News Letter トピックス 大きく変わった役員報酬・役員賞与の 徹底的チェック(その2) 税理士法人 中央総研 理事長 小 島 興 一 (公認会計士・税理士) ∼届出すれば役員賞与も損金に算入される!∼ 2006年5月1日に導入された会社法は、役員に対して毎月支払われる役員報酬とともに盆や暮れなどに 臨時に支払われる役員賞与も職務執行の対価であるとし、定款や株主総会の決議によってその額を定める ことが必要であるとしています。 そのため、企業会計では、『役員賞与はその発生した期間の費用として処理する』(企業会計基準第4号) こととし、役員報酬とともに損益計算書の費用に計上するように改正されたことに伴い、法人税法も次の 二つのケースに限り、役員賞与を一定の条件のもとで損金の額に算入することが認められました。 1. 事前に税務署へ届出をした役員賞与(事前確定届出給与) (1)事前確定届出給与のアウトライン 役員に対して毎月定額に支払う役員報酬以外に、盆や暮れに臨時的に支給する給与を『役員賞与』 とよんでいますが、この役員賞与は、従来税法では使用人兼務役員に支給した使用人相当額の賞与以外 は損金の額に算入されませんでした。 しかしながら、平成18年4月1日以降開始する事業年度から、会社が『誰に、いつ、幾ら』支払う かを事前に定めた書面を所轄の税務署長へ届出した場合には、定期同額に該当しない臨時的に支給され る役員賞与であっても、損金の額に算入されることになりました。 (2)事前確定届出給与の届出期限 この制度のポイントは、『誰に、いつ、幾ら』支払うかを事前に定めておいて、『事前に届出する』 ことが条件ですから、下表の日までに届け出ることが必要です。 ① その給与に係る職務の執行を 役員賞与を 損金に算入 開始する日 ①、②のうち いずれか するための 早い日までに 事前届出の 提出期限 ② その事業年度開始日から 3ヵ月を経過する日 11 News Letter もともと、役員給与(役員報酬や役員賞与)は定時株主総会から次の定時株主総会までの間の職務 執行の対価ですから、ここでいう『その給与に係る職務の執行を開始する日』というのは、役員として 選任された定時株主総会の開催日のことです。 そうなると、役員の職務執行期間に役員賞与を『誰に・いつ・幾ら』支払うかは株主総会で決める ことになるわけですから、実務上は事前届出を行う期間は株主総会の当日一日しかないということにな ります。 この事前確定届出給与を12月決算の事例で具体的に図示すると次の通りです ケースA(12月決算:定時株主総会を3月26日に開催) 定時株主総会開催日である3月26日と会計期間開始日から3ヶ月を経過する日である3月31日のい ずれか早い日である3月26日までに、次のように6月に150万円と12月に200万円の役員賞与を支給する 旨の届出を行い、かつ、届出の通り支給した場合には、不相当に高額でない限り、全額が損金の額に算 入されます。 150万円と200万円 200万円 150万円 いずれも全額損金 算入!! 100万円 1月 6月 12月 届出 ケースB(ケースAの届出額と支給額が不一致の場合) ケースAの届出を行った会社が、業績が芳しくないことを理由に6月の支給額は100万円に12月の支 給額は150万円に減額した場合は、事前の届出とは不一致ですので、100万円と150万円の合計額250万円 全額が損金の額に算入されません。 100万円と150万円 150万円 いずれも全額損金 100万円 不算入!! 100万円 1月 6月 12月 届出 12 News Letter 2. 有価証券報告書に記載した役員賞与(利益連動役員給与) (1) 利益連動給与のアウトライン 同族会社でない法人が、業務執行役員に対して支給する利益連動給与で次の要件を満たす給与は、 損金の額に算入されます。 ① その事業年度の利益に関する指標(有価証券報告書に記載を条件) を基礎とした客観的なものであること 利益連動賞与を 損金に算入する ための要件 ② 事業年度開始から3月経過日までに株主総会決議または監査役会設置 会社における取締役会決議などを経ていること ③ 利益に関する数値が確定した後1月以内に、損金経理により支給して いること (2)中小企業への適用の可否 役員賞与は儲かった時に支給するという考え方に支配されています中小企業の経営者にとって、事 前に役員賞与を決めておいて届出をすることにかなり抵抗感があると思います。 しかし、中小企業経営者にとって馴染みやすい利益連動賞与は、同族会社には、適用はありません。 その上、非同族の中小企業も有価証券報告書を作成していませんので、この制度は適用されないことに なります。 以上 13 News Letter ビジネスマッチング情報 ご紹介企業の概要 会 社 名 ㈱ダイセキ環境ソリューション お取引店 柴田支店 当社は土壌汚染問題のトータルソリューション企業として、汚染土壌の調査から浄化処理までの一貫体制を特徴とし、 あらゆる土壌汚染リスク対策へのお手伝いをいたします。 