが、日本法人「EADS ジャパン株式会社」を設立することが複数の関係者の話で分 かった。近く正式に発足する。EADSはかつて日本法人を設 立していたものの撤退。しかしながら今回、日本市場の民間 航空および防衛市場のマーケティングと販売をサポートする ことなどを目的に日本市場へ再展開する。 EADSの傘下にはエアバス、ユーロコプターといった有力 な航空機メーカーがあるほか、宇宙を担当するEADSアスト リウム、そしてEADSディフェンス&セキュリティーといっ た部門がある。 既にエアバスとユーロコプターはそれぞれ日本法人を設立 して、そのプレゼンスを確立。エアバスの機体は日本の航空 会社フリートの一部を担い、ユーロコプターは防衛を除く官 公庁および民間市場において57%のマーケットシェアを誇 り、360機以上が日本の空で運航している。 しかしながらこれまでの日本市場はどちらかといえば米国 よりに推移してきた。EADSが再び日本に拠点を構えてマー ケティングと販売をサポートすることで、米国の強固な牙城 が築かれている日本の航空・防衛市場を、欧州勢が切り崩し を図る。 民間分野で日本の定期航空会社はスターフライヤーが A320のフリートを構築しているが、その他の定期航空会社 はボーイング機中心のフリート構成。防衛分野でも自衛隊は 政治関係・日米同盟もあって米国製品が主流だ。しかしなが ら、防衛分野ではユーロコプター製品の採用が進む事例も出 ており、陸上自衛隊要人輸送用EC225が導入されており、 最近では海上自衛隊の訓練機としてEC135の採用が決定、 年内にも導入される予定となっており、一部米国主流の日本 市場切り崩しが始まっている。 今後とくに、防衛分野では大きな商戦として航空自衛隊の F-4後継機のFX選定が行われているなかで、欧州ユーロ ファイターも有力な候補機の1つ。ドイツ法人となっている ユーロファイター社にEADSは46%の資本参加を行い、英国 BAEシステムズと伊国フィンメカニカとパートナーを組んで 同機の開発に当たった。FX選定においてもEADSジャパン が新たに参戦することによって攻勢を強めるか注目されると ころ。 また昨今の航空宇宙分野の研究開発分野でも欧州との連携 は深まっており、例えば、エアバスは今年のパリ国際航空 ショーで宇宙航空研究開発機構(JAXA)と、複合材料の分 野における研究開発で協力する合意書を締結した。エアバス が日本の航空宇宙研究機関と研究開発における協力合意書を 交わしたのは今回が初めて。両者間で共同研究が決定してい Airline & Aviation E-mail News 発行所 航空新聞社:W I N G D A I L Y 編集部 〒1 0 7 - 0 0 5 2 東京都港区赤坂 4 - 8 - 6 赤坂余湖ビル3 階 TEL(03)3796-6647 FAX(03)3796-6643 URL=http://jwing.com [email protected] 購読料半年33,600円年間63,000円(消費税含む) るのは、複合材製造技術のVaRTM(VacuumassistedResin TransferMoulding)に関する評価手法と、複合材の新しい 評価法である非破壊検査(N D I :N o n - d e s t r u c t i v e inspection)の2分野。今回の協力関係構築を皮切りに、両 者はその分野においても、航空宇宙産業で活用できる革新的 な技術を探求し、協力関係を拡大していくこととした。 さらに日仏間では、静粛超音速機(SST)の共同研究開発 を進めているほか、防衛省で開発を進めている先進技術実証 機「心神」のステルス性の確認試験についてもフランスで試 験を行うなど、現状ではまだまだ少ないものの、研究開発分 野でも徐々に日欧航空宇宙関係は多分野で関係が深まってい る。 EADSジャパンが設立されることで、日本と欧州の航空宇 宙・防衛関係にどのような変化をもたらすか、今後の動向が 注目されるところ。 【航空関連ニュース】 ★羽田スロット懇談会、地域の活性化に焦点 権益外便は相当する枠を確保すべき 航空局は25日、2010年に拡張される羽田空港の国内線ス ロット(発着枠)の配分について検討する「羽田空港発着枠 の配分基準検討懇談会」の第4回目を開催した。今回論点と なったのは、発着枠の配分を決定する評価方式についてや、 60席以下の小型航空機乗り入れについてのほか、権益外便 の維持などについて。 評価方式については、04年につくられた評価基準では今 回の評価には適当でない項目があるなど、基準項目の精査の 必要性について意見が述べられた。新たに加える評価基準と しての意見には、地方ネットワーク維持の見解から乗継運賃 の価格や、環境面に対する配慮のほか、ロードファクターな どが提案された。04年の前回には大手2社に対して評価方式 が採用されたが、今回は新規会社に対しても同様に評価方式 を採用する旨の意見が出された。