科名:皮膚科 プログラム指導者:成澤 寛 指導医代表者:三砂範幸講師 1

科名:皮膚科
プログラム指導者:成澤
寛
指導医代表者:三砂範幸講師
1.
初期研修(選択コース)
概要:本院皮膚科は総合的に診れる皮膚科診療を目指しており、研修期間としては 2 ヶ月以上が
望ましく、指導医の下で皮膚疾患の診かた、皮疹の
表現方法などの一般皮膚科学に加え皮膚外科、美容皮膚科について指導を行う。臨床全科
において視診は患者に負担をかけない基本的診療スキルである。<みる>ことの重要性と、
<みかた>について特に指導したい。敢えて医師としての基本的マナーについても取り上げたい。
GIO(一般学習目標)
皮膚科診療内容を理解し、初期対応を実践できる知識・技術・態度を身につける.
1. 皮膚科診療を実践する医師に求められる医療に関する基本理念を認識する.
2. 全身疾患と皮膚疾患の関連性を理解し、日常の診療で求められる基本的な知識・技
術・態度を修得し,さまざまな医療の状況においてこれを実践できる能力を身につける.
3. 当然ではあるが人間としての基本的マナーの確認
SBO(個別学習目標)
1. 面接の仕方
2. 診察の仕方
(1) 患者の人格や羞恥心を配慮した診察ができる.
(2) 皮膚・粘膜の所見が記述できる.
(3) 全身の診察が系統的に的確に実施できる.
(4) 診察所見を簡潔に正しく記述できる.
(5) 患者の社会的背景に対して十分に配慮できる.
3. 基本的な検査の選択・実施・評価
(1) 検査の優先順位を決定できる.
(2) 患者の苦痛を最小限度にする検査計画を作成できる.
(3) 検査の必要性の説明ができ,同意を得ることができる.
(4) 検査の手技を説明できる.
(5) 次の検査を自ら実施し,結果を解釈し,患者に説明できる.
・ 真菌検査
・ Tzanck テスト
・ 硝子圧法
・ 皮膚猫記症
・ 皮膚貼付試験
・ DNCB 試験
・ 光線検査
・ 病理組織学的検査
4. 診断と問題解決プロセス
(1) 問題リストを作成できる.
(2) 経過を的確に記述できる.
5. 基本的な処置及び治療手段
(1) 次の皮膚科特有の治療について,患者に説明でき,自ら実施できる.
・ 外用療法
・ 光線療法
・ケミカルピーリング
(2) 外用剤・内服薬の特性と副作用について,正しい知識を持ち,適正に使用できる.
(3) 患者に対する病態・治療の説明が的確に記述できる.
6. 以下の皮膚科疾患のうち経験したものについて,原因と病態,症状,診断方法,治療
法,予後を述べることができる.特に全身疾患と関連性がある皮膚疾患については指導医
により重点的に解説が行われ、十分な理解の下で他科での診療に継続的にいかせる様にす
る。
湿疹・皮膚炎(接触性皮膚炎,アトピー性皮膚炎,自家感作性皮膚炎),蕁麻疹,痒疹,
皮膚掻痒症,紅斑症(滲出性紅斑,結節性紅斑,環状紅斑,ベーチェット病,スイート病,
成人スチル病),紅皮症,紫斑病(アレルギー性紫斑病,毛細管支持組織脆弱性による紫
斑),血管炎(結節性多発動脈炎),血行障害(livedo 症状,Raynaud 症候群,下腿潰瘍,
静脈瘤,Burger 病)膠原病(全身性エリテマトーデス,慢性円板状エリテマトーデス,進
行性強皮症,限局性強皮症,皮膚筋炎,overlap 症候群,混合性結合組織病,Sjogren 症候
群),膠原病類似疾患・肉芽腫症(壊疽性膿皮症,ベーチェット病,サルコイドーシス,
