2008年4月~6月

日本学術振興会ストラスブール研究連絡センター活動報告
(2008 年 4 月~6 月)
JSPS Strasbourg Office Quarterly / 2008-09 No.1
今号では、2008 年 5 月に開催した ULP-JSPS 共催フォーラム「Frontiers in Biology, Chemistry and Physics」の様子を中
心に報告します。
ストラスブールにおける日仏交流 150 周年記念 ULP-JSPS 共催フォーラム
「Frontiers in Biology, Chemistry and Physics」の開催について
2008 年 5 月 29 日と 5 月 30 日の 2 日間に渡り、ストラスブールのルイ・パスツール大
学超分子科学・工学研究所(ISIS)にて、日本学術振興会ストラスブール研究連絡センタ
ーとルイ・パスツール大学の共催により、ストラスブールにおける日仏交流 150 周年
記念フォーラム「ULP-JSPS Joint Forum on “Frontiers in Biology, Chemistry and
Physics”」が開催され、約 300 名の日仏研究者からなる参加者を迎えて盛大に行われ
ました。
フォーラムブローシャー:中央は
日仏 150 周年記念のロゴマーク
本フォーラムは、日仏交流 150 周年記念イベントとして、5 月 28 日はストラスブール市庁舎において市主催
のレセプションが、また 5 月 29 日には在ストラスブール日本総領事館主催のレセプションが総領事公邸にて
開催されました。また、5 月 31 日にはポストフォーラムとしてストラスブール自治港主催による港湾施設見
学、アルザス州議会の援助によりアルザス地域訪問などが実施されました。
これまで、ルイ・パスツール大学は 1997 年 12 月に「フランスにおける日本年」を記念して、日仏 24 名(日
本人 12 名、フランス人 12 名)の若手研究者(45 歳以下)を招待し、“ルイ・パスツール大学-日本コロキ
ウム:神経科学・認識科学及び関連領域”を開催し、更に、2001 年 5 月に、ストラスブール日仏大学会館の
設立を記念して、“日仏若手研究者コロキウム:生物・化学・物理のフロンティア”を、同様の形式で行って
います。本フォーラムは、これら長期にわたるストラスブールと日本との学術交流の上によって立つもので
あり、また日仏交流 150 周年記念となる 2008 年を記念して企画されたものです。
本フォーラムには、日仏双方から卓越した代表的研究者 6 名ずつ(計
12 名)、また優秀な若手研究者(45 歳以下)が 12 名ずつ(計 24 名)
招待されました。これら日仏あわせて 36 名の多分野にわたる研究者
により、①Biodiversity & Genomics(生物多様性と遺伝子研究)/
②Medical Science(医学)/③Biofunctional Science(生物機能性科
学)/④Material Science(物質科学)/⑤Catalysis & Environment(触
媒と環境科学)/⑥Nanosciences(ナノサイエンス)の 6 セッショ
ンが編成され、各セッションにおいて先端研究の紹介および活発な
ディスカッションが行われました。
フォーラム会場 ULP-ISIS 研究所の前にて:
日仏講演者で記念撮影
1
各セッションにおいては、まずセッションの共同司会を務める日仏の代表的研究者による基調講演が行われ
た後、各セッションに属する若手研究者からそれぞれの研究についてプレゼン及びディスカッションが行わ
れました。以下、各セッションの概要について報告します:
1st Session / Biodiversity & Genomics
共同司会:馬渡駿介(北海道大学)/Olivier POCH (IGBMC)
基調講演:
Olivier POCH “Sequencing in the post-genomic era: cDNA analysis of the thermotolerant
annelid, Alvinella pompejana”
POCH 教授の講演では、サンガ-を始祖とする DNA 配列決定法はめざましい
発展を遂げ、最近はゲノムレベルで大量のデータを一度に処理できるようにな
ったことが述べられ、そのような時代背景のもと、深海底熱水噴出口に生息す
る環形動物 Alvinela pompejana の cDNA 分析を行ったところ、低 pH、高濃度
の硫化物と重金属、無酸素、等々の過酷な環境条件に生きるこの動物の系統と
生理・生態を遺伝子レベルで明らかにすることができた事が紹介されました。
馬渡駿介 “Biodiversity research stands on specimens”
馬渡教授の講演では、「生物多様性研究は分類学に基礎を置く」というタイト
ルのもと、生物多様性研究は個体の多様性が基本となる-地球上のすべての生
物個体は交配可能集団である「種」の一員として存在する-その種を研究し体
系化する学問である分類学が生物多様性研究の基礎であることは論を待たな
い-分類学はその研究の元となる個体を標本として博物館に保管することで
その研究の独自性と普遍性、そして公明正大さを表明するというメッセージが
伝えられました。
セッション発表者:
深津武馬(産業技術総合研究所)/Eric MAROIS (IBMC)
柁原宏(北海道大学)/Florence ARSENE-PLOETZE (GMGM)
深津武馬 “Biodiversity, Endosymbiosis and Evolution”
自然界では多くの生物が微生物を体内にすまわせ、共生関係を持ち、しばし
ば新規な機能が生まれます。深津博士の研究グループでは、昆虫類における