しかし経営基盤が安定して いないことを踏まえた新規優遇枠の考え方を踏まえ、新規会 社には固有項目を設けるなど何らかの措置が必要などといっ た議論が行われた。また地域活性化枠として、地方就航路線 を運航する航空会社を優先して発着枠を配分することは必要 であるとしている。 これまで認められていなかった60席以下の小型旅客機の 発着は、ほとんどの意見で検討が必要ということになった。 もともと発着枠が足りないところからスタートした前回とは 違い、大幅な増枠による発着枠の配分が行われることが理由 だが、地方ネットワークを維持する意味と、羽田未就航空港 との路線確保の可能性などを考慮した結果となった。 権益外便の運航の継続についても、それに相当する発着枠 は維持するべきと、おおむね意見がまとまっている。実態と WING DAILY(毎週月−金曜発行、祝日休刊) 第1937号 2009年(平成21年)6月26日 金曜日 (2) して地方路線のネットワーク維持と早朝深夜の運航ダイヤに よる利便向上に大きく貢献しているが、最大の理由は地域と 航空会社の努力によって運航されてきた当該便は、地域活性 化に最大限寄与しているとして、委員たちから意見が出され ている。 同懇談会は次回、報告書(素案)の検討といった内容で7 月2日に行われる予定。地域のネットワーク維持と活性化に 主眼を置いた今回の結果から、次回は地域活性化枠の設置と 新規会社への優遇措置を踏まえた評価方式の導入といった方 向性が妥当であり、小型旅客機の発着と権益外便の維持につ いては前向きに検討されることとなりそうだ。大手2社と新 規会社との発着枠のバランスなど引き続き激しい議論となる ことが想定される。 配分決める評価方式を新規会社へ適用を検討 機材の小型多頻度化時代に沿った評価項目を 前回から議論されている評価方式については、コードシェ アの実施状況、乗継割引の設定状況、羽田の路線撤退状況な どが対象で、地方の活性化に貢献するほど高い評価としてい る。これらのほかに提案された項目は、事故や重大インシデ ントの実績や、定時運航率などのほか環境面などについても 評価するべきという提案があった。 一方、前回大手2社に対して行った評価方式の中に、羽田 空港の発着枠1枠当たりの輸送人員が増加しているか否か、 という評価に関しては、今後使用機材の小型多頻度化を進め ようとする航空会社にとっては時代にそぐわないものとし て、削除を求める意見が多く出された。 評価項目の検討に当たって大手2社は、効率性の基準につ いて疑問を投げかけ、路線ごとに状況が異なるとして、多角 的に整理することが必要だと提言。最も重要なことは利用客 にとっての利便性であるとし、慎重に評価を行うよう呼びか けた。 また前回評価方式を採用しなかった新規航空会社だが、今 回は同様に評価方式を採用する可能性について検討が行われ た。オブザーバーとして参加した新規航空会社に意見が求め られると、ほとんどが経営基盤の脆弱さなどを理由に何かし らの優遇措置は必要との見解を示した。 航空会社の発着枠を決める評価方式の基準として04年に 決められた項目は、利用者利便の向上、航空会社の効率的な 経営促進、発着枠の効率的な使用などといった観点からの評 価項目となる。 利用者利便向上に関する評価項目は、旅客キロ当たりの旅 客収入が5年間で低下しているか、死亡事故が過去5年間で 発生していないか、低需要路線の便数が5年間で増加してい ること、ナイトステイを実施している空港の数が5年間で増 加していること、羽田空港の幹線以外の路線便数割合が50 %を超えていること、前回配分全体で幹線以外の路線便数割 合が50%を超えていることになる。航空会社の効率的な経 営促進に関する項目は旅客キロ当たり営業費用が5年間で低 下しているか、従業員1人当たりの営業収益が5年間で増加 しているか、が基準となる。発着枠の効率的な使用について は、羽田の発着枠1枠当たりの輸送人員が5年間で増加して いるかが評価の対象に。またその他として、行政処分を5年 間で受けていないことが基準になる。 60席以下機材の就航歓迎、地域活性の見解から 小型機だけが可能な発着枠の検討も視野に 60席以下の小型旅客機について、現在のところ羽田空港 では離発着が認められていないが、今回の増枠に当たって検 討されている。従来羽田の発着枠に余裕がなく、小型旅客機 による運航は効率性に欠けるとの判断から、このような措置 がとられてきたが、大幅に増枠することから見直す案が出て いる。 地方活性化という観点から考えれば、小型旅客機の羽田発 着が可能となることによって、多頻度化への期待や、羽田未 就航の空港とをつなぐ可能性が浮上することなどから、委員 たちから積極的に検討していき、トライアルの価値があるな ど歓迎する意見が多く挙がった。 