知の知の知の知 - 社会福祉法人大阪手をつなぐ育成会

い~な
あまみ
中 央
しらさぎ
さくら
大阪+知的障害+地域+おもろい=創造
知の知の知の知
社会福祉法人大阪手をつなぐ育成会 社会政策研究所情報誌通算 1595 号 2013.10.21 発行
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知的障害者が本格チーズ作り
岡山・土田の里の工房
山陽新聞 2013 年 10 月 21 日
NPO法人「土田の里」の工房でゴーダチーズ作りに励む人たち
NPO法人「土田の里」
(岡山市中区土田)の工房(同市東
区松新町)で、知的障害のある人たちがナチュラルチーズ作
りに取り組んでいる。加熱処理せず、1年かけて熟成させる
本格志向。風味の豊かさが人気を集めており、同法人による
と、知的障害者がチーズ作りを手掛けるのは全国的にも珍し
いという。
同法人は知的障害者の就労支援として市内の畑でバラの栽
培などを行ってきたが、乳製品メーカーで勤務経験のある藤
田佳伸理事長(58)が働く場の拡大を狙い、2010年にチ
ーズ製造を始めた。
作っているのはチーズの名産地オランダ・ゴーダ地方に由
来する「ゴーダチーズ」
。加えるカビによって、さまざまなチ
ーズに変化することから基本形として選んだ。熱加工するプロセスチーズとは違って、乳
酸菌を入れて寝かせるため、うま味成分のアミノ酸の働きで、よりコクのある味になると
いう。
担当しているのは知的障害者の 20 代の男女3人。平日午前 10 時から約6時間、牛乳の
かき混ぜ、味付けなど約 10 の工程を交代で行う。楕円(だえん)形に整えたチーズは大型
冷蔵庫で5度の温度で一晩冷やした後、12 度の熟成庫に移して約1年保管する。
今後は働く人や、チーズの種類を増やすのが目標。藤田理事長は「自分の知識と経験を
生かし全力でサポートしたい」と意気込む。チーズは100グラム500円で販売してい
る。
13年度県立
特別支援学校3282人に急増 教室不足深刻に
神戸新聞 2013 年 10 月 21 日
児童・生徒の急増に対応し、運動場に建てられた仮設校
舎=神戸市垂水区、市立青陽西養護学校
兵庫県立の特別支援学校に通う知的障害の児
童・生徒数が2013年度、19校で3282
人に上り、県教育委員会が7年前に公表した推
計を千人以上も上回っていることが分かった。
国立、市立を含めた県内全体では4千人を超え
る。肢体不自由の児童・生徒数は横ばいだが、
知的障害は増加傾向が続き、教室不足は深刻。仮設校舎などで対応する学校もある。(紺野
大樹)
県教委によると、県立の特別支援学校
(小・中・高等部)に通う知的障害者は04
年度、1979人だったが、12年度に3千
人を突破。13年度は04年度の約1・7倍
に増えた。
06年度に出した推計では「13年度にピ
ークの2150人」としていたが、その見通
しを大幅に上回っている。
国立、市立を含めた県内27校では13年
度、初めて4千人を超えた。軽度の知的障害がある児童・生徒のニーズが高まっており、
今後も増加傾向は続くとみられる。
特別支援学校の小・中学部は定員がなく、希望者は入学できるため、学校や教室の不足
は深刻だ。
芦屋、西宮市を通学区域とし、10年に開校した県立芦屋特別支援学校は、神戸市の要
望で東灘区東部の児童・生徒を受け入れる予定だったが、余裕がなく、実現できていない。
開設4年の神戸市立青陽須磨支援学校は教室が足りず、今冬、仮設校舎の建設に着手。
県内では、同市立青陽西養護学校など複数の学校ですでに仮設校舎が建設されている。
県教委は来年度、県立こやの里特別支援学校(伊丹市)の分教室を猪名川高校(猪名川
町)内に設置し、姫路市内には新設校を開く。
県教委は、学校の整備方針や新しい推計を盛り込んだ「県特別支援教育第2次推進計画」
(14~18年度)を本年度中に策定。「必要な学校整備は進める」とするが、財源の問題
などもあり、すぐに現状を改善することは難しいとみられる。
兵庫教育大大学院の宇野宏幸教授は児童・生徒の増加の理由について「きめ細かな教育