内部共生現象、特に寄生、生殖操作、形態操作、社会性などの生物間相互作
用について、その機能解析を分子生物学・遺伝学・生理学そして進化生物学
の見地から行ったことが報告されました。
2
Eric MAROIS “The immune response of the malaria mosquito against Plasmodium”
マラリアの原因は、蚊が人間を吸血する際に、蚊に寄生している原生動物
Plasmodium が体内に入ってくることにより感染します。MAROIS 博士のプレ
ゼンでは、蚊に存在する寄生体を殺す免疫物質の分子機構を解明することを目
的として、蚊の中にある原生動物 Plasmodium を死滅させる遺伝子の同定と情
報伝達の経路についての研究が紹介されました。
柁原宏 “Frontier in systematic study on marine invertebrates”
本プレゼンでは、海産無脊椎動物は未だ多くの未記載種を含んでおり、新高
次分類群の設立も相次いでいることが紹介され、更に、過去に構築された分
類体系は必ずしも全てが系統関係を反映した形になっていない事について述
べられました。海産無脊椎動物における体系学的研究の最前線として紐形動
物門を例に挙げ、分子系統解析に基づく分類学的再検討の必要性が論じられ
ました。
Florence ARSENE-PLOETZE “Physiological, molecular and genomic approaches to analyze the diversity of
arsenic-resistant bacteria”
環境中における砒素は深刻な中毒をもたらすが、ARSENE-PLOETZE 博士らの研
究チームは、環境中の三価の砒素化合物を還元してより毒性の低い五価の状態に
変化させる、いわば砒素を代謝する能力をもつベータプロテオバクテリアを環境
中から単離し、複数の系統株を樹立しました。これらのバクテリアのゲノム解析
やプロテオーム解析に基づき、砒素代謝にかかわる遺伝子の特性についての発表
が行われました。
2nd Session / Medical Science
共同司会:下遠野邦忠(慶應義塾大学)/Thomas BAUMERT (IGBMC)
基調講演:下遠野邦忠・Thomas BAUMERT “Host factors involved in HCV
infection -from entry to release-”
下遠野教授の講演では、C型肝炎ウイルス感染は肝疾患および自己免疫疾患
を引き起こすが、本ウイルスの複製機構の解明は病気の発症を明らかにする
ばかりでなく、感染予防や病気発症の予防にも寄与することが紹介されまし
た。特に、ウイルス複製に関与する宿主因子の中でも、特にウイルスゲノム
複製のオルガネラ、およびウイルス粒子の産生に関与する油滴の役割につい
て報告が行われ、疾患発症の予防について議論されました。
セッション発表者:
久保肇(京都大学)/Sylvie FOURNEL (IBMC)
辻孝(東京理科大学)/ Philippe KASTNER (IGBMC)
3
久保肇 “Novel targets for the cancer therapy”
久保博士のプレゼンでは、癌は局所に留まる場合、切除によって治癒するこ
とができるが、転移によって遠隔に進展すると、薬剤による治療戦略が不可
欠であり、よって、癌の転移研究はもっとも重要な癌研究の課題であること
が紹介されました。血管新生に次いで、リンパ管新生の分野を開拓し、新し
い分子標的を提示されました。また、転移における癌幹細胞の役割を明らか
にし、新たな分子標的を紹介されました。
Sylvie FOURNEL “Synthetic agonists of CD40 to control immune response”
本プレゼンでは、樹状細胞による免疫反応を担う TNF 系に属する CD40 リガン
ドおよびその受容体 CD40 に関する新規の知見が紹介されました。CD40 リガン
ドと同等のできるだけ小さなペプチドを選択・合成し、この合成リガンド
mini-CD40L は、in vitro および in vivo にお いて、免疫反応を誘導し、さらに癌
細胞そのものに直接的に働いて、アポトーシスを誘導したことが紹介されまし
た。mini-CD40L は2つの作用をもつ抗癌薬剤として期待されるとの展望が述べ
られました。
辻孝 “The Strategy and Development of the Research for Tooth Regenerative
Therapy as a Future Organ Replacement Regenerative Therapy”
本プレゼンでは、次世代再生医療である「歯の再生」に向けた研究の戦略と
展開について解説されると共に、細胞操作によって人為的に作製した歯胚が、
成体口腔内環境下で萌出することから、その実現可能性が提示されました。
Philippe KASTNER ”Molecular convergence between Ikaros and Notch in the
pathogenesis of T cell leukemia”
KASTNER 博士のプレゼンでは、T 細胞性白血病発症において、Ikaros と Notch
シグナリング経路のバランスが発症メカニズムにおいて重要な役割を有してい
ることが示されました。
3rd Session / Biofunctional Science
共同司会:小寺光治(CNRS)/Dino MORAS (IGBMC)
セッション発表者:
濡木理(東京大学)/Hubert BECKER (IBMC)
司会の小寺博士