航空会社からも、路線をセットに考慮するべきと前提した 上で、収益性が創出できる可能性もあるとして、期待感を示 す意見が出たほか、今回の増枠数である1日37便とは別枠で の検討なら歓迎するなど、反対意見もあった前回とは異なり 前向きな意見が目立った。 これまで行われた懇談会では、羽田は増枠してもなお足り ないという意見もあったが、小型機ならではの速度、旋回能 力、低騒音性などの特長を生かした、小型機のみの新たな経 路や進入方式などを検討し、事前に発表されている発着枠年 間40.7万回化のほかに、別途発着枠が加算できる可能性の検 討について指摘されている。 ★エアーネクスト、成田国際空港運航許可下りる ANKの成田−福岡の1往復を7月より運航へ 国土交通省の運輸審議会では、エアーネクスト(NXA) からの成田国際空港への運航許可申請事案について審議の結 果、許可することが適当との結論に至り25日、国土交通大 臣に対して答申した。これは去る6月4日に国土交通大臣か ら運輸審議会に対して諮問があった。 NXAは成田−福岡空港間の国内定期航空運送事業を経営 するため今回の申請を行っており、現在エアーニッポン (ANK)が運航している当該路線の1日2往復のうち1往復を 7月1日から運航しようとするもの。 ★成田5月、新型インフル影響で内際線旅客数13%減 国際線日本人は17%減、外国人旅客は21%減と大幅な減少 成田国際空港の5月の空港運営状況(速報値)がまとまっ た。それによると、内際線合計の旅客数は前年同月比13% 減の236万115人と新型インフルエンザの影響もあって大き く落ち込んだ。とくに国際線の落ち込みが激しく、国際線の 旅客数は14%減の228万8741人となった。一方、国内線の 旅客数は2%減の9万1374人とわずかながら減少に留めた。 国際線旅客のうち、日本人旅客数は17%減の114万5033 人、外国人旅客数は21%減の57万8570人とそれぞれ大きく 減少した。通過客は47%増の54万5138人だった。 また、貨物取扱量は昨年から続く不況の影響で低迷。積 込・取卸の合計量は21%減の27万7170トンと大きく減少し WING DAILY(毎週月−金曜発行、祝日休刊) 第1937号 2009年(平成21年)6月26日 金曜日 (3) ている。 そのうち積込は28%減の12万5745トンで、内訳は35%減 の8万7055トン、仮陸揚は7%減の3万8690トンだった。 一方、取卸は15%減の15万1425トンで、うち輸入分は18 %減の11万4065トン、仮陸揚は5%減の3万7360トンだっ た。 航空機の発着回数は内際線合計で3%減の1万5838回と なっている。 国際線の発着回数は3%減少して1万4614回となってお り、国際旅客便の発着回数は1%減の1万2690回、貨物便は 16%減の1749回、その他の航空機発着回数は22%減の175 回となった。 国内線の発着回数は8%増加して1224回となっており、旅 客便が7%増の1177回、その他の便は21%増の47回。 ★NAA、エジプトの空港近代化で運営準備とマネージメント支援 成田国際空港会社(NAA)は、政府開発援助(ODA)の 円借款事業として、エジプトのボルグ・エル・アラブ国際 空港の近代化に関して、日本空港コンサルタンツと業務提 携をして参画している。そのうち、NAAが空港の施設運営 準備と空港マネージメント支援業務を実施することになっ た。 NAAが実施する支援は、包括的なマネージメント、財務 経営管理、運用管理、保守維持管理、そしてスタッフ教育 などその他空港運営支援業務。 実施期間は今年5月から、2010年12月までで、4名の人員 を派遣している。 【防衛関連ニュース】 ★OPRF、日米シーパワーダイアログによる提言まとめる 安全保障環境のため武器輸出緩和や集団的自衛権行使も 海洋政策研究財団(OPRF)は、日米シーパワーダイア ローグによる提言「海洋の安定と反映のための日米同盟の シーパワー」をまとめた。それによると、海洋安全保障確 保の観点から、開発途上国への援助を効果的にすること と、日米技術開発協力を促進するために、日本は武器輸出 三原則を緩和すべきとしている。 さらに、今後想定される紛争などに対処すべく、PKOお よびその他の国際平和活動に能動的な参画ができるよう に、集団的自衛権行使を可能にするために早急に憲法解釈 の問題を解決すべき、などと提言した。 なお、海洋政策研究財団は、この提言を防衛省や外務 省、経済産業省、米海軍などの日米各関係機関に提出して いる。 今回、このような提言を海洋政策研究財団がまとめるに 至った背景には、海洋が人類に対して繁栄をもたらす可能 性を秘めている一方で、安全保障や開発、環境面などで多 くの問題が生じているため。さらに、海上自衛隊と米海軍 が築いた海上の安全保障協力を基盤に、新たな概念を盛り 込んだ「同盟シーパワー」を確立、これを公共財として世 界に提供し、海洋を通じて世界の平和と繁栄に貢献すべき と考えたためだとしている。 