四角形と三角形の面積

5年生算数 単元指導計画「四角形と三角形の面積」(全13時間)
【単元の目標】
算数への関心・意欲・態度
・既習の図形の面積の求め方をも
とにして,平行四辺形や三角形
の面積を求めようとする。
・既習の図形の面積の求め方をも
とにして,台形・ひし形の面積
の求め方を進んで考えようと
する。
数学的な考え方
・既習の図形に等積変形したり倍
積変形したりして,図形の面積
を求めようと考える。
・等積変形,倍積変形するなどし
て,既習の図形の面積の求め方
に基づいて,台形,ひし形の面
積の求め方を考える。
目標と評価規準
1
目標
長方形と平行四辺形の面積の大
きさを比べる活動を通して,平行四
辺形は,長方形に等積変形すること
によって,面積を求められることが
わかる。
評価規準≪数学的な考え方≫
平行四辺形の面積を求めるには,
既習の求積可能な図形に等積変形
すればよいと考える。
<習得すること>
・平行四辺形の面積の求め方
数量や図形についての表現・処理
数量や図形についての知識・理解
・公式を用いて,基本的な平行四
辺形や三角形の面積を求める
ことができる。
・台形の面積を,上底と下底と高
さを測定し,求積公式を用いて
求めることができる。
・ひし形の面積を,求積公式を用
いて求めることができる。
・平行四辺形と三角形の面積の公
式とその用い方を理解してい
る。
・「底辺」
・「高さ」・
「上底」・
「下底」などの用語とその意味
を理解する。
・台形の上底と下底と高さの意味
と,求積公式がわかる。
・ひし形の求積公式がわかる。
主な学習活動
主に活用する知識・表現処理
○方眼紙に作図した平行四辺形を提示する。
【知識】
<問>どちらの面積が大きいでしょう。
5㎝
ア
○
【表現処理】
・長方形の面積
の 求 め 方と 求
5㎝
㋑
積公式(4年)
4㎝
・平行四辺形の
6㎝
6㎝
・㋐は,5×6=30 30㎠
・㋑は,このままでは面積を求められないことに気づく。
概念
(4年)
課題:いろいろ操作して平行四辺形の面積の求め方を考え
・よう。
・㋑は,どのように形を変えれば,面積が求められそうか見通
しをもつ。
・平行四辺形を長方形に直して求める。
6×4=24 24㎠
・㋐の方が㋑より6㎠大きい
まとめ:長方形に形を変えれば,面積を求めることができる。
たて×横
○評価問題 教 P351の平行四辺形の面積
2
目標
平行四辺形の面積を長方形に等
積変形して求める活動を通して,平
行四辺形の面積は「底辺×高さ」で
求められることが分かり,求積公式
を用いて求めることができる。
○方眼紙に作図した平行四辺形を提示する。
<問>平行四辺形の面積を計算で求めましょう。
5㎝
【知識】
【表現処理】
・垂直の概念
・垂直の書き方
(4年)
(4年)
・平行四辺形の
7㎝
面 積 の 求 め方
課題:わけをはっきりさせて面積の求め方を考えよう。
(第1時)
評価規準≪数学的な考え方≫
・既習の方法で求められるかどうか見通しをもつ。
・長方形に形を変えれば,できる。
5×7=35
35㎠
既習の求積可能な図形(長方形・
正方形)の求積公式をもとに計算で
面積が求められると考える。
【思考と表現のドリル】底辺が 4 ㎝,高さが 3 ㎝の平行四辺形
の面積
まず,底辺が 4 ㎝。高さは 3 ㎝。次に,平行四辺形の面積は,
<習得すること>
底辺×高さだから,4×3=12。答えは12㎠。
・平行四辺形の求積公式
まとめ:ひとつの辺を底辺とすると高さがきまる。高さは底
辺に垂直。高さはどこでもひける。
平行四辺形の面積=底辺×高さ
○練習問題 教 P37 リンゴ問題
○評価問題 教 P37✐1
5年「四角形と三角形の面積」①
3
目標
平行四辺形の面積を求める活動
を通して,高さが底辺の延長線上に