佐藤守俊(東京大学)/Andrew GRIFFITHS (ISIS)
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基調講演:Dino MORAS “Structural Characterization of Functional Complexes”
MORAS 教授の講演では、構造生物学の先端的研究のターゲットは単一定常
の蛋白質、核酸に留まらず、それらの分子を含んだ活性錯体そしてその機能
する機構を構造解析によって解明することへと移行してきたことが述べら
れました。
例として、1)遺伝子発現制御に関与する転写因子、DNA、活性因子等を
含む超分子活性錯体、2)細胞内補助因子、DNA を含む HIV-インテグラー
ゼ錯体の研究が紹介されました。
濡木理 “Stop-codon recoding mechanism revealed by the suppressor tRNAPyl•PylS complex structure”
遺伝情報により 64 個の三塩基コドンが 20 のアミノ酸を作るが、UAG、UGA、
UAA の 3 つの終止コドンは例外です。しかし、終止コドンも、時にはサプレッ
サーtRNA によってアミノ酸合成を行うことがあります。濡木教授のプレゼン
においては、その終止コドン UAG のサプレッサーの役割を理解するためにサプ
レッサーtRNA と tRNA シンテターゼとの複合体の結晶構造解析が、3.1Å のレ
ベルで解明されたことが発表されました。
Hubert BECKER “Expanding the genetic code to asparagine”
BEKER 博士のグループは、コドンとアミノ酸の組合せの進化を理解するた
めに、“分子化石”とも呼ばれる酵素の分子的・構造的・系統樹的研究を行い、
現在アスパラギンを生成するコドンである AAU と AAC が、遺伝子情報の
進化の歴史の上では、アスパラギン酸を生成するコドンであったという仮説
が提示されました。
佐藤守俊 “Imaging Molecular Processes in Living Cells”
佐藤博士からは、生体機能科学のセッションで細胞内の生体分子の可視化計測
法について紹介がありました.特に,セカンドメッセンジャーと呼ばれる生体
小分子と生体脂質の細胞内動態を可視化する新しい蛍光プローブの開発研究と
その応用研究について報告,当該分野の今後の展望を議論が行われました。
Andrew GRIFFITHS “Miniaturising the laboratory in emulsion droplets”
本プレゼンでは、マイクロエマルジョンとマイクロ流路を用いて,革新的
な DNA 配列決定法,薬物や抗体の高速スクリーニングなどの各種アッセ
イ,化学合成実験等を実現する最先端技術について紹介されました。
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4th Session / Materials Science
共同司会:野崎京子(東京大学)/Wais HOSSEINI (Chimie)
セッション発表者:
鈴木義和(京都大学)/Benoît P. PICHON (IPCMS)
原徹(理化学研究所)/David HALLEY (IPCMS)
HOSSEINI 教授
基調講演:野崎京子 “Fine-Structural Control in Materials Science”
野崎教授の講演では、材料科学のカバーする範囲は、建材や構造材料から
機能性材料まで幅広いが、分析技術の発展にともない、より微細な構造の
理解がすすみ、同時にその制御技術も発展していることが紹介されました。
野崎教授の研究する精密重合触媒を用いる高分子合成を例に、材料科学に
おける精密構造制御についての講演が行われました。
鈴木義和 “TiO 2-Based Nanomaterials for Sustainable Energy Applications”
本プレゼンでは、酸化チタンナノ材料の持続可能エネルギー分野への応用、
特に太陽電池応用などについての講演が行われました。特に、酸化チタンナノ
ワイヤーの形態制御やナノワイヤー/ナノ粒子複合化により、光電変換効率を
向上させる試みについて報告されました。
Benoît P. PICHON “Thin Films of Nanoparticles Assemblies for Applications in
Magnetism”
マグネタイト(Fe3O4)ナノ粒子の機能性薄膜作製についての講演が行われ、
交互吸着法(LbL 法)やラングミュア・ブロジェット法(LB 法)により、
高度に構造制御されたマグネタイト薄膜が得られることが報告されました。
原徹 “Recent X-ray light sources, synchrotron radiation and FEL”
現在放射光は、X 線光源として様々や科学分野で既に広く使われている。一方
次世代光源として、誘導放射の原理を用いた SASE-FEL の研究開発が進んでお
り、2010 年頃には実現する予定である。SPring-8 においても XFEL の実現に向
けテスト機を建設し、レーザー発振およびコヒーレントシード光の増幅に成功
したことが紹介されました。
David HALLEY “When chromium becomes insulating”
巨大磁気抵抗効果が発見されてから、スピントロニクスの分野は大きな発展
を遂げている。Fe/MgO/Fe は大きなトンネル磁気抵抗効果(TMR)を示すが、
これに Cr 層を設けると TMR が小さくなり、あるスピン状態の電子に対して
