戦略ケース ブロードバンド時代に有線がNTTを超える −総合ポータル企業へ脱皮を図る有線ブロードネットワークス 2000 年 10 月 15 日午後 14 時 43 分から約1時間、森首相が永田町に本社を置く有線ブ ロードネットワークス(以下usen)を訪問した。IT関連施設の視察を狙いとする 訪問であった。宇野康秀usen社長は、森首相に現在実験展開中の光ファイバーによ るネット接続のプレゼンテーションとデモンストレーションを行った。 首相が訪問するまでに脚光を浴びているusenは、どのようなことを行い、何を目 指しているのか。なぜ、これほどに脚光を浴びているのだろうか。 1.usenの歴史 usenは、2000 年4月 26 日に社名変更を行った。前身は、株式会社大阪有線放送社 (以下大阪有線)であり、有線放送事業を展開する企業である。現在、売上高は 977 億 円(1999 年) 、従業員 8,716 人、事業所数 326 カ所、総加入件数 159 万件で有線放送シェ アNO.1企業である(図表1、2)。 図表1 有線ブロードネットワークスの会社概要 社名 株式会社有線ブロードネットワークス (旧 大阪有線放送社) 本社所在地 東京都千代田区永田町2−11−1 山王パークタワー 設立 1964年9月 資本金 50億9378万円 従業員数 8,716人 (男性6,235名 女性2,481名) 事業所と 加入件数 事業所数:326カ所 総加入件数:159万件 事業内容 音楽・情報番組の企画・制作及び、440チ ャンネルステレオによる有線放送の配信 *2000年8月末現在 出所:有線ブロードネットワークスホームページより copyright (C)2002 JMR Lifestyle Research Institute,Ltd all rights reserved 1 戦略ケース 図表2 有線ブロードネットワークスの売上高推移 (億円) 992.63 985.25 1000 977.73 968.08 950 914.23 900 850 0 95年 96年 97年 98年 99年 出所:決算報告より (1)大阪有線の発展 大阪有線は 1961 年6月に初代社長宇野元忠氏が個人会社として大阪で創業した。3年 後の 1964 年9月に法人化し、株式会社大阪有線放送社になった。この時すでに、加入軒 数は 3000 軒になっていた。 その後の営業エリアの拡大と多チャンネル化、コンテンツの充実によって、著しい発 展を遂げた。営業エリアの拡大では、四国、東海、九州、北海道、関東の零細有線放送 会社を買収し、営業範囲を拡大させ、1978 年に東北地方をカバーして全国展開を達成し た。多チャンネル化では、1981 年に、同軸ケーブルによるステレオ160チャネル化を 開始。この同軸ケーブルは、データ送信用容量が 0.6Gで、テレビ放送なら 100 チャネル 分の放送を送信することができるものである。1985 年に 320 チャンネル、1987 年 440 チ ャネルへと拡大した。 その結果、1985 年には売上高 300 億円、総ケーブル網2万 4000km、放送所 700 カ所、 従業員 7,000 人を超え、シェア 70%を占めるようになった。 (2)電柱の不法使用 大阪有線の飛躍の裏側には、 「電柱の不法使用」という問題があった。電柱を使用する場 合には、電柱所有者への電力会社とNTTへの電柱使用料の支払い、道路所有者(国道 は建設省、その他は各自治体)への道路占有料の2つを払わなければならない。その料 金の支払いを前提に、建設省や郵政省や各自治体、各警察署の許可を受けて初めて電柱 を使用することできる。 しかし、大阪有線はこうした手続きをとらずに、ケーブルを張り巡らした。郵政省は、 指導できず、大阪有線は、他社に比べ、安価でスピーディーなサービスを提供し、シェ アを拡大させた。90 年にはシェアが 75%になり、契約軒数も 100 万軒を突破した。 copyright (C)2002 JMR Lifestyle Research Institute,Ltd all rights reserved 2 戦略ケース (3)営業の正常化と有線ブロードネットワークスへ こうした状況を打破するべく、89 年に郵政省、建設省、警察庁、NTT、電気事業者 連合、大阪有線をメンバーに「有線放送正常化中央連絡協議会」が開催された。