ROCKY NOTE 肺血栓塞栓症(061221) Wells scoring systemが評価に有用 である。以下の項目を臨床的にチェ ックし、Dダイマーを測定する。 □ 臨床的な徴候(下腿の浮腫や 触診による疼痛) □ 他の疾患より疑わしい □ 心拍数100回以上 □ 運動制限(少なくとも3日の寝た きり)、過去4週以内の手術 □ 深部静脈血栓症や肺塞栓の既 往 □ 喀血 □ 悪性腫瘍 検査 Dダイマー Wellsスコアで2点以下でDダイマー (ELISA)陰性で陰性的中率99.5% 以上である。 (文献1より引用) ①臨床的にlow、Dダイマーで正常の場合:これ以上評価や治療は不要 ②臨床的にlow、Dダイマーで異常の場合./臨床的にmoderate-highの場合:CT、エコー ③臨床的にmoderate-highでCTまたはエコーで異常のある場合:Dダイマーの値にかかわらず治 療 ④Dダイマー異常、かつ、CTやエコーで以上のない場合:臨床的にlow-moderateであればエコー を再検する。臨床的にhighであれば肺血管造影を行う。 この手順で除外されれば、治療をせずに3ヶ月以内に肺塞栓が起こる確率は1%以下である。 D-ダイマーに関するメタアナリシスが 2004 年の Ann Intern Med に掲載されている。それによる と、PE に対する D ダイマー(ELISA)の感度と特異度は 95%、44%とされる。陽性尤度日は 1.68 な ROCKY NOTE ROCKY NOTE ので陽性に出るとなんともいえない結果であるが、陰性尤度比は 0.13 なので陰性のときは否定す るのに有用である。D ダイマーの測定には様々な方法があるようであるか、感度が高く、特異度が 低い傾向はどの方法でも同様のようである。 (文献 2 より引用) カットオフ値による感度と特異度は以下のとおり。ほとんどの研究で 500ng/mL である。ざっと目 を通すと、カットオフ値を上げても特異度はそれほど高くならず、診断にも否定にも使いにくくなり そうである。割り切って、否定のための検査と認識しておいてもよさそうである。 ROCKY NOTE ROCKY NOTE (文献 2 より引用) 参考文献 1. Cayley WE Jr. Diagnosing the cause of chest pain.Am Fam Physician. 2005 Nov 15;72(10):2012-21. Review. 2. Stein PD et al. D-dimer for the exclusion of acute venous thrombosis and pulmonary embolism: a systematic review. Ann Intern Med. 2004 Apr 20;140(8):589-602. ROCKY NOTE
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