は Cr が insulator として作用することがわかった事が報告されました。
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5th Session / Catalysis & Environment
共同司会:岩澤伸治(東京工業大学)/Stéphane VUILLEUMIER (GMGM)
基調講演:岩澤伸治・Stéphane VUILLEUMIER “Catalysts for Environmentally
Benign Processes:From Transition Metals to Microorganisms”
岩澤教授と VUILLEUMIER 教授の講演では、まず遷移金属触媒を用いる合成
手法から生体触媒を用いる手法まで、さまざまな触媒反応の現況についての
概観を話され、次いでこれからの持続的発展が可能な社会を築くために必要
とされる、基礎研究に基づいた無駄のない高効率的触媒反応の開発について
述べられました。
セッション発表者:
唯美津木(東京大学)/Kilian MUNIZ (Chimie)
佐野泰三(産業技術総合研究所)/Valérie KELLER-SPITZER (ECPM)
唯美津木 “Direct Phenol Synthesis from Benzene and O2 on A Novel Supported
Re Catalyst”
触媒・環境のセッションにおいて、ベンゼンと酸素からのフェノール直接合
成に世界最高の触媒性能を持つレニウム触媒について報告が行われました。
この触媒は、現在の 3 ステップクメン法に代わる新型触媒として注目されて
おり、触媒活性構造、触媒反応特性について最新の研究成果が紹介されまし
た。
Kilian MUNIZ “Overcoming Nature's Limitation: Amide Transfer through High
Oxidation State Palladium(IV) Catalysis”
本プレゼンでは、均一系金属錯体触媒の合成とそれを用いた精密有機合成プロ
セスの展開について報告されました。特に、パラジウム単核錯体を用いたアミ
ネーション反応、不斉合成への応用について取り上げられました。
佐野泰三 “Visible-Light Responsive Photocatalyst for Environmental Cleanup”
酸化チタンに紫外光が当たると光触媒作用で環境汚染物質を分解・無害化で
きるが、もし可視光を利用できるなら応用範囲が広がると期待されています。
新規合成法で得た窒素・炭素ドープ酸化チタンは、高い可視光吸収率と NOx
分解率を示したが、生成される活性種の酸化力が低く、有機物を分解できな
かったため、今後は高い可視光吸収率と酸化力を両立させた光触媒を開発し
たいとの展望が述べられました。
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Valérie KELLER-SPITZER “UV-A photocatalysis as a global process for air
chemical depollution and biological decontamination. At the frontier between
catalysis and biology”
空気中に浮遊するバクテリア、ウィルス、胞子の光触媒酸化について報告が
ありました。これらの微生物を含むガスの生成、回収、解析が困難なため、
これまではほとんど研究されてこなかったのですが、殺傷メカニズムの理解
という基礎的な側面と、大流量処理に対応できる光触媒反応装置の開発とい
う工業的な側面の両方から、研究を進めていることが紹介されました。
6th Session / Nanosciences
共同司会:塩谷光彦(東京大学)/Thomas EBBESEN (ISIS)
基調講演:塩谷光彦 “Supramolecular Approaches to Nanoscopic Array, Space, and
Motion”
塩谷教授の講演においては、ナノ超分子のボトムアップ合成法について報告が
なされ、具体的には、人工 DNA による金属配列プログラミング、金属錯体型
ナノカプセルの動的化学、分子機械を目指した分子運動素子の構築について述
べられました。また、未来型超分子の設計・合成・機能化への展望についての
議論が行われました。
セッション発表者:
近藤敏啓(お茶の水女子大学)/Sylvie FERLAY (Chimie)
森本久雄(東洋大学)/Vincent BALL (ENSPS)
近藤敏啓 “ In situ surface X-ray techniques using synchrotron radiation at
electrode/electrolyte interfaces”
近藤博士のプレゼンでは、放射光利用X線技術を電気化学系に適用し、電極
/溶液界面をその場構造追跡した内容を報告がありました。原子サイズが異
なるにもかかわらず電析した Pd や Ag が下地 Au 単結晶の原子配列と全く
同じ配列をとること、及び各電極電位での Au 単結晶電極/溶液界面構造に
ついての詳細な検討結果など、放射光利用X線技術の一つである表面X線散
乱(SXS)法の電気化学系への適用例について報告し、将来の界面構造追跡法の展望について議論がありま
した。
Sylvie FERLAY ”Construction of Hybrid Organic / Inorganic functional molecular crystals”
水素結合を利用して合成した無機/有機複合化合物について報告がありました。