土壌汚染対策専業で唯一の上場企業として、責任を持って対応いたします。 〈土壌調査〉 〈土壌浄化処理〉 ①ボーリング調査 ③名古屋リサイクルセンター ⑤セメント原料化加工作業 ②分析 ④横浜リサイクルセンター ⑥汚染土壌浄化施設(愛知県認定) 〈セールスポイント〉 ダイセキ環境ソリューションは土壌汚染リスクに関するご相談に対し、最適の対策をご提案いたします。 1. 土壌汚染リスクとは 汚染土壌が拡大し、周辺(地域)環境へ影響を及ぼしてしまう (賠償責任へ発展する) リスク。 資産としての土地が、本来の価値を失うリスク。 ただし土壌汚染リスクとは、 その存在を認識することによって、将来に向けたリスク拡大を未然に防止できます。 2. 土壌汚染対策とは 土壌汚染対策とは、調査により汚染状況を把握し、拡大する可能性があれば適切な対策を、汚染状況が確定すれば改善処理を計 画的に行うことです。所有地を売却する段階では、多くの場合、売り手責任としての対応が求められますが、汚染の状況によっては、 必ずしも土壌の入替を要すことではありません。 3. 低コスト化に努力しています ボーリング機器を始めとする調査機器、分析機器、 スタッフを自社保有していますので、 スピーディーかつ低コストな調査を実現しています。 掘削除去した汚染土壌は、加工処理後セメント原料として再利用します。リサイクルを徹底することにより、環境への配慮とともに 土壌処理の低コスト化を実現しています。 4. 安心してお任せいただけます 土壌汚染対策のコンサルティングから現地調査・分析・土壌処理まで、 自社で一貫して対応しています。 産業廃棄物の最終処理までを当社が責任をもって行います。 土壌指定調査機関[環 2003-1-164] 汚染土壌浄化施設認定[愛知県 第2号] I SO14001[JQA-EM2116] 5. 当社の詳細についてはインターネット上でご覧いただけます ホームページアドレスhttp://www.daiseki-eco.co.jp/ 東証マザーズ(証券コード1712) 14 14 News Letter ご紹介企業の概要 会 社 名 猪村工業㈱ お取引店 浄心支店 園児などの描いた絵を、ペンタッチそのままに一枚一枚手作り感覚で特殊染料プリントで加工します。 幼稚園、保育園などの各種行事やイベントの記念品に最適です。 〈商品紹介〉 エコバック 枕カバー Tシャツ エプロン 〈セールスポイント〉 4. 受け手の企業のメリット 保護者に喜んでいただけるあなたの園だけの世界に一つの 記念品ができ、他の園との差別化が図れます。 1. 具体的な商品・技術・サービス内容 園児の描いた絵などを、ハンカチ、Tシャツ、 エコバック、 エプ ロン、枕カバー などに、特殊染料プリントで一枚一枚特殊プ リント加工し、一生の園児の記念品をお作りします。 5. HPアドレス 幻の子供服ティッシュくん http://www.rumia.com/ 2. 提供する商品・技術・サービス・価格面での優位性 特殊染料プリントですので、色落ちやヒビ割れもせず、 プリン ト部分のベタベタ感もなく、素材の風合いを全く損ないません。 半永久的な記念品になります。園児のペンタッチの息使い がそのまま表現される希少な記念品となります。 6. 紹介先の具体的な業種・規模・地域など 他の園との差別化を図りたい幼稚園・保育園などの教育機関 3. 最低取扱いロット 1枚から ご紹介させていただきましたお取引先の商品や製品等にご興味のある方は営業統括部情報開発グループま でご連絡ください。 また、本コーナーでは自社の商品や製品等についてご掲載希望のお客さまも募集しております。下記連絡 先までご連絡ください。 (なお、応募の状況や内容によってはご希望にそえない場合がございます。予めご了承ください。) 連絡先 営業統括部 情報開発グループ フリーダイヤル 0120-809-515 受付時間 平日9:00∼17:00 15 15 News Letter ゐ 亥年の政治と経済 −過去の亥年の政治・経済情勢− 過去の亥年を振り返ってみますと、伊勢湾台風や阪神・淡路大震災など、大きな被害をもたら した自然災害が発生しました。一方で、昭和22年の日本国憲法の施行や昭和46年の円の大幅切り 上げなど、時代の転換点となる出来事が多くありました。また、カップヌードルやファミリーコ ンピュータの発売など、その後のライフスタイルに大きな影響を与える新製品も、数多く登場し ました。 ● 政治面では、昭和22年に日本国憲法が施行され、近代日本への第一歩を踏み出しました。ま た、参議院選挙は、昭和22年に第1回目が行われ、以降、亥年は統一地方選挙の年となってい ますが、昭和46年、昭和58年には革新知事が、平成7年にはタレント知事が誕生して話題と なりました。 ● 経済面では、昭和46年のカップヌードル、昭和58年のファミリーコンピュータ、平成7年のウ ィンドウズ95など、社会に大きな変化をもたらした新製品が数多く発売されました。