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自転車の種類について
本項目では旅用の自転車という視点で解説します。
このページは主に初心者用につくっています。
ワンダーで主に使われているのは以下の4種類です。
1.
2.
3.
4.
マウンテンバイク …頑丈な山岳用バイク
クロスバイク …近年登場したハイブリッドバイク
シクロクロス/スポルティーフ …最近流行のスタイル
ランドナー …昔ながらの旅行専用バイク
ロードバイクは基本的に重たい荷物を積むことができないため、使うことはできません。
この4種はそれぞれ長所・短所を持ち、とても個性的な性格を持ち合わせています。どれ
が万人にとって最適だと安直に決定することはできず、乗り手の特性や旅行の傾向、好み
などに即してふさわしい一台を選ぶ必要があります。
このページではそれぞれの自転車を種類ごとに細かく解説してあるので、自転車を選ぶ際
の参考としてください。
また、どの種類の自転車を選ぶかにかかわらず、自分の自転車の特徴を把握しておく事は
大切です。(ホイール径、タイヤのサイズ、ブレーキの種類など)これを把握しているのと
していないのでは後々の自転車の状態(整備など)に大きな差がでます。
定価が5万円以上する
それ以下はシティサイクルに近く、本格的な仕様に耐え得ません。荷物をたくさん積み長期の旅行などに使
うのは危険です。
フレーム材質がクロモリ(鉄)またはアルミである(チタンでも可)
カーボンは軽く乗り心地も良いが、レースに用いる軽量素材のため強度不足。カーボンフレームの自転車は
そもそも荷積みを前提とした設計でないものが多く、強い衝撃が加わると割れるため旅行用としては不適。
変速ギアが外装3 8/9/10段、または2 8/9/10段である
後ろのギアが7枚以下の自転車はパーツのグレードが極端に低く、耐久性や整備性、さらに交換部品の互換
性に問題があるため不可。11段変速も存在するが使うにはそれなりの覚悟が必要。
8段でも問題はないが9,10段の方が補修パーツ等の在庫が比較的多い関係gでわりと楽。
後ろに荷台をつけるためのダボ穴(ネジ穴)がついている
これによりリアキャリアを装着することができる。 …なければ荷物を積めません。
ですます調から、だである調に変わりますが気にしないで下さい。
マウンテンバイク
ホイール径が26インチで前または前後にサスペンションがついているものを指す。
旅行用としては前後サスは向いていない。というより荷台をつける穴が基本的にはついて
いないので使えない。
基本的な性能はかなりよい。長いホイールベース、エアボリュームのあるタイヤなどが旅
行用としてかなり向いていると言えるだろう。長いホイールベースは直進安定性があり、
タイヤはショック吸収性がよい。またオフロード走行を想定して作ってあるのでフレーム
も頑丈である。
サスペンションは不要だと感じるようなら5000円ほどでリジットタイプのフォークが買
えるので、そちらを購入して交換してもいいかもしれない。1 2kgほど軽くなる。
ただ最近はディスクブレーキを装備したものが多いが、輪行や整備が面倒なこともあり、
基本的にはVブレーキを装備したものがおすすめである。
※最近29erと呼ばれる29インチのMTBがあるが、背の高い人には有効であろう。大きい
車輪は安定感があり走破性にも優れる。ただ、まだパーツが少なく、タイヤなどの選定に
は苦労するかもしれない。ダボ穴つきのものも少ない。
メリット
・とにかくトラブルとはほぼ無縁で、経験上MTBが旅行中にメカトラを起こす率は一番 低いので、トラブルとは無縁な生活を送りたい人にはおすすめ。
・ギアが軽いものがついているのできつい坂道も比較的楽にこなせる。
デメリット
全体的にどうしても重量がかさむので輪行などは大変である。
ディスクブレーキは扱いが大変
走行時の抵抗がやや大きいので高速で走るのにはやや不向き。
シクロクロス
シクロクロスという種類のレースのための車種である。
ロードバイクの様にフレームにカンチブレーキまたはディスクブレーキを装備し32c程度
のブロックタイヤがついているのが特徴である。
レースのために作られたものはツーリングとは設計思想が合わないがツーリングのために
作られたものもある。
MTBのようにオフロード走行目的で作られているので頑丈である。
レースでは完全に止まる事を想定していないので初めからついているブレーキが制動力不
足である事が多い。また、リアエンド幅が130mmのものと135mmのものがあり規格の
チェックも必要である。
シクロクロスレース
メリット
ドロハンなのでポジションが変えられる
タイヤを買えればロードのような走行感を得る事も可能。
デメリット
ギアがレース用で中速域にしぼってある場合があるので舗装路では使いづらいかも
カンチブレーキの効きの悪さは定評がある
ある程度高価なものが多い
スポルティーフ