これまでに、海洋政策研究財団はパシフィックフォーラム CSIS、CNAS、AEIと共に3回に亘って「日米シーパワーダ イアローグ」を開催。ダイアローグを通じて、日米同盟が直 面している課題や海洋問題への取組みのあり方を議論、その 成果をまとめて今回の提言に至った。 防衛と安全保障、GMP・航行安全活動をインド洋へ ソマリア沖活動の推進は多国間体制構築の好機 具体的な提言の中身のうち、海洋における防衛と安全保障 に関する提言では、インド洋・太平洋においてグローバル・ マリタイム・パートナーシップ(GMP)を支持して米国と 共にGMP活動をインド洋・太平洋において強化すべき、と している。 さらに、日本はマラッカ・シンガポール海峡、その他の周 辺で実施している航行安全のための支援活動をインドと連携 の下、インド洋に向けて延伸すべきとも提言した。 また、日本はアフリカ東沿岸地域で支援活動を実行してい るアメリカと可能な形で協力を進めるべきことと、ソマリア 沖で展開している海賊対処への国際的な取組みへの日本の参 加は、日米のみならず、EU、ロシア、中国などとも直接 的・間接的に協力できる機会を得ることになるため、国際公 共財としてシーレーンの安全確保のための多国間体制を構築 する好機だと指摘した。 武力紛争備え日米同盟の海上防衛力維持・展開を 米軍再編問題や第5空母航空団移転を早急に 危惧される武力紛争事態への共同態勢の確立について提言 では、日米は近い将来において発生が危惧される資源・エネ ルギー争奪や国家管轄水域の境界画定などを巡る国家間紛争 の事態を念頭に、海洋安全保障の見地から武力紛争を未然に 防止すると共に発生に際して行動で対処する態勢を日米安全 保障条約に従って整えておく必要があると指摘。覇権を求め る国が海洋に進出しパワーバランスを崩す事態に備えて日米 同盟の強固な海上防衛力を維持・展開すると共に、諸国と協 力して常続的な情報・監視・偵察(ISR)態勢を整えるべき ともしている。 また、抑止やシーレーン防衛力などを含む海上戦略を遂行 する上で、日米双方の関係機関の役割、任務、機能、基地整 備を検討すべきとした上で、日本に対して在沖縄米軍基地の 再編計画に関する諸問題を速やかに解決し実行に移すことを 求めた。 さらに、日本は米国の第5空母航空団の岩国移転、日本本 土近辺における恒久的な離発着訓練施設の確保を早期実現す べきと提言した。 気候変動などを起因として安全保障環境が悪化することも 想定されるため、日米は他国や国際機関と連携して想定され る事態の発生可能性と対応を研究すべきなどともしている。 そして提言は、日本が責任を持って行動を実施するため に、集団的自衛権行使を可能にできるよう、さらにPKOや 他の国際平和活動により能動的に参加できるよう、憲法解釈 の問題を解決すべきことにも踏み込んでいる。 WING DAILY(毎週月−金曜発行、祝日休刊) 第1937号 2009年(平成21年)6月26日 金曜日 (4) 海洋国家連合、閉鎖的にせず賛同国家で緩やかに 西太平洋で韓国・豪国と協力を、対テロ戦でインドと協力 海洋国家連合の構想では、海洋安全保障を国際協調により 確保すべく、日米同盟シーパワーを閉鎖的なものとせずに、 同盟シーパワーに賛同する国家と共に、緩やかな海洋国家合 を構築することを提唱した。そこで、西太平洋では韓国、 オーストラリアとの協力体制を構築し、インド洋では対テロ 戦などの観点から日米双方はインド洋からアジア太平洋に伸 びるシーレーンの安全確保に努力すべきとしてインドとの協 力関係構築を追求すべきとした。 なお、安全保障以外の観点に提言は踏み込んでおり、資源 開発と海洋技術の開発と調査研究にも言及している。日米双 方が、資源・エネルギー、そして食料の枯渇に備えるべく、 海底・大陸棚に蓄積している非生物資源・海の生物資源、海 水資源、エネルギー開発に先駆的な役割を果たすべきと提言 した。そこで、環境保全に配慮して開発・利用活動の推進と 雇用の増大に取り組む「ブルー・ニューディール」政策を展 開、世界的経済不況からの脱却を図るべきなどともした。 ★防衛省改革実施計画の改訂版を発表 「防衛会議の法律上の新設」は6ヶ月以内に実施 防衛省は6月24日、「防衛省改革の実現に向けての実施計 画」改訂版を発表した。今回の計画書改訂版は、昨年8月提 出の実施計画からの、21年度予算成立と防衛省設置法改正 法の国会成立などを踏まえ、進捗状況、今後の工程などを加 えている。 この中で、重要な確定事項として昨年8月の計画書では21 年度概算要求としていた事項の『抜本的な組織改革』の中の 「防衛会議の法律上の新設」、「防衛参事官制度の廃止およ び防衛大臣補佐官の新設」について、去る5月27日に参議院 本会議で「防衛省設置法等の一部を改正する法律案」が成立 したことを受け、関連法令の整備とあわせ、今後6ヵ月以内 に実施することを決定している。 