知の知の知の知 - 社会福祉法人大阪手をつなぐ育成会

い~な
あまみ
中 央
しらさぎ
さくら
大阪+知的障害+地域+おもろい=創造
知の知の知の知
社会福祉法人大阪手をつなぐ育成会 社会政策研究所情報誌通算 1354 号 2013.6.2 発行
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児童虐待3年ぶり減・・・相談件数県まとめ
読売新聞 2013 年 6 月 1 日 岡山
<昨年度 782件6割はネグレクト>
県は、2012年度に県管轄児童相談所で受けた虐待に関する相談件数をまとめた。岡
山市こども総合相談所を除く、中央(岡山市北区)、倉敷(倉敷市)、津山(津山市)の3
か所で計782件となり、3年ぶりに前年度を下回った。死亡や障害が残るなど重度の影
響が出た子どもはいなかったという。
県こども未来課によると、中央164件(前年度161件)、倉敷497件(508件)
、
津山121件(155件)だった。
内容別では、ネグレクト(育児放棄)が484件(前年度558件)で最多。心理的虐
待155件(134件)
、身体的虐待140件(123件)と続き、性的虐待は3件(9件)
あった。主に実母が虐待したケースが573件(623件)に上り、実父が162件(1
61件)あった。
相談者・機関は市町村(242件)や家族(127件)、学校・保育所等(113件)、
医療機関(66件)
、近隣・知人(65件)、警察等(61件)などだった。
全国的には身体的虐待が多いが、岡山ではネグレクトに関する相談が全体の約6割を占
めているのが特徴で、ネグレクトの主たる実行者は9割近い429件が実母だった。
寄せられた相談のうち、336件のケースで一時保護を行い、80人は親元に戻さず施
設に入所させたという。県内全市町村の子育て担当課や児相に子育て相談に関する窓口が
設置されており、県こども未来課は「困ったことがあったら、虐待に走るのではなく、窓
口に相談してほしい」と呼びかけている。
施設長を諭旨解雇 「延寿会」虐待報告遅れで処分 栃木
産経新聞 2013 年 6 月 1 日
社会福祉法人「延寿会」が運営する野木町の児童養護施設で入所中の少女にみだらな行
為をしたとして元職員の男が逮捕された事件で、延寿会は31日、虐待の疑いを認知しな
がら20日間児童相談所に連絡しなかったとして施設長を諭旨解雇にすると発表した。
隠蔽の疑いについては「事件の認識が甘く、連絡が遅れただけ」と否定している。
同会によると、施設長は昨年11月1日、少女への虐待の疑いを把握し、同6日、理事
長に「恋愛関係から性的関係をもった疑惑がある」と連絡した。翌日、理事長と施設長が
元職員らと話したが、児相に通告したのは、外部から指摘があった同20日だった。理事
長は元職員に「
(元職員の)交際相手には黙っておけよ」と話したというが「男女の問題と
して捉えていただけで、犯罪を隠すための発言ではなかった」と説明している。
県から改善勧告を受けた同会は第三者を含めた改善委員会を今年4月に設置。同委員会
からの協議結果を受けて31日、県に改善計画書を提出した。計画書では、速やかに通告
しなかった管理責任として6月15日付で施設長を諭旨解雇し、
「改善委員会を存続させて
運営をチェックするなど再発防止を徹底していく」としている。
呉の2歳児虐待死:パジャマ裏返しに立腹
容疑者「しつけのつもり」 /広島
毎日新聞 2013 年 05 月 31 日
同居の2歳男児を揺さぶって死なせたとして、呉市東中央2、無職、兼満康容疑者(2
6)が傷害致死容疑で逮捕された事件で、同容疑者が調べに対し、揺さぶった理由につい
て「
(男児が)パジャマを裏返しに着ていて、とがめたが直さなかったので腹が立った」と
供述していることが30日、県警への取材で分かった。
「しつけのつもりだった」と話して
いるといい、県警は衝動的にやった可能性もあるとみて詳しい経緯を調べている。
亡くなったのは、兼満容疑者の交際相手の長男、西陽太(ひなた)ちゃん。事件の1週
間ほど前から同容疑者宅で一緒に暮らしていたという。同容疑者は、先月14日に陽太ち
ゃんを前後に強く揺さぶり、急性硬膜下血腫で翌日死亡させたとして逮捕された。同容疑
者は「体を揺さぶったが、強く揺さぶってはいない」と容疑を否認しているという。
