『食』を通じた地域おこし

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以前、ギリシャのクレタ島での観光
と食を結び つけたプ ロモーション事業
5カ国からジャ
に招待 された。世界 1
ーナリスト、バイヤー、シェフなど15
0人が参加した。ギリシャはもともと
農業が盛んだったところ。小さな農家
や加工品の流通 ・
PRを政府がサポー
トし、地域経済 の振 興に取り組 んで
いるそうだ。
そこではまずがフンスの取れたギリ
シャ料理についての話やシェフたちの新
しいギリシャ料理の提案があり、ワイ
ン、オリーブオイル、魚、チーズなどの
テイスティングと商談の場が用意され
ていた。そして夕方からは何チームか
に分かれ、5軒の一
般家庭を訪問し、伝
地域 の観光を結び つけた演出は素晴
統 の手作り料理を味わった。また食と
らしいもので、伝統の歌と踊りが繰り
広げられる村の広場、海辺のレストラ
ン、山の上のワイナリーなどで、厳選さ
れた地域素材を使 ったフルコースのギ
リシャ料理が用意されていた。
5年 前 から農業 や環境 問題
私 は1
などの取材 で、全国約 600ヶ所を
巡 った。また子供たちに本物 の味と
食を伝えたいと、農家やシェフたちと
の連携 でワークショップを行 ってき
た。そんな中 で思う のは、日本 の地
方 にもギ リシャに負けない素材があ
る。ギ リ シャの取 り組 みは﹁
食﹂
を通
じた地域 おこし のヒントになるとい
うことだ。
松川浦ガイドブ ックとはぜ つ子倶
周辺の食事情を見させていただいた
楽部 の招 きで相馬市を訪れ、松川浦
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時、特 に印象に残 ったのは、魚離れが
い方法はな いだろう かという漁港 で
若 い人たちに広がるなかで、なにかい
の話だ った。環境 の変化 で漁獲 量が
減 っていること。漁師が高齢化してい
ること。漁港周辺でも魚離 れが進ん
でいた。
そんな ことから思 いついて各地 で
始めたのが、漁港と漁師、料理家、行
政、商店街、一
般 の方 々とのヨフボ レ
ーションによる、料理会の開催である。
年間 の魚種、漁獲
まず 漁業組合 に 一
量、港や海の現状をテキストにしても
?つ。こうすれば漁港をとりまく環
ヽ
キストができれば子どもたちに教え
境 がより簡単 にだれでもわかる。テ
さらに地域 で評判の料理家が最上
ることができる。
の料理を公開で行 い、レシピや料理法
を披露する。素材 は地元 の旬 のも の
を使う ことが原則だ。という のも港の
料理となると刺身、焼き物、煮物、鍋
が中心で、パターン化したものがほと
んどだったからだ。ある時はフレンチの
金
シェフにブイヤベースを、ある時は茶基
を貸しきって寿司を、またある時は漁
港の目の前の酒蔵で新鮮な魚でのイタ
リアンのフルコースを行った。
実際 にやってみることで、港の様子
や魚 の種類 が理解 でき、新 しい料 理
法やメニューが生まれた。取り巻く環
境 も知 ってもらえ、地元 の新たな連
携 が生まれた。地域 のよさが再発見
された。実 はこれらのワークショップ
から地域に根ざした活動が広がり始
めている。若 い人たちが、地域景観に
配慮 した料理会を次々に始めている
のはうれしいことだ。
食環境ジャーナリス
︵
かなまるひろみ・
ト/食総合プロデューサー︶
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