具体的には、アミノ基の位置および数を制御した配位子を設計/合成し、その配
位子と Ni、Cu、Fe、Au、Ag 等との錯体を形成させると次元を選択的に制御し
た結晶を作ることができ、配位子によっては結晶中の細孔に入る水分子の数まで
制御可能なことが示されました。また光学結晶や Switching 素子への適用などこ
れら化合物の将来的な展望についての議論が行われました。
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森 本 久 雄 ”Self-organizations of magnetic nano/micro particles and their
applications”
ナノ・マイクロスケールの磁性粒子は,外部環境に応じて多様な自己組織化
パターンを形成する事が知られています。本プレゼンでは、それら磁性粒子
の自己組織化パターンの形成メカニズムについて述べられるとともに、ボト
ムアップ・ナノテクノロジーやバイオサイエンスへの応用についての議論が
行われました。
Vincent BALL “Fondamental investigations on the build up regime of polyelectrolyte
multilayer films and their application for the design of quasi 2D nanoreactors”
BALL 博士のプレゼンでは、高分子電解質の交互累積膜がイオン強度および温度
を変化させることによって、膜厚が堆積回数に対して線形に増加する領域から、
指数関数的に増加する領域に変化させる事が可能である事が示されました。後者
の領域で作成した膜は、薬品、酵素、リポソームなどのリザーバーとして、擬似
二次元化学リアクターへの応用が可能である事が提示されました。
また、フォーラムでは、開会式にて主催者側からの挨拶のほか、来賓の川田司在ストラスブール日本総領事、
欧州科学財団(ESF)次席チーフ・エグゼクティブ John MARKS 氏、下村和生ヒューマンフロンティア・サイ
エンス・プログラム(HFSPO)事務局次長、CNRS 理事長代理 Jean-Francois SABOURET 氏から祝辞が述べられ、
また閉会式ではノーベル化学賞受賞者 Jean-Marie LEHN 氏およびフランス高等教育・研究省ナノサイエンス
担当官 Patrick ALNOT 氏からの特別講演があり、非常に充実した内容となりました。
フォーラム開会式:左より、Eric WESTHOF ルイ・パスツール大学副学長、中谷陽一 JSPS ストラスブールセンター長、川田総領事、MARKS 博士(ESF)、
下村事務局次長(HFSPO)、SABOURET 博士(CNRS)
フォーラム閉会式:大変好評だった LEHN 教授(左から 1 人目:ノーベル賞受賞者)と ALNOT 教授(左から 2 人目:
フランス高等教育・研究省)の特別講演会の後、ルイ・パスツール大学の Richard GIEGE 博士から 2 日間にわたるフォーラム
の総括があり、また日本側コーディネータの塩谷教授からフォーラム開催について、フランス側への感謝の言葉が述べられ、
盛会のうちに会議は終了しました。
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その他、日本学術振興会事業についてのプレゼンテーションを始めとして、日
本の高等教育・研究機関の資料展示および配布(資料展示協力:東京大学・京
都大学・北海道大学・慶應義塾大学・東京工業大学・東京理科大学・東洋大学・
お茶の水女子大学・理化学研究所・産業技術総合研究所
順不同)
、ルイ・パス
ツール大学マルチメディア部門による講演の同時インターネット中継・録画が
行われました。フォーラムの様子は、http://www.canalc2.tv/でも見ることが
できます。
28 日:ストラスブール市レセプション
29 日:総領事公邸にて、川田総
領事主催のレセプションの様子
白石副センター長のプレゼン
29 日:フォーラムの様子
日本側参加機関の資料コーナー
は大変好評でした
30 日:JSPS 招待ディナーにて、Alain
31 日:ポストフォーラムにて、ストラスブール港
BERETZ ルイ・パスツール大学学長から塩谷光
湾局の説明を聞く参加者
彦教授へ同大学メダル授与
今回のフォーラムは、28 日のフォーラム打合せから 31 日のポスト・フォーラムまで 4 日間に渡る大きなイ
ベントであり、28 日のストラスブール市レセプションでお迎え下さったストラスブール市議会議員 Henry
DREYFUS 博士、総領事公邸でのレセプションを開催下さった川田司総領事、日仏交流 150 周年イベントとし
ての開催に尽力下さった上薗英樹領事、ポスト・フォーラム開催に賛同・援助をいただいたアルザス州議会
及びストラスブール自治港の関係者、各種資料をご恵与頂いた日本の大学及び研究所に御礼申し上げます。
共催機関のルイ・パスツール大学とは、Mireille MATT 国際担当副学長、日本委員会メンバー、国際課スタッ
フとくに日本担当の Ms. Dominique DURAND と、1 年以上前から一緒に準備をすすめてきました。また 2 日
間にわたる合計 36 名にもなる発表者のプレゼンについては、ULP マルチメディアのスタッフがインターネッ
ト同時中継を、藤井俊介氏(三井化学-ULP 研究員)
、大学院生スタッフが機器設定を担当され、会の準備に
は、Marie-Claire LETT 日仏大学会館長、同会館スタッフの Ms. Caroline BLATZ の絶大な協力がありました。
終わりに、最先端分野の講演をして下さった日仏の講演者とフォーラムに携われた皆様に感謝します。