【石川
裕士】
知事「管理を徹底する」 精神障害者情報紛失
中日新聞 2013 年 6 月 1 日 長野
県が精神障害者約七千人の氏名や病名を含む個人情報を紛失した問題で、阿部守一知事
は三十一日の定例会見で「おわびする。全庁的に個人情報の管理の在り方を考える」と謝
罪した。一方、精神障害者の家族から不安の声や管理の徹底を求める意見が上がった。
阿部知事は紛失の公表が職員が紛失に気付いてから二カ月後だった点に、
「誰が責任を持
っているか、明確にしないと報告が遅れる」と説明し、責任者の明確化が必要との考えを
示した。
阿部知事は三十日、情報管理の徹底と管理責任者の明確化を、公文書管理や個人情報保
護が担当の情報公開・私学課に、職場での報告や連絡の徹底などを人事課に指示した。
県は二十九日、医療費の明細書である「診療報酬明細書」など計二万九千四百件の情報
が記録された書類や、CD-ROM三枚を紛失したと発表。紛失した書類などは床に積み
上がった不要な書類と一緒に置いていた。
一方、精神障害者の家族会でつくるNPO法人・県精神保健福祉会連合会(長野市)は
三十一日、市内で定期総会を開いた。戸田允文(まさのり)理事長は「文書やデータを規
定通りに管理してほしい」と指摘。統合失調症の子どもがいる上伊那地域の女性(61)
は「書類を雑に扱っていたのかと驚いた。他の書類は大丈夫なのか」と不信感をあらわに
していた。 (森若奈)
「事前指定」 みとりの助け
LMD研究会 学習会で実例報告
中日新聞 2013 年 5 月 28 日
「管は嫌…」家族も踏ん切り 苦悩せず自
然な形に
LMD研究会の学習会で、小池悠紀子さんの話に耳
を傾ける参加者=2月、名古屋市東区で
病気や事故などで病状が悪化し、医師や
家族とコミュニケーションが取れなくなっ
た場合の治療法や栄養補給を、事前に指定
しておく「事前指定書」
。その普及に取り組
む「LMD(レット・ミー・ディサイド)
研究会」東海支部は年4回、学習会を開き、
終末期医療と、その周辺の介護や社会制度
への理解を深めている。学習会は会員でなくても参加可能だ。(佐橋大)
「終末期ケアを考える」をテーマに、2月に名古屋市東区で開かれた学習会には、市民
ら約30人が集まった。施設でのみとりで、亡くなる人の意思がどう生かされたかを実例
から学んだ。市内の老人保健施設で家族を見送った女性2人が、それぞれの体験を話した。
その1人、同市守山区の小池悠紀子さん(71)は昨年5月、92歳の母を亡くした。
「施
設の協力と夫の理解、家族の意見の一致があって、みとりができた」と振り返った。母は
2006年に脳梗塞で倒れ、言語障害と右半身にまひが残った。2つの病院と1つの施設
を経て、08年に移った施設は身体拘束が少なく、小池さんは施設に感謝していた。だが、
10年ごろから、母はしばしば肺炎や帯状疱疹(ほうしん)になり、食べる能力も低下し
ていった。
それでも「いつかまた元気になる」と思っていた小池さんは、ある日、衝撃的な光景を
見た。施設の職員が、注射器のような器具で母の口に、どろどろの流動食を流していた。
「動
物に餌をやるみたい」と思って泣いた。スプーンでは、うまく食べられないほど衰えてい
る、と気付いたのは数日後。誤解から取り乱したことを職員に謝った。「家族とはそんなも
のです」と小池さん。
その翌月の4月、医師から「いろいろ手を尽くしたが…」と、みとりを勧められた。食
事も難しいと実感していた小池さんは、その言葉を受け入れられた。
「管を付けてまで生き
たくない」と母が常々言っていたことも、決断を後押しした。
亡くなるまでの2週間は個室に移った。食事も点滴もなし。
「唇を水で湿らせるだけとは」
と驚いたが「部屋は自由に使って」
「好きな音楽を聴かせてあげて」と職員の心遣いがうれ
しかった。何より母をみとるという未知の経験を、1人でせずに済むことが心強かった。
母はコミュニケーションを取れる状態でなかったが、職員は何度も声を掛けてくれた。
5月4日には92歳の誕生日を職員が祝ってくれた。布でケーキを作り、寄せ書きの色
紙もプレゼントしてくれた。2歳と4歳のひ孫も来た。その翌日、母は息を引き取った。
死に顔は、やせたが「白くなり、きれいになった」という印象。唇は紅を差したような色
