単純ヘルペス(2 型)(121221)

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単純ヘルペス(2 型)(121221)
30 代女性。1 年に 1 回ほど、疲れたときなどに、大腿外側に皮疹が出現する。いつも同じ場所。
服薬との関連は無し。近医での治療歴もあるが、自然に消失することもある。最初は水疱で、
徐々に膿疱に変化する。水疱周囲の発赤と腫脹を認める。最初はかゆみで徐々に痛みに変化す
るという。湿疹や細菌感染というより、単純ヘルペス(Ⅱ型)を疑った。
口唇のヘルペスは良く診るが、陰部、臀部、大腿のヘルペスはあまり診たことが無いため、診断
に関してはあまり自信が無い・・・。
こんな感じです。水疱から膿疱へ変化した時期の写真。
診断の正否はともかく、これを機会に 2 型ヘルペスを簡単に復習しておく。
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性器ヘルペスは、先進国において最も一般的である潰瘍性の性感染症である。通常は
HSV-2 により引き起こされるが、10〜30%が HSV-1 に関係している。1)
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初期病変は接触後 4〜7 日で現れる。小水疱は通常、びらん状になり潰瘍を形成し融合する
ことがある。病変は、男性においては包皮、陰茎亀頭、および陰茎幹に、女性では陰唇、陰
核、会陰、腟、および子宮頸部に生じる。1)
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治癒した後に瘢痕が残ることがあり、HSV-2 は 80%、および HSV-1 では 50%が再発する。
初回発生時の性器病変は再発の性器病変よりも通常、痛みが激しく長く続き、広範囲にわた
り、さらに両側性となり局所アデノパシーおよび全身症状がより生じやすくなる。1)
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再発病変は重度の前駆症状を伴うことがあり、殿部、鼠径部、または大腿が侵されうる。1)
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殿部、大腿後面などに再発を繰り返すものは zosteriform herpes simplex と呼ばれ、HSV-
2 の感染による。この場合、帯状庖疹との鑑別が必要である。爪甲大まで小水庖が集まった
局面だけのことが一般的で、湿疹と間違えやすい。高齢者に多い。2)
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診断さえ間違わなければ、治療は大きく外すことは無い。診断を間違うと、全く効果のない治療
が当たり前のように行われることがある。自分自身が研鑽し続けることはもちろんだが、いろいろ
な先生の手助けも借りながら、患者の手助けを借りながら謙虚に診察していこうと思う。
参考文献
1.
単純ヘルペスウイルス感染症.メルクマニュアル.
http://merckmanual.jp/mmpej/sec14/ch189/ch189d.html
2.
単純疱疹.本田まりこ.治療 92(9): 2123-2125, 2010.
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