なお、ルイ・パスツール大学に招待された 12 名の日本人若手研究者については、フォーラムで一緒にプレゼ
ンしたパートナーの企画で、引き続き 2 週間同大学に滞在し、講演・研究室訪問等を行い、更に日仏学術交
流を進められました。これらの交流から、今後の日仏共同研究が生まれてくるものと期待されます。
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学術セミナー及びルイ・パスツール大学(ULP)との Joint Seminar の開催
2003 年より、ストラスブール日仏大学会館と共催で、日仏の研究者を招待して、様々なテーマで学術セミナーを開催し
ています。また、フランスの大学を訪れる日本人研究者を支援する一環として、ルイ・パスツール大学との合同セミナー
も開催しています。2008 年 4 月から 6 月までの間に、以下の学術セミナー3 回を日仏大学会館にて実施し、また ULP/JSPS
ジョイントセミナー3 回をルイ・パスツール大学で実施しました。いずれのセミナーも多くの出席者を得る事ができ、大
変好評でした。
4 月 16 日/第 64 回学術セミナー
講演者:Dr. Philippe GIRARDIN (INRA コルマール研究所主任研究員)
講演タイトル:持続性農業:環境ファクターおよび農薬管理のための指標による評価
5 月 22 日/第 19 回 ULP/JSPS ジョイントセミナー
准教授 (東京大学大学院総合文化研究科)
講演者:佐藤守俊
講演タイトル:「生きた細胞での分子プロセスを可視化する手法」
ISIS 研究所にて、Prof. Andrew GRIFFITHS のアレンジにより開催
6 月 2 日/第 20 回 ULP/JSPS ジョイントセミナー
博士 (京都大学エネルギー理工学研究所助教)
講演者:鈴木義和
講演タイトル:「酸化チタンを基盤とする新規一次元ナノマティリアル」
IPCMS 研究所にて、Dr. Benoit PICHION のアレンジにより開催
6 月 4 日/第 65 回学術セミナー
講演者:Prof. Michel GRANET (ルイパスツール大学 EOST 研究所長)
講演タイトル:地球の構造とダイナミックス
6 月 10 日/第 21 回 ULP/JSPS ジョイントセミナー
講演者:佐野泰三
博士 (産業技術総合研究所)
講演タイトル:
「酸化チタンより優れた機能を持つ酸化チタンを基盤とする光触媒の開
発」
ECPM 研究所にて、Dr. Valelie KELLER のアレンジにより開催
6 月 24 日/第 66 回学術セミナー
講演者:Dr. Elisabeth REGNAULT (ルイパスツール大学講師)
講演タイトル:教育のための世界的な新しい挑戦:フランス、日本、フィンランドの
教育システムの比較
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フランスの大学、グランゼコール、研究機関への訪問:JSPS 事業説明会・JSPS 同窓会支部会の実施
当センターは、フランス各地の大学を訪問し、直接に大学幹部や研究者と直接に対話を行い、また、その機会に各地の
JSPS 同窓会との交流を深めています。
4月9日
Universite de Versailles Saint-quentin-en-Yvelines(ベルサイユ大学)訪問
ベルサイユ大学は、1991 年に新設された新しい大学ですが、法・政治、医学、科学(理)
、そして人文・社会学部の 4 つ
の学部と、2 つの技術学校、1つのエンジニアリング・スクールなどを擁しており、訪問した科学学部はキャンパスも新
しく、活気ある様子を知ることができました。同大学では、Prof. Gerard CAUDAL(研究担当副学長)、Prof. Francis
SECHERESSE(Lavoisier 研究所長、CNRS 化学部門副部長)他の大学幹部と意見交換したほか、研究室訪問を行い、続
いて、博士課程の学生やポスドク等の若手研究者を対象とした学振事業説明会、Marie-claire LETT 同窓会会長による同
窓会活動についてのプレゼンが行われました。同大学は、2007 年 3 月に、パリ第 11 大学、エコール・ノルマール・カシ
ャン校とともに他の 19 研究機関の協賛を得て、大学機関の連合体である PRES-UniverSud Paris を発足し、4 つの研究
テーマの下に同連合内での共同研究が盛んに行われている様子が伺えました。
LETT 同窓会長のプレゼンの様子
ベルサイユ大学:CAUDAL 研究担当副学長(右
から 2 人目)
、SECHERESSE 化学研究所長(同
3 人目)
、LETT 同窓会長(右端)と
6 月 11 日
Universite Paul Verlaine -Metz(メッス大学)訪問
メッスはストラスブールのあるアルザス地方のとなり、ロレーヌ地方に位置する中心的な都市で、ストラスブール同様、
19 世紀~20 世紀にかけては仏独間の戦争により所属がたびたび変更するという不運に見舞われました。現在はルクセン
ブルク・ベルギー・ドイツに近い地理上の重要な拠点として発展しています。メッス大学は 1970 年代にそれまであった
高等教育機関を統合した総合大学として設置され、現在 6 学部、26 の付置研究所を抱える学生数 15000 人の規模に成長
しました。メッス大学では、本部キャンパスを訪問し、Prof. Philippe BURG(研究担当副学長)、Prof. Jocelyn HANSSEN
(国際担当副学長)らの大学幹部と意見交換を行った後、学術振興会事業説明会・同窓会活動説明会が開催されました。
同説明会にはメッス大学で日本との交流に関心をもつ研究者が出席し、理系・文系に関わらず日仏交流のあり方について