また、 昭和46年には、ニクソンショックから始まり、新しい国際通貨秩序としてのスミソニアン体 制がスタートしたほか、第一銀行・日本勧業銀行の合併や平成7年には大和銀行ニューヨーク 支店巨額損失事件、東京協和・安全2信組救済で東京共同銀行が発足するなど、金融業界に関 わる出来事も多く起こりました。 ● 社会面では、昭和22年にキャスリン台風、昭和34年に伊勢湾台風が来襲、昭和58年には三宅 島の大噴火や日本海中部地震、平成7年には阪神・淡路大震災など、自然災害が多発しており、 関東大震災も大正12年の亥年でした。また、平成7年にはオウム真理教による地下鉄サリン事 件が発生し、社会に大きな衝撃を与えました。一方で、昭和34年に児島明子がミス・ユニバー スに輝き、平成7年には野茂英雄投手がアメリカ大リーグで活躍するなど、日本人が世界の舞 台で注目されました。 ● 科学技術面では、昭和10年に東京−ベルリン・ロンドン間に無線電話が開通、昭和34年には トランジスタテレビの開発、昭和46年に国際テレビ電話の実験成功など、情報通信技術が発 達し、平成7年はパソコンや携帯電話が急速に普及した年でもありました。 今年の干支の“亥”は、イノシシです。古くから人間と関わりがあり、家畜化されたイノシシ は豚として世界中で広く飼育されています。それだけに、イノシシにまつわる伝承や物語も数多 く残っており、イタリア・フィレンツェには「幸運の猪」という銅像もあるなど、ヨーロッパで は勝利や幸運の象徴となっています。 まっすぐに突進するイメージが強いイノシシですが、実は2mの柵を飛び越えたり、急旋回も できるなど機敏な動きをみせます。また、イノシシは泳ぎが得意で、嗅覚は特に優れているとい われていますので、大きな変革の波が予想される亥年には、イノシシのごとく機敏な動きで対応 し、業績を飛躍させて幸せを呼び込みたいものです。 16 16 News Letter (ひのと・ゐ) いん ● 十二支は、中国の殷時代(紀元前16世紀∼11世紀)、すでに用いられていたといわれ、当初は1年12カ月 じっかん きのえ きのと を表わしていました。その後、漢時代(紀元前202∼紀元220)に、日の順序を表わす十干 (甲 、乙 、 ひのえ ひのと つちのえ つちのと かのえ かのと みずのえ みずのと 丙 、丁、戊、己、庚、辛、壬、癸)と組み合わせ、年を表わすのに用いられるようになりました。十 干と十二支で60の組合せができ、これを干支といい、60年で一巡することを還暦といいます。 ね うし とら う たつ み うま ひつじ さる とり いぬ ゐ ● 十二支を子・丑・寅・卯・辰・巳・午・ 未 ・申・酉・戌・亥と12種類の動物に擬するようになったの は、中国の戦国時代(BC403∼221)で、庶民を十二支に親しませるために始められたといわれます。 ● 十二支は、さらに方角や時刻をも表わすようになり、辰巳の方角(南東)とか丑三つ時(午前2時∼2時 30分)などのように用いられるようになりました。 ● 干支は甲子(きのえ・ね)から始まり、平成19年は23番目の丁亥(ひのと・ゐ)にあたります。丁は十 干の4番目、陰陽五行では火の陰の意味になります。亥は十二支の12番目、陰陽五行では水の陰の意味 になり、時刻では現在の午後10時およびその前後2時間、方角ではほぼ北北西を指します。 ● 干支を用いる暦(陰暦)は、6世紀半ばにわが国に渡来し、以後、明治6年に太陽暦が公式に採用される までの約1,300年の間、日本人の生活のリズムとなってきました。 ● 陰陽五行説のほかにも、九星や二十八宿などのさまざまな説が干支と組み合わされて非常に複雑な暦が 作られ、これにより、運勢や相性の吉凶が占われていました。こうした説に迷信や風習などが加わって、 さまざまな縁起やタブーが根付いていきました。 ● 永年にわたり日本人の生活に深く関わっている縁起やタブーは、無意識のうちに心の中に刻み込まれて います。たとえば、昭和41年には丙午(ひのえ・うま)を嫌って出生率が低下しましたし、土用の丑の 日に鰻を食べる風習も残っています。また、相性を気にすることがあるなど、干支は、われわれの実生 活の中で、今なお生きています。 〔イノシシにまつわる言葉〕 ◎肥猪拱門(ひちょきょうもん) 中国のことわざで、太った猪(豚)が門を押し開けて入ってくるという意味。よいことが重なって 向こうからやってくることのたとえ。 ◎猪突 勇(ちょとつきゆう) イノシシのように向こう見ずに突進する勇士の形容、後先かまわず突進すること。“ ”は、おお きなイノシシや、イノシシがまっしぐらに走る様子を表した字。 ◎十月亥の日に餅を食えば万病を除く 旧暦の十月の亥の日、亥の刻に「亥の子餅(いのこもち)」を食べると、万病を除き、子宝にも恵 まれるという言い伝え。 出典:成語林(旺文社)他より 17 17
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