1994 年 12 月、大阪有線は郵政省に「正常化報告書」を提出し、2000 年3月に郵政省に放送設備 と業務届けを行い、合法的な営業へと転換した。 1998 年7月、宇野元忠社長が死去し、次男の康秀氏が社長に就任した。康秀社長は、 「1999 年中の正常化」を表明し、合法化を進めた。 そして、4月に社名を「有線ブロードネットワークス」に変更した。 2000 年7月 26 日には、usenの 100%子会社で、光ファイバーを敷設し、サービス を提供するユーズコミュニケーションズが第一種電気通信業者の免許を取得した(図表 3)。usenは、有線放送事業だけでなく、ブロードバンド時代での新サービスを提供 する企業へと変貌を遂げた。 2.光ファイバー網敷設計画 現在、ユーズコミュニケーションズは、10M∼100Mの超高速インターネット環境を提 供し、NTTに先行してサービスを実現する。森首相がusenを訪問した理由も超高 速インターネットの視察のためである。usenは、具体的にどのような光ファイバー 網敷設計画を立てているのだろうか。 図表3 ユーズコミュニケーションズの会社概要 社名 株式会社ユーズコミュニケーションズ 本社所在地 東京都千代田区永田町2−11−1 代表者 代表取締役社長 宇野 康秀 (有線ブロードネットワークス社長) 資本金 1億円 主な出資者 株式会社有線ブロードネットワークス 100% 事業開始 予定日 2001年4月1日 設備の概要 光ファイバーケーブル、ルータ *2000年7月27日の第一種電気通信事業の許可資料より 出所:郵政省 電気通信局電気通信事業部事業政策課より copyright (C)2002 JMR Lifestyle Research Institute,Ltd all rights reserved 3 戦略ケース (1)ユーズコミュニケーションズの第一種電気通信事業許可の取得 2000 年7月6日、株式会社ユーズコミュニケーションズがusenの 100%出資で設 立した。そして、7月 27 日、郵政省から第一種電気通信事業者の許可を受け、正式に高 速データ通信事業展開が可能となった。 宇野社長は「次世代通信ネットワークだけでなく、その上で様々なサービスを展開で きるプラットフォーム機能も整備して、これらを使って自らも多彩なコンテンツやサー ビスを提供していく」(日経ビジネス 2000 年8月 28 日号)とユーズコミュニケーショ ンズ設立の意図を語っている。 ユーズコミュニケーションズの事業のポイントは大きく2つである。ひとつは、バッ クボーン(基幹線)から加入者線(ラストワンマイル)まで光ファイバーのネットワー クを独自に構築することである。NTTの線を借りて、サービスを提供するのではなく、 自前でインフラを構築することである。ふたつめは、10M以上の広帯域サービスを提供 し、動画など大容量のコンテンツが快適に送受信できる環境を実現することである。 具体的には、プロバイダー網を経由して、大手町と渋谷の2つのセンターから 15 の事 業所へ 10∼24Gビット/秒の、事業所から約 200 中継所へは1Gビット/秒の、そして 中継所から加入者宅までは 10∼100Mビット/秒のスピードを実現する光ファイバーを 引き込むものである。光ファイバーが引き込めない集合住宅には無線を使った計画も考 えている(図表4)。 図表4 有線ブロードネットワークスのネットワーク 有線 10∼100M ビット/秒 1Gビット /秒 1戸建 集合住宅 企業など 10∼24G ビット/秒 中継所 事業所 センター 200拠点 15拠点 大手町センター 渋谷センター プロバ インター イダー網 ネット 無線 copyright (C)2002 JMR Lifestyle Research Institute,Ltd all rights reserved 4 戦略ケース (2)IT基本戦略と線路敷設の円滑化 NTTに先行するユーズコミュニケーションズに追い風が吹いた。行政の後押しであ る。 2000 年 11 月6日の第5回IT戦略会議においてIT基本戦略の草案が提出され、11 月 27 日の第6回会議にはIT基本戦略が示された。