つやだった。
多くのみとりをする特別養護老人ホーム「せんねん村」(愛知県西尾市)の施設長で、東
海支部代表の中沢明子さんは「とろみを付けるなど、本人に合った食事形態にしても、高
齢で食べられなくなるのは老衰。食べなくてもいい年齢になったということ。老衰で亡く
なるのは、自然で一番苦しまない。お顔も皆、きれいですよ」と施設での経験を語る。「で
も、なかなかあきらめきれないのが家族。食べさせずに、死なせていいか悩む。周囲から
かわいそうと言われて悩む」と、終末期医療と向き合う家族の苦悩を代弁する。
そこで役立つのが、終末期の意向を周囲に事前に伝えておくことだという。特に、文書
で残すのが迷う要素が少ないという。学習会で発表した2つの事例は、いずれも文書や口
頭で伝えていた。参加者は、その意義を実感していた。
次回の学習会は6月2日午後1時半から名古屋市中区千代田5、市男女平等参画推進セ
ンター「つながれっとNAGOYA」で。テーマは「『ついに来た! ああ介護』その時あ
なたは…」
。介護が必要になったときの対応を学ぶ。愛知県医療法人協会会長の井出宏さん
と、同市社会福祉協議会権利擁護推進部長の弘田直紀さんが話す。資料代1000円。事
前に、なかざわ記念クリニックのLMD事務局=電0563(54)5662=に申し込
む。
LMD研究会東海支部 事前指定書に関心のある医療関係者や市民らで1995年に結
成。会員は約120人。学習会では事前指定書の書き方や、終末期医療やみとりを学ぶ。
医療関係者に事前指定書の理解を広める活動にも力を入れている。
子どもを守る
「いじめ」見抜く方法
日本経済新聞 2013 年 5 月 31 日
いじめの報道に接するたびに心を痛める。子どもたちを傷つけないために、親が何をで
きるのだろう。自分たちの問題として考えたい。わが子が発しているサインを見逃さない
ためのチェックポイントも紹介する。
「親友にだけは本音が言えない」
。最近の子どもたちがよく
言う言葉として児童心理司の山脇由貴子さんが著書『震える
学校』
(ポプラ社)の中で触れている。親友だからこそ本音が
言えるのではないか。山脇さんにその点を尋ねると、
「そもそ
も親友の意味が違うのです」と説明してくれた。
「彼らにとっての親友とは表面的に一番仲のいい子、一緒
にいる時間が一番長い子です。本音を言ったら嫌われるかも
しれない、いじめられちゃうかもしれないと思っているので
す」
友達関係に「信頼」がない。では子どもたちが信頼に基づいた本当の意味での親友を持
てれば、いじめをめぐる環境も変わるのだろうか。だが山脇さんは懐疑的な見方をしてい
る。
■ネットが変えた交友関係
「そもそも携帯電話がある限り、そういう信頼関係ができないのではないかと考えてい
るのです。メールが来たらすぐ返す。LINEで取り残されないようにする。そうしない
と明日から友達がいなくなってしまうという不安の中で生きている」
誰にでもなれるネットの中で、ひょっとしたら“友達”が自分の悪口を言っているかも
しれない。見えないところで自分を傷付ける何かが進んでいるかもしれない。子どもたち
にとって、この不安はとてつもなく大きい。だからいまどきの子どもは自分の名前を入力
してネットで検索したりするのだ。自分に関する何かが書かれているのではないかと。
では携帯電話を持たなければいいのではないか。
「今度は持っていないことでいじめられます。持っているのがスマホじゃないというこ
とで中学生がいじめられたケースもあります」(山脇さん)
際限のない話なのだ。これくらい子どもたちとネットは切り離せない関係になっており、
いじめには必ずネットが絡む。ケータイやスマホばかりいじっていた子どもが急に触らな
くなったのなら、背景にいじめがあると考えてもいいのである。
■いじめは全員が加害者
いじめは誰もが加害者になるし、いじめが始まると全員が参加することを強要され、全
員が加害者となる。ターゲットが変わり、いじめていた子がいじめられるようになったり、
いじめられていた子がいじめるようになったりする。いじめる側にいることが、いじめら
れないための最適の手段である。山脇さんは著書『教室の悪魔』
(ポプラ社)で、いじめの
実態についてこう指摘している。
誰もがいじめをする可能性はあるのだ。この認識がいじめ問題に取り組むときに欠かせ
