荷主 NEWS FILE 日本フイルコン 象印マホービン 商社兼メーカーのモリト タイ工場、7月から一貫生産へ 調達合理化へ、深 均 訓 に物流倉庫 国内物流拠点統合、今期は約半減 アジア中心に世界向け輸出増 航 空海外事業は香港法人軸に物流再編 NEWS FILE陸送コスト削減・在庫可視化へ 製紙用網大手の日本フイルコンは、今年 7 月からタイ工場で製紙用網の一貫生産体 制に移行する。一貫生産に伴い、アジア を中心に世界各地向け輸出を着実に増や す。一方、日本から供給する後加工用の 製紙用網輸出はやめ、プラスチック製細糸 だけを輸出する。タイでの生産強化に向 け、生産子会社の資本金を 8 億バーツか ら 10 億バーツに引き上げた。タイ工場は 現在、日本から供給される製紙用網を製 紙メーカーのオーダーに応じて加工生産 している。 (海事プレス1 月 22 日) 生活家電メーカーの象印マホービンは、 海外からの調達や国内物流の効率化に取 り組んでいる。これまで中国で生産した 製品をすべて大阪港経由で輸入していた が、深 均 訓市に同社初となる保税物流倉庫 を稼働した。日本各地の配送センターご とに混載便を仕立て、需要に応じて必要 量を最寄港経由で配送する体制を整え た。日本側の国内陸送コストを削減する とともに在庫を可視化し、販売機会損失 の防止やより細かな在庫管理の実現を目 指す。 (海事プレス1 月 23 日) 服飾用留め具やデジカメケース、自動 車用内装品の商社兼メーカーのモリト (大 阪市) は、消費の減退に対応するため、今 期(2008 年 12 月∼ 09 年 11 月)から国内物 流拠点の統合によるコスト削減や業務の 効率化、さらにはモリト香港を統括拠点と した販売や物流体制の再構築に乗り出す。 今期の連結売上高は、前期比 11.7 %減の 330 億円と厳しく予想する。物流拠点は、 今期中に約半減の 11 カ所とし、2 年後に は 7 カ所程度に絞り込む。 (日刊航空貿易 1 月 30 日) ゼットなど 4 社 パナソニック 新明和工業 新会社設立で、共同物流 スポーツ用品特化、他社からも 08∼09年度、約50工場閉鎖へ 物流ルート変化、在庫削減加速 6月からインドでダンプ生産 日本発の完成車、現地生産に スポーツ用品製造卸大手のゼット、日立 物流、佐川急便、物流コンサルティングの イー・ロジットの 4 社は合弁で新会社を設 立し、業界初となる共同物流事業を展開 する。新会社「ジャスプロ」は 4 月初旬設 立予定。初年度はゼット関連の加工物流 事業をベースに、2 年目以降、他社からの 受託物流も本格化させる。初年度の売上 高は 6 億円、3 年後には 10 億円を目指す。 開業までに、千葉県に 6000 ∼ 1 万㎡規模 の物流センターを設置する予定だ。 (日刊航空貿易 2 月 4 日) パナソニックは事業構造改革の一環で、 2008 ∼ 09 年度にかけて、グループ会社含 め国内外 50 カ所程度の工場を閉鎖する 方針。世界約 230 の生産拠点の 2 割程度 に相当する。08 年度は国内13、海外14 の 工場閉鎖を計画しているが、 「自治体など との協議もあり、09 年度に決定がずれ込 という。工場 む可能性のある計画もある」 閉鎖や機能移管・再編に伴い、今後、同 社の国内外の物流ルートや物量動向はか なり変化しそうだ。また、総在庫の削減も 加速させる。 (海事プレス2 月 6 日) ダンプなど特装車トップの新明和工業 (兵庫県宝塚市) は、今年 6 月からインド・ マハラシュトラ州プネで、合弁によりダンプ トラックなど特装車の製販事業を始める。 エンジンを含むシャーシ部分は現地調達 し、上部(装置)のシリンダーなどの基幹部 材はタイ工場から調達する計画。ダンプは インド国内で販売する。日本からの完成 車輸出を現地生産に切り替え、販売力を 高める。また、市場動向を踏まえ、他の特 装車の生産拡大も想定している。 (海事プレス2 月 6 日) 紀文 FS /紀文産業 ダイキン工業 シャープ ICタグ活用で搬送用器具管理 日本ユニシスと平和島Cで運用 欧州物流改革、直送物流体制へ 販売は7年で6倍、南欧8倍 前工程生産の現地化推進 液晶パネルなど国際物流に影響 チルド食品事業などを手掛ける紀文グ ループ傘下の紀文フレッシュシステム (FS) 、 紀文産業は日本ユニシスとICタグ(RFID) を活用した食品搬送用器具管理システム を構築。カゴ台車を皮切りに、物流拠点 の 1 つである平和島センターで本格的な 運用を開始した。