スポルティーフやランドナー等の旅行車は定義が曖昧で人によって言う事がちがったりす
るが、スポルティーフは日帰りや2,3日程度の中距離の旅行用。キャンピングやランド
ナーは長距離ツーリング用として考えればいいだろう。
スポルティーフも基本的には構造的にシクロクロスに似ているものが多くぱっと見はほと
んど差がない。あるとすれば初期タイヤがスリックであることぐらいである。ただMTB
やシクロクロスがその役目をほとんどになってしまっている今、希少な車種である。
↑ フルオーダーのスポルティーフ
メリット
ツーリングを前提に作られているので荷物を乗せる事を前提に設計されている。
基本的に素材はクロモリであり、耐久性の面からも良。
デメリット
小旅行目的の設定の場合、荷物が少ないと想定しているのでギア比が重いかもしれない。
変速がダブルレバーである場合、慣れが必要。
ランドナー
ツーリング専用に設計されて自転車。スポルティーフ、キャンピング等様々なジャンルが
あるがここではホイール径が650HA(ママチャリと同じ)もしくは26インチ(MTBと同じ)
のものでダブルレバーを採用したものをさす事にする。基本的に鉄(クロムモリブデン鋼)
でつくられているため粘りがあり、長距離での仕様に耐える。そして鉄なのでフレームが
壊れても修理する事は可能である。
旅用なのでいいものなのだが格好を古風にするあまり現代的な装備がないことがある。
また泥よけが標準装備である事が多く、雨の日に後の人の顔に水がかからないが、輪行が
少々面倒になる。最近ではメジャーではなくなり、販売しているメーカーが少ない。
メリット
旅行用なので荷台など基本的なものは最初からついている
デメリット
分解が面倒
ホイールの規格が古い場合がある
変速がダブルレバーで面倒
カンチ効かない
他の車種と比べて若干割高傾向
クロスバイク
クロスとはクロスオーバーのこと。英語圏でクロスというとシクロクロスを指す。
ホイール径がロードと同じ700cでフラットハンドルのもの。
MTBとロードの中間的な存在で最近流行のタイプの自転車である。
形は似ているがさまざまな用途のものがあり、街乗り用のギアが重め(平坦路用)のものか
ら、MTBと同じ軽いギアがついたものまで様々である。さらにリアホイールのハブの幅
(エンド幅)も130mm,132.5mm,135mmと3タイプあり、謎の多い自転車である。
これはロードとMTBをどれだけの比率で混ぜたかで変わると思えばよい。
比較的安く出手に入るがその分安いが手に入りにくいパーツを使っていたりして何かと面
倒があったりする。ある意味、ぱっと見で一番規格が把握しにくい自転車かもしれない。
メリット
カラーバリエーションが豊富
安価である
デメリット
規格がバラバラな事が多い
番外編
ロードバイク
言わずとしれた舗装路最速の車種である。
ロードが何故速いかと言えばその圧倒的な軽さと走行抵抗の少なさがある。
最近では10kgを切るようなものも少なくない。極限まで削れば4kg台も可能である。
とにかく速さを追求しており、上記のツーリング車よりも重いギアがついている。またタ
イヤも細く、より高圧な空気を入れるようになっている。
また、最近では電動の変速機も登場している。
ツーリング車が自転車 旅行 の楽しみを与えてくれるものだとすると、ロードは純粋に 走
ること 楽しみを与えてくれる。
ワンダーでもツーリング車とは別に所有している人も少なくない。
ロードは多くの荷物は積めないが、一日で走れる距離が長くなるので、長期休み以外の日
帰りランでは大活躍である。お金に余裕がある人は是非購入を検討してみては。
変速機について
変速機は大きく二つに分けられる。ブレーキレバーのすぐ近くまたはブレーキレバーと一
体化したもの(A)とブレーキレバーとは離れた位置にあるもの(B)である。
(A)
(B)
(A)は100年以上ある自転車の中でつい30年ほど前に作られたものである。
このタイプは最近かなりメジャーになってきている。パーツのほとんどがプラの射出成形
で大量生産できるので比較的安くなってきているが、精密なパーツが多く(B)よりも割高
になる。ただ、こちらの方が圧倒的に変速が楽なので、レトロでなくてもいいと思う人は
こちらを選ぶべきである。
(B)は昔からあるタイプの変速機でレバーをひねることにより変速する。バーエンドコン
トローラーやダブルレバーがその類である。このタイプは最近では主に旅行車に搭載され
ている事が多い。というのも、ランドナーに代表されるような旅行車は古風なデザインが
好まれるようで、ランドナーと言えばほぼ全てがダブルレバーである。
これらは変速時にいったんハンドルから手を離す必要があり、慣れていないとふらつく事
がある。また手を離す必要からどうしても素早い変速には難がある。
ブレーキについて
自転車のブレーキは大きく二つに分類される。ホイールの外周部を両側から挟んで制動す