ない。
ただ、いじめる側の中心になりがちの子には共通した要素が見られると指摘するのは、い
じめ問題に取り組むNPOジェントルハート プロジェクト理事の武田さち子さんだ。
「子どもが何らかのストレスを受けている場合が多い。受験のために毎日勉強で、点数が
下がるとお小遣いがもらえないという子もいる。そういう子がストレスをため込んで、い
じめに走ります」
勉強にしてもスポーツにしても早期教育が流行。普段から課題ができないと大人から厳
しく注意されたり、場合によっては罵倒されたりしている。すると、
「学校でできない子を
見て、自分がされるのと同じようにその子にきつく当たるようになる。頑張らない子を見
ると、許せなくなる」
(武田さん)
。
自分の親や他の大人を通じて身に付けた価値観や物事に対する態度が、いじめに関する
行動にもつながっているのだ。
こういった点から武田さんは、中心となった加害者に対するカウンセリングこそ必要と
主張する。
「私の知る限り、大きな事件
を起こした子どもたちには、必ずスト
レスにつながる背景があった。ほとん
どが親の問題。加害者の子が何にスト
レスを感じているのかを突き止めるの
が大切です」
■悪いのは誰かが問題なのではない
今のいじめは子どもだけで解決する
のは難しい。親や教師が問題解決にど
う取り組むかが大きなポイントだ。だ
がその大人の行動がずれている。
「子ども世界に問題が起こると、必
ず大人同士が敵対する。悪いのは誰か
という話に終始して、うちは関係ない、
悪くないと思おうとする。その延長線
上にはうちの子さえよければいいとい
う考えがある。それではいじめは絶対
に解決しません」と山脇さん。
武田さんもこう指摘する。
「今のいじめ
は被害者や加害者だけでは絶対に解決
しない。社会の問題としてさまざまな
人が取り組みに参加する必要がありま
す」
いじめはすべての親にとっての問題。
こう考えることが解決への最初の一歩
なのだ。
サインを見逃さない ~いじめを見抜
く方法~
山脇由貴子著『教室の悪魔』より
いじめの報道に触れるたびに、
「親は
どうして気が付かなかったのだろう」
と疑問に思うことはないだろうか。自
分の子どものことなのだから親なら気
が付くはずだと。だがそれを児童心理
司の山脇由貴子さんはあっさり否定す
る。
「気付かなくて当然です。子どもは
必死に隠しますから。一生懸命明るく
振る舞っていますよ。たくさんウソを
ついて。学校からの帰り道、家ではこ
ういう話をしようと、一生懸命作り話
を考えながら帰るんです」
なぜウソをつくのか。それは親に知
られたら、結果としてもっとひどい目
に遭うと思うからである。
「両親は自分
のことを大事にしてくれる。いじめの
ことを知ったら、きっと学校に行くだ
ろう。するとそのことを知った加害者
が、
『どうしてチクった』と言って、も
っとひどいことをするに違いない。こう考えるわけです」
山脇さんは『教室の悪魔』の中で、
「子どもは自分の親が子ども思いで正義感が強いと信
じていればいるほど、いじめの事実を必死に隠そうとする」と指摘している。
ではいじめを見抜く方法はないのか。上に示したのは、同書から引用したいじめを見抜
くためのチェックリストだ。この項目を意識しながら子どもの様子を普段からきめ細かく
観察したい。ただし、当てはまる項目があったとしても、子どもに対してすぐに「いじめ
られているんじゃないの」と問いただすのはNGだ。
さてもう一つ気になるのが、自分の子がいじめをしていないのかということ。
「いじめて
いる」兆候というのはないのだろうか。
この点について山脇さんは、
「授業参観などに来なくていいと言うなど、いじめられている
ケースとポイントは似ている」と説明する。そのうえで、金遣いが荒くなった、持ち物が
急に増えた、付き合っていなかったはずの友達と最近仲がいい、妙にテンションが高いと
いった点に注意すべきと指摘した。
この人たちに聞きました
山脇由貴子さん 児童心理司。東京都児童相談所の児童心理
司として年間 200 以上の家族から相談を受ける。教育委員会などからの依頼を受け、学校
改革アドバイザーとしても活躍。著書に『震える学校』
(ポプラ社)など。
武田さち子さん ジェントルハート プロジェクト理事。いじめ問題に取り組む NPO の理
