(1)滝川市の財政概要

(Ⅰ) 官庁会計と新地方公会計制度の違い
これまでの地方公共団体の会計 (単式簿記)
現金
ひとつの取引
サービス対価の支出
ひとつの取引
サービス対価の収入
現金
ひとつの取引について、「現金」という1つの科目の収支のみを記録したもの!
新地方公会計制度 (複式簿記)
原
ひとつの取引
因
結
果
ひとつの取引について、「原因」と「結果」の両方から二面的に記録するもの!
~資産の動きや行政サービスの提供に必要なコストの把握などを可能とする
(Ⅱ) 対象とする会計の範囲
滝川市の財政は、目的によって財布をいくつかに分けてやりくりしています。そして、そのそれぞれの財布を
「会計」と呼んでいます。(詳細は下図のとおり)
これまでは、「普通会計」をベースとして決算上の統計等が行われてきましたが、財政健全化法が施行され、
市全体としての財政状況の健全性が問われております。新地方公会計制度のもと、滝川市においては、市の
各会計のみならず、一部事務組合、第三セクター等までをも連結させた財務諸表の作成しております。
連 結 会 計
単 体 会 計
普 通 会 計
一般会計 ・ 公営住宅事業特別会計 ・ 勤労者福祉共済特別会計
特別会計
国民健康保険特別会計 ・ 下水道事業特別会計 ・ 老人保健特別
会計 ・ 介護保険事業特別会計 (保険事業勘定 ・ サービス事業勘
定) ・ 後期高齢者医療事業特別会計 ・ 病院事業会計
一部事務組合
空知教育センター組合 ・ 中空知衛生施設組合 ・ 中空知広域市町
村圏組合 ・ 滝川地区消防事務組合 ・ 中空知広域水道企業団 ・
石狩川流域下水道組合
<以下 全道組織>
退職手当組合 ・ 市町村備荒資金組合 ・ 後期高齢者医療広域連
合
第三セクター等
滝川振興公社 ・ 滝川農業開発公社 ・ 滝川グリーンズ ・ アニム
滝川 ・ 滝川市体育協会 ・ 滝川市生涯学習振興会 ・ 滝川国際
交流協会 ・ 滝川市土地開発公社
(Ⅲ) 基準モデルと改訂モデル
~採用モデルの選択
新地方公会計制度の導入に当たっては、①基準モデルと、②総務省方式改訂モデルの大きく2つの方式が
国から示されています。
滝川市においては、次の特徴を持つ基準モデルを採用しています。
区 分
基準モデル(滝川市採用)
総務省方式改訂モデル
固定資産の算定方法
(初年度期首残高)
○残存する固定資産をすべてリストアップ ○売却可能資産:時価評価
し、公正価値により評価
○売却可能資産以外:過去の建設事業費
の積み上げにより算定
固定資産の算定方法
(継続作成時)
○発生主義的な財務会計データから固定
⇒ 段階的に固定資産情報を整備
資産情報を作成
固定資産の範囲
○すべての固定資産を網羅
○当初は建設事業費の範囲
⇒ 段階的に拡張し、立木、物品、ソフト
ウェアなどを含めることを想定
台帳整備
○開始貸借対照表作成時に整備。
その後継続的に更新。
○段階的整備を想定
⇒ 売却可能資産、土地を優先
作成時の負荷
○当初は、売却可能資産の洗い出しと評
価、回収不能見込み額の算定など、現行
○当初は、固定資産の台帳整備及び仕訳
総務省方式作成団体であれば負荷は比
パターンの整備等に伴う負荷あり。
較的軽減される。
○継続作成時には、負荷は減少する。
○継続作成時には、段階的整備に伴う負
荷あり。
財務書類の検証可能性
○財務書類の数値から元帳、伝票に溯っ ○台帳の段階的整備等により、検証可能
て検証可能。
性を高めることは可能。
財務書類の作成・開示時期
○出納整理期間後、早期の作成・開示が ○出納整理期間後、決算統計と並行して
可能
作成・開示
(出典 : 新地方公会計制度実務研究会報告書(平成19年10月)総務省)
基準モデルを採用する効果
基準モデルは、開始貸借対照表を作成する際に、すべての固定資産を公正価値
で評価することが前提となります。決算統計上の建設事業費を基に算定する改訂
モデルと比較して、正確な資産把握を行えると考えています。