参考資料 ジョーンズ ラング ラサール 「ホテル・不動産投資フォーラム

参考資料
2012 年 11 月 8 日
ジョーンズ ラング ラサール
「ホテル・不動産投資フォーラム 2012」
関心高まる不動産投資 国内外の投資家 200 社 350 名を招いて開催
ジョーンズ ラング ラサール株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長 河西利信 略称:
JLL)は、10 月 24 日(水)、ANA インターコンチネンタルホテル東京にて「ホテル・不動産投資フォーラム
2012」を開催しました。
日本を代表する投資家、レンダー、運用会社、ホテルオペレーターなど関連業界の皆様に加え、国際
的投資ファンドやアジアマネーを背景とするアセットマネジャーの皆様など、合わせて約200社、350名
にご参加いただき、国内外投資家からの日本の不動産・ホテルへの注目の高さがうかがえました。
<講演の部>
JLL 社長の河西利信がまず開会の挨拶をした後、JLL リサーチ事業部長の赤城威志が日本の不動産
市場の現状と今後について報告。賃貸市場については「東京Aグレードオフィスは底打ちが確認され、
賃料は 2012 年通年で 3~5%、2013 年は 5~7%上昇するだろう」と語り、売買市場については「J-REIT
による取引が活発化し、またリテール、インダストリアルなどオフィス以外のセクターへの資金流入も多く
見られており、経済ファンダメンタルズの回復に応じて取引が増加するだろう」との見通しを述べました。
続いて、JLL ホテルズ・エグゼクティブヴァイスプレジデントの寺田八十一が日本ホテルマーケットの動向
について報告。日本全体の宿泊需要が震災前レベルに回復するなか、外国人のレジャー目的の訪日
がまだ回復しないことを踏まえ、日本のホテル投資について、「訪日外国人による需要回復がカギ。
2011-12 年と、20 億円以下の小規模資産の取引で取引件数が増加しているが、2013 年以降は 100 億
円超の大型案件の取引も期待され、全体のトレンドは良い方向に向かっている」との見解が示されました。
後半は、ベーカー&マッケンジー法律事務所(外国法共同事業)のパートナー 池田成史氏とアレキサ
ンダー・ジャンペル氏が、現在法案状態にある、日本におけるカジノを含む統合型リゾート(IR)推進に
向けた課題について報告。「占用面積 10%以下のカジノが、施設全体の半分以上の収入を生み出すと
される IR は、地域経済の活性化や雇用促進につながる可能性がある」などとプラス面を確認したうえで、
「観光推進地域の特定や民間事業者の選定の点で、公平かつ透明な手続きが定められる必要がある」
などと、IR 推進法制定以降の実施に向けた留意点について指摘しました。
不動産を巡る投資家や企業のグローバルな動きについては、まず JLL インターナショナル・キャピタルグ
ループのリサーチ・ダイレクター、デビット・グリーン・モーガンが、最新のグローバル・キャピタルフロー
(2012 年第 3 四半期版)を報告。第3四半期の不動産投資総額は 1,000 億ドルを確保し、世界の不動
産投資活動は底堅く推移していることを示し、2012 年通年見通しを従来予想通りの 4,000 億ドルとした
うえで、「年間 4,000 億~4,500 億ドルは過去 5 年で最高の水準。不動産マーケットは回復し、正常
化している」と説明しました。
続けて、JLL インターナショナル・キャピタルグループのインターナショナル・ダイレクター、アリスティア・
メドーズが国際不動産投資について説明。ニューヨーク、ロンドンに海外から活発な投資が集まってい
る現状解説に加え、国内大手不動産4社の対外投資について、ジョイントベンチャーとのパートナーシッ
プ型と開発型の 2 方式に分けて事例で紹介しました。またロンドン、パリ、ベルリン、全米各都市におけ
る JLL の取引事例を紹介し、「投資家をグローバルなビジネスチャンスに結び付けたい」と意気込みを語
りました。
さらに、JLLホテルズ CEO アジア、スコット・ヘザリントンは、アジアマネーの対日投資の動向について、
香港、シンガポール、マレーシア、中国、韓国、インドネシアの投資家・政府系ファンドによる、REIT、ホ
テル、物流施設、住宅、老人向け施設への投資を事例紹介しました。ホテル取引に関しては、2009 年