事であり、教育評論家としても活躍。全国の小中学校などで講演活動を行っている。著書
に『わが子をいじめから守る 10 カ条』
(WAVE 出版)など。
(日経BP生活情報グループ別冊編集長 尾島和雄)
[『日経キッズプラス 当たり前ができる子に育てる 心の教育』の記事を基に再構成]
障害者、カフェで地域交流 市川三郷・福祉事業所が開設
山梨日日新聞 2013 年 06 月 01 日
市川三郷町大塚の指定障害福祉サービス事業所「リベルタ」(鈴木美枝施設長)内に、コ
ミュニティーカフェがオープンした。地域との関わりを増やし、施設利用者の就労準備を
促そうと県の補助金を活用して開設。地域の交流拠点や障害者の自立支援の場として定着
を目指す。事業所の利用者が調理、接客している。
カフェは、同事業所が拠点としている古民家に隣接した倉庫を改修して整備。20人ほ
どが座れるよう、テーブル席とソファを置いている。施設利用者が交代で調理から接客ま
でを担当し、コーヒー2種類といなりずし弁当を提供している。
昨年7月から事業所を利用している同町在住の男性(37)は、
「人と話すのは少し苦手
だけれど、カフェで大勢の人と接したい」と、意欲的に仕事に臨んでいる。
今後は住民グループの勉強会や地区の会議、大学のゼミ活動などでも広くカフェを開放
していく予定。2日午後1時からは、カフェのPRと地域住民との交流を兼ねて、カフェ
の外でフリーマーケットも開く。
鈴木施設長は「多くの人がカフェに集まり、障害や難病がある利用者への理解が深まれ
ばうれしい」と話している。フリーマーケットの参加やカフェの弁当の注文は事前の連絡
が必要。問い合わせはリベルタ、電話055(288)1549。
水戸特別支援学校で歯科医・林さん講演「窒息や誤嚥に注意」「安全な食事」大切さ強調
茨城新聞 2013 年 6 月 2 日
水戸市吉沢町の県立水戸特別支援学校(鈴木功校長)で 5 月 28 日、保護者と教職員向けの
摂食指導講習会が開かれ、日本大松戸歯学部で障害者歯科講座を受け持つ歯科医師の林佐
智代さんが「安全な食事をするために」をテーマに講演した。林さんは「安全に食べるた
めには窒息、誤嚥(ごえん)、低栄養に気を付けて」と強調した。
同校は在籍者 203 人のうち 41 人に対し、食べやすく加工した「特別食」を実施。これま
では、出来上がったおかずを刻んだり、ミキサーにかけてペースト状にして提供してきた。
6 月からは、素材段階でミキサーにかけたり、圧力鍋を使って柔かくし、味付け・調理を
後から加える「別調理食」方式を導入する。「素材の味を
楽しめる」方式の開始を前に、保護者と教職員が問題意識
を共有するため、同校が講演会を企画した。
安全な食事の取り方について話す歯科医師の林さん=水戸市吉沢町
講演で林さんは「食べること」について、「食物が口に
入るほか、運動神経を介してそしゃく・嚥下(えんか)に関
する筋に伝達される複雑な機能」と説明した。
その上で、摂食・嚥下ができない場合、「かめない、む
せる、よだれがでる」などの症状のほか「友達と遊べない、
体力がない」などの社会的問題も発生すると指摘。「食事
を通して生きる力を育むことが大切」と訴えた。
さらに、嚥下機能の獲得方法など具体的な対策についても解説した。
認知症の高齢者462万人
予備軍も400万人 推計4人に1人
中日新聞 2013 年 6 月 2 日
六十五歳以上の高齢者のうち、認知症の人は推計15%で、二〇一二年時点で約四百六
十二万人に上ることが一日、厚生労働省研究班(代表者・朝田
隆筑波大教授)の調査で分かった。認知症になる可能性がある
軽度認知障害(MCI)の高齢者も約四百万人いると推計。六
十五歳以上の四人に一人が認知症とその“予備軍”となる計算で、
政府は早急な対策を迫られそうだ。
調査は〇九~一二年度に、愛知県大府市や茨城県つくば市、
佐賀県伊万里市など全国八市町で実施。本人への面接や家族へ
の聞き取りなどに加えて医師が診断を行って計五千三百八十六
人分のデータを分析。認知症の人の割合である有病率を調べた。
その結果、全国の有病率を15%と推計し、一二年時点の高
齢者数三千七十九万人から、認知症の人を約四百六十二万人と
した。
一〇年時点では約四百三十九万人となり、うち在宅有病者数
