460 2次曲線に引いた2接線が直交する点の軌跡

460_2 次曲線に引いた 2 接線が直交する点の軌跡
2次曲線の準線と準円
2 次曲線外の点から引いた 2 本の接線が垂直となる点の軌跡は,次のようになる.
放物線: y = 4 px
(1)
2
⇒
準線: x = − p
⇒
準円: x + y = a + b
2
⇒
準円: x + y = a − b
2
2
x2 + y = 1
a2 b2
2
y2
x
(3) 双曲線: 2 + 2 = 1 ( a > b > 0)
a
b
(2)
証明 (1)
楕
円:
2
2
2
2
2
2
点 P ( X , Y ) から引いた接線の傾きを m とすると,接線の方程式は
y − Y = m( x − X ) ⇔
①を y = 4 px に代入して
y = mx − (mX − Y ) "" ①
2
{mx − (mX − Y )} = 4 px ⇔ m2 x 2 − 2m(mX − Y ) x + (mX − Y )2 = 4 px
⇔ m 2 x 2 − 2 {m(mX − Y ) + 2 p} x + (mX − Y ) 2 = 0
2
m' 0 より,上式の判別式を D とすると
D = m(mX − Y ) + 2 p 2 − m 2 (mX − Y ) 2 = 0
{
}
4
⇔ m 2 (mX − Y ) 2 + 4 pm(mX − Y ) + 4 p 2 − m 2 (mX − Y ) 2 = 0
⇔ 4 p( Xm 2 − Ym + p) = 0
p ' 0 より Xm 2 − Ym + p = 0 "" ②
X ' 0 より,②の異なる 2 つの実数解を m1 , m2 とする
p
m1m2 =
と,解と係数の関係から
X
m1m2 = −1
2 つの接線の垂直条件は
p
= −1 ⇔ X = − p
したがって
X
y
P
-p
x
O
よって,求める点 P の軌跡は
■
準線: x = − p
(2)
(1)と同様に,①を b x + a y = a b に代入して
2
2
2
2
2 2
b 2 x 2 + a 2 {mx − (mX − Y )} = a 2b 2
x =-p
y 2 =4px
2
⇔ b 2 x 2 + a 2 {m 2 x 2 − 2m(mX − Y ) x + (mX − Y ) 2 } − a 2b 2 = 0
⇔ (a 2 m 2 + b 2 ) x 2 − 2a 2 m(mX − Y ) x + a 2 {(mX − Y ) 2 − b 2 } = 0
a 2 m 2 + b 2 ' 0 より,上式の判別式を D とすると
D = a 4 m 2 (mX − Y ) 2 − (a 2 m 2 + b 2 ) ⋅ a 2 {(mX − Y ) 2 − b 2 } = 0
4
2
a ' 0 より a 2 m 2 (mX − Y ) 2 − (a 2 m 2 + b 2 ) {(mX − Y ) 2 − b 2 } = 0
⇔ a 2 m 2 (mX − Y ) 2 − a 2 m 2 (mX − Y ) 2 + a 2b 2 m 2 − b 2 (mX − Y ) 2 + b 4 = 0
⇔ b 2 {a 2 m 2 − (mX − Y ) 2 + b 2 } = 0
−1−
http://www.geocities.jp/ikemath
2
b ' 0 より
a 2 m 2 − (mX − Y ) 2 + b 2 = 0
⇔ (a 2 − X 2 )m 2 + 2 XYm + b 2 − Y 2 = 0 "" ③
X ' ± a のとき,③の異なる 2 つの実数解を m1 , m2 とすると,解と係数の関係から
2
2
m1m2 = b2 − Y 2
a −X
y
m1m2 = −1
2 つの接線の垂直条件は
2
a +b 2
P
したがって
b 2 − Y 2 = −1 ⇔ b 2 − Y 2 = − a 2 + X 2
a2 − X 2
⇔ X 2 + Y 2 = a2 + b2
X = ± a のとき, Y = ±b (複号任意)であれば
2
2
2
2
2 接線は直交し, X + Y = a + b に含めること
b
-a
ができる.
よって,求める点 P の軌跡は
準円: x + y = a + b
2
(3)
2
2
2
O
a
a 2 +b 2 x
-b
■
(1)と同様に,①を b x − a y = a b に代入して
2
2
2
2
2 2
b 2 x 2 − a 2 {mx − (mX − Y )} = a 2b 2
2
⇔ b 2 x 2 − a 2 {m 2 x 2 − 2m(mX − Y ) x + (mX − Y ) 2 } − a 2b 2 = 0
⇔ (b 2 − a 2 m 2 ) x 2 + 2a 2 m(mX − Y ) x − a 2 {(mX − Y ) 2 + b 2 } = 0
b 2 − a 2 m 2 ' 0 すなわち, m' ± b のとき,上式の判別式を D とすると
a
D = a 4 m 2 (mX − Y ) 2 + (b 2 − a 2 m 2 ) ⋅ a 2 {(mX − Y ) 2 + b 2 } = 0
4
a 2 ' 0 より
a 2 m 2 (mX − Y ) 2 + (b 2 − a 2 m 2 ) {(mX − Y ) 2 + b 2 } = 0
⇔ a 2 m 2 (mX − Y ) 2 − a 2 m 2 (mX − Y ) 2 − a 2b 2 m 2 + b 2 (mX − Y ) 2 + b 4 = 0
⇔ − b 2 {a 2 m 2 − (mX − Y ) 2 − b 2 } = 0
b 2 ' 0 より
a 2 m 2 − (mX − Y ) 2 − b 2 = 0
⇔ (a 2 − X 2 )m 2 + 2 XYm − b 2 − Y 2 = 0 "" ④
X ' ± a のとき,④の異なる 2 つの実数解を m1 , m2 とすると,解と係数の関係から
2
2
m1m2 = −b2 − Y2
a −X
2 つの接線の垂直条件は
m1m2 = −1
したがって
−2−
460_2 次曲線に引いた 2 接線が直交する点の軌跡
−b 2 − Y 2 = −1
a2 − X 2
⇔ − b2 − Y 2 = −a 2 + X 2
⇔
y
2
2
U a -b
X 2 + Y 2 = a 2 − b2
よって,求める点 P の軌跡は
準円: x + y = a − b
2
2
2
b
2
P
b
ただし, m' ± より,円周上の点で
a
b
漸近線 y = ± x との共有点の 4 点は
a
除く.
