知の世界を解明していくところが一番異なる点だと思い ます。 熊大の理学部への進学の気持ちを固めたのは、高校 2年生の夏頃だったと思います。数学をはじめとした自 2011.6.28 2 世の人の「自画像」を学ぶことで、自分のこれから の「自画像」を思い描く、『Self-portrait』。 今年の夏は複数のオープンキャンパスへの参加を 考えている人も多いでしょう。様々な機会に、将来に 向けての情報収集をすることはとても意義あることで す。 1年生では少々早い。3年生になってからでは少 々遅い。ですから2年生の間にアンテナを張って、積 極的に動きましょう。今回も教育実習にいらっしゃった 先生にお話を聞きました。 然科学には前々から魅力を感じていたし、思いっきり数 学を勉強したいと思うようになりました。熊大の理学部は 一般的な学科制をとっていないので自然科学について 広く深く学ぶにはもってこいだと思います。疑問に思った 熊本大学のシンボル、五高記念館。赤煉瓦が歴史を重ねる。 一年間は自宅から通学していましたが、今は大学近くの アパートでの一人暮らし。一人暮らしを始めた頃は、自 由感、解放感を満喫していましたが、夜に高熱を出した とき、どこの病院に行けばいいか分からず戸惑いました。 また、料理をする時、鍋を焦がしたり味を濃くし過ぎた りとよく失敗します。こういう時に、母は料理が上手だなあ ■熊本大学4年生■ に し あ や き 西 礼記くん 《プロフィル》 平成20年3月に本校を卒業し、現在、熊本大学理学 と再確認してしまいます。サークル活動では陸上部に所 属し、400mで活躍できたと思っています。また、塾と家 ことや学びたいことについて、深く話し合える仲間がいる ことも魅力ですね。本を読むのも好きですが、特に専門 書を読むのが大好きです。文学はこれまであまり読んで らはちょっと辛さを感じたことがあります。勉強してもなか きませんでしたが、それでも『博士の愛した数式』は印象 なかその成果を出すことができない時は、きつかったで 深い作品でした。数学を題材とした作品だったので読ん すね。ただ、クラスみんなで頑張り抜いたこと、支え合い でみました。事故で記憶が80分しかもたない博士とシン 励まし合うことで、力が湧いてきて精神力が付くことを学 グルマザーの家政婦とその息子の心温まる話で、数学 びました。 に美しさを感じました。数学が好きな方はもちろん、数学 三年間の高校生活でやはり一番印象に残っているこ があまり好きにはなれない方にもおすすめの一冊です。 とといえば、高3の体育祭で応援団リーダーをやったこと 庭教師のアルバイトも2年ほどやり、数学・物理・化学・英 です。最初は単にやってみたいという憧れから始めまし 語を教えていました。学食も充実し何といっても料金が たが、終わってみると人を動かすことの大変さ、団をひと 安い。そして結構おいしいのでとても満足しています。 つにまとめることの難しさなどたくさんのことを学ぶことが 部で学ぶ4年生。専攻は数学。今年、5月に教育実習 生の一人として母校・玉高に戻ってきた。高校時代は陸 上部に所属し活躍した。1年生の数学を担当し2週間の 教育実習に臨んだ。 できました。玉高最大のイベントに大きく貢献できたとい う達成感を、味わうことができました。何よりも楽しかっ ■未知の世界の解明が魅力 た。僕の青春は体育祭にあると思います。 熊大の理学部のことを紹介します。理学部は、物理・ 化学・生物・地学・数学を広く深く学ぶところです。1、2 ■熊本大学での学生生活 ■後輩の皆さんへ 年次はこれらを全て学習します。基本的には講義を中心 明治時代、第五高等中学校として設置され、その とした高校の学習スタイルに似ていますが少しずつ実験 後、第五高等学校と改称した歴史と伝統を持つ大学で がカリキュラムに加わってきます。3年次から、これらの中 皆さんも大学進学を考えている人がほとんどだと思い 話しぶりから誠実な人柄が伝わって来る西くん。 ます。大学とは勉強したいことを存分に学べるところで す。第五高等学校と称していた一時期、英語教師として からひとつ選び、それについて深く学びます。例えば、D 夏目漱石がいたことは皆さんもよく知っていると思いま NAの実験をしたり、海に出向いて生態系について調べ す。文学部・教育学部・法学部・理学部・医学部・薬学部 たり、自分が興味を持った内容について研究することが 高校時代、部活動は陸上部に所属していました。遅く 今のところ、僕は大学院に進学することを考えていま できます。理学部で数学を専攻すると、生物や地学の専 まで練習したり、体育祭ではリーダーをやったり、勉強だ す。研究者になって数学について新しいことを発見した かな環境でとても広く感じます。学生の自主性を重んじ、 攻にあるような卒論はありません。僕はゼミで「解析学」に けでなく文武両道を実践していました。割と充実してい いとも思ってます。また、数学の魅力を色々な人に伝え 国際社会で活躍できる人材はもちろん、地域に根ざし活 ついて学んでいます。微分、積分を用いて「微分方程 たと思っています。多くの友人もできて、生涯の宝となっ られるようになりたいとも思っています。教育実習に来ま 躍できる人も育成している大学です。 式」の解のふるまいについて研究をしています。ふるま ています。 したので、学校の教壇に立つことももちろん考えていま ・工学部の七つの学部を抱える総合大学です。自然豊 ■僕の玉高時代 す。そして専門分野の知識を深め、社会に役立つ人に なるところだと思います。 私は熊本大学で、21世紀の数学を探求・研究すべ いとはつまり性質のことです。自然現象や社会現象を解 塾に通う人もいましたが、僕は塾へは行かず、家で予 す。高校時代、何ごとにも積極的に参加し、玉名高校を く、勉学に励んでいます。たくさんの学部がありますか 明できることが多く、具体的な現象を数学を用いて解明 習・復習を行っていました。心掛けていたのは授業に集 愉快に思い出せるような思い出を、たくさん作ってくださ ら、他の学部の友達との交流もあり、自分にない視点に できることに魅力を感じています。高校では分かっている 中して臨むことです。先生を信頼し、積極的に質問に行 い。 気付かされ、大いに刺激を受けています。入学してから 知識を習うことが中心ですが、大学では研究を深め、未 きました。受験勉強というものを意識するようになってか (文章:西さん 担当:西本)
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