砂糖の秘密 ∼べっこうあめ作り

楽しい実験、工作
家庭にあるものを使った実験を紹介
(しょうかい)
し、身近な現象に興味、関
心を持たせるコーナーです。
砂糖の秘密
∼べっこうあめ作り
砂糖の変化を見ながら おいしいあめを作ろう
砂糖は、紀元前2000年ごろには、
すでにインドで使われていたようで
す。
日本には、奈良時代に鑑真和上(がんじんわじょう)
によって伝えられた
と言われています。長崎街道が
「砂糖の道(シュガーロード)」
と言われてい
たように、長崎は日本でも古くから身近に使われていた地域です。今回は、
その砂糖を使って
「べっこうあめ」
を作ってみましょう。
砂糖の働き
砂糖には、
いろいろな働きがあります。
食品
に甘(あま)
みをつけるだけでなく、果物に混
ぜてジャムなどにしたり、
砂糖漬
(づ)
けなどに
使用したりするように、防腐(ぼうふ)作用が
あるため日持ちをよくする働きがあります。
餅菓子
(もちがし)
など、
デンプンに働くと柔
(やわ)
らかく保つ効果があります。
パンなどを
作る時に利用するように、
イースト菌
(きん)
の
発酵
(はっこう)
を促進
(そくしん)
する働きもあ
ります。
準 備 す る も の
砂糖(今回は上白糖を使用)、水、
フライパン、
アルミホイル(レンジ用のクッキングシートでも可)、
さいばし、
スプーン、つまようじ
作 り 方
1 フライパンに砂糖を入れる。
5
色が黄色っぽくなってきたら、火から下ろし、
スプー
ンなどで、
アルミホイルの上に適当な大きさのかたまり
を数個作る。
そこにつまようじを置く。持つ部分として
半分ほど出しておく。
砂糖の種類
科学的な分け方のほかに、材
料、
製法などの違
(ちが)
いによっ
て、
いろいろな種類があります。
2 少量の水を加えてよく溶(と)
か
す。
3 弱 火∼中 火で、
さいばしなどを
使ってかき混ぜながら加熱する。
4 泡(あわ)
が出てきたら弱火にし、
かき混ぜながら変化を見る。
※火から下ろしても、
フライパンは熱いので、変化
は進みます。茶色っぽくなったら、苦くなります。
ア
ルミホイルにサラダ油を薄(うす)
く塗(ぬ)
っておく
と、後ではがしやすくなります。
冷えて固まったら、
アルミホイルからそっとはがして
6
完成!
※火を使うので、大人と一緒(いっしょ)
にやけどし
ないように注意して作ってください。
※溶けた砂糖は高温になっています。火から下ろ
しても十分注意してください。
砂糖が、熱によって分解(熱分解)
され、
カラメル
(べっこうあめ)
になってきます。
さらに熱を加えると、
二酸化炭素、水、炭素になってしまいます。
なぁんだ!
なるほど!
温度変化の目安
どろーっとし
105℃ 小さな泡がたち始める。
たシロップ状になる。
140℃ ねばりが出て、泡が小さくなる。黄
色っぽく色がつき始める。
115℃ 大きな泡になる。急に冷やすと、白
い衣状の砂糖(フォンダン)
になる。
160℃ 黄金色になる。急に冷やすとべっこ
うあめになる。
120℃ このあたりから、
カラメル化してくる。
カラメル化してく
190℃ 茶∼焦茶色になり、
る。苦みが出る。
やってみよう
食紅を使って色に変化を付けたり、
かわいい型に流し込(こ)
んだりして、
オリジナルのべっこうあめを作ってみてください。
そのほか、使う砂糖の種類を
替(か)
えたり、
フライパンの代わりに玉じゃくしを使用しても、
自分流のべっこ
うあめを作ることができますよ。
教えてくれた人 長崎市科学館 業務グループ 岩倉範壽さん
「長崎市科学館では春の企画展
(きかくてん)
『 服部正志の衝撃
(しょうげき)
!
3Dアート展
∼とびだす魔法の絵画∼』
を開催(かいさい)
しています。カメラを使ってトリック写真を撮
(と)
りませんか? ぜひ遊びに来てください」
所 長崎市油木町7−2 ☎ 095・842・0505 開 9時半∼17時