ある場合でも,求積公式を使って面
積を求めればよいことがわかる。
評価規準≪知識・理解≫
高さが底辺の延長線上にあって
も公式を用いることができること
がわかる。
○方眼紙に作図した高さが底辺の延長線上にある平行四辺形
を提示する。
<問>右の平行四辺形の面積の求め方を考えましょう。
【知識】
【表現処理】
・平行四辺形の
概念(4年)
6㎝
・平行四辺形の
3㎝
3㎝
求積公式
(第2時)
課題:どんな平行四辺形でも,公式が使えるか確かめよう。
・同じ形を2枚並べる。
6×6÷2=18
・半分の高さで切ってくっつける。
6×3=18
・どちらも,底辺×高さ(3×6)で計算した答えと同じ。
まとめ:どんな形の平行四辺形も底辺と高さが分かれば公
式を使って求めることができる。
4
目標
平行四辺形の底辺と面積の変わ
り方を表に表す活動を通して,底辺
の長さと面積の関係を見つけるこ
とができる。
○評価問題 教 P38✐2(1)
○練習問題 教 P38✐2(2)
○底辺が 1cm,高さが一定の平行四辺形を合体させながら提
示する。
<問>底辺の長さと面積の変わり方を調べましょう。
5㎝
・平行四辺形の底辺と面積の関係
・○や△を用い
の 関 係 を式 に
2㎝
3㎝
表すこと
評価規準≪数学的な考え方≫
<習得すること>
【表現処理】
て 2 つ の数 量
1㎝
底辺の長さの増加に合わせて,面
積も増えるという見方で考える。
【知識】
(4年)
課題:表から底辺の長さと面積のきまりを見つけよう。
底辺○cm
1
2
3
4
5
6
面 積 △ cm
5
10
15
20
25
30
・底辺が1㎝増えると面積は5㎠ずつふえている。
・○×5=△になる。
【思考と表現のドリル】
まず,表に表すと
底辺○cm
1
面積△cm
4
2
8
・平行四辺形の
・・・
・・・
求積公式
(第2時)
高さが 4 ㎝のとき
3
12
4
16
5
20
6
24
・・・
・・・
次に,底辺が1㎝ふえると面積は 4 ㎠ずつふえている。
だから○×4=△
まとめ:底辺を 1cmずつ増やすと面積は高さの分だけ増え
る。底辺を 2 倍 3 倍すると,面積も 2 倍 3 倍になる。
底辺○と面積△の関係は,○×5=△
○練習問題 教 P40 リンゴ問題
○評価問題 高さが 4 ㎝の平行四辺形の面積が 36 ㎠のときの
底辺の長さ
5
目標
三角形の面積の求め方を考える
活動を通して,平行四辺形に倍積変
形したり長方形に等積変形したり
して,既習の求積公式を用いれば求
められることが分かる。
○方眼紙に作図した三角形を提示する。
<問>三角形の面積の求め方を考えましょう。
4㎝
8㎝
既習の求積可能な図形に変形す
ればよいと考える。
【表現処理】
・平行四辺形の
(2年)
面積の求め方
・平行四辺形の
(第1時)
概念
課題:三角形の面積の求め方を考えよう。
評価規準≪数学的な考え方≫
【知識】
・長方形の概念
(4年)
・平行四辺形のときのように,既習の図形に変形すればよさそ
うだと見通しをもつ。
・平行四辺形に変形
・長方形に変形
・長方形の求積
(3年)
・平行四辺形の
<習得すること>
・三角形の面積の求め方
8×4÷2=16
求積
4×8÷2=16
(第2時)
まとめ:習った形に変えれば,面積を求めることができる。
○評価問題
底辺 6 ㎝,高さ 4 ㎝の三角形
5年「四角形と三角形の面積」②
6
目標
三角形の面積を計算で求める方
法を考える活動を通して,三角形の
面積は「底辺×高さ÷2」で求めら
れることが分かり,公式を用いて求
めることができる。
評価規準≪数学的な考え方≫
既習の求積可能な図形(長方形・
正方形・平行四辺形)の求積公式を
もとに計算で面積が求められると
考える。
○方眼紙に作図した三角形を提示する。