熱心な議論が行われました。続いて、生物系・化学系を中心とした研究室の訪問も行いました。同大学は、Nancy-第 1
大学、Nancy-第 2 大学、Institut National Polytechnique de Lorraine とともに PRES-Lorraine を発足すべく、高等教育・
研究省に申請中ですが、とりあえず 2008 年 1 月付けで”Universités Lorraines”の名称で Groupement D’interet Public
(GIP:公益団体)として認められ、一つの大学へと統合の第一歩を踏み出しました。
メッス大学での JSPS 事業説明会
12
事業説明会にて、司会を担当する BURG 研究
担当副学長
6 月 18 日
Observatoire d’Océanographie(Université de ParisⅥ) à Villefranche(Villefranche 海洋観測所)訪問
Villefranche sur Mer はニースの東に位置する保養地として有名ですが、ここにパリ第 6 大学の海洋観測所が置かれ、150
名の研究スタッフによる研究・教育が行われています。地中海に位置する海洋観測所としての機能のほか、3 つの CNRS
との共同研究室による海洋研究が行われており、また 2008 年 10 月に開始予定である EU の推進する欧州海洋研究プロジ
ェクト “European Project of Ocean Acidification” (EPOCA)の中心基地としても、益々の発展が期待されています。
今回の訪問では、JSPS 事業 OB でもあり、海洋研究分野での日仏学術交流に積極的な Prof. Louis LEGENDRE(研究所長)
との意見交換、研究室訪問のほか、学術振興会事業説明会を開催しました。
LEGENDRE 研究所長(右から 2 人目)
、BURGER
ニース大学教授(左端)
、安川協力員(右端)
6 月 19 日
Dr.Gabriel GORSKY(CNRS 主任研究員:右端)
の研究室訪問
Université Nice Sophia Antipolis(ニース・ソフィアアンティポリス大学)訪問
ニース大学は、1965 年に設置されたフランスでは新しい大学で、現在は 8 学部、学生数 25,000 名の規模となっています。
今回の訪問では、Prof. Alain BURGER(同大学教授)のアレンジにより、大学本部のある Parc Valrose キャンパスにて、
Mathematiques Laboratoire(数学研究所)、Laboratoire de Physique et de la Matiere Condensee(物理及びコンデンス・
マテリアル研究所)、Institute of Developmental Biology and Cancer(発生生物学及び癌研究所)、Laboratoire de Chimie
des Molécules Bioactives et des Arómes(生物活性化合物及び香料化学研究所)を訪問し、Prof. Philippe MAISONOBE
(数学研究所長)、Dr. Pierre VIERLING(化学研究所長)ら研究者等と意見交換を行いました。その後開催した JSPS 事
業説明会では、事業プレゼンのほか、JSPS 事業 OB や、東京大学教授の時代に、日仏学術交流に尽くされた奈良坂紘一
教授(NTU Singapore)による日本との交流についてプレゼンがありました。
JSPS 事業説明会にて、参加者との質疑に応じる
JSPS 事業 OB のフランス人研究者
JSPS 事業説明会にて、日本との交流の魅力を説く
奈良坂教授
なお、同大学は、トゥーロン大学、コルシカ大学、パリ第 6 大学、そしてイタリアのジェノヴァ大学、トリノ大学の機関
と地中海にまたがるフランス・イタリアの大学での共同研究の活性化を図るため、 « Groupement Europenne de
Cooperation Territriale »(GECT :地域圏協力のための欧州共同グループ)としての展開を企画中との説明がありました。
6 月 20 日
Sophia Antipolis(ソフィア・アンティポリス学術研究都市)訪問
ソフィア・アンティポリスは 1969 年以来、国、Alpes-Maritimes 県、ニース大学や CNRS 等の高等教育・研究機関、そ
して企業らの投資・協力により開発・発展してきた、2300 ヘクタールの面積をもつフランスでも最大級の研究拠点(ク
ラスター、またはサイエンスパーク)のひとつです。産業開発の点では、約 1,400 社の企業があり、30,000 名もの雇用が
創出されていますが、高等教育・研究の点でも、ニース大学、CNRS、Ecole Nationale Supérieure des Mines(国立鉱山
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学校)などの大学・グランゼコール・国立研究機関が研究所・キャンパスを開設しており、5,000 名の学生、4,000 名の研
究者がここで教育・研究に関わっています。中心的な研究・開発分野として、①生命科学/精密化学・バイオテクノロジ
ー(SCIENCES DE LA SANTE, CHIMIE FINE ET BIOTECHNOLOGIES)、②地質科学(SCIENCES DE LA TERRE)、③
情報・電気・通信科学(INFORMATIQUE, ELECTRONIQUE, RESEAUX ET COMMUNICATION)の分野が挙げられま