へのニーズが高まっている」と分析。
「過密化を解消するため、軽度の障害の子どもを地域
の学校で受け入れる仕組みや、支援体制の充実が課題」と指摘している。
医療観察病棟で内覧
草津の県立精神医療センター
中日新聞 2013 年 10 月 21 日
11月から運用を開始する医療観察病棟=草津市笠山で
傷害など重大な事件を起こしながら刑事責任を
問えない触法精神障害者が入院治療し、社会復帰を
目指す「医療観察病棟」の運用が十一月一日から始
まるのを前に、開棟式と内覧会が二十日、草津市笠
山の県立精神医療センター内に設置された病棟内
であった。
病棟は鉄筋二階建て二千六百九十六平方メート
ル。予備も含め二十三床のベッドを備え、医師、看
護師ら四十人が応対する。
式では嘉田由紀子知事が「病棟の開設で障害者の円滑な社会復帰が期待できる。協力い
ただいた住民に感謝し、安全対策に万全を尽くす」とあいさつ。出席者は職員の案内で入
所者が暮らす個室や、二重扉などのセキュリティー対策などを確認した。
一方、運用に不安を訴える地域住民らは抗議活動を実施。嘉田知事に「地域住民の意向
を無視し、強引に建設された病棟の運用に断固反対します」とする抗議文を手渡した。
(中尾吟)
社説:生活困窮者支援/地方の力量問う分権型法制
河北新報 2013 年 10 月 21 日
重要法案がめじろ押しの臨時国会で、「生活困窮者自立支援法案」の行方に注目したい。
先の通常国会で与野党の泥仕合に巻き込まれ、廃案に追い込まれた法案である。
厚生労働省は、やはり廃案になった「生活保護法改正案」とセットでの再提出を目指し
ている。世評芳しいとは言い難い両法案だが、少し視点をずらせば、別の価値が見えてく
る。
改正案は、生活保護を不正受給した者への罰則を強化する。8月には受給額が一方的に
引き下げられた。自治体が申請をはねつける口実に利用されかねないと、多くの関係者が
懸念するのは当然だろう。
一方の自立支援法案は、生活保護に至る一歩手前の人たちを支援し、就労に導くことを
目的としている。増え続ける社会保障費を何とか抑制したいという意図は、改正案と同じ
だ。
これにも「就労にばかり力点を置き、個別の事情に応じたセーフティーネットになって
いない」との反発が根強い。
だが、両法案を一緒くたに批判の対象とするのは少々、短絡的過ぎるのではなかろうか。
自立支援法案の条文を読み下せば、困窮者支援の大義名分と予算根拠しか書かれていな
いことに気付く。事細かな条文で制度の運用をがんじがらめにしてきた従来の法律とは、
明らかに一線を画している。
自治体に義務付けたのは、相談窓口の設置と家賃の補助ぐらい。これ以外の困窮者対策
は、県や市町村に裁量を委ねた。中身が「空っぽ」の法律に何を詰め込むかは、自治体の
力量次第というわけだ。
全国を一律に管理することの限界に、ようやく国も気付いたという側面もあるだろう。
強く促したのは、困窮者支援で目覚ましい実績を上げている先進自治体だった。現場の職
員が法案づくりに深く関わり、粘り強く政府や国会を説得した。
その一つ、滋賀県野洲市では、経済的困窮や社会的孤立状態にある住民の支援プロジェ
クトが既に始まっている。
多重債務者の相談窓口を一本化し、相談に訪れた住民のたらい回しは絶対にしない。法
律家やハローワークともタッグを組み、個別の事情に応じてきめ細かい生活再建策を提案
する。
野洲市は、いまある補助金だけでも地方ならこれだけのことができると証明してみせた。
もとより、自治体が特段の対策を講じなければ、この法律は死文化してしまうだろう。
困窮者を支援する団体なども「地域差が生じる」と問題視する。
だが、そうであるならば、住民は自治体の不作為を指弾し、改めさせればいい。困窮者
対策の実施主体がより身近な自治体であればこそ、住民の働き掛けも威力を発揮しよう。
国は現金給付、地方はサービス給付。これが本来あるべき国と地方の役割分担で、自立
支援法案は、こうした理念を形にした優れて自治・分権的な法律だ。地方が住民福祉のた
めに実力を示す好機とも捉えたい。
【主張】社会保障改革
「骨抜き」圧力をはね返せ