環状肉芽腫)
,物理的・化学的障害(熱傷,光線性皮膚症,放射線障害),中毒疹・薬疹,
水疱症・膿疱症(尋常性天疱瘡,水疱性類天疱瘡, 掌蹠膿疱症)角化症(魚鱗癬,Darier
病,汗孔角化症,黒色表皮腫,毛孔性苔癬),炎症性角化症(乾癬,扁平苔癬),代謝異
常症(アミロイドーシス,ムチン沈着症),色素異常症(尋常性白斑,雀卵斑,肝斑,老
人性白斑),母斑,母斑症,汗腺疾患,脂腺疾患,毛髪疾患,爪甲疾患,細菌性皮膚疾患,
ウイルス感染症,真菌感染症,動物性皮膚疾患,性行為感染症,腫瘍(上皮性腫瘍,メラ
ノサイト系腫瘍,間葉系腫瘍)
7. 以下に示す皮膚の発疹または症状を持った患者に対して,上記の知識や技量を応用し
問題解決に当たることができる
紅斑,紫斑,白斑,色素斑,丘疹,結節,水疱,膿疱,嚢腫,表皮剥離,びらん,潰瘍,
膿瘍,亀裂,鱗屑,痂皮,瘢痕,萎縮,苔癬,苔癬化,疱疹,膿痂疹,膿瘡,紅皮症,粃
糖疹,脂漏,脱毛,掻痒,多形皮膚萎縮症
8. 皮膚外科的知識を身に付け以下の技術の基本について正しい理解を得る.
(1) 真皮縫合
(2) 皮膚縫合
(3) 皮膚生検(パンチバイオプシー)
(4) 凍結治療法
(5) 植皮術
(6)ケミカルピーリング
9. 皮膚病理組織と皮膚病変との相関について正しい理解を持ち,病態を的確に説明でき
る。
10. 皮膚科に特異な治療法,薬物療法,全身療法に対する正しい知識を持ち,それを行
う事ができる.
(1) 外用療法
・ 外用薬の種類及び基剤
・ 外用薬の配合剤
・ 外用薬の選択
・ 外用方法(単純塗布,密封療法,薬浴,湿布)
(2) 全身療法
・ 抗ヒスタミン薬
・ 抗アレルギー薬
・ 副腎皮質ステロイド剤
・ 非ステロイド系炎症剤
・ 抗生物質
・ 抗真菌薬
・ 抗ウィルス薬
・ 免疫抑制剤
・ 抗癌剤
・ 漢方薬
教育関連行事(スケジュール):
月曜日:午後 5 時から 2 時間症例カンファレンス
火曜日:午前 8 時から 1 時間教育カンファレンスと回診(成澤担当)
午後 6 時から 2 時間半抄読会と臨床および病理組織セミナー
金曜日:午後
2.
問題症例回診(三砂担当)
後期研修(専門研修)
概要:基本的に 5 年間で総合的に患者を診れる皮膚科専門医としての養成を行う。
学外研修 2∼3 年間、学内研修 2∼3 年間終了後に皮膚科専門医試験を受験する。
指導医の下で一般皮膚科学に加え皮膚外科、美容皮膚科について十分な理解と手技の習得
を行う。皮膚科専門医として全ての臨床現場で他科の医師・看護師のみならずパラメディ
カルスタッフとの十分な情報交換が双方向性でおこなえる臨床能力が必須である。
GIO(一般学習目標)
臨床医学全体の理解の下に皮膚科診療内容を熟知し、継続的に実践できる知識・技術・
態度を身につける.さらに技術・知識の向上に意欲を持ち、生涯にわたって皮膚科学の研鑽につ
とめる医療人としての基本
的姿勢を身につける。
1. 皮膚科診療を実践する医師に求められる医療に関する基本理念を認識する.
2. 全身疾患と皮膚疾患の関連性を理解し、日常の診療で求められる基本的な知識・技
術・態度を修得し,さまざまな医療の状況においてこれを実践できる能力を身につける.
3. 医療保険制度を理解した皮膚科診療をおこなう.
SBO(個別学習目標)
到達目標
I. 一般目標
皮膚科診療を継続的に展開できる知識・技術・態度を身につける.