す 。 今 回 の 訪 問 で は 、 情 報 ・ 通 信 科 学 分 野 の 研 究 所 で あ る Laboratoire d ’ Electronique,Antennes et
Télécommunications(LEAT)及び地質科学分野の研究所 Géosciences Azur を訪問し、あわせて学術振興会事業説明会も開
催しました。
Prof..Raymond NEGREL( ニ ー ス 大 学 理
学部長:左端)との意見交換
Dr. Christian PICHOT du MEZERAY(LEAT 所
長、JSPSOB:右から 2 人目)の研究室訪問
日本の大学、研究機関等の国際化事業への協力、仏側対応機関およびストラスブール日仏大学会館との
連携・協力
当センターでは、これまでに蓄積したフランスの学術情報や大学訪問、JSPS 同窓会活動によって培った人的ネットワー
クを活かして、フランスとの学術交流を希望する日本の大学・研究機関からの照会に応じております。また、JSPS のフ
ランスにおける対応機関である CNRS、INRA、INSERM 等の研究機関との連携し、事業やシンポジウムを実施していま
す。ストラスブールにおいては、学生レベルでの日仏交流を推進するストラスブール日仏大学会館と緊密に連携し、会館
が主催する事業にも積極的に参加・協力を行っています。
4 月 28 日/
中谷センター長が東京で開催された JSPS 海外センター長会議に出席のため日本に帰国した際、岩手大学に
て「フランスにおける JSPS 活動と大学院教育」についての COE セミナー(上村松生教授主催)を行い、齋藤徳美副学
長、高畑義人農学部長、加藤義男教育部長他の大学幹部と日仏学術交流についての意見交換を行いました。また本プレゼ
ンは、岩手大学が加盟している連合大学院を構成する帯広畜産大学、弘前大学、山形大学にもインターネット配信されま
した。
5 月 1 日/ お茶の水女子大学を中谷センター長が訪問し、岩手大学同様、フランスにおける JSPS 活動と大学院教育に
ついてのプレゼンを行い、室伏きみ子教授、永野肇教授、今野美智子教授といった同大学で日仏学術交流に関わりの深い
研究者と意見交換が行われました。
5 月 16 日/
高エネルギー加速器研究機構(KEK)と国立科学研究センター(CNRS)が共催にてパリにて開催した素粒子
物理学分野における 2008 FJPPL workshop に白石副センター長が参加し、JSPS 事業についてのプレゼンを行いました。
本シンポジウムは、2009 年には日本で開催される予定です。
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6 月 6 日/
CNRS を訪問し、Prof. Gwang-Hi JEUNG (CNRS アジア太平洋課長)、Mme
Monique BENOIT(CNRS 日本韓国担当官)ら国際部スタッフと、当センターと CNRS が
共同実施している外国人特別研究員(欧米短期)事業の共同選考会を実施しました。当
センターでは CNRS と協力して本会事業である外国人特別研究員(欧米短期)の選考を
実施しており、年 2 回 CNRS との合同選考会を行い、採用候補者を東京に推薦していま
す。
6 月 6 日/
国立農業研究所(INRA=Institut National de la Recherche Agronomique)
を訪問し、Bernard Charpentier INRA 国際関係部長、Yve Griveau INRA 国際部アジア・
オセアニア地区担当らと共催ワークショップについての打合せを行いました。INRA は農
業・生命科学分野における国立研究所であり、フランスにおける本会の対応機関の1つ
です。本センターはこの INRA と協力して、2009 年 1 月に日仏ワークショップ:微生
物の病原性 France-Japan Joint Workshop for Microbial Pathogenesis(仮題)を開催す
る予定です。
6 月 23 日-6 月 25 日/
関西学院大学から本会東京本部に実務協力員として派遣されている豊島美弥子氏を、短期研修
生として当センターで受け入れ、センター長による講義、ルイ・パスツール大学への訪問等により、フランスの高等教育・
研究システムについての理解を深めていただきました。
6 月 24 日/
日仏共同博士課程で日本に派遣予定のフランス人大学院生のために、スト
ラスブール日仏大学会館が 6 月 23 日~6 月 25 日にかけてオリエンテーションを実施しま
したが、本オリエンテーションにおいて、中谷センター長による講義(題目:
「日本にお
ける研究」)が行われました。
6 月 26 日/
ルイ・パスツール大学において開催された計算機科学分野における日仏ワ
ークショップ「French-Japanese Workshop on Computational Methods in Chemistry」に
中谷センター長が出席し、開会式での挨拶と、JSPS 事業についてのプレゼンを行いまし
た。
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奈良(安川)淳子国際協力員(東京海洋大学職員)が、当センターでの 1 年間の研修のため 2008 年 4 月より着任し
ました。
日本学術振興会ストラスブール研究連絡センター/JSPS Strasbourg Office
42a, avenue de la Foret-Noire 67000 Strasbourg, FRANCE
Tel : +33 (0)3 90 24 20 17 / Fax :+33(0)3 90 24 20 14
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