産經新聞 2013 年 10 月 20 日
少子高齢時代を迎え、社会保障制度を維持させるには、消費税増税と同時に給付抑制や
自己負担増といった「痛み」を伴う改革が求められる。
政府は当面のメニューと実施時期を定めた社会保障制度改革のプログラム法案を国会に
提出した。実現への第一歩であり、早急に成立させなければならない。
法案には、特例で1割に抑えられてきた70~74歳の医療費窓口負担の引き上げや、
介護保険の自己負担増などが盛り込まれている。改革の詳細は、プログラム法案の成立を
待たず、厚生労働省内で検討が進められている。
問題なのは、痛みを伴う改革案に対して野党だけでなく与党内にも慎重論があることだ。
例えば、70~74歳の医療費窓口負担の2割への引き上げは、対象が「新たに70歳
になる人」に絞り込まれる方向となっている。それでも、与党からは「消費税増税と間を
置くべきだ」といった先送り論まで出ている。
一律1割となっている介護保険の自己負担割合を、一定の収入のある人は2割にする案
にも、反対が根強い。いずれも高齢者の反発への懸念である。
消費税の8%への引き上げでは、社会保障を充実させるための財源がまだ十分に確保で
きないため、
「負担先行」との批判をかわしたい思惑もあるのだろう。
低所得者対策のあり方も疑問である。介護保険を例に取ると、高齢者全体の3割が保険
料減免の拡充対象で、負担増となる人より多い。増税への激変緩和は必要だが、過度の低
所得者対策は新たなバラマキになりかねない。
今回の改革には、上昇し続ける保険料を抑制し、若い世代との「負担の公平性」を高め
る目的もある。抑制により捻出できる額よりも、軽減策に投じる額が多くなったのでは本
末転倒だ。
こうした消極論に耳を貸していたのでは、社会保障・税一体改革の理念や目的は根底か
ら崩れる。安倍晋三首相は所信表明演説で「意志の力」を強調したが、改革が骨抜きとな
らないよう、強い実行力を期待したい。
そもそも、一体改革における社会保障への切り込みは、年金を小手先改革にとどめるな
ど「生ぬるい」との批判が強かった。この程度の改革が実現できなければ、少子高齢時代
は乗り切れない。
社説:鳥取県手話言語条例
共生の一歩踏み出そう
中國新聞 2013 年 10 月 21 日
鳥取県が全国の自治体に先駆けて「手話言語条例」を制定した。手話を懸け橋に、耳の
不自由な人とそうでない人が共に生きる当たり前の社会にする。そんな願いを込めた、鳥
取発の理念を全国に根付かせたい。
手話を広め、使いやすい環境を整備する責務は県と市町村の側にあると条例に明記した。
手話の意義を理解するよう県民にも求め、聴覚障害者には手話の普及に自ら努めることを
促している。
聴覚障害者は日々の暮らしで、周囲との意思疎通に不便を感じたり、心の壁を感じたり
することが少なくない。
それだけではない。火事や急病といった緊急時に手話のできる人が周囲にいるかどうか
は、命に関わる問題でもある。東日本大震災では防災無線が聞こえず、逃げ遅れた障害者
が少なくなかったとされる。
鳥取県に登録されている手話通訳者は33人と少ない。今後、計画的に増やさねばなる
まい。学校に限らず、手話を学ぶ機会は広げる必要があろう。
機運を高め、条例に実効性を持たせることができるかどうか。課題を一つずつ着実に片
付けていくほかない。
条例では手話を独自の言語とみなし、
「ろう者が知的で心豊かな社会生活を営むために大
切に受け継いできたもの」と明確に位置付けた。
話し言葉と同じく、手話は豊かな自己表現の手段である。その保障は、多様な文化と個
人の尊厳の尊重をも意味する。このような条例の考え方は、従来の福祉行政から大きく踏
み出したものといえよう。
手話に慣れていない中途失聴者や視覚障害者のコミュニケーション支援に対する注文も
鳥取県に寄せられている。今回の条例が、等しく住民が共生する地域づくりを考える契機
となった証しと受け取りたい。
日本の手話には苦難の歴史がある。80年前、学校で手話の使用が事実上禁じられ、相
手の口の動きを読み取る訓練と発声訓練が重視された。話し言葉を取り上げられたに等し