このなかで5年以内に超高速インタ ーネット(30∼100Mビット/秒)が可能なインターネット網の整備を促進させ、少なく とも 1000 万世帯が光ファイバーを活用した超高速インターネット網に常時接続可能な環 境整備を目指すことが確認された。あわせて、光ファイバー等の公正・公平な利用促進 のための法制度の見直しと再構築も確認された。NTTの独占を認めず、競争の促進を 狙ったものである。 IT基本戦略を受けるかたちで、11 月6日、光ファイバー網の整備推進を狙いに、郵 政省は「線路敷設の円滑化について」を発表し、電柱や道路を開放する方向を示した。 (3)実験開始 ユーズコミュニケーションズは、2000 年 10 月から東京都世田谷区赤堤の一部地域の 500 世帯を対象に光ファイバーによるインターネット接続実験「GATE01」 (ゲート ゼロワン:Gigabit Access to the Exploration)を開始した。実験の狙いは、ダイアル アップ接続では困難であった動画などの大容量コンテンツを対象者に 10Mビット/秒で 利用してもらい、ブロードバンドIP通信サービスの効果実証、有効コンテンツサービ スの策定である。 例えば、各対象者宅にカメラを賃与してビデオメールの実験などを行っている。 「動画や音楽などのコンテンツを保有する企業にも参加を募っています。企業側の関 心は高く、呼びかけからわずか2週間で 76 社に参加してもらえることになりました」 (日 経コミュニケーション 2000 年 11 月6日)と宇野社長は述べている。GATE01にお いてブロードバンドサービスに必要なコンテンツやノウハウ、技術を持つ企業を募り、 「usenブロードバンドコンソーシアム」を結成した。コンサートのライブ中継や動 画による電子商取引などを行い、コンテンツ配信の事業性を検証する。参加企業は、角 川書店、松竹、リクルート、文化放送、コナミ、ヤフー、マイクロソフトなど 2000 年9 月 28 日現在で 76 社が参加している。 実験期間は 2000 年 10 月1日∼2001 年3月末日の約6ヶ月間、対象は一般家庭(戸建、 マンション等)、事業所(商店・業務店・オフィス等)、費用は工事及び端末機器にかか る費用は全て無料、パソコン一式の無料貸出である。光ファイバー敷設距離は 1.7km で ある。 copyright (C)2002 JMR Lifestyle Research Institute,Ltd all rights reserved 5 戦略ケース (4)4月1日の事業開始と今後の展開 世田谷での実験を経て、ユーズコミュニケーションズは 2001 年4月1日から本格的に 営業を開始する。低料金の実現と効率の良いエリア拡大を展開していく予定である。 月額料金は 4000∼5000 円を想定している。料金設定について「CATVインターネッ トは月額 5500∼6000 円程度で提供されていますが、それより高い料金というのはあり得 ないですよね。少しでも優位性のある料金に挑戦します」(日経コミュニケーション 2000 年 11 月6日)と宇野社長は考えている。NTTが展開する光ファイバーのサービス は月額1万 3000 円と3万円を予定している。その半額以下の料金設定を行う。 エリアについては、2001 年4月から、世田谷区、杉並区、渋谷区、目黒区、大田区な どの住宅が密集している5区でまずサービスを提供する。2001 年中に東京 23 区や全国の 政令指定都市に拡大。2002 年には、人口 30 万都市に拡大する計画である。エリア拡大の 考え方について、宇野社長は次のように語っている。 「設備を効率よく使えるエリアから サービスを提供するため、低料金でも採算が合います。全国一斉に同じ料金で提供する ことになると、やはり高額になってしまいます。当初は都市部を中心にサービスを提供 します。我々ができないエリアはNTTさんにやってもらって、マーケットの棲み分け ができればと思います」 (日経コミュニケーション 2000 年 11 月6日)設備を効率良く 活用し、NTTと棲み分けを考えたエリア拡大を考えている。 将来的には、既存の同軸ケーブルと併設し、一束化して光ファイバー網を敷設する予 定である。