今後は同センターの実 績をもとに、紀文 FS の各センターへ管理 システムを展開していく。紀文 FS は紀文 グループ各社および複数荷主の共同配 送、3PL など食品物流を手掛ける。 (日刊航空貿易 2 月 9 日) エアコン世界 2 位のダイキン工業は急拡 大する欧州市場での製品供給に対応する ため、従来のベルギー・オステンド物流拠 点を軸とした一極集中の輸配送から、各 主要国の市場近接地に物流拠点を構えた 「ヘキサゴン 直送物流体制に変更した。 (六角形)型」と称する同体制への移行の 取り組みは、2003 年の猛暑による物量増 を契機としたもの。欧州販売は 2000 年か らの 7 年間で 6 倍、特に南欧(スペイン、 南フランス、イタリア) は 8 倍に成長した。 (日刊航空貿易 2 月 10 日) シャープは急激な業績悪化に対応する ため、前工程生産の現地化を推進し、販 売力強化を目指す。例えば、液晶パネル や太陽電池の海外生産が対象となる。国 内工場からの基幹部材の貨物量が減少す るなど物流需要に影響を及ぼしそうだ。 また、来年度は物流や固定費を含め、 2000 億円の総経費削減を実施し、厳しい 状況下でも利益確保の経営体制を目指 す。液晶テレビの海外生産拠点はポーラ ンド、メキシコ、スペイン、中国、マレーシ アの 5 カ所。 (海事プレス2 月 10 日) 海運 NEWS FILE CARGO MARCH 2009 57 航空 NEWS FILE エアシステム 日本通運 カッコ内は 「日刊航空貿易」 紙での掲載日 全日本空輸 チェジュ航空とGSA契約 経営強化方針策定で環境悪化に対応 RFIDによる整備ツール管理 関西∼ソウル線で貨物販売へ 海 運羽田・成田でシステム活用開始 NEWS FILE期間3年予定を単年度に切り替え 海運 NEWS FILE カッコ内は 「日刊海事プレス」 紙での掲載日 08 年の燃料油価格平均 北米西岸 7 港 定航各社の合理化 過去最高の504㌦、5年で3倍 航路収益圧迫、燃費節減が加速 08年は7.4%減、実入り4.1%減 西航貨物拡大で空コン取扱量急減 マースク、欧州東航で喜望峰経由 TNWAはアジア/北米を統合 エアシステムは韓国のチェジュ航空から 日本地区総代理店(GSA)業務を受託す ることで契約を結んだ。同社は 3 月 20 日 から毎日運航の関西∼ソウル線(機材= B737-800 型)で旅客、貨物、チャーターの 3 事業の営業・販売を受け持つ。同時就 航予定の北九州∼ソウル線は契約に含ま れない。チェジュ航空は日本路線就航に あたり、現在、エアシステムの韓国側 GSA パートナーと協力して貨物部門設立に向 けて調整している。 (日刊航空貿易 1 月 30 日) 日本通運は事業環境の悪化を踏まえ、 通期業績を見直すとともに単年度の経営 基盤強化方針の策定を決定した。次年度 から新しい中期経営計画を実施する予定 だったが、国内外経済の急激な変化で経 営環境が不透明な状況になっていること を踏まえ、単年度の経営基盤強化方針 「2009 年度日通グループ経営基盤強化方 針―新たなる飛躍に向けて―」を策定す る。厳しい状況下で利益を生み出せる体 制作りを目指す。 (日刊航空貿易 2 月 2 日) 全日本空輸は NEC の協力の下、UHF 帯 RFID によって航空機整備用ツールの 出納管理を行うシステム「LEVET SYS(Line Maintenance Equipment TEM」 を導 & Vehicles Entire Tracer System ) 入。同システムを活用し、羽田および成田 での稼動を開始した。同システムの活用 により、ツール管理にかける時間が短縮 するほか、正確性が向上するため整備士 が整備業務に集中でき、航空機の安全運 航と定時運航の実施に役立つ。 (日刊航空貿易 2 月 5 日) 2008 年の船舶用燃料油価格(シンガポ ール積み) は 07 年比 34.8 %増の 504.4 ㌦と 過去最高を記録した。5 年前、03 年の年 平均は 172 ㌦で、この 5 年間に約 3 倍の水 準にまで膨れ上がった格好だ。燃料油価 格の上昇は各船社の航路収支を圧迫。昨 年は減速運航の徹底をはじめ、燃費節減 に向けた船社の取り組みが急加速した。 各社は引き続き燃料油価格動向に神経を 尖らせるとともに、環境問題への積極対応 も視野に、燃費節減を続けていく考え。 (海事プレス1 月 27 日) 北米西岸主要 7 港が 2008 年に取り扱っ た国際コンテナ貨物量は 07 年比 7.4 %減 の 2287 万 4977TEUと前年実績を下回っ た。