以降、タイ、マレーシア、シンガポール、香港の投資家によって 13 施設、5 億ドルの取引があり、場所は
東京に限らず、北海道から沖縄まで全国に渡ると解説。「アジアの投資家は 20 年間日本に投資し続け
ており、長期的かつ積極的な投資姿勢を見せている」と述べました。
<パネル・ディスカッションの部>
当フォーラムでは、関連業界の主要プレイヤーにご参加いただき、パネル・ディスカッションが3セッショ
ン行われました。(パネリスト、モデレータの氏名・役職名については文尾に記載)
1本目は、投資家によるパネル・ディスカッションで、投資家の視点から、日本の不動産投資におけるア
セットクラスの特徴、投資戦略、日本市場の魅力、課題について意見交換されました。海外投資家から
は、日本の不動産市場の魅力として、世界トップクラスの取引高、不動産価値の高さによる投資チャンス
の大きさ、安定した経済、市場や法の整備状況などが紹介され、加えて、今改めて注目が集まる理由と
して、低コスト資金の調達環境の良さ、オポティニスティック投資からコア投資へのトレンドシフトといった
変化が言及されました。一方、課題として、好環境にもかかわらず、優良物件が出にくい状況である点
が挙げられました。
2 本目は、国内外でのホテル開発の成長戦略と、考慮しなければならない要因について、ホテルオペレ
ーターの4氏が意見交換しました。既存のホテルチェーンを融合し、新たな共同ブランドを展開する際
にオーナー満足度向上が重要であること、リースでホテルを建設・運営する際に足元の経済状況の弱さ
からオーナーが満足する ROI を長期的に提示するのがむずかしいことなどが指摘される一方、アジアで
成長しつつある「リミテッドサービスホテル」(Limited Service Hotel)のセグメントに日本型「ビジネスホテ
ル」の活用余地があること、外食文化が浸透するアジアでは飲食事業がホテル運営差別化に寄与する
ことなどが、パネリストによって具体例とともに示されました。
パネル・ディスカッション3本目は、レンダーの視点から、ノンリコース不動産ファインナンスの現状、対象
アセット、今後の注目アセット、また、メザニン・ローンや CMBS など各社のファイナンス方針などについ
て意見が交わされました。リファイナンスによって売り物件が不足している現在の状況に関して、レンダ
ーとして、ボロアーのニーズ・利益を追求することを優先する共通認識が示され、一方、今後期待する分
野として、介護施設などを含むヘルスケアのアセットクラスや、アウトバウンド投資関連ビジネスなどが紹
介されました。
■パネリスト、モデレータご紹介
日本の不動産への投資~魅力と課題
インベスコ・グローバル・リアルエステート・アジアパシフィック・インク日本支店 取締役社長 山田卓也氏
ジャパン・リート・アドバイザーズ株式会社 代表取締役社長 CEO 及川健一郎氏
ブラックストーン・グループ・ジャパン株式会社 シニアマネージングディレクター 宮崎アラン氏
セキュアード・キャピタル・インベストメント・マネジメント株式会社 マネージングディレクター ジョセフ・キム氏
JLL キャピタルマーケット事業部 ナショナルダイレクター マイケル・ボウルズ(モデレータ)
ホテル開発~国内外での成長戦略と考慮すべき要因
IHG・ANA・ホテルズグループジャパン 最高経営責任者 CEO クラレンス・タン氏
日本スターウッド・ホテル株式会社 日本・韓国・グアム地区 統括開発部長兼オペレーション統括部長
橋本和宏氏
三井不動産株式会社 アコモデーション事業本部 ホテル事業部長 中井伸行氏
株式会社ホテルオークラ 代表取締役 社長 荻田敏宏氏
JLL ホテルズ 執行役員 マネージングディレクター 沢柳知彦(モデレータ)
ノンリコース不動産ファイナンス ~現状及び見込み
株式会社新生銀行 常務執行役員 ストラクチャードファイナンス本部長 工藤英之氏
株式会社りそな銀行 不動産営業部長 藤原誉永氏
プルデンシャル・モーゲージ・キャピタル・カンパニー プリンシパル 東京支店代表 石川知行氏
株式会社三井住友銀行
JLL
不動産ファイナンス営業部長
執行役員 キャピタルマーケット事業部長
吉岡靖二氏
水野明彦(モデレータ)
【本件に関するお問い合わせ先】
ジョーンズ ラング ラサール株式会社 広報担当
株式会社エイレックス 石山/吉岡
TEL: 03-3560-1855 / FAX:03-3560-1290