い苦境の一方で、校外では手話が連綿と受け継がれてきた。
ここ10年、手話「復権」が進んでいるという。2006年の障害者権利条約で手話は
言語と位置付けられた。日本でも一昨年の改正障害者基本法で同様の一文を加え、政府は
条約批准の手続きを進めている。
それでもなお、手話に対する理解は十分とはいえない。全日本ろうあ連盟が中心となり、
法的な裏付けとして「手話言語法」や同じ趣旨の自治体条例の制定を呼び掛けてきた。
いち早く呼応したのが鳥取県だった。平井伸治知事自身が手話を学んできたことも一因
のようだ。当事者や有識者を交えた条例研究会をこの春設置し、検討を重ねてきた。
北海道石狩市も手話言語条例の制定に向け、準備を進めているという。手話言語法を求
める意見書を可決する議会も現れている。地方がリードする形で法制定につなげたい。
障害者理解の研修を市町村や企業に促す「あいサポート運動」も鳥取県の発祥である。
そんな土壌の上に今回の条例がある。運動に賛同している広島、島根両県にはぜひ、条例
制定でも連携を期待したい。
虐待防止の願いをつなぐ びわ湖一周リレー
中日新聞 2013 年 10 月 20 日
児童虐待防止を訴えながら走る参加者=大津市の大津港
で
十一月の児童虐待防止推進月間を前に、子ども
を虐待から守るメッセージを込めたオレンジのた
すきをつなぐ「びわ湖一周オレンジリボンたすき
リレー」の出発式が十九日、大津市の大津港であ
った。
オレンジリボン運動は二〇〇四年九月、栃木県小山市で幼い兄弟が虐待死した事件をき
っかけに始まり、県内では虐待防止活動に取り組む市民団体「CFRびわこ」が主催して
一〇年から毎年実施している。
四回目の今回は県内外から過去最多の百七十五人が参加し、二十日午後まで二日間かけ、
彦根市を経由して高島市のびわ湖子どもの国まで百二十三キロを走破する。
出発式では、参加者が全員で「子どもの笑顔が一番」と声を掛け合った後スタートし、
擦れ違った人たちに虐待防止を訴えた。
(中尾吟)
技術で豊かな社会討論
工学フォーラム
読売新聞
2013 年 10 月 20 日
活発な意見が交わされたパネルディスカッションの様子
工学の魅力を幅広い世代に伝える「工学フォーラム2013」
(国立大学53工学系学部長会議、読売新聞社主催)が19日、
金沢市の県文教会館で開かれ、約200人が参加した。
フォーラムは今年で6回目。今回は、快適で幸福な生活を送
ることができる社会について考えることをテーマに「ライフ・
イノベーションを創る~工学が実現する豊かな社会とは~」と
題し、特別講演や研究者によるパネルディスカッションが行わ
れた。
特別講演では、ロボット開発メーカー「アールティ」
(東京都)
代表取締役の中川友紀子さんがロボットやコンピューターの歴史に触れながら、ロボット
製作について話した。同社が作った二足歩行ロボット「ネコ店長」が登場し、高校生とハ
グするデモンストレーションが行われ、
「語学力と技術を学び、世界に出て行ってほしい」
と呼びかけた。
パネルディスカッションでは、障害者や高齢者支援について話した金沢大学の福森義宏
理工学域長は、進む高齢化に言及し、
「技術の発展だけでなく、高齢者や障害者が住み慣れ
た居住環境を考えていくことも重要」と、工学の果たす役割の大きさを強調した。
文部科学大臣賞を受賞した兵庫県立加古川東高地学部は、地元で採れる高級石材「竜山
石」の調湿力に注目。切り出しの際に出る粉末を塗装剤に混ぜ込むことで、室内の湿度を
一定に保つ性質を生かした塗装剤になることを実証した。
発表した若園怜子さん(2年)は「竜山石の魅力をたくさん伝えられた」と喜び、顧問
の川勝和哉教諭(49)は「失敗の連続だったが、全くめげずに文系と理系がアイデアを
出し合った」とたたえた。
心地よい汗
秋の一日満喫
飯塚市でみんなの健康・福祉のつどい [福岡県]
西日本新聞 2013 年 10 月 21 日
カーリングを床の上で行う「カローリング」を体験する参
加者
健康や福祉について楽しく学ぶ「みんなの健康・
福祉のつどい2013in穂波」(飯塚市、西日本
