低血圧症の鑑別診断

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低血圧症の患者をみたら(100409)
以前は高血圧の薬を飲んでいたのに、最近では低血圧が続いているという患者。アルコールを
飲んで外出したらめまい(眼前暗黒感)が出現したとのこと。めまいのエピソードは一過性であった
が、慢性の低血圧の原因の方が重要である。
多くの疾患が原因になるので、鑑別疾患が想起できるよう低血圧の鑑別について一度勉強して
みることにした。問診、身体所見で手がかりがないようであれば、必要な検査を行うことにする。
一般的に、急性/亜急性の血圧低下の場合には二次性低血圧の可能性が高いと思う。安易な
昇圧剤の投与は慎みたい。
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鑑別疾患
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脱水症(経口摂取不良、出血、発熱、下痢、嘔吐、糖尿病、尿崩症、熱傷)
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心原性(心筋梗塞、弁膜症、心筋症、心筋炎、心タンポナーデ、不整脈)

循環障害(肺梗塞、緊張性気胸、大動脈解離)
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神経性(脊髄損傷、パーキンソン症候群、Shy-Drager 症候群、ニューロパチーによる起
立性低血圧:糖尿病/ギランバレー症候群)
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薬剤性(降圧薬、硝酸薬、抗不整脈薬、マイナートランキライザー)
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感染性
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内分泌性(下垂体機能不全、副腎不全、アジソン病、褐色細胞腫)
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アナフィラキシー性
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本態性低血圧
考慮する検査(必ずしもすべて必要というわけではないと思うが)
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CBC
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生化学一般(BUN、Cr、FBS、Na、K、Cl、Ca、AST、ALT、CK など)
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CRP、ESR
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TSH、FT3、FT4、ACTH、コルチゾール、カテコラミン 3 分画
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D ダイマー
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胸部エックス線(心拡大、肺うっ血、気胸、動脈瘤)
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心電図(不整脈、虚血性心疾患、右室負荷)
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便潜血、直腸診
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腹部エコー、心エコー
参考文献
1.
Fred F et al. Ferri's Differential Diagnosis. Philadelphia, Mosby, 2006.
2.
石川和信.低血圧症.治療, 91 : 825-828, 2009.
3.
村上英之ら.低血圧症.綜合臨牀, 51 : 1322-1326, 2002.
4.
古屋大典ら.本態性低血圧の病態と診断.血圧, 3(3) : 311-314, 1996.
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