2001 年度 44 億円、2003 年度には東京地区だけで 250 億円、全国展開が実現 すれば 1500 億円の売上を見込んでいる。加入軒数は 388 万を想定している。総投資総額 は 4000∼5000 億円にのぼる。そのため、2001 年には金融機関からの出資を受け入れる形 で現在の1億円の資本金を 300 億円まで増資し、2001 年中にusenの株式を公開して 資金を調達する予定である。 3.NTTを脅かすusenの強さ usenは、通信市場を独占してきたNTTを脅かす存在であり、ブロードバンド時 代の有力な企業の一翼を担うとされている。usenには「既存資産の活用」と「資源 の機動集中」と「一貫性」の三つの強さがあると思われる。 (1)既存資産の活用 既存資産の活用では大きく2つのポイントがある。ひとつは、独自ケーブル網を既に 保有しており、その活用によって低コストで光ファイバー網を敷設することができるこ とである。 copyright (C)2002 JMR Lifestyle Research Institute,Ltd all rights reserved 6 戦略ケース usenは、NTTの 135 万 km(平成9年)についで 22 万 km の同軸ケーブルを全国 に敷設している。現在、光ファイバーをはわせる電柱は、電力会社、NTT、CATV、 有線放送で占められ、他が追加することは困難である。usenは現在ある同軸ケーブ ルと光ファイバーを一束化する予定である(図表5)。「一束化するためには、先行敷設 事業者の同意が必要。全国に光ファイバー網を敷設できるのは、NTTと電力会社以外 にわれわれしかいないのではないか」 (日経エレクトロニクス 2000 年8月 28 日)と後藤 氏は語る。「光ファイバーの敷設に大きなコストがかかるというのは常識になっている。 だが、実は同軸ケーブルを新規に敷設するのとそれほど大差はない」 (日経コミュニケー ションズ 2000 年 10 月2日)と宇野社長も述べている。 ふたつめは、自社営業マンによるプッシュ型マーケティングの展開である。usen 社員 8716 人なかに 3000 人の営業マンと 2000 人の工事人員がいる。宇野社長は「これま で通信事業者は設備を作って、ユーザーが加入するのを待つ形でした。しかし我々は、 営業と設備を敷設する組織の両方を持っており、設備を作ると同時に営業をかけて、そ の日のうちにサービスを始められます。これは有線放送事業で長年やってきた体制です」 (日経コミュニケーションズ 2000 年 11 月6日)、「これまで築き上げた営業・サポート 組織を武器にする」(日経コンピューター2000 年9月 11 日)と有線で培った営業という NTTにはないプッシュ型のマーケティングを展開する。 usenがNTTよりも光ファイバー利用サービスで低価格を実現できるのは、NT Tよりも2倍のユーザーを集め、1ユーザーあたりのコストを低く抑えるからである、 と宇野社長は低料金の可能性を述べている。そこには既存の営業が必要不可欠となって いる。 図表5 電柱の割り当て 電柱 1m 同軸ケーブルと 光ファイバーを 一束化 30cm 6.1m copyright (C)2002 JMR Lifestyle Research Institute,Ltd all rights reserved 7 戦略ケース (2)資源の機動集中 後藤氏が「2000 人の工事人員すべてを投入すれば、1日に 100km の光ファイバー架設 が可能だ。これは1日で世田谷区の工事が完了することを意味する」と述べている。N TTの場合、 開通まで2週間かかると言われている(NEWS WEEK2000 年 11 月8日号より) 。 usenは、素早くインフラを整備し、そのエリアには、全国から 3000 人の営業マンを 集め、徹底的に営業をかけ、インフラの稼働率を高める。 また、インフラの稼働率を高めるために、現在は全国展開を考えていない。地方部は NTT、都市部がusenと棲み分け、採算がとれる範囲に資源を集中する。 usenは攻略エリアを見極め、そこに資源を素早く集中する展開を行うというNT Tとは異なる展開を進めていく。 (3)インフラからコンテンツ・サービスまでの一貫性−総合ポータル化 usenの光ファイバーの敷設はusenが掲げるブロードバンド時代の総合ポータ ル企業実現に向けた一部でしかない。