ふくいの強み をビジネスに れたのが、当時入社 年目だ った上野氏です。大学で芸術 工学を学び﹁手掛ける商品が 売までを一貫で手掛けている 同社グループの強みは、大 半の商品について企画から販 感性を投入したい﹂との勧め 社 し た 上 野 氏。﹁ 若 い 世 代 の できると考えた﹂と志望し入 幅広く、いろんなことに挑戦 こ と。 商 品 は 教 材 か ら 制 服、 眼とする遊具を目指し企画が スタートしました。当初は恐 竜のリアルな造形をモチーフ にするとの話もありました が、﹁ 恐 竜 の よ う な た く ま し い身体を作ろう﹂というフレ ーズのもと、テーマに沿った デザインを検討することにな ったそうです。 デザイン担当として抜擢さ 企画に盛り込まれた〝運動 能力の向上〟については、幼 児体育が専門の早稲田大学人 間科学学術院教授、前橋明氏 の本数などを追求すること ランスでした。骨の形状や指 何度も修正しました﹂と上野 スチロールでモックアップを も気を配る必要があり、発泡 要素が出てきます。見栄えに ら移動する・バランスをとる・ ﹁前橋教授の指導を受けなが 上〟を打ち出したことがヒッ ド﹄。杉田氏は、〝運動能力向 い る と い う﹃ デ ィ ノ ワ ー ル の誘客につながれば﹂との思 もらうことで、恐竜博物館へ 代に福井の地域資源を知って 介 も 盛 り 込 み ま し た。﹁ 親 世 つの運動スキルが自然に 操作する・その場でするとい いも込められています。 う 身につくよう機能を整えまし ィノワールド﹄を使ってもら でしたね。より効果的に﹃デ と心配もありましたが、杞憂 ロロフス﹂を模したすべり台 徴のある草食恐竜﹁パラサウ 新機能として、頭部の形に特 当初の タイプに、大型の ものが新たに タイプ加わり、 等も手掛けたとも。 ﹁東先生や は締めくくりました。 だと思っています﹂と杉田氏 ますます発展していける遊具 のおかげで出来上がった商品。 上や生活習慣改善を盛り込ん トを作ったのも同グループに 発売にあたり、遊具の理解 を深める幼児向けブックレッ 込みます。 設定できたのも指導のたまも は業界でも珍しい﹂とのこと 数のコースを取り入れた遊具 一部をバイパスしたりと、複 前橋先生をはじめ、みなさん 2 だ指導書も作りたい﹂と意気 4 の。﹁機能をすべて使ったり、 年齢や体力に応じたコースを 〝サーキット遊び〟に、﹁ゆっ た り コ ー ス ﹂﹁ チ ャ レ ン ジ コ えるよう、園児の運動能力向 長先生には受け入れられるか トの要因ではとした上で、﹁恐 レットには、恐竜博物館の紹 ール帳の体裁で作ったブック ﹁おたより帳﹂をヒントにシ 児の出欠状況などを記録する とっては異例の試みです。園 氏は振り返ります。 は、他方で挟み込み事故など 昨年春に発表してから、す でに 基以上の注文を受けて 園児向けブックレットも制作 恐竜博物館への誘客に す。 の原因にもつながるからで 難 し か っ た の は、 安 全 性、 ﹁恐竜の頭部一つ作るにも、 省略できる要素とそうでない デザイン、学術的正確性のバ 導を受けました。 の形や植物デザインなどの指 洋一氏に監修を依頼し、頭部 県立恐竜博物館特別館長の東 るものになるよう配慮。福井 〝恐竜王国福井〟の企業ら しく、学術的にも裏付けのあ 有識者のアドバイス受け 学術的裏付けある商品に します。 にしようと考えました﹂と話 置いてもマッチするデザイン ルムにするのは避け、どこに ﹃いかにも恐竜﹄というフォ ﹁恐竜がモチーフといっても した。 を受け開発チームに加わりま ﹃ディノワールド﹄の開発 年の が始まったのは できるのも強みです。 ており、試作品を実地で検証 稚園や保育所の運営も手掛け す﹂と坊氏。グループでは幼 全の商品開発に努めていま 自の安全規準を設け、安心安 ク オ リ テ ィ︵J Q ︶ と い う 独 ﹁現場で起きるヒヤリハッ ト事例をもとに、ジャクエツ 取引先といいます。 %にあたる、 万箇園以上が の幼稚園・保育所のおよそ 園舎設計までと幅広く、全国 デザインに新しい風をと 入社2年目の若手を抜擢 2 竜がモチーフなので女性の園 が監修しました。 60 ース﹂﹁サーキットコース﹂と、 た﹂と上野氏。繰り返し遊ぶ 上野 翔平 氏 坊 正明 氏 杉田 隆 氏 2 春ごろ。運動能力の向上を主 2 0 1 3 3 vol.11 vol.11 4 4 です。 園児の年齢・体力に合わせたコース設定まで考え られています。 工場敷地内に置かれた「ディノワールド」。開発担当の3名と共に。 納品に合わせて配られるブックレット。親世代へのPRに一役買っています。 50 自社工場での組み立て作業の様子。 地域資源:恐竜 学識経験者交え 恐竜王国福井 ならではの遊具開発 ジャクエツグループ 株式会社ジャクエツ(ジャクエツグループ) http://www.jakuetsu.co.jp 所 在 地:敦賀市若葉町2丁目1770番地 電話番号:0770−25−1111 代 表 者:徳本 達郎 氏 資 本 金: 2 億6,250万円(グループ合計) 従業員数:614名 事業内容:保育園・幼稚園向け保育用品・教具販売 ジャクエツグループは敦賀市に拠点を置く企業グループ。1916(大正5)年、自ら運 営する幼稚園向けの教材製造からスタートし、保育用品・遊具・園児服の開発・製造販売、 幼稚園・保育園園舎の建築設計、公園施設の設計施工さらには、文化環境づくり提案な どの事業を展開しています。このほど同グループが取り組んだのは、福井県の地域資源 “恐竜”を活かした遊具『ディノワールド』の開発。学識経験者の意見を交え発売にこ ぎつけた同商品のエピソードについて、株式会社ジャクエツ環境事業の杉田隆氏・坊正 明氏・上野翔平氏に伺いました。
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