（１９）四季報平成１８年１２月４日（月４回・月曜日発行）週刊平成６年１１月２４日第三種郵便物認可第５０４号ビル業界四季報株式会社サワノコーポレィション " 大野ビルオフィス " 大野ビルディング株式会社２１東京都足立区日ノ出町２５―６東京都渋谷区渋谷３−１８−８ ★会社概要 ★会社概要代表取締役大野武設立昭和４５年事業内容貸ビル業代表取締役澤野喜信設立平成元年事業内容レンタルオフィス経営資本金１０００万円 ★代表ビル概要 ★代表ビル概要名称 PERSONAL OFFICE２１所在地足立区日ノ出町２５―６敷地面積２４６．５７延床面積４７４．６４規模地上４階構造ＡＬＣ造竣工平成元年６月 ! ! ★入居テナント PERSONAL OFFICE２１ ★沿革現代表取締役である澤野氏は、長年勤めていた建築系会社を定年の約１０年前にして辞職し、「脱サラ」という形でレンタルオフィス事業を立ち上げた。事業を始めるにあたり、当時は更地であった、現在ビルが建つ土地を購入するが、平成元年当時は、レンタルオフィスそのものが知られていなかった上、どの程度採算がとれるかというデータも無かったため、銀行に借り入れを申し出るにあたっては、苦戦を強いられた。開業後も、なかなか入居者が集まらなかったが、新聞社勤務の友人が記事として扱ってくれるなどの協力をしてくれたおかげで情報が広まり、平成６年頃から軌道に乗り始めた。同ビルは、１階がレンタルオフィス受付と、自社で経営しているコインランドリー、２階・３階がレンタルスペース、４階が物置となっている。なお、４階の物置は、申し込みをすれば、レンタルスペースとしての利用も可能である。 ★ビル経営「PERSONAL OFFICE２１」は、２．９m から４．４m の部屋を合計７１室備えたレンタルオフィスである。各部屋は、施錠された壁間仕切りの完全個室制となっており、現在は６０室ほどが稼動中。３６５日、昼夜使用可能であることに加え、仮眠マットも各室に設置。独立企業のための事務所から、地方会社の東京出張所、また仮眠可能な利点を使って遠距離通勤者の簡易宿泊施設にするなど、用途は幅広い。「徒歩５分先の北千住駅からですと、終電を逃しても、タクシーを使って帰宅するより、当社の部屋を借りた方が安上がりになることも多いようです。一回のタクシー代より、月額契約料金の方が安い場合もあります」（澤野美津子氏）受付の開放時間は、平日９時から１７時３０分までだが、オフィス部分は２４時間利用可能である。受付が閉まっている土曜、日曜、祝日および平日夜間のエントランスは、二重カードロックシステムが備えられ、各個室はドアスコープ付きの鉄扉とデジタルロックが施錠されている。レンタルオフィス利用者は、受付が閉まっていても、カードキーと暗証番号を用いて入室できるようになっている。契約に際しては、規約を細かく設け、地元不動産会社を通して締結している。保証人と印鑑証明に加え、法人の場合は登記簿謄本の写し、個人の場合は住民票を提示してもらい、慎重に身元確認をしている。判断が難しい場合は、提携している地元の不動産会社に相談しながら判断するという。「レンタルオフィスにおいては、一つのビルに様々な方が出入りします。従って、こちらのきめ細やかな契約スタイルを見てもらうことで、入居する方も、当オフィスに対して安心感を持ってもらえるのです」（同氏）交通アクセスＪＲ・東武伊勢崎線「北千住」駅徒歩５分名称大野ビル所在地渋谷区渋谷３−１８−８敷地面積１６５㎡延床面積９９４㎡規模地下１階地上９階構造鉄骨鉄筋コンクリート造竣工昭和４６年 ★入居テナント三光白衣、しぶや澤正、ドルフィン、東邦マッサージグループ疲労回復センター渋谷、バスストップシネマショップ、麻雀Ｄｒ．Ｓｔｏｐ！、ＹＯＧＡＣＯＬＬＥＧＥＯＦＩＮＤＩＡＴＯＫＹＯ ―ＢＵＤＨＡＤＥＢＣＨＡＵＯＨＵＲＩ― ★沿革昭和４５年、現代表取締役の父・大野正一氏が、以前より住居があった場所にビルを建設することを目的として「大野ビルディング」を設立。翌昭和４６年に、隣接するかたちで大野ビル、大野エクセルビルの２棟が竣工した。当時、渋谷近隣はビル建設の黎明期であり、まだビルもぽつぽつと建っているという状況だった。明治通りを挟んで向かい側に建つ第一生命や城南信用金庫の社屋も、それぞれ４階建てと２階建てで、大野ビルが竣工してしばらくの間は、窓の外に東京タワーを眺めることができたという。平成９年に現代表取締役である大野氏が現役職に就任し、現在に至る。 ★ビル経営昭和５０年代〜６０年代は、１ヶ月程度でビルの空室が埋まるといった具合で、テナントの入れ替わりが多い方が、償却も出て良いという好景気だった。平成４年頃から新規入居が厳しくなったという。「バブル崩壊直後の平成２年頃は、まだ引き続き入居テナントが残っていたものの、退去した後の空室がなかなか埋まらず苦労しました。貸ビル業界がこんなに冷え込むとは思いませんでした。ただし、この１０数年は、不況のため賃料と保証金が低くなっていましたが、今後は回復していくのではないでしょうか」（大野氏）現在、同氏は、テナント賃料・地価向上の現況に対し、前向きな見方を持っている。また、ビルの管理に関しては、竣工以来自身で行っており、今後も、管理会社に依頼するつもりはないとのことである。大野氏はビル経営に加え、渋谷区の街づくり団体や町会に積極的に参加しており、渋谷駅東口町会や渋谷駅東口商店会、渋谷区商店街連合会、ＮＰＯ法人渋谷駅周辺街づくり協議会など、数々の会の会長・副会長を兼任している。また、東急電鉄が東急東横線渋谷駅地下化事業を推進するにあたり、事業主の東急電鉄、施工業者の東急建設と大成建設、渋谷地域の沿道協議会三者が工事の進捗状況や今後の方向性を話し合う場として設けられた、東急東横線（渋谷駅〜代官山駅）地下化事業建設工事三者連絡会の会長も務めており、同ビルの周辺地域である渋谷駅東口の基盤整備も提案している。「渋谷駅東口周辺は、国道２４６号線と高速３号渋谷線によって、歩行者の回遊性が妨げられています。渋谷駅の地下化計画に合わせ、渋谷警察署前交差点に地下通路を建設すれば、問題は解消されると考えられますから、そうした案件を渋谷区に提案したのですが、予算の都合上、実現は難しそうです」（同氏）交通アクセスＪＲ・東急線・東京メトロ銀座線・半蔵門線「渋谷」駅徒歩３分