また、22年度組織改革については、昨年12月に取りまと めた「22年度における防衛省組織改革に関する基本的考え 方」に基づき、具体的内容を引き続き検討、8月末に概算要 求を行う。 「防衛会議の法律上の新設」とは防衛大臣の補佐体制を強 化し、文民統制の徹底を図るため、従来は訓令で設置されて いた防衛会議を法律で明確に位置づけすることにより防衛会 議の実効的な活用を図る。 更に法制化されることで防衛会議の変更点として、防衛 省・自衛隊に関する重要事項について、防衛大臣などの政治 任用者、文官、自衛官の3者が審議し、防衛大臣の政策決定 及び緊急事態対応を補佐することとする。 「防衛参事官制度の廃止と防衛大臣補佐官の新設」につい ては、形骸化している防衛参事官制度を廃止し、防衛省、自 衛隊に関する重要事項について防衛大臣に進言などを行う政 治任用の「防衛大臣補佐官」を3人以内で新設するというも ので、防衛大臣が、防衛に関する高い見識を有する者を任用 する。 22年度に防衛力整備部門の一元化など実施へ 地方調達の見直し、装備調達第3者チェックも 22年度組織改革として取りまとめられている点は(1) 「防衛政策局の機能強化」(2)「統合幕僚監部の機能強 化」(3)「防衛力整備部門への一元化」(4)「管理部門 及び人事、教育・訓練部門における施策」の4点で、(3) では防衛力整備の全体最適化を図るため、防衛力整備部門を 整理・再編し防衛力整備事業等を取り扱う新たな部門を創設 するという。 そのほか主な変更点として、ソマリア沖アデン湾海賊対処 問題や船舶検査法が絡む「防衛省と他省庁とりわけ海上保安 庁との関係」と明記、内閣官房と連携しつつ国全体として対 処能力を向上させる必要がある点から、中央の実務レベルに おいて平素から運用面での連携や役割分担に係わる議論を行 うとともに、地方レベルでの連携も強化するため訓練を実施 するなど連携強化を強調している。 また「地方調達の全面的見直し」として本年度~22年度 までに中央・地方調達データの一元化など管理を行うための システムについて設計に関する部外委託調査を実施し、構築 する。 また「装備調達における独立性の高い第3者チェック体制 の確立」として、今まで主に調達の実施段階においてチェッ クを行っていた防衛調達審議会は、本年度から、新たなイン センティブ契約制度など、総合取得改革推進プロジェクト チーム報告書に基づき講じられている施策の運用状況につい てもチェックを行い、必要に応じては第3者チェック体制を 強化する。 【海外メーカーニュース】 ★RR社、EASAからBR725エンジン型式証明取得 G650は年内初飛行へ、BR725量産は2010年 ロールス・ロイス(RR社)は24日、BR725エンジンが EASAの型式証明を取得したと発表した。BRE725エンジン は、今年初飛行を迎えるガルフストリームG650に搭載され る。今後、2010年にBR725エンジンの量産を開始し、2012 年にはG650の運航開始が計画されている。 BR725エンジンは昨年4月から運転試験を開始。これまで に既に1100時間の累計運転時間、3500エンジンサイクルを 記録している。運転試験は、ロールス・ロイスのダービー工 場やドイツのダーレヴィッツ工場、NASAジョン・C・ステ ニス宇宙センター内のロールス・ロイス屋外エンジン試験施 設で実施した。 G650は2005年にプログラムを開始。その後、BR725は昨 年3月に同機のエンジンに選定された。一時、MRJのエンジ ン候補にも挙がったエンジンで、当時エンジン選定にあたっ た三菱重工は、プラット&ホイットニー社製のギアド・ター ボファン(GTF)を選定、同エンジンは現在、PurePower 1000Gとなっている。 なお、BR725エンジンのファン直径は50インチ、24枚の チタン製ファンブレードで構成され、Trentエンジンのス ウェプトファンの技術が導入されている。 WING DAILY(毎週月−金曜発行、祝日休刊) 第1937号 2009年(平成21年)6月26日 金曜日 (5) 【海外エアラインニュース】 ★欧州委員会、DLHとブリュッセル航空の合併を承認 ルフトハンザドイツ航空(DLH)によると、欧州委員会 は、このほどブリュッセル航空との統合を承認した。欧州 委員会は、初期段階として、DLHがブリュッセル航空の親 会社「SNAirholdingSA/NV」の株式45%を取得するほ か、2011年までに残りの55%の株式を取得し完全統合する ことを許可した。 欧州委員会の承認を受け、DLHのヴォルフガング・マイ ヤーフーバー会長兼CEOをはじめ、新たに3名が「SN AirholdingSA/NV」の取締役員会メンバーに加った。 