1. 皮膚科診療を実践する医師に求められる医療に関する基本理念を認識し,それを具
現化するための知識・技術・態度を身につける.
2. 日常の診療の基本的な知識・技術・態度を修得し,さまざまな医療の状況においてこ
れを実践できる能力を身につける.
II.具体的目標
1. 面接の仕方
(1) 患者に対し,適切な自己紹介ができる.
(2) 患者の時間とプライバシーを尊重できる.
(3) 患者の話をスムースに引き出し,流れを適正に修正できる.
(4) 患者の家族等から情報収集が適正にできる.
(5) 患者からの情報を的確に記述できる.
(6) 患者の社会的背景に対して十分に配慮できる.
2. 診察の仕方
(1) 患者の人格や羞恥心を配慮した診察ができる.
(2) 皮膚・粘膜の所見が記述できる.
(3) 全身の診察が系統的に的確に実施できる.
(4) 診察所見を簡潔に正しく記述できる.
3. 基本的な検査の選択・実施・評価
(1) 検査の優先順位を決定できる.
(2) 患者の苦痛を最小限度にする検査計画を作成できる.
(3) 検査の必要性の説明ができ,同意を得ることができる.
(4) 検査の手技を説明できる.
(5) 次の検査を自ら実施し,結果を解釈し,患者に説明できる.
・ 真菌検査
・ 検尿
・ 血液型検査
・ 血糖の簡便測定
・ ツベルクリン検査
・ Wood 灯検査
・ Tzanck テスト
・ 硝子圧法
・ 皮膚猫記症
・ 皮膚生検
・ 皮膚貼付試験
・ DNCB 試験
・ 光線検査
・ 病理組織学的検査
(6) 次の検査を適切に指示し,結果を解釈し,患者に説明できる.
・ 血液生化学検査
・ 凝固・線溶検査
・ 血清免疫学検査
・ 血液ガス検査
・ 細菌学的検査
・ 薬剤感受性検査
・ 腎機能検査
・ 髄液検査
・ 呼吸機能検査
・ 内分泌機能検査
・ 脳波検査
・ 頭部 CT
・ 全身 CT
・ 核医学的画像検査
4. 診断と問題解決プロセス
(1) 問題リストを作成できる.
(2) 経過を的確に記述できる.
5. 基本的な処置及び治療手段
(1) 次の処置について,患者に説明でき,自ら実施できる.
・ 採血法(静脈血・動脈血)
・ 採尿法(道尿法も含む)
・ 注射法(皮内・皮下・筋肉・静脈注射・点滴静注・静脈確保)
(2) 次の治療について,患者に説明でき,自ら実施できる.
・ 外用療法
・ 光線療法
・ケミカルピーリング
(3) 薬剤の特性と副作用について,正しい知識を持ち,適正に使用できる.
(4) 処方箋について正しい知識を持ち,適正な内容で発行できる.
(5) 患者に対する病態・治療の説明が的確に記述できる.
6. 以下の皮膚科疾患のうち経験したものについて,原因と病態,症状,診断方法,治療
法,予後を述べることができる(できるだけ経験することが望ましい).
