猫のリンパ腫 - ハート 動物病院

Heart Animal Hospital
猫のリンパ腫
ハート動物病院
Heart Animal Hospital
リンパ腫とは?
定義は・・・
「固形臓器に発生するリンパ系悪性腫瘍」

発症年齢には2つのピークがあります。
①約2歳齢 ②約10∼12歳齢


FeLV(猫白血病ウイルス)、FIV(猫免疫不全ウイル
ス)に感染していると発症率が高くなります。
・リンパ腫の猫の約70%がFeLVに感染しています。
・①はFeLV陽性、②は陰性が主で、FeLV感染の低下に
より若齢での発症は減少しています。
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症状
発生部位により症状は様々です。
以下の症状が見られたら要注意!
 多中心型…全身のリンパ節の顕著な腫脹
 消化管型…食欲不振・体重減少・嘔吐・下痢
 縦隔洞型…呼吸困難、発咳、吐出
 節外型
眼…盲目・滲出物・羞明
赤字:猫に多い
腎臓…多尿多渇・貧血
神経…様々な神経症状
鼻咽頭…くしゃみ・鼻汁・いびき・顔面の変形
皮膚…単発性または多発性の皮膚病変
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血液検査
血液学的異常
貧血、白血球増加、好中球増加、単球増加
末梢血液中の異常リンパ系細胞など
血清化学的異常(猫より犬で一般的)
PTHrp産生による腫瘍随伴性高Ca血症
高ガンマグロブリン血症
末梢血リンパ球数の増加
大型リンパ球
核の異型性
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診断は細胞診で
病変のある臓器やリンパ節の針吸引生検
(FNA)による細胞診を行います。
均一な大型の未熟リンパ系細胞集団が認めら
れるのが特徴です。
細胞は通常大型で、核-細胞質比の低下、粗
いクロマチンパターン、明瞭な核小体などが認
められます。
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症例 ‒縦隔洞型縦隔洞型リンパ腫が疑われた症例です。
13歳、オス(去勢)
元気・食欲消失、呼吸速拍
レントゲン検査
・軽度の心肥大 ・左肺水腫
・胸水貯留
呼吸改善の為に胸水を抜水
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治療
リンパ腫には化学療法が比較的有効です。
・多剤併用プロトコール COAP
C:シクロフォスファミド A:シトシンアラビノシド
O:ビンクリスチン P:プレドニゾロン
化学療法に関して以下が報告されています。
 化学療法により約65∼75%は症状が改善
 多剤併用により多くは6∼9ヶ月生存し、20%は1年以上生存
 治療が行われない場合の生存期間は約4∼8週
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参考文献
 SMALL ANIMAL INTERNAL MEDICINE
/ Inter Zoo 監訳:長谷川篤彦・辻本元
• 他