両社はすでに、スターアライアンスの加盟航空会社とし て、欧州域内線のコードシェアや組み合わせ運賃、ラウン ジの相互利用で提携しているほか、今年10月末からマイ レージ制度をDLHの「マイル&モア」に一本化する。 ★DLH、英国・航空の株式、過半数を追加取得 ルフトハンザドイツ航空(DLH)は、このほど、英国の ブリティッシュミッドランド航空の株式の過半数を追加で 取得することを発表した。DLHは、7月1日付で35%の出資 をする持ち株会社「LHBDHoldingLimited」を通して、ブ リティッシュミッドランド航空の発行済株式総数の50%プ ラス1株を約4800万ポンドで取得、ブリティッシュミッド ランド航空のマイケル・ビショップ会長に対して、bmi株の 権利放棄対価として、1億7500万ポンドを支払う予定。 DLHは、必要な運航権の取得後、LHBDの出資比率を100 %に増加することを予定している。なお、ブリティッシュ ミッドランド航空はロンドン・ヒースロー空港の発着枠を 11%以上所有している。 ★米系6社2009年5月輸送実績 北米系航空大手6社の2009年5月の輸送実績が発表され た。各数値は以下の通り(RPM:有償旅客マイル、ASM: 座席有効マイル、L/F:ロードファクター、カッコ内は前年 同月比)。 ◆アメリカン航空(AAL) 【全路線】 RPM:103億8075万マイル(11.7%減) ASM:131億1491万マイル(8.8%減) L/F:79.2%(2.6ポイント減) 【太平洋路線】 RPM:4億5566万マイル(6.7%減) ASM:5億8338万マイル(1.1%増) L/F:78.1%(6.5ポイント減) ◆コンチネンタル航空(COA) 【全路線】 RPM:75億3256万マイル(9.0%減) ASM:93億847万マイル(8.8%減) L/F:80.9%(0.3ポイント減) 【太平洋路線】 RPM:6億2587万マイル(4.8%増) ASM:8億9033万マイル(13.6%増) L/F:70.3%(5.9ポイント減) ◆デルタ航空(DAL) 【全路線】 RPM:158億5340万マイル(9.7%減) ASM:192億6692万マイル(7.9%減) L/F:82.3%(1.6ポイント減) 【太平洋路線】 RPM:13億5747万マイル(31.6%減) ASM:18億3222万マイル(20.5%減) L/F:74.1%(12.1ポイント減) ◆ユナイテッド航空(UAL) 【全路線】 RPM:95億4086万マイル(12.3%減) ASM:119億2111万マイル(10.2%減) L/F:80.0%(1.9ポイント減) 【太平洋路線】 RPM:16億8481万マイル(21.4%減) ASM:23億8882万マイル(12.7%減) L/F:70.5%(7.8ポイント減) ◆エア・カナダ(ACA) 【全路線】 RPM:35億4600万マイル(10.4%減) ASM:43億7600万マイル(6.7%減) L/F:81.0%(3.3ポイント減) 【太平洋路線】 RPM:6億1700万マイル(14.2%減) ASM:7億4400万マイル(7.8%減) L/F:82.9%(6.2ポイント減) 【旅行関連ニュース】 ★「いつも通り安心して旅行を」−観光安全宣言 金子大臣が正式発表、国内外の自粛ムード払拭 金子一義国土交通大臣・観光立国担当大臣は6月26日の閣 議後会見で、新型インフルエンザを理由に旅行を自粛する必 要はなく、誰もがいつも通りに安心して旅行してほしいとす る『観光安全宣言』を、観光立国担当大臣名で正式に発表し た。とくに、これから夏休みの旅行シーズンを迎えることか ら、国内ならびに海外に対し、「いつもどおりに(日本へ の)旅行をお楽しみ下さい」とのメッセージを明確に発信 し、国内旅行および訪日旅行の自粛ムードを早期に払拭した い考えだ。 今回発出されたのは、『観光立国担当大臣からのメッセー ジ~新型インフルエンザを理由に旅行を控える必要はありま せん~』と題する文書。このなかで、新型インフルエンザの 感染防止は国民の大きな関心事だが、5月22日に改定された 政府の基本的対処方針では、外出や集会、スポーツ大会等の 自粛を要請しないこととされていることを説明した。 また、6月25日現在の国内感染者989名のうち、664名(約 67%)が既に治癒しており、最も患者数が多く発生した関西 地方でも、平常を取り戻しつつある中で、兵庫県、神戸市、 京都府など、独自に安心宣言を行っている自治体もあるとし WING DAILY(毎週月−金曜発行、祝日休刊) 第1937号 2009年(平成21年)6月26日 金曜日 (6) た。 その上で、新型インフルエンザは、今後ある程度の感染拡 大は避けられないと考えられ、引き続き警戒を怠らないこ とが必要としながらも、宿泊施設における消毒液の設置など の感染防止に向けた各種取組や、旅行者による手洗い・うが い等の励行、適切な体調管理によって、「旅行先で感染する 可能性は極めて低くなるものと考えている」と説明してい る。 