縦糸の学びと横糸の学び

平成 28 年度 10月号 川越市立月越小学
きそく正しい
校
学校教育目標
9月の生活目標
生活をしよう
自ら学び 明るく 生きぬく子
平成28年10月1日
縦糸の学びと横糸の学び
地域の方々や教育資源を学校の教育活動に取り込む。通常の教室で行われている学びを縦糸に
たとえるなら、子供たちに価値ある体験の場を提供したり、社会に生きる人たちの思いや願いに
触れたりする学習は特別な横糸にたとえることができる。縦糸の学びと横糸の学びを紡ぐことで、
子供たちの学びはより丈夫で、しなやかで、確かな学びとなると私は考えている。例えば、林間
学校や修学旅行といった学校行事、総合的な学習の時間に6年生で行った車いすバスケットや3
年生で行った新校舎開校当時の校長先生へのインタビューなども横糸である。
車いすバスケットでは、佐野選手に2回来校いただいた。1
回目は、車いすになった経緯と車いすの生活について話を頂い
た。
「誰でも障害者になる。なりたいと思っていなくても僕のよ
うに突然事故で車いすになる。
」
「毎日が死にたくなるほどつら
かった。
」と語る佐野さん。でも医者の懸命な治療で、上半身
だけは動くようになる。家族が懸命に支えてくれる。そんな周
囲の姿に「こんな自分でも何かできることがあるはず。
」と考えが変わっていった。そんな折、出
合ったのが車いすバスケットだったという。
来校2回目は、その車いすバスケットを6年生全員が体験する。何とかできるのではないかと
考えていた6年生。でも、床に落ちたボールを拾うこともやさしくない。ボールを持ったら車い
すを動かすことができない。パスを出すにも受ける相手も車いすに乗っているので、身体の正面
に正確にパスをしないと取れない。佐野選手も体力トレーニングや多くの失敗を重ねながら試合
に参加できるようになったと言う。子供たちに向かって、
「大変なこともある。でも、目標を持っ
て取り組んでください。小さな目標でいいのです。その目標一個一個が達成できることで、でき
るようになります。僕がそうでしたから。
」と結んだ。
3年生は総合の時間で「月越小の自慢」を追究している。その過程で行った元水谷校長さんへ
のインタビューでは、
「とにかくいろんな場所で学習できるようにしたかった。学ぶ場は教室だけ
ではなく、ウッドデッキでも、玄関でも学ぶことができる。その方が楽しいでしょ。
」と新校舎へ
の思いを子供たちは聞き、ウッドデッキや玄関に置かれたテーブルなどの意味を知る。
こうした横糸が加わることで、教室で日常的に行う縦糸の学びが生きてくる。学びが広がり、
深まることを実感する。2学期の横糸として、文化芸術体験事業としてコンサート(全学年)
、大
和ハウス桜プロジェクトとして和楽器奏者あうんによるコンサート(高学年)
、音楽座ミュージカ
ルによる星の王子様(全学年)を予定している。皆さんの協力の下、総合的な学習の時間、音楽
の授業等の縦糸の学びに価値ある横糸の学びを今後も織り込み、誰でもが活躍できる学校を目指
していきたい。
(校長)