テーマ 月見 「中秋の名月」と 月見について

 中秋の名月というと、まん丸の満月と思っている人が多いのではない
でしょうか。
ところが、実は中秋の名月は必ずしも満月とは限らないので
す。
これには、
月と地球と太陽の位置が関係しているためです。
月が地球の周りを回る通り道は正確な円ではなく、少しゆがんだ楕円(だえん)
になっています。
そのため、地球に対して月は近くなったり遠くなったりするわけです。
この時に、月のスピードが変わ
り、満月になる日が15日からずれるのです。
それと、月齢と日付のタイミングにも関係します。
月齢は
新月(月が見えないぐらい細くなった日)を0として数えた日数のことで、月の満ち欠けを表す数値
のことです。
ちょうど新月になる時から、ちょうど満月になる時までにかかる
日数はきちんと15日ではなく、平均14.
76日。
ちょうど新月になった時が8
月1日のどの時間になるかによって8月15日が満月になるか、ならないか
が決まります。
この2つの理由で、8月15日が満月前にも満月後にもなり、
天文学でいう満月とは同じにならないのです。実際にはほとんど満月のよ
うに見えるので、
ちがいはあまりわかりません。
ちなみに今年の旧暦の8月15日は9月12日で、満月
になります。中秋の名月の出は18時8分。
日の入りは18
時32分なので、少し青みの残った東の空にぽっかりと
真ん丸な満月が上ってくるのが見られるでしょう。
中秋の名月が
満月じゃない時もある!
教えてくれた人 長崎市科学館 業務グループ 大島裕さん
月は私たちにとって、
とても身近な天体です。毎日見え
方が変わっていく様子は見ているだけで楽しめます。望
遠鏡を使うとクレーターの様子も見ることができます。科
学館の大型望遠鏡で月を見てみませんか。
所 長崎市油木町7−2 ☎ 095・842・0505 開 9時半∼17時
テーマ 月見
ちゅうしゅうのめいげつ
「中秋の名月」と
月見について
長崎市では、新地中華街を中心に
「中秋節」
(ちゅ
うしゅうせつ)の行事が開かれています。
この中秋節
は中国の三大節句のひとつで、
日本ではお月見に当
たります。
月見は中国が発しょうの
地。
月餅
(げっぺい)
を食べて月をめ
でる風習だそうですが、日本ではお
そなえにススキの穂(ほ)とお団子
の組み合わせをよく目にします。
旧
暦
(きゅうれき)
の8月15日は、秋の
季節(旧暦での7月から9月)のちょ
うど中間であるところから中秋と言
われるようになりました。