家庭での血圧測定のすすめ

平成23年5月
第18号
HP
住所
平塚市平塚2―12―11
電話
0463―37―4320
FAX
0463―37―4322
http://www.takada―naika―clinic.com/
この度の東日本大震災において被害に遭われた
方々に謹んでお見舞い申し上げます。
一日も早い復興を心よりお祈り致します。
スタッフ一同
☆家庭での血圧測定のすすめ☆
「病院で測ると家で測るときより血圧が高い」もしくは「低いな~」と話され
る方が多くいます。
病院で測ると緊張して血圧が高くなる『白衣高血圧』は聞いたことがある方も
いるかも知れませんね。しかし、逆のパターンもあり、病院での血圧は低いの
に家庭での血圧が高い『仮面高血圧』の方も多いのです。
月1回程度、診察に来て、普段とは異なった状況で測定すると血圧にバラツ
キが生じやすくなります。
家庭で普段の生活を送りながら、定期的に測定する値の方がより安定した血圧
となり、診察の際に重要な指標となります。
糖尿病の方は合併症として動脈硬化を起こしやすく、予防の為にも血圧のコ
ントロールが重要となります。血圧のコントロールの目安としては、診察室で
の血圧が130/80未満。家庭での血圧は125/75未満を目標としまし
ょう。
※血圧測定のポイント
・ できれば上腕で測定するタイプの血圧計で測定しましょう
(誤差が少なく、安定した数値が測定できるからです)
・ 測定時間は朝が最も重要となります。(可能なら就寝前にも)
起床後1時間以内。排尿後、朝食・薬の服用前に測定するのが基本です。
分かりやすい内分泌疾患の話し(16)
成長ホルモン分泌不全症
1) 成長ホルモン分泌不全性低身長症
成長ホルモンの分泌不全により身長が伸びなくなります。通常の身体のつりあいがと
れた低身長です。実際には他の下垂体ホルモンの低下を伴っているものもあります。一部は
視床下部あるいは下垂体の腫瘍等によって起こりますが、大部分の例では原因がはっきりし
ません。これを特発性と呼びます。この特発性のうち出産時の障害が原因と考えられるもの
がありますが、最近は産科の技術の進歩により我が国では減っています。実際、頻度として
はそんなに多いものではなく低身長のほとんどは成長ホルモンには異常はありません。しか
し、何年生になってもクラスで常に一番背の低い場合一度成長ホルモンの検査を受けたほう
がよいかもしれません。
腫瘍が原因の場合、腫瘍の増大による頭痛、吐き気、物が二重に見えるというような
症状がみられることがあります。
2) 成人成長ホルモン分泌不全症
成人の成長ホルモン分泌不全症には小児期に発症して大人になった場合と、成人に
なってからから起こったものがあります。 成人になってから発症した成長ホルモン分泌不全
症には原因のはっきりしものがほとんどで、特発性のものは稀です。
症状としては疲れやすい、うつ状態、性欲低下などがあります。その他には内臓脂肪
が増えてウエスト径の増大、筋力低下がありますが、これらは普通の人でも年をとれば多少
ともあることですので、区別がつかないのが現実です。従って、視床下部-下垂体に病気のあ
る人では成長ホルモンの検査を行っておくことが必要です。
成長ホルモンは健常人でも低い値を示し測定できないことがありますので、分泌刺激試
験が必要となります。成長ホルモン分泌不全症では成長ホルモン以外の下垂体ホルモンの
分泌不全を伴うことが多いので、これらのホルモンを調べることも必要です。
治療
小児では身長を伸ばし、正常者と同じに保つことが目標です。一方成人では、疲れやす
さ、増加している体脂肪量・血中脂質異常を是正すること等が目標となります。そのために毎
日成長ホルモン剤を注射します。他の下垂体ホルモンの異常があるときはそれらの治療も
行います。
☆糖尿病性神経障害って、な~に?☆
皆さんは糖尿の合併症にはどういった症状があるかご存知ですか?
血液は全身の隅ずみまで流れており、血液中の糖が高いことで身体中のいたる
所に合併症として現われます。
特に糖尿病性腎症・糖尿病性網膜症・糖尿病性神経障害は、糖尿病の三大合
併症として有名ですので聞いたことがあるという方もいるかも知れませんね。
今回はその中の一つ、糖尿病性神経障害について説明したいと思います。
(その他の合併症は下記の図を参照して下さい。)
糖尿病性神経障害は三大合併症の中でも比較的早期に出現すると言われていま
す。高血糖が持続することによって神経が変性し、末梢血管にまでしっかり血
液が行き届かない為に生じてくると言われています。
神経障害には末梢神経障害と自律神経障害の二つに分けて考えられます。
① 末梢神経障害
末梢神経には痛みや温度・触れた時の感覚などを司る感覚神経と、手や足
を自由に動かす運動神経に分けられます。
高血糖が続くことで末梢の感覚神経の働きが低下し、足先のしびれが左右対称
に出現してきます。(手のしびれもありますが、早期には足先からのしびれが多
いようです。)
症状としては、しびれの他に足先が冷たく感じる。足の感覚が鈍くなった。靴
を履いて歩いていても砂利を踏む感じがする等です。さらに進行すると運動神
経にも影響を及ぼします。
顔面神経麻痺や目を動かす神経が障害されて物が二重に見える等の症状が現わ
れます。しかし、一番注意が必要なのは感覚が鈍くなったことで、怪我や火傷
をしても気づかずに放置をして傷口が化膿して
壊疽を起こし、ひどい時には足を切断しなくては
☆糖尿病の合併症の図☆
ならない事態にまで進行してしまうのです。
② 自律神経障害
自律神経には内臓を調節する機能があり、心臓・肺
胃・腸等の働きを司ります。自律神経が障害される
ことによってED(勃起不全)や排便・排尿障害や発汗
障害、胃から小腸へ食べ物を送り出す働きが低下し
たり、起立性低血圧等の症状が現われます。
※糖尿病性神経障害と診断されたら注意する点としては・・・・・?
☆血糖値を改善し、血糖コントロールを図る!
☆普段から足や手の状態を観察し、傷や火傷、水虫がないか注意する!
☆自分の足の形にあった靴を選択する!(きつい靴は履かない。)
☆定期的に検査を受ける!(当院で神経障害の検査を行なっています。)
☆異常があれば(潰瘍や火傷)すぐに医療機関に受診する!
以上の事に注意しましょう。気になる事があればスタッフに質問して下さい。
診察日時変更のお知らせ
今まで木曜の午後を休診とさせていただいて
いましたが、6 月より火曜の午後を休診とさせて
いただきます。
したがって、火曜日は午前中のみの診療となり
木曜日は午前・午後の診療となります。
皆様にはご迷惑をお掛けいたしますが、ご理解・ご周知の程
よろしくお願い致します。
高血圧の予防には昔から塩分を抑えることは言われていますね。
ここ
しかし、日本人は塩分を多く摂る民族の様で、欧米各国に比べて2倍
以上の塩分を摂取しているようです。塩分摂取の目安として厚生労働
省から報告されている『日本人の食事摂取基準』によるとナトリウム(食
塩相当量)の目標量は男性9.0g未満、女性7.5g未満とされてい
ます。濃い味付けに慣れていると薄味は物足りないと感じると思いま
すが、塩分を控えると血圧の値が改善するというデーターもあります。
今は減塩の商品も数多く売られているので上手に活用して血圧の改善
に取り組めると良いですね。
オ
看護師 O