ウスバキトンボ ︵トンボ科︶ こんちゅう 最速の飛行昆虫トンボ 超高速飛行と空中停止の技で 弱肉強食の生物界を生き残る 最速の飛行昆虫 水中戦から空中戦へ アキアカネ (オス、 トンボ科) 地球上で最初に空を飛んだ生き物は昆虫だと言 われています。 トンボの仲間は、 その中でもカゲロウ の次に原始的なグループですが、 すぐれた飛行能 力を持っています。 自在に動かせる4枚の羽によっ て、昆虫最速クラスの飛行スピードと、 ヘリコプター のように空中でピタリと止まるホバリング能力を手 に入れたのです。 ベッコウトンボ(オス、 トンボ科) トンボの飛び方 ほかの昆虫は羽をそろえてはばたきますが、 トンボは前ばねと後ろばねを別々に 動かすことができます。 さらに、飛行中はあしを折りたたんでいます。 カブトムシなどが あしを大きく広げ、姿勢を起こした状態で飛ぶことを考えると、 トンボの方が空気の 抵抗(ていこう) が少なく、速く飛ぶのに適した飛び方だと分かります。 トンボの子どものヤゴは、池のような流れのない水の中で暮 らしています。 すぐれたハンターで、伸(の) びるアゴを使って虫 や小魚、 両生類などをとらえます。 サナギにはならず、 水面によじ 上って羽化し、 空中戦に適したトンボの体になります。 特に日本 最大のトンボ 「オニヤンマ」 は空中戦が大得意で、 なんとあのス ズメバチをもしとめることがあります。 トンボは毒を持っていない コヤマトンボの幼虫 のですが、 その飛行能力のおかげで、実はとても強い昆虫なの (ヤゴ、エゾトンボ科) です。 トンボを捕まえたら、 からだのつくりやはたらきを観察してく ださい。 そしてできるだけ逃してあげましょう。 教えてくれた人 長崎市科学館 科学教育グループ 大場亮さん 「長崎市科学館の秋の企画展 (きかくてん) 『とぶを科学する』 の最終日 (12月4日) まで 残りわずか。 ダヴィンチのヘリコプターや羽ばたき飛行機など不思議な形をした展示もあ りますが、 本当に飛べるのか? 飛ぶためには何が必要なのか?という疑問の答えは、 身 近にいる飛ぶ生き物たちの形や動きにヒントが隠 (かく) されているかもしれません」 所 長崎市油木町7−2 ☎ 095・842・0505 開 9時半∼17時
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