思考を促す道具として活用した実践事例1 小学校4年 算数科『三角形』 学校名 指導者 下関市立文関小学校 宮内 辰夫 【学習指導におけるコンピュータ等の活用のメリット】 ・三角形の敷き詰めが行えるコンピュータソフトを活用し、プロジェクタを通して見たり 自分で操作したりすることで、学習への興味・関心を高めることができる。 ・移動・着色・修正などの機能を使い、自分たちが表現したい模様を試行したり、紹介し 合ったりすることで、多様な表現に気付き、見通しをもって三角形の敷き詰めができる。 【コンピュータ等を活用するための事前準備】○ 教 教師の事前準備○ 児 児童の事前準備 教 各コンピュータでMicrosoft Excelでの作図が行えるように設定しておく。 ○ 教 各コンピュータの画面をプロジェクタで提示できるようにしておく。 ○ 【単元実践記録(総時数 6時間)】 単 元 の 目 標 (1)身近にある基本的な形(三角形)を分類しようとする。 (2)辺の長さによって三角形を分類して、それぞれの三角形の性質を考えることができる。 (3)コンパスを使って、二等辺三角形、正三角形をかくことができる。 (4)二等辺三角形、正三角形の性質、角の意味が理解できる。 次 ・ 時 学 習 内 容 使用機器等 機器活用の具体的な方法 第一次① 三角形づくりによる 三角形の学習への動 機付けをする。 第二次② 色紙による二等辺三 角形、正三角形づく りと弁別をする。 コンパスを使って二 等辺三角形や正三角 を作図する。 第三次② 三角形の角について 理解し、角の大きさ くらべをする。 二等辺三角形と正三 角形の角の大きさに ついて理解する。 第四次① 1/2 三角形に関する用語 や性質を確認する。 三角形の敷き詰めを 行う。 コンピュータ プロジェクタ Microsoft Excel で作成した自作ソ フト 作図過程の説明およびコンピュータ上 でプロジェクタを通して作品紹介を行 い、多様な表現の仕方に気づかせ、作 品のよさ(特長)について話し合う機 会を設ける。 【機器活用時実践記録】 . 【平成15年10月14日】 次 ね ・ ら 時 い 第四次・1/1時 敷き詰めによる模様づくりを通して、二等辺三角形や正三角形の性質について の理解を深める。 図書室(6台) (45分) コンピュータ等 ○ 児童の活動の様子や反応 の活用形態 少人数A班(15名) 場 所 ○ 学習活動 ・ 学習内容 支)教師の支援 提示 班 個別 ○穴埋め問題で、二等辺三角形、正三 ○各三角形の性質については、敷き詰め 角形の性質を確認する。 (2分) の際に重要となる「辺の長さ」という ・二等辺三角形、正三角形の意味 観点で黒板にまとめていき、どの児童 支) 二等辺三角形と正三角形の定義 も意味が理解できていることを確認し を正しく理解させるため、これ た。 までの学習カードを提示する。 ○合同な正三角形や二等辺三角形を ○コンピュータに対する関心が高く、説 使って、コンピュータ上で平面を敷 明を聞きながら同時進行で試行し、操 き詰める。 (25分) 作方法を理解することができた。 ※自作ソフト(Microsoft Excel) ○コンピュータ操作については、日常慣 ・敷き詰め方の理解 れている児童から始めるようにし、お 支) コンピュータで作成していく過 互いに教え合う姿が見られた。 程をプロジェクタで映し、理 ○役割分担については、各班ごとに話し 解の手助けとする。3人一組で 合い、きちんとできていた。 作成するため、操作・色紙での ○はじめに提示した見本作品と似たもの 試行や他班の様子観察などの役 を作ろうとする意識が強く感じられ 割分担をきちんとさせておくよ た。 うにする。 ○完全には敷き詰められなくても、ある ○コンピュータを使って作品紹介を 程度の模様が完成した作品であれば取 し、特長を発表し合う。 (15分) り上げて紹介し合った。 ・ 多 様 な 表 現 ○模様を着色し、作品に名前をつけてク 支)コンピュータで作成したモデル イズ形式で紹介する児童も見られた。 作品をプロジェクタで映し、表 現の特徴に気づかせる。 ○本時のまとめをする。 (3分) ・正三角形や二等辺三角形の性質 支)敷き詰めの体験から、辺の長さ や角の大きさに着目した気付き や感想が出れば特に賞賛する。 ○操作に慣れるにつれてコンピュータ上での三角形の 児童のアンケート結果 移動・着色を試行しながら自分なりに敷き詰め、「色 をつけるといろいろな形が見えてきた」など見通し を持ちながら模様づくりに取り組む姿が見られた。 考 察 ○コンピュータ上での操作方法については短時間で理 解できたが、「敷き詰める」という言葉の理解が不十 分であったため、単に「模様づくり」と考える児童 もいた。
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