新聞社など主催)が20日、飯塚市秋松の穂波体育
館を主会場に開かれた。会場には大勢の市民が訪れ、
さわやかな汗を流したり、ステージ上でのパフォー
マンスに見入ったりしながら、秋の一日を満喫した。
1993年から行われている毎年秋の恒例イベ
ント。開会式では飯塚市の斉藤守史市長が「市内で
は検診の受診者数が増え、健康への意識が高まりつつあると感じる。イベントを、健康の
大切さを考え直す良い機会にしてほしい」とあいさつした。
体育館前広場のステージイベントは、障害者支援施設の入所者でつくる音楽グループ「J
OY倶楽部ミュージックアンサンブル」
(福岡市)の演奏で幕開け。8人が「涙そうそう」
などの曲を温かい音色で披露し、来場者が手拍子で盛り上げた。この後、地元の少年少女
合唱団や九州工業大のジャグリングサークルなどが次々と登場。最後には観客も巻き込ん
で輪になり、
「炭坑節」を踊った。
体育館では、介護、食生活、子育てなどに関する相談窓口や、肺年齢、体脂肪率の測定
など28のブースが設置され、一部は行列もできていた。初めて訪れたという飯塚市菰田
の樋口妙子さん(68)は「骨塩量の測定をしようと思って来たら、催しがたくさんあっ
ていてびっくりした。楽しめて良かった」と話した。
■ニュースポーツ紹介
子どもや高齢者、障害者などが楽しめるように改良された「ニュースポーツ」を紹介す
るブースでは、大勢の参加者が競技に熱中した。
円盤を転がして標的の円内に入れる「カローリング」、ボールを転がして目印への近さを
競う「ボッチャ」
、6対6で卓球のボールを打ち合う「卓球バレー」の3種目。カローリン
グに挑戦した潤野小1年の占部知明君(7)は、「力の入れ方が難しくて、なかなか円に入
らない」
。市のスポーツ推進委員にコツを教えてもらうと最後はぴたりと円内に入れ、笑顔
を見せた。
障害者差別解消を新法踏まえてPR ボランティアら
中日新聞 2013 年 10 月 21 日 愛知
障害を理由とした差別をなくそうと、障害者団体やボランティアらが二十日、県内各地
の街頭で「愛知TRY2013」と題した啓発活動を繰り広げた。
障害者への差別解消を呼び掛ける障害者やボランティアら
=名古屋市の金山駅で
公的機関などに障害者に必要な配慮を義務付けた
障害者差別解消法が今年六月に成立。三年後の施行
に向け、同法を広めようと企画した。
約五十人の参加者が金山駅と小牧駅の二手に分か
れ、沿線を移動しながら駅前でチラシを配った。障
害者や高齢者が入りやすい店を増やそうと「お手伝
いします」と書かれたステッカーも作り、飲食店な
どを回って張ってもらえるよう依頼した。実行委員
会メンバーの佐藤元紀さん(27)は「食事に行き、
車いすの人はお断りと言われたことがある。ステッカーを張る店を増やして、障害者が気
軽に利用できるようにし、一般の人も考えるきっかけにしてほしい」と話していた。
二十一、二十二日には、名古屋市や豊明市などに障害者差別禁止条例の制定を求める要
望書を提出する。
(奥田哲平)
生活保護費2.6億円不明…市職員を聴取
読売新聞 2013 年 10 月 21 日
大阪府河内長野市で2009年から2年間にわたり、生活保護費約2億6000万円が
使途不明になっていることが、市関係者への取材でわかった。
申請書がない一方、架空とみられる領収書が多数見つかり、市は今月上旬、内部犯行の
疑いがあるとみて、約400万円について業務上横領容疑で容疑者不詳のまま大阪府警に
告訴。府警は20日、生活保護業務を担当する生活福祉課に当時在籍していた40歳代の
男性職員を同容疑で事情聴取するとともに、職場や自宅を捜索するなど本格捜査を始めた。
市関係者によると、昨年8月、同課の電算システムを変更した際にエラー表示が出たた
め、調べたところ、生活保護費を支給した相手が実在しなかったり、実際の支給分に上乗
せしたりしたケースがあることが判明。詳しく調べると、こうした分が09年1月~11
年3月に計約2億6000万円あった。いずれの領収書も偽造された可能性が高いという。
悲劇を生んだ「なんとかなる」の思考 入院患者ら10人死亡の福岡・医院火災