a
O
-a
x
-b
2
2
U a -b
■
例題1.[数学Ⅱ]
点 P ( p , q ) から放物線 y = x に引いた 2 本の接線が直交しているとき,点 P の軌跡
を求めよ.
(筑波大,熊本大,関西大,東京電機大,名城大)
2
s 点 P ( p , q) から引いた接線で,y 軸に平行となるものはないから,傾きを m とする
と接線の方程式は
y − q = m( x − p) ⇔ y = mx − mp + q "" ①
2
とおける.①を y = x に代入して
x 2 = mx − mp + q ⇔ x 2 − mx + mp − q = 0
上の 2 次方程式の判別式を D とおくと,接するための条件から D = 0
したがって
y
m − 4(mp − q ) = 0
y =x 2
2
1
⇔ m 2 − 4 pm + 4q = 0 "" ②
②の 2 実数解を m1 , m2 とすると,解と係数の関係から
m1m2 = 4q
2 本の接線の垂直条件は
したがって
m1m2 = −1
-1
4q = −1 ⇔ q = − 1
4
O
P 0 p,q1
逆も成り立つから,求める点 P の軌跡は, 直線 y = −
1
y =-
x
1
4
1 である.
4
t 点 P ( p , q) から引いた接線で,y 軸に平行となるものはないから,接線の方程式は
y = mx + n とおける. y = x 2 と連立させて
x 2 = mx + n ⇔ x 2 − mx − n = 0
上式の判別式を D とすると,接するための条件から
D = m 2 + 4n = 0 ⇔ n = − 1 m 2
4
1 2
したがって,接線の方程式は, y = mx − m と表される.
4
−3−
http://www.geocities.jp/ikemath
これが点 P ( p , q ) を通ることから
q = mp − 1 m 2
4
ここで, m1 = 2( p +
⇔ m 2 − 4 pm + 4q = 0 ⇔ m = 2 p ± 2 p 2 − q
p 2 − q ) , m2 = 2( p − p 2 − q ) とおくと,直交条件から
m1m2 = 2( p + p 2 − q ) ⋅ 2( p − p 2 − q ) = −1
⇔ 4 { p 2 − ( p 2 − q)} = −1 ⇔ q = − 1
4
逆も成り立つから,求める点 P の軌跡は, 直線 y = −
1 である.
4
u 放物線 x 2 = 4 ⋅ 1 y の準線の方程式は y = − 1 であるから,y 軸が軸の放物線の場合も
4
4
成り立っていることがわかる.
例題2.点 (0 , a ) を通り,楕円
a2 =
2
x 2 + y = 1 に接する 2 つの接線が直交するとき,
16 9
(芝浦工業大)
である.
s 点 (0 , a) から引いた接線の方程式は y = mx + n とおける.
9 x 2 + 16 y 2 = 144 に代入して
9 x 2 + 16(mx + a ) 2 = 144 ⇔ (16m 2 + 9) x 2 + 32amx + 16a 2 − 144 = 0
y
上式の判別式を D とすると,接するための条件から
5
D = (16am) 2 − (16m 2 + 9)(16a 2 − 144) = 0
4
3
⇔ 16a 2 m 2 − (16m 2 + 9)(a 2 − 9) = 0
⇔ 16m 2 − a 2 + 9 = 0 "" ①
①の 2 解を m1 , m2 とすると,解と係数の関係および
-4
垂直条件から
O
4
5x
-3
2
m1m2 = −a + 9 = −1 ⇔ a 2 = 25
16
2
2
y
u 楕円 x +
= 1 に引いた 2 本の接線が直交する
16 9
2
2
点は,円 x + y = 16 + 9 上にあることから
02 + a 2 = 25 ⇔ a 2 = 25
■ 練 習 問 題.
1.a は正の定数とする.点 (1 , a ) を通り,双曲線 x − 4 y = 2 に接する 2 本の直線が直交
2
(福島県立医科大)
するとき,a の値を求めよ.
2.楕円
2
2
x 2 + y = 1 の外部の点 P (a , b) から引いた 2 本の接線が直交するような点 P の軌
17 8
(東京工業大)
跡を求めよ.
−4−