米国内の消費低迷を受け、中国から の製品輸入が大きく落ち込んだ結果、米 国向け輸入貨物量が前年実績を割り込ん だ。ただ、実入りのみの数字を見ると減 少率は 4.1 %にまで縮小する。昨年秋ま で、穀物を中心に米国からアジア向けの 西航貨物が急増した結果、米国側で空コ ンテナの取り扱い本数が減少したためだ。 (海事プレス1 月 28 日) 中国の旧正月明けの船腹需給悪化をに らみ、定航各社がサービスの合理化を拡 大している。マースクは、欧州サービス 「AE7」の東航ルートを当面、アフリカ大陸 最南端の喜望峰経由に変更する。アジ ア/北米航路では、ザ・ニュー・ワールド・ アライアンス (TNWA = APL、現代商船、 商船三井)が2 月初旬から、輸送需要にサ ービス規模を合わせる格好で、 「SAX」と 「PS2」を統合、新たに「PRE」を立ち上げ る航路改編を実施する。 (海事プレス1 月 28 日) 日蘭航空交渉 アルプス物流 中部空港 グランド・アライアンス マースクライン 邦船 3 社 羽田、深夜早朝時間に双方週7便 成田、双方週5便の発着枠を増加 昨年設立のタイ法人が順調に稼働 日系メーカーから複数案件受託 今期の経常損失、5億円増え25億円に 3月から役員報酬10∼20%カット 東西基幹航路の合理化拡大 欧州20%、北米15%の船腹減 アジア/南ア航路を週1便化 ポートルイス/TPTでシャトル 今期定航赤字額が過去最大に 3社単体合計は700億円超 日本とオランダの航空当局間協議が 2 月 4 ∼ 6 日に東京で行われた。2010 年の 羽田の第 4 滑走路供用開始後、両国の航 空企業がリレー時間帯を除く深夜早朝時 間帯(23 時∼翌朝 6 時)に羽田∼アムステ ルダム路線をそれぞれ週 7 便まで運航で きるとした。また、成田の第 2 滑走路北伸 完了後、両国の航空企業が成田∼オラン ダ路線でそれぞれ週 5 便(うち週 4 便は他 企業とのコードシェア前提)を増便できる と合意した。 (日刊航空貿易 2 月 10 日) アルプス物流が昨年 8 月に設立したタ イ現地法人「アルプス・ロジスティクス (タ イ) 」が順調に稼働している。タイ自営拠点 の設立は競合他社に比べて後発となる が、既に日系メーカーから複数案件を受 託するなど順調なスタートを切っており、 輸入・再輸出貨物を中心に取り扱ってい る。タイ法人は現地大手物流会社、CTI ロ ジスティクスを傘下に持つ CTI ホールディ ングスほか1 社との合弁で設立し、昨年10 月から営業を開始した。 (日刊航空貿易 2 月 12 日) 中部国際空港の今期(09 年 3 月期)経 常損失が中間決算時の予想に比べ 5 億円 ほど増え、25 億円に拡大する見通しにな った。最終損失は特別損失を加え28 億円 に上る見通し。稲葉良眠 覘社長が 2 月 12 日 の会見で明らかにした。世界的な景気後 退の影響で、特に昨年 11 月以降、旅客、 貨物需要とも激減したのが響いた。この ため、3 月から役員の報酬カットを実施す ることも明らかにした。カット率は取締役 で 20 %、執行役員で 10 %となる。 (日刊航空貿易 2 月 13 日) グランド・アライアンス (GA =ハパックロ イド、MISC、日本郵船、OOCL)が 2 月初 めから東西基幹航路を対象に一段の合理 化に踏み切る公算が大きい。本紙推計で は、合理化前の水準に比べ欧州航路で 20 %、北米航路で 15 %程度のスペース削 減となりそう。中国旧正月明けの船腹需 給悪化は、定航各社の予想を上回る可能 性が高く、昨年末からサービスの合理化 を進めてきた定航各社は、2 月初旬以降、 追加対応を迫られている。 (海事プレス1 月 29 日) マースクラインはこのほど、アジアと南 アフリカを結ぶサービスを 1 ループ減の週 1 便に集約、船腹需給に見合った運航規 模へと適正化を図った。また、積載能力 1000TEU のコンテナ船 3 隻を投入し、ポ ートルイスとタンジュンぺラパス (TPT)を 結ぶシャトルサービスを開設した。ハンブ ルク・シュドと共同運航するアジア/南米 東岸サービスは、早ければ今年中にも同 トレードで最大船型となる5200TEU 型コ ンテナ船 11 隻で運航するウィークリーサ ービスに改編する。 (海事プレス2 月 3 日) 邦船 3 社の 2009 年 3 月期の定航部門の 赤字額が過去最大規模になる見通しだ。 