物理学概論 (16 年度) 期末レポート問題 ( 7 月 15 日の授業時に解答をレポートとして提出すること。ホッチキスでとめて下さい。 ) 1. 加速度が a(t) = 12t − 12 で与えられる x 軸上の質点の運動を考える。以下の小問に答えな さい。 (1) 速度 v(t) および座標 x(t) を求めなさい。ただし、初期条件として v(0) = 0, x(0) = 0 とする。 (2) t = 0 から t = 3 までの間に物体が移動した距離を求めなさい(仮に同じ位置に戻っても、そ の間に物体が移動していることがあるので注意)。 2. ニュートンは、月も地上のリンゴと同様に地球に落下していると考え、万有引力の法則を発 見したと言われている。以下の小問に答えなさい。ただし、月は地球を中心とする等速円運動を しているものとする。 (1) ニュートンは、仮に円軌道上の点 P で地球からの引力が無くなったとすると、月は円の接線 方向に飛んで行き、1 秒後には点 Q に達するが、実際には地球からの引力を受け、点 Q から円 軌道上の点 Q’ に自由落下すると考えた。この落下した距離、つまり QQ’ 間の距離を求めなさ い。ただし、月は 27 日で地球の周りを公転する。また、地球(の中心)から月までの距離を 3.8 × 108 m とする。 (2) 地上のリンゴは 1 秒間で 4.9 m だけ自由落下するが、これと (1) で求めた月の落下距離を比較 し、万有引力の逆二乗則(万有引力は物質間の距離の二乗に反比例する)が成り立っている事 を説明しなさい。ただし、地球の半径を 6.4 × 106 m とする。 3. 運動量の保存則、エネルギーの保存則に関する以下の小問に答えなさい。 (1) 水平で滑らかなビリヤード台の上に質量 m の球 A が静止している。そこに同じ質量 m の球 B が v0 の速さで走って来て球 A に衝突した。衝突後、球 B は衝突前の運動方向から 45 度を v0 なす方向に、 √ の速さで走り去った。この時、衝突された A の衝突後の運動方向、および速 2 さを求めなさい。 (2) (1) の衝突において、運動エネルギーは衝突の前後で保存されているかどうか、理由をつけて 述べなさい。 (3) バネによる弾性力は、フックの法則 F (x) = −kx (k:バネ定数) で与えられる。この弾性力に よる位置エネルギーを求めなさい。ただし、位置エネルギーの基準点を原点にとる。 (4) (3) で述べた弾性力を受けて運動する調和振動子(単振動子)の力学的エネルギーを E (ただ し、E > 0 とする)とするとき、この調和振動子の運動する x 軸上の領域を求めなさい。 4. 波(波動)の基本的事項に関する以下の小問に答えなさい。 (1) 時刻 t、位置座標 x における変位が y(t, x) = 5 sin(0.5πx − 6πt) で表される正弦波の、振幅、波長、振動数はいくらか。 (2) 変位が 2π y(t, x) = A sin{ (x − vt)} (A, λ, v : 正の定数) λ で表される縦波があったとする。この波は x 軸の方向、x 軸と逆方向、のいずれの方向に進む λ 波か、理由をつけて述べなさい。また、時刻 t = 0 および t = 2v のそれぞれにおいて、媒質が 密となる点はどこか、次の点 P∼点 S の中からそれぞれ選びなさい: 点 P(x = 0), 点 Q(x = λ4 ), 点 R(x = λ2 ), 点 S(x = 3λ 4 )。 (3) 水面の離れた 2 点 Q1 , Q2 から同じ波長 λ 、同位相(P が山の状態の波を発するとき、Q から も同じ山の状態の波が発せられる)で発せられた二つの波の干渉を考える。水面上の点 P にお いて、干渉により二つの波が強め合うための条件を、P の Q1 , Q2 からの距離 l1 , l2 を用いて 書きなさい。また、水面上で、波が強め合う点を連続的に結ぶと、どの様な図形になるか、理 由をつけて述べなさい。 5. (やや進んだ話題) x 軸に沿って進む一次元的な波の変位 y は波動方程式 2 ∂2y 2∂ y − v =0 ∂t2 ∂x2 を満たす(v は波の速さ)。この波動方程式に関する以下の小問に答えなさい。 (1) 講義で説明した正弦波だけでなく、例えば指数関数で表される y = Ae−(x−vt) (A: 定数) も上 記の波動方程式を満たすことを示しなさい。 (2) (1) の結果を更に一般化し、y = f (x − vt) (f (x − vt) は x − vt の任意の関数) も波動方程式 を満たすことを示しなさい。 6. 電界と電位に関する以下の小問に答えなさい。 (1) 原点に電荷 Q を置いたとする。この時、等電位面(電位が一定の点を連ねて出来る面)と、等 電位面上の点における電界は直交することを説明しなさい。 (2) x 軸上の座標 x = −1 の点 P と x = 1 の点 Q に、それぞれ 2 C, −1 C (C: クーロン) の電荷を 置いたとする。このとき、x 軸上で電界がゼロ(ベクトル)となる点の x 座標を求めなさい。 2
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