は約二百七十万人、その中で独居者は約四十三万人と分析した。
有病率は、年代別にみると、七十四歳までは10%以下だが、八十五歳以上で40%超
となる。また、ほとんどの年代で女性の方が高かった。
介護保険のデータに基づき、厚労省が昨年発表した認知症高齢者数は、一〇年で二百八
十万人、一二年は三百五万人。今回の調査はそれを大きく上回った。
介護サービスを使っていない高齢者に認知症の人がいるとみられ、介護体制の整備や支
援策を充実させる必要がありそうだ。
正常な状態と認知症の中間とみられるMCIの有病率は13%だった。一〇年では約三
百八十万人、一二年では約四百万人と推計した。
政府の骨太の方針素案判明 交付税の特例加算を解消
共同通信 2013 年 6 月 1 日
政府が今月中旬に決定する経済財政運営の指針「骨太の方針」の素案が1日、分かった。
地方財政は「リーマン危機以前の状況に向けて適正化を図る」とし、危機対応で導入した
地方交付税の算定で上乗せしている特別枠を解消する方針を明記した。膨らみ続ける社会
保障費は「聖域とせず見直す」考えを打ち出す。
財政健全化を重視する姿勢を示すため、2021年度以降に国と地方の借金(債務)残
高の国内総生産(GDP)比を安定的に引き下げる新たな目標も設定。それに向け、GD
P比でみた基礎的財政収支(プライマリーバランス)を15年度に10年度から半減させ、
20年度に黒字化するという従来目標も踏襲する。
障害者雇用率:全国ワースト3位
HPで事例紹介 労働局、企業の不安解消狙う /三重
毎日新聞 2013 年 06 月 02 日
企業の全従業員に占める障害者の割合を示す雇用率が全国ワースト3位の県。事態の改
善を図るため、厚生労働省三重労働局は5月から、ホームページ(HP)で県内企業など
の障害者雇用事例集の掲載を始めた。【谷口拓未】
障害者雇用促進法は50人以上の企業に対し、障害者を全従業員の2%以上雇用するよ
う義務づけている。だが、県では雇用率は上がらず、昨年6月1日現在で1・57%。全
国平均の1・69%も下回る。
雇用率の改善には、企業側の理解が不可欠だ。労働局職業対策課によると、雇用歴のな
い事業所はその機会があっても身構えてしまい、採用しないことがあるという。同課は企
業側の不安を解消し、理解を深めてもらおうと、事例集を作成した。
8企業、1病院、1社会福祉法人の10例を掲載。事業形態や全従業員数、障害者数や
従事している仕事などのプロフィルに加え、「採用に至るまでのポイント」「採用後の定着
のポイント」を示す。企業の担当者からのメッセージもある。
「他の職員との連携、協力、理解が得られるよう取り組むことが大切」
「環境を整えれば
戦力として雇用できるとわかった」
「本人の障害特性などの情報を得ることで、円滑に受け
入れられる」などの記載が見られる。
内田護課長は「企業が障害者雇用を高いハードルと思い込んでしまうことが問題。環境
さえ整えば、何ら難しいことではないと分かってほしい」と話している。
HPのURLは「http://mie-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp/」。同課は事例集の更新も予
定しており、取材協力してくれる企業も探す。問い合わせなどは職業対策課(059・2
26・2306)
。
◇障害者雇用実績のある企業などからのメッセージ
・環境を整えれば知的障害者を戦力として雇用することが十分可能であることが分かった。
(化学メーカー)
・いかに適用できる(能力を生かせる)仕事を見いだせるかだ。企業として多様な人材を
効率的に活用できる仕組みが出来上がる。(ゴルフ場管理)
・職場体験、実習を通じてお互いに職場環境や雰囲気を確認することができる。
(食品メー
カー)
・ソフト・ハード両面で受け入れ環境を整備しておくことが安定した雇用につながるポイ
ント。
(社会福祉法人)
・共に歩むことで、徐々に社内風土が変わり、個人組織も成長していきます。(製薬)
・一度会ってみて話を聞いたうえで雇用を考えてみては。(精密機器メーカー)
月刊情報誌「太陽の子」、隔月本人新聞「青空新聞」、社内誌「つなぐちゃんベクトル」、ネット情報「たまにブログ」も
大阪市天王寺区生玉前町 5-33 社会福祉法人大阪手をつなぐ育成会 社会政策研究所発行