産經新聞 2013 年 10 月 21 日
「すいません、患者さんを殺しました」。10人が命を奪われた福岡市博多区の「安部整
形外科」の火災。福岡に出張し、安部龍暢院長の謝罪会見を取材したが、火災対策の不備
を追及された院長が、声を詰まらせながら発したこの言葉が印象的だった。
院長の信念は「家族に対するような愛情を持て」という言葉だったという。安部整形外
科は、この火災で亡くなった前院長の安部龍秀さんの代から評判の医療機関。火災の被害
者にも高齢者が多かったが、
「うちが頑張らないと…」と、高齢者の入院も積極的に受け入
れていたという。確かに、地域医療の担い手としては“良い先生”だったのかもしれない。
ただ、周辺住民への取材では気になる話も耳にした。「通路が狭かった」「段差が大きか
った」など、施設面の課題を指摘する声が聞かれたからだ。
火災後には、非常時のマニュアルがなかったこと、防火扉の点検を怠っていたことなど、
防火対策がずさんだったことが相次いで表面化した。これでは、患者を預かる病院トップ
の危機管理は不十分だった、といわざるをえないだろう。
しかも、今年2月には長崎市のグループホームで5人が死亡する火災が起き、高齢者施
設の火災の危険性に注目が集まったばかり。高齢者の多い施設として、安部整形外科も「万
が一」に備え、課題をチェックする機会はあったはずだ。
火事の起きたあの日、医院の当直看護師は1人だけだった。安部院長は会見で「何かあ
ったときは住み込みの学生らもいるので、何とかなるだろうと思っていた」と話していた。
「万が一のため」と備えるのか、
「何とかなる」と思ってしまうのか、その差は大きい。
会見で、安部院長の「何とかなる」という言葉を聞きながら、それが、悲劇のきっかけに
なったような気がしてならなかった。(大宮健司)
生まれる子の病気リスク、目の色…
遺伝予測
米で特許
中日新聞 2013 年 10 月 21 日
「倫理的に問題」と批判も
【ワシントン=共同】両親の唾液などに含まれるわずかな遺伝子情報を解析し、生まれ
てくる子どもの目の色や背の高さ、がんなどの病気になるリスクを予測する手法の特許が
米国で認められた。
生命倫理の専門家は、予測を利用して提供者などから精子や卵子を選ぶと、望ましい特
徴を持つ子どもを生む「デザイナーベビー」につながりかねないと批判。特許を持つ米カ
リフォルニア州の遺伝子検査会社「23アンドミー」は「遺伝子と健康に関する理解を高
めるのが狙い。子どもを選別する生殖医療に応用するつもりはない」と説明している。
特許は2009年に同社が米特許商標庁に申請し、今年9月24日付で認められた。同
社は唾液に含まれる遺伝子配列のわずかな違いを分析して病気のリスクなど240項目を
予測する事業を実施。依頼者が自分とパートナー候補者の唾液サンプルを同社に送ると、
生まれる子どもの目の色や運動能力に関わる筋肉のタイプ、乳がんや大腸がんの発症リス
クなどを確率的に予測する。
特許についてベルギー・ゲント大の生命倫理の専門家は、今月3日付の英科学誌ネイチ
ャー電子版で「子どもの遺伝的特徴を選別することは倫理的な問題が大きい」と批判した。
23アンドミーは特許取得後、当初は望ましい精子や卵子を選ぶ可能性も視野に入れて
いたことを認めた上で「当時とは状況が変わった。遺伝子予測を超えた事業に乗り出すつ
もりはない」との声明を発表している。
デザイナーベビー 受精卵を選別したり遺伝子操作を加えたりして、容姿や能力など親が
望む特徴を持って生まれる赤ちゃん。卵子と精子を体外で受精させる体外受精や、遺伝子
の異常を調べる遺伝子解析などの技術の進展で現実味を帯びてきた。生命を商品のように
扱うのは倫理的に問題だとの批判がある。重い遺伝病を避ける目的では、異常のない受精
卵を選んで子宮に戻す受精卵診断が1990年代から実施されている。
月刊情報誌「太陽の子」、隔月本人新聞「青空新聞」、社内誌「つなぐちゃんベクトル」、ネット情報「たまにブログ」も
大阪市天王寺区生玉前町 5-33 社会福祉法人大阪手をつなぐ育成会 社会政策研究所発行