各社とも定航部門単体の決算は公表して いないが、本紙推計では 3 社合計で 700 億円超に達する可能性が高く、 「3 社体制 になってからは過去最大規模の赤字」 (定 航担当役員) という。船腹需給の悪化に より、特にアジアから欧州向けの海上運 賃が急落、赤字拡大を加速した。08 年の 欧州西航荷動きは、欧米の消費不振で 07 年並みか、前年実績を下回った可能性が 高い。 (海事プレス2 月 16 日) 日本航空 日本郵便 公正取引委員会 グランド・アライアンス/ジム アジア域内の日本発着貨物 川崎汽船 NCAとの提携、貨物全路線で協議 販売便数増で数億円の増収目指す 中部空港、国際郵便の輸入15%増 韓国発が拡大、EMSは2%減 上屋割当や料金に関しヒアリング 成田完全民営化後も視野の方針 欧州に続き太平洋航路でも提携 PNW航路対象、協調配船も 12月・1月は前年比20∼30%減 配船各社、合理化と新規営業強化 南北トレードの積み高比率拡大 08年度は2ポイント増の12%へ 日本航空は日本貨物航空(NCA) との 北米線コードシェア開始について、販売便 数の増加などにより、数億円の増収を見 込むとしている。日航/ NCA の両社は、 双方が貨物便を運航しているすべての路 線を対象に協議を継続しており、今後ニ ューヨーク、上海、ソウル路線にもコードシ ェア貨物便の運航を拡大する予定。3 月 29 日からはロサンゼルスおよびシカゴ路線 でコードシェア提携を行うことで合意して いる。 (日刊航空貿易 2 月 13 日) 中部空港発着の国際郵便物を取り扱う 郵便事業会社(日本郵便)中部国際支店 によると、2008 年の国際郵便物取扱物数 は輸入が 07 年比 15 %増と大幅に伸びた。 特に 08 年 10 月以降、韓国発が急増。同 支店では「ウォン安による韓国への旅行客 数増加に伴い、土産品の輸入量が増加し ているのではないか」 と分析している。一 方、国際郵便物のうち 08 年の国際スピー ド郵便(EMS)の取扱実績は輸出、輸入 とも2 %減だった。 (日刊航空貿易 2 月 17 日) 公正取引委員会は 2 月 17 日、 「政府規 制等と競争政策に関する研究会(国際拠 点空港などにおける国際航空貨物の輸出 (座長=岩 入にかかわる競争実態調査)」 田規久男・学習院大学経済学部長)の第 2 回を開催、2008 年に行った航空会社やフ ォワーダー、荷主などへのアンケート結果 をもとに、成田国際空港会社、日本航空イ ンターナショナル、日本通関業連合会など の代表らに対し現状に関するヒアリングを 行った。 (日刊航空貿易 2 月 19 日) グランド・アライアンス (GA =ハパックロ イド、MISC、日本郵船、OOCL) とジム・イ (ジ ンテグレーテッド・シッピング・サービス は、アジア/欧州航路における提携に ム) 続き、北米航路でも提携する。アジアと PNW 地域を結ぶサービスを対象に実施。 まずは、ジムが GA の運航する2 航路のス ロットを購入する。購入開始は来週から。 第 2 段階では、今年半ばから引き渡しを 受ける積載能力 8000TEU 超のコンテナ 船3 隻をGA のサービスに投入、協調配船 に踏み切る。 (海事プレス2 月 19 日) アジア域内の荷動きは世界的な景気後 退により昨年 11 月ごろから急減速してい る。タイ、ベトナムなどを中心とした東南ア ジア諸国や中国、韓国で製造業の不振が 深刻化する中、いずれの航路でも「昨年 12 月と今年 1 月の日本発着貨物は、前年 比 20 ∼ 30 %落ち込んでいる」とする船社 関係者が多い。全体のパイが急激に縮小 する中、配船各社は航路収支改善のため の合理化策の徹底と、積取量の維持・拡 大に向けた新規荷主への営業を積極化し ている。 (海事プレス2 月 20 日) 川崎汽船は南北コンテナトレード強化 に向けた取り組みで着実に成果を上げて いる。コンテナ積み高全体に占める南北 航路の比率が 2008 年度には前年比 2 ポイ ント増の 12 %に達する見通し。09 年度は 南アフリカ/西アフリカ、アジア/南米東 岸を結ぶ新サービス開設を予定しており、 さらに南北比率が高まる見通し。東西、 アジア、南北とバランスの取れたサービス ネットワークの構築を通じ、定航収支の安 定化を目指す。 (海事プレス 2 月 23 日) 58 CARGO MARCH 2009 CARGO MARCH 2009 59
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