したがって、新型インフルエンザを理由として旅行を自粛 する必要はなく、基本的に感染防止の取組を個々に取ること で、平時と同様に安心して旅行していただけるものと認識し ている、との見解を表明した。 その上で、「これから夏休みの季節でもあります。国民の 皆様方におかれましては、いつもどおりに旅行をお楽しみ下 さい」と呼びかけた。 一方、海外向けに発出するメッセージは、上記の日本国民 向けのメッセージをシンプルにし、各国語に翻訳した上で、 日本政府観光局(JNTO)本部および海外事務所から海外向 けに発出する。 とくに、来る7月1日からは、中国での個人観光ビザの発 給が開始され、これを契機とした訪日旅行の増大も期待され ている。新型インフルエンザによる訪日旅行の手控え傾向 が、アジア各国を中心に強まっていることから、今回のメッ セージ発信によってイメージ払拭と早期の需要回復を目指す 方針だ。 なお、海外向けに発出する大臣メッセージの全文は以下の 通り。 【日本国観光立国担当大臣からのメッセージ~新型インフ ルエンザを理由に旅行を控える必要はありません~】 今回の新型インフルエンザ(A/H1N1)については、海外 における発生当初より、日本国政府全体で様々な対策に全力 で取り組んできたところです。既に、我が国では感染者の大 部分が治癒しております。 したがって、新型インフルエンザを理由として旅行を自粛 する必要はなく、基本的に感染防止の取組みを個々に取るこ とで、平時と同様に安心して旅行していただけるものと認識 しております。 これから旅行シーズンを迎えます。皆様方におかれまして は、いつもどおりに日本への旅行をお楽しみ下さい 2009年6月26日 日本国観光立国担当大臣 金子一義 ★JATA、訪日外客増加へ9項目の要望書提出 共同企画への助成など現状打開策も緊急提言 日本旅行業協会(JATA)の外国人旅行委員会は6月25 日、大きく9項目に及ぶ「訪日外国人客の増加に向けた要望 書」をまとめ、観光庁に申し入れを行った。要望事項は、訪 日ビザ緩和、MICE、教育旅行、各種データ拡充など多岐に 渡るが、このうちビザ緩和では、特区制度を活用し、中国人 の沖縄訪問について査証免除の実証実験を行うことを要望し た。また、インバウンド市場を巡る昨今の厳しい状況を受 け、官民一体となった現状打開策として、富裕層・教育旅 行・ハネムーンなどの有望市場を対象とした集中プロモー ションや、共同企画商品への助成、世界観光サミット(仮 称)の日本開催などを合わせて緊急提言した。 外国人旅行委員会は、昨年6月以降、①個人型商品開発 チーム、②リサーチ・航空開発チーム、③人材育成チーム、 ④MICE・訪日教育旅行促進チーム−−の4チームを組織 し、訪日旅行を促進する上で障壁となる課題の検討などを進 めてきた。今回、各チームから上がってきた提言事項を要望 書としてとりまとめたもの。 6月25日には、田辺豊外国人旅行委員長(農協観光社長) をはじめとするJATA関係者が観光庁を訪れ、平田徹郎国際 交流推進課長に要望書を手渡した。平田課長は本紙に対し、 「訪日旅行市場が大変厳しい状況下にある中で、JATAとし ても真剣な検討を行っており、提言を踏まえて対応を検討し たい」と述べた。 要望書の冒頭で、JATAは、2010年の1000万人、2020年 の2000万人という訪日外客目標達成に向け、旅行業界とし ても総合的かつ計画的な取組を推進する方針を改めて表明。 現況の市場環境は非常に厳しいものの、独自性や優位性に優 れた日本ブランドの発信によって訪日外客を増加させること は可能として、厳しい現状を打破するためにも、要望事項の 速やかな実現を求めた。 要望した9項目は以下の通り。 ▼VJC市場への査証緩和 ▼MICEに関わる公的施設の使用条件の緩和 ▼訪日教育旅行の受入相談窓口の充実と公立校の積極的な受 入態勢に向けての環境整備 ▼業界が望むビジネス上必要なデータの情報開示および新規 取得の推進 ▼主要駅ターミナルの貸切バス乗降場所の確保 ▼入国審査の簡素化・柔軟な対応化による「日本の玄関」と してのイメージアップ ▼主要空港における際内ハブ機能や旅行会社カウンタース ペースの充実化およびハブ空港や主要駅の案内機能の充実 ▼外国における日系旅行会社の営業活動の規制緩和 ▼その他 特区活用で中国人沖縄訪問客のビザ免除を提案 教育旅行の申込ひな形作成、訪日データ拡充も 具体的な内容をみると、まず第一にビザ緩和では、アジア で訪日ビザが免除されている国が少なく、韓国や台湾のよう に短期滞在時の訪日ビザを免除するよう求めた。その際、少 なくともVJC対象市場(中国、タイ、マレーシア、ロシア、 インド)について、早急に緩和措置をとるよう求めたほか、 中国については特区制度を活用し、沖縄訪問時のビザ免除を 実証実験として行うことを要望した。 