湿疹・皮膚炎(接触性皮膚炎,アトピー性皮膚炎,脂漏湿疹,ビダール苔癬,貨幣状湿
疹,自家感作性皮膚炎,うっ滞性皮膚炎,膿痂疹性湿疹)
,蕁麻疹,痒疹,皮膚掻痒症,
紅斑症(滲出性紅斑,結節性紅斑,環状紅斑,ベーチェット病,スイート病,成人スチル
病,ライター病),紅皮症,紫斑病(アレルギー性紫斑病,毛細管支持組織脆弱性による
紫斑,特発性色素性紫斑),血管炎(結節性多発動脈炎,Wegener 肉芽腫),血行障害(livedo
症状,Raynaud 症候群,下腿潰瘍,静脈瘤,Burger 病)膠原病(全身性エリテマトーデス,
慢性円板状エリテマトーデス,進行性強皮症,限局性強皮症,皮膚筋炎,overlap 症候群,
混合性結合組織病,Sjogren 症候群)
,膠原病類似疾患・肉芽腫症(壊疽性膿皮症,ベーチ
ェット病,サルコイドーシス,環状肉芽腫),物理的・化学的障害(熱傷,凍傷,凍瘡,
光線性皮膚症,放射線障害),中毒疹・薬疹,水疱症・膿疱症(尋常性天疱瘡,水疱性類
天疱瘡,疱疹状皮膚炎,家族性良性慢性天疱瘡,先天性表皮水疱症,掌蹠膿疱症)角化症
(魚鱗癬,Darier 病,汗孔角化症,黒色表皮腫,毛孔性苔癬),炎症性角化症(乾癬,類
乾癬,扁平苔癬,Gibert 薔薇色粃糖疹,毛孔性紅色粃糖疹)
,皮膚形成異常と萎縮症(弾
力線維性仮性黄色腫,Marfan 症候群,Ehlers-Danlos 症候群,Werner 症候群,線状皮膚萎
縮症),代謝異常症(アミロイドーシス,ムチン沈着症,フェニルケトン尿症,黄色腫),
色素異常症(尋常性白斑,雀卵斑,肝斑,老人性白斑),母斑,母斑症,汗腺疾患,脂腺
疾患,毛髪疾患,爪甲疾患,細菌性皮膚疾患,ウイルス感染症,真菌感染症,動物性皮膚
疾患,性行為感染症,腫瘍(上皮性腫瘍,メラノサイト系腫瘍,間葉系腫瘍)
7. 以下に示す皮膚の発疹または症状を持った患者に対して,上記の知識や技量を応用し
問題解決に当たることができる
紅斑,紫斑,白斑,色素斑,丘疹,結節,水疱,膿疱,嚢腫,表皮剥離,びらん,潰瘍,
膿瘍,亀裂,鱗屑,痂皮,瘢痕,萎縮,苔癬,苔癬化,疱疹,膿痂疹,膿瘡,紅皮症,粃
糖疹,脂漏,脱毛,掻痒,多形皮膚萎縮症
8. 皮膚外科的知識を身に付け以下の技術の基本について正しい理解を得る.
(1) 皮内縫合
(2) 皮膚縫合
(3) 皮膚生検(パンチバイオプシー)
(4) ケミカルピーリング
(5) 凍結治療法
(6) 植皮術
9. 皮膚病理組織と皮膚病変との相関について正しい理解を持ち,病態を的確に説明でき
る。殊に,以下の皮膚病理組織の変化の正しい見方を把握する。
(1) 表皮の病変
・ 角化異常
・ 表皮内への細胞浸潤
・ 表皮基底細胞の変性壊死
・ メラニン色素の異常
・ 水疱形成
(2) 真皮の病変
・ 線維組織の病変
・ 炎症性細胞浸潤
・ 血管炎
・ 異物沈着
・ 肉芽腫
・ 腫瘍細胞の増殖
(3) 皮下脂肪組織の病変
・ 結節性紅斑
・ バザン硬結性紅斑
10. 皮膚科に特異な治療法,薬物療法,全身療法に対する正しい知識を持ち,それを行
う事ができる.
(1) 外用療法
・ 外用薬の種類及び基剤
・ 外用薬の配合剤
・ 外用薬の選択
・ 外用方法(単純塗布,密封療法,薬浴,湿布)
(2) 全身療法
・ 抗ヒスタミン薬
・ 抗アレルギー薬
・ 副腎皮質ステロイド剤
・ 非ステロイド系炎症剤
・ 抗生物質
・ 抗真菌薬
・ 抗ウィルス薬
・ 免疫抑制剤
・ 抗癌剤
・ 漢方薬
教育関連行事(スケジュール):
月曜日:午後 5 時から症例カンファレンス
火曜日:午前 8 時から教育カンファレンスと回診(成澤担当)
午後 6 時から抄読会と臨床および病理組織セミナー
金曜日:午後
問題症例回診(三砂担当)