調香師 B249-99 ど んな職業か 香水、化粧品、石けん、シャンプー、芳香剤、入浴剤から、接着剤、ゴム、ビニール製品、印刷インクまで様々な製 品に使用される香料(フレグランス)を創るのが調香師(パフューマ−)である。 まず、依頼主(企業・部門)から依頼を受けて、どのような香りが人々に好まれているか、どのような製品に使われ るのかを把握し、その条件に適合した香りを思い描く。そして、数百∼数千もある香料の中から使用する原料を選定し て調合割合を決め、処方せんを作成する。 処方せんに従って原料のにおいをかぎながら、手と指先を使って精密天秤で原料を量り、ビーカーの中で調合してい く。香料が完成すると、見本をテストにかけ、においの強さや良し悪しを評価する。その後、試作品でテストを行い、 その結果を反映させて調合し直し、処方せんを完成させる。 完成した香料見本を依頼主に渡し、採用されれば工場で生産が始まる。また、自主的に新しい香りを生み出す創作研 究も行っている。 なお、食品や飲料に使用される食品用香料(フレーバー)を創る人はフレーバリストと呼ばれ、その数はパフューマ ーの数倍にのぼるとされる。 就 くには 入職にあたって特に資格や免許は必要とされないが、高校卒業か ら大学卒業程度の知識が求められる。調香師には、農芸化学、生物 化学、薬学など化学系の出身者が多いが、文科系の出身者も活躍し ている。 香料会社が毎年採用する新規学卒者の中から適性を考慮して若干 名を養成するのが一般的である。また、中途採用の場合もある。 入職後は天然香料で約50種類、合成香料で約500種類もある 香料の原料の香りと簡単な組合せを記憶し、その後、香料の組合せ (アコード)や調合を学び、5∼10年の経験を経て一人前になる 。 香りに対する興味を持っていること、健康で嗅覚が正常であるこ と、さらに芸術的センスなどが求められる。 労 働条件の特徴 勤務地としては東京や大阪が多く、香料会社や化粧品メーカーの研究部門に配属されている。 給与は技術系の職種なので一般社員よりもやや高く、労働時間や休日は一般社員とほぼ同じである。 現在、勤続10年以上の30∼50歳の男性が大部分を占めているが、今後は、欧米のように女性調香師が増加する と考えられている。 調香師の数は、一社あたり多くても20人程度であり、一人前と認められる調香師は、全国で百数十人と推定される 。調香師の候補者や調香師の下で働いている人を含めると300人以上と考えられるが、極めて専門的な職業であるた め、その数は決して多くはない。 労働需要は横ばいであり、今後もこの傾向は続くと思われる。 嗅覚を武器に仕事をするので、カゼをひかないようにきちんとした体調管理が求められる。 参 考情報 関連団体 日本香料工業会 http://www.jffma-jp.org/ 日本香料協会 電話:03-3526-7855 FAX:03-3526-7855
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