第二に、MICE関連では、美術館・博物館等の公的施設 や、市庁舎などの特別感のある施設を開放してレセプション を行うケースが海外では多いが、日本の場合、目的外使用の 制限や規制が強く、利用手続きが煩雑で、開放されない施設 も多いとして、使用条件の緩和を求めた。また、公的施設で は、予約受付開始が1年前からなどと遅く、ネックになって いるとして、全国で早期(2~3年以上または無制限)に予 WING DAILY(毎週月−金曜発行、祝日休刊) 第1937号 2009年(平成21年)6月26日 金曜日 (7) 約できる国際会議施設のデータを作成・公開することを要望 した。 第三に、訪日教育旅行では、2006年9月に訪日教育旅行受 入マニュアルが策定され、取組が進んでいるものの、全国的 には温度差があり、旅行会社が受入先を探すのが困難な状況 にあると指摘。このため、全国協議会を活性化させて地域の 受入促進協議会をサポートし、成功事例などの情報共有を図 るほか、全国共通の申込のひな形を作成するよう求めた。ま た、魅力あるプログラムの内外への情報発信を強化すべきと した。 第四に、データ関連では、日本政府観光局(JNTO)が毎 年行っている訪日外客調査は、標本数が約1万5000人と少な く、調査地点も限られるとして、標本数の増加と、地方の調 査カ所拡大を検討するよう求めた。また、EDカードについ て、渡航目的の記入欄を改良し、観光については個人・団体 の別や、MICE関係を加えるほか、日本への訪問回数や移動 手段・宿泊予約方法などを記入する覧を新たに設けることを 提案した。 第五に、主要駅ターミナルの貸切バス乗降場所の確保で は、東京駅、品川駅において、利便性や安全性を考慮した貸 切バス用の乗降場所の確保を求めた。この問題は、長年にわ たる懸案事項であり、未だに東京駅では、徒歩20分程度も かかる「鍛冶橋駐車場」まで大きな荷物をかかえての移動を 強いられている。 成田の国内線拡充、羽田に旅行社カウンターを 富裕層や教育旅行対象に集中キャンペーン提案 第六に、入国審査の簡素化等では、自動化ゲートのさらな る活用を図るため、同ゲートに関する広報を強化するよう要 望した。昨年末時点で、外国人による自動化ゲート利用登録 者は1万2900人に留まっている。また、大型のMICE開催時 には、専用レーンを設けることを要望したほか、地方空港・ クルーズ寄港地等での弾力的な入国審査官の配置等を求め た。 第七に、主要空港のハブ機能強化では、欧米豪路線は成 田・関空・中部に集中しているが、中核となる成田では国内 線のハブ機能がほとんどなく、成田−羽田の乗り継ぎ負担が 大きいとして、成田の国内線充実を要望した。また、2010 年の羽田国際化および24時間化を受け、国際線旅客ターミ ナルビルに旅行会社のカウンター設置スペースを確保するよ う求めた。また、ハブ空港や主要ターミナル駅の「ビジッ ト・ジャパン案内所」では、その地域のみならず日本各地の 案内が行える体制整備が必要としたほか、スタッフの外国語 研修や国際マナー教育の体系的推進を要望した。 第八に、中国における日系旅行会社の営業活動の規制緩和 として、中国国民のアウトバウンド旅行の取扱解禁に向けた 働きかけの継続を求めた。 第九に、昨今の世界的経済不況 などによる訪日旅行需要の減少傾向を踏まえ、3項目を緊急 提言した。まず、現況下で有望なセグメントへの集中プロ モーションとして、中国、香港、オーストラリア、シンガ ポール等における富裕層・教育旅行・ハネムーン市場等を ターゲットに据えることを提案した。その場合、旅行業界と しても、連携した商品造成などを行うことが可能と提案し た。 また、「桜キャンペーン」のようなテーマを定め、各社が 企画を持ち寄る形での共同企画商品の造成を提案。その際、 国やJNTO等から広告・パンフレット・グッズ・ロゴ・サイ ト造成・翻訳等の助成について検討してほしいと要望した。 さらに、世界の観光大臣等が集う「世界観光サミット」 (仮称)など、日本が世界に誇れる国際イベント、会議、ス ポーツイベント等の開催や誘致について、積極的に検討する ことを提言した。 【組織・人事】 ★新明和、7月1日付けで財務部新設 経理財務部を経理部に、役員・部長級人事 新明和工業は7月1日付で本社に財務部を新設する。これ までの経理財務部の一部機能を移管する。また、経理財務部 は経理部に改称する方針。財務部長には取締役執行役員で監 査室長の水田雅雄氏が収入する予定だ。 (7月1日付) ▼取締役執行役員社長室長兼人事総務部長(取締役執行役員 社長室室長)遠藤圭介 ▼取締役執行役員兼財務部長(取締役執行役員兼監査室長) 水田雅雄 ▼執行役員CSR・品質保証統括本部長兼監査室長(執行役 員CSR・品質保証統括本部長)石井雅治 ▼経理部長(経理財務部長)中川佳治
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