腹痛 こどもが「おなか痛いよ∼∼」っていうのはよくいいますね。 おなか

腹痛
こどもが「おなか痛いよ∼∼」っていうのはよくいいますね。
おなか痛いというときでもいろいろ病気がありますが、夜の救急外来で一番多い腹痛の原因は実は便秘なん
です。とくに、3歳以上で吐いたり下痢したりなどの症状がなくて、ただお腹、特にお臍の周りが痛いという
場合は、まず排便をさせて様子をみることが肝心です。私も小さいころにはお腹が痛いというとよく親に「便
所行ってこい」っていわれましたので、腹痛の中で便秘が多いというのは先人の教えるところなのかもしれま
せん。
小さなお子さんの腹痛(不機嫌)で気をつけなければならないのは「腸重積」という病気です。これは、風
邪などが原因になって腸の間に腸が入り込んでしまうということがお腹の中で起こって症状が出ます。この病
気ではお腹が痛いときには顔が真っ青になり吐いたりするのですが、腹痛と腹痛の間にはけろっとして機嫌よ
く遊んでいるというのが特徴です。少し時間がたつと「イチゴゼリー」のような便をするのも特徴です。この
病気は症状が出てから、24時間以内にお腹の状態を治さないとお腹を開ける手術が必要になることがあるの
で、注意が必要です。
3歳∼4歳でお腹が痛いと盲腸(虫垂炎)ではないかと心配される保護者の方がいますが、5歳より下では
虫垂炎そのものが非常にまれな病気です。
鼠径ヘルニア(いわゆる脱腸)があるお子さんでヘルニアが戻らないためにお腹が痛いといっている場合
は、緊急的な対応が必要なことがありますので、たとえ夜中の3時であろうとも救急指定病院などで処置を受
けるようにしてください。
その他に男の子では精索軸捻転でおなかが痛いと表現することがあります。ヘルニアとあわせて、念のため
オムツをあけて陰部を触ってみるというのも忘れないでください。