<問>三角形の面積を計算で求めましょう。
6㎝
【知識】
【表現処理】
・垂直の概念
・垂直の書き方
(4年)
(4年)
・平行四辺形の
7㎝
求積公式
課題:三角形の面積を計算で求める方法を考えよう。
・底辺と高さはどこか確認する。
・長方形や平行四辺形の半分だから,
7×6÷2=21 21㎠
・「底辺」と「高さ」という言葉を使って公式にする。
底辺×高さ÷2
(第2時)
【思考と表現のドリル】 教 P42 ✐1(1)
<習得すること>
・三角形の求積公式
まず,底辺が 8 ㎝,高さが 6 ㎝。次に,三角形の面積は,
底辺×高さ÷2だから,8×6÷2=24。答えは24㎠。
まとめ:三角形の面積=底辺×高さ÷2
7
目標
三角形の面積を求める活動を通
して,三角形の高さが底辺の延長線
上にある場合でも,求積公式を使っ
て面積を求めればよいことがわか
る。
○練習問題 教 P42 リンゴ問題
○評価問題 教 P42 ✐1(2)
○方眼紙に作図した高さが底辺の延長線上にある三角形を提
示する。
<問>右の三角形の面積の求め方を考えましょう。
4㎝
底辺の外側に高さがある三角形
でも,三角形の求積公式が使えるこ
とがわかる。
【表現処理】
・垂直の概念
・三角形の求積
(4年)
公式
・三角形の求積
(第6時)
公式
5㎝
評価規準≪知識・理解≫
【知識】
(第6時)
課題:わけをはっきりさせて面積の求め方を考えよう
・平行四辺形の
・底辺と高さはどこか確認する。
・平行四辺形は,底辺の延長線上に高さがあっても,公式で計
算できたから三角形の場合でもできる。
5×4÷2=10
概念
(4年)
10㎠
・教 P43 リンゴ問題を説明する。
まず,㋐と㋑と㋒の底辺は等しい長さ。高さも等しい長さ。
すると,3つとも三角形の面積を求める公式を使って求める
ことができる。だから,㋐と㋑と㋒の面積は等しい。
まとめ:どんな形の三角形でも,公式を使って面積を求
めることができる。
○練習問題 教 P43 ✐2
○評価問題 教 P43 ✐2 に類似したプリント問題
8
【知識】
目標
練習問題を解く活動を通して,平
行四辺形,三角形の面積を求めるの
に必要な部分(底辺と高さ)の長さ
を見つけたり測ったりすることが
でき,さらに公式を用いて正しく面
積を求めることができる。
評価規準
【表現処理】
課題:習ったことを使って練習問題に挑戦しよう。
・教 P44 の練習問題や計算ドリルで,これまでの学習の習熟を
図る
<表現・処理>
底辺を決めたときの高さを決め
ることができ,公式を用いて正しく
面積を求めることができる。
5年「四角形と三角形の面積」③
9
目標
○上底 2 ㎝,下底 4 ㎝,高さ 3 ㎝の台形を提示する。
【知識】
【表現処理】
台形の面積の求め方を考える活
動を通して,既習の求積公式を用い
れば面積を求めることができるこ
とがわかる。
<問>台形の面積の求め方を考えよう。
2㎝
・台形の概念
・平行四辺形の
(4年)
面 積 の 求 め方
評価規準≪数学的な考え方≫
等積変形,倍積変形するなどして
既習の図形に帰着して,台形の面積
の求め方を考える。
<習得すること>
・台形の面積の求め方
3㎝
(第1時)
・三角形の面積
4㎝
の求め方
課題:わけをはっきりさせて台形の面積の求め方を考えよう。
(第5時)
・どのように形を変えれば,面積が求められそうか見通しをも
つ。
・台形を三角形 2 つに分けて考える。
4×3÷2+2×3÷2=9
9㎠
・同じ大きさの台形をつなげて平行四辺形を作り,その平行四
辺形の面積の半分として考える。
6×3÷2=9
9㎠
・台形を半分にしてつなげ,高さが半分の平行四辺形に変えて
考える。
6×1.5=9
9㎠
まとめ:台形の面積を求めるには,上の辺と下の辺と高さ
の 3 つが分かればよい。