自前のインフラの整備から様々なコンテンツ・サ ービスの制作・運営まで総合的にブロードバンドサービスを提供することが可能である。 インフラだけのNTTとは大きく異なる。NTTにはない一貫性と総合性がusenの 強みである。 usenは、売上の 80%を占める有線放送事業を中心に五つの事業を抱えている(図 表6、7、8、9)。これらの事業をより成長させ、総合ポータル化を促進するために、 「コンテンツクリエイト」と「ビジネスクリエイト」、そして「プラットフォーム」とい う三つの方向を掲げた(図表 10)。 光ファイバーの敷設・サービス提供は「プラットフォーム」の柱のひとつである。 usenは、強みを活かし、積極的にユーザーを獲得するというプッシュとプルの両 方の側面を持って競争優位を構築しようとしている。 図表6 売上高構成比(1999年) (%) カラオケBOX その他 17 音響装置販売 音楽有線放送 (聴取料) 3 80 出所:決算報告より copyright (C)2002 JMR Lifestyle Research Institute,Ltd all rights reserved 8 戦略ケース 図表7 有線ブロードネットワークスのユーザー構成比(1999年) 理・美容 医療・金融 機関 6 (%) その他 一般世帯 5 5 6 38 オフィス 工場 17 一般小売 飲食店 23 出所:有線ブロードネットワークスホームページより 図表8 有線ブロードバンドの事業構成と3つの成長方向 コンテンツ クリエイト 5つの事業 ム ー フォ ビ ジ ネ ス ク リ エイ ト ット ラ ブ 現在の 有線ブロードネットワークス 1戸建 集合住宅 企業など 有線放送事業 アミューズメント事業 ソリューション事業 ネットワーク事業 コンテンツ事業 copyright (C)2002 JMR Lifestyle Research Institute,Ltd all rights reserved 9 戦略ケース 図表9 ブロードバンドネットワークスの五つの事業(1999) 図表10 有線ブロードネットワークスの三つの方向性 copyright (C)2002 JMR Lifestyle Research Institute,Ltd all rights reserved 10 戦略ケース 4.ブロードバンド時代の覇者になるためのusenの課題 しかし、注目を浴びるusenにもいくつかの課題がある。ひとつは 4000∼5000 億円 にのぼる投資コストをどのように捻出するのかである。usenのライバルはNTTや 電力会社であり、企業体力が異なる。資金力の面で先行しているスピードが鈍る可能性 も充分考えられる。 ふたつめは、収益をどこでとるのかが明確になっていないことである。 「現状、コンテ ンツ配信サービスで得られる利益はユーザー料金を計算する際には考慮していません。 これからどのくらい利用されるサービスなのか分からないからです。別の収入源があれ ばサービスを提供できるわけです」 (日経コミュニケーションズ 2000 年 11 月6日)と宇 野社長が語っている。サービス利用状況や収入源が具体的に見えていないのが現状であ る。ビジネスとしてはまだ不完全な部分が多い。 三つめは、ブロードバンド特有のサービスがまだ見えていないことである。ビデオメ ールなど動画を活用したサービスを実験しているものの、まだまだブロードバンドだか らできるサービスの具体像にかけているのではないだろうか。 しかし、usenのビジネスは、まだ不完全な部分を残しつつも、既存の資産を活用 して、インフラとコンテンツ・サービスの両方を持つ総合ポータル企業としてブロード バンド時代のリーダーになる可能性がある。これまでインフラを持つ巨大企業、NTT が独占していた通信サービス業界をusenは大きく激変させ、歩みの遅いNTTの地 位を奪いかねない。 copyright (C)2002 JMR Lifestyle Research Institute,Ltd all rights reserved 11
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