るタイプ(リムブレーキ)とオートバイと同じように車軸に取り付けられた円盤を挟んで制
動するタイプ(ディスクブレーキ)の二つである。
リムブレーキには主に三種類ありそれぞれキャリパーブレーキ、カンチブレーキ、Vブ
レーキと呼ばれる。リムブレーキ全体に言える事だが、基本的に雨では制動力は落ちる。
それでもブレーキシューにある程度しっかりしたものを使えばあまり問題にならない範囲
ではある。 リムブレーキでもレバー比によってキャリパー、カンチとVに分けられる。
Vの方が動作にかかるワイヤーの引き量が多いのでその分、仕事量が多く大きな制動力を
得られる。また、互換性の観点から言えば、V対応のレバーではキャリパー,カンチは一応
使えるが、逆はほぼ不可能である。
キャリパーブレーキは主にロードバイクに用いられる。軽量で小さいことがあげられる
が、反面太いタイヤが使用できなかったり、Vと比べて制動力が低いというデメリットも
ある。(ロードは軽いのでキャリパーの制動力で十分)
カンチブレーキはシクロクロスやランドナーに標準的に装備されている。昔はマウンテン
バイクにも装備されていたがこのタイプは制動力が低く大量の荷物を載せて走る旅行車に
は若干不向きである。ただ、シマノが最近開発したCX-70というタイプはよく効くらし
い。
Vブレーキは大きな制動力が必要なMTB用に開発されたブレーキである。構造が単純で、
安物でもしっかりと効く。耐久性も高いのでワンダーでの仕様には最適と言える。
ディスクブレーキ
ディスクブレーキはリムブレーキに比べ遥かに制動力が高く雨天時も制動力が落ちないと
いうメリットがあるが、ローター(車軸についている円盤)が歪むと常時ブレーキがかかっ
た状態になり走行不能となる。輪行時や転倒時に曲げやすいので注意する必要がある。
また、取り付けには専用の台座がフレームに存在する必要がある。
ディスクブレーキにはワイヤーで動作するタイプと油で動作するタイプがある。
ワイヤーで引くタイプは古くなったワイヤーの交換や伸びとりといったメンテナンスはV
等と同じようにできるが、オイルディスクのばあい、個人でのメンテナンスは機材や経験
の面から難しいので
購入する際には注意が必要である。
用語辞典
クロモリ
クロムモリブデン鋼のことで鉄にクロムとモリブデンが混ざっている合金の事である。
粘りがあり柔らかな乗り心地である。また、鉄なのでフレームが物理的に損傷しても補修
が比較的容易にできる。鉄はヤング率が高いのでパイプを細くする事が可能であり、その
スラットした見た目が好きな人は多い。
30年ほど前までは自転車にはメジャーな材料であったが、最近ではレースで使われる事
はかなり稀になり、各メーカーも嗜好品としての要素を高めたデザイン性の高いフレーム
を作っている場合が多い。以前は5万程度で変えていたクロモリフレームがイタリアメー
カーではアルミやカーボンよりも高いものが売られていたりもする。
だがクロモリフレームをオーダーメイドで作っている工房がそれなりに存在するのでよっ
ぽど欲しい場合はオーダーで作ってしまってもいいかもしれない。
アルミ
世の中で使われているアルミはアルミホイルなど一部を除きほぼすべてがアルミ合金であ
る。製造に大量の電気が必要である事や溶接の難しさ、熱処理の手間などから歴史は鉄よ
りあるかに浅い。一般的に使われているのが6061のアルミ合金で自転車のフレームにも
よく用いられる。また2017はジュラルミン、2024は超ジュラルミン、7075は超々ジュ
ラルミンとよばれている。7075は自転車のフレームやパーツで使われる事もしばしば。
T6という熱処理が行われる事が多い。ヤング率が鉄より低く太いフレームであることが
ほとんどである。10年ほど前まではレース機材として使われていた。いまでは廉価グレー
ドのフレーム用としてよく使われる。
チタン
地球上で9番目に多く存在している原子であるが、その加工の難しさからあまり使われて
いない。またその火口の難しさから他の金属と比べて高価であり、チタンを使っていると
いうだけで高級品になる。ただ材料としての性能は高く。チタンバイクのファンは多い。
カーボン
CFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastic)炭素繊維強化プラスチックの通称である。
金属材料と比べ、非常に軽く強く作る事ができるが変形せずに割れるので扱いに注意する
必要がある。また強度も繊維の方向だけなので作る場合はその方向を考える事も重要であ
る。宇宙航空材料、スポーツカーの材料などに多く用いられる。レース用の自転車のパー
ツにも多く使われる。プラスチックなので、ネジ穴をあけようと思うと、他の金属パーツ
を接着してそこに穴をあけるしかない。また金属は性質上全方向に同じように変形する
が、カーボンは想定された方向のみに強くするように作り出された素材なので重い荷物を
積むといった用途には不適当である。また一点集中荷重に非常に弱い。