○評価問題
10
目標
台形の面積を求める活動を通し
て,
「上底」
「下底」「高さ」の用語
と意味を理解し,それらを用いて求
積公式をまとめ,面積を求めること
ができる。
上底 4 ㎝,下底 6 ㎝,高さ 4 ㎝の台形の面積
・上底,下底,高さの用語を知る。
・前時の学習をもとに,台形の公式を知る。
<問>台形の面積を必要なところの長さをはかって求めよ
う。
7㎝
3㎝
【知識】
【表現処理】
・ 台 形 の概 念
・台形の面積の
(4年)
求め方
・垂直の概念
(第9時)
(4年)
5㎝
課題:長さをはかって,台形の面積を求めよう。
評価規準≪表現・処理≫
台形の面積を,上底と下底と高さ
を測定し,求積公式を用いて求める
ことができる。
<習得すること>
・台形の求積公式
・どの長さをはかれば求められそうか見通しをもつ。
・上底,下底,高さを正確にはかる。
(7+5)×3÷2=18
18㎠
【思考と表現のドリル】上底 5 ㎝,下底 3 ㎝,高さ 4 ㎝の台形
の面積(但し,高さが底辺の延長線上にある台形)
まず,上底は 5 ㎝,下底は 3 ㎝,高さは 4 ㎝。次に,台形
の面積は(上底+下底)×高さ÷2だから,
(5+3)×4÷2
=16。答えは16㎠。
まとめ:台形の面積=(上底+下底)×高さ÷2
○評価問題 教 P42 ✐1(1)
○練習問題 教 P42 ✐1(2)(3)
11
目標
ひし形の面積の求め方を考える
活動を通して,求め方を理解して求
積公式にまとめ,面積を求めること
ができる
評価規準≪数学的な考え方≫
倍積変形や三角形に分割するな
どして,既習の図形に帰着して,ひ
し形の面積の求め方を考える。
<習得すること>
・ひし形の面積の求め方
・ひし形の求積公式
6 ㎝と 8 ㎝の対角線でつくられたひし形を提示する。
<問>ひし形の面積の求め方を考えよう。
6㎝
【知識】
【表現処理】
・ ひ し 形の 概
・三角形の求積
念,性質
公式
(4年)
(第6時)
8㎝
課題:わけをはっきりさせてひし形の面積の求め方を考えよ
う。
・どのような形とみれば,面積が求められそうか見通しをもつ。
・ひし形の2倍の面積の長方形とみて考える。
6×8÷2=24
24 ㎠
・三角形2つ分とみて考える。
(8×3÷2)×2=24
24 ㎠
【思考と表現のドリル】4 ㎝と 8 ㎝の対角線でつくられるひし
形の面積
まず,2本の対角線の長さは,4 ㎝と 8 ㎝。次に,ひし形
の面積は対角線×対角線÷2だから,4×8÷2=16。答え
は16㎠。
まとめ:ひし形の面積=対角線×対角線÷2
○評価問題 教 P43 ✐1(1)
○練習問題 教 P43 ✐1(2)(3)
5年「四角形と三角形の面積」④
12
目標
練習問題を解く活動を通して,台
形,ひし形の面積を求めるのに必要
な部分(底辺と高さ)の長さを見つ
けたり測ったりすることができ,さ
らに公式を用いて正しく面積を求
めることができる。
課題:習ったことが使えるか確かめよう。
【知識】
【表現処理】
【知識】
【表現処理】
・教 P44 の練習問題や計算ドリルで,これまでの学習の習熟を
図る。
評価規準≪表現・処理≫
求積公式をつかって正しく面積
を求めることができる。
13
目標
練習問題を解く活動を通して,四
角形,三角形,台形,ひし形の面積
を求めるのに必要な部分(底辺と高
さ)の長さを見つけたり測ったりす
ることができ,さらに公式を用いて
正しく面積を求めることができる。
課題:習ったことが使えるか確かめて,確実に解ける
ようにしよう。
・教 P47 のまとめ問題で,これまでの学習の習熟を図る。
・評価プリントで,
「四角形と三角形の面積」の定着を図る。
評価規準≪興味・関心・意欲≫
既習を使えばできると考え,意欲
的に取り組む。
5年「四角形と三角形の面積」⑤