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A.14.2 水圧について

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A14.2
〔参考訳〕
水の柱の最大高を調べることで、Torricelli はまた、海で魚を一目見ようとしている間に
考えるかもしれないことを理解した。おそらくこれまでに、人生のどこかでシュノーケリ
ングをしてみようとしたことがあると思う。さて、多くのシュノーケルにはたった 1 フィ
ート長の管が付いている。時にはより深く潜りたい、より長くシュノーケリングしたいと
思ったことがあるに違いない。どれくらい深く、それでもシュノーケルがちゃんと働くこ
とができる深さまで進むことができると思うだろうか?5 フィート?
10 フィート?
20
フィート?
私は液中計と呼ばれる簡単な装置を使って授業中にこの問題への解答を見つけた。この
装置は研究室に普通にあるものだ。とても簡単な装置で、以下にちょっと示すように、家
でも簡単に作ることができる。私が本当に知りたかったのは、肺に空気を取り入れながら
も、水面からどれくらいの深さまでいられるのか、ということである。これを理解するた
めに、私たちは自分の胸の中にある水の静水圧を計測しなければならない。これは、深く
に行くほどより強くなる。
私たちの周囲の圧力、それは、思い出してほしいのだが、同じ高さでは同じものである
が、大気圧と静水圧との合計である。水面下でシュノーケルを使う場合、外から空気を吸
う。その空気の圧力は 1 気圧である。その結果、シュノーケルを通して空気を吸うとき、
肺の中の空気の圧力は同じであり、1 気圧である。しかし、胸にかかる圧力は大気圧と静水
圧との和である。ゆえに、胸にかかる圧力は肺内の圧力よりも高い。この差がまさに静水
圧である。これは息を吐き出す際には問題を起こさない。しかし、吸う際には、胸を膨ら
ませなければならない。そして、水中深くに潜ることになり静水圧があまりにも高くなる
と、この圧力差を克服するための筋力がないために、より多くの空気を取り込むことがで
きなくなる。これが、水中より深くに潜ろうとする場合に、静脈圧を克服するために圧縮
された空気を吸わなければならない理由である。しかし、高度に圧縮された空気は体にと
って極めてやっかいなものである。これが潜水時間の長さに厳しい制限がある理由である。
さてシュノーケリングに戻ろう。どれくらい深く潜ることができるか?これを明らかに
するために、私は講義室の壁に液中計を据えつけた。4 メートルの透明な管を想像してほし
い。片方の端を、左側を高くして壁面に着ける。そしてそれを壁面で U 字型に曲げる。U
字型のそれぞれの腕の長さは 2 メートル弱となる。そこに管に約 2 メートル分のクランベ
リージュースを注ぐと、U 字型の管の両方で同じ高さに自然と落ち着いていく。そこで、
管の右側の末端へ息を吹き込むことにより、クランベリージュースを U 字管の左側のクラ
ンベリージュースを押し上げる。私がジュースを押し上げることのできた垂直高によって、
私がどの程度の深さまでシュノーケルすることができるか知ることができる。なぜか?こ
れは私の肺が水の静水圧を克服するためにどれくらいの圧力をかけることができるかの尺
度になるからだ。この目的のものではクランベリージュースと水は同じである。ただ、ク
ランベリージュースの方が水よりも、生徒に見えやすい。
私はかがんで完全に息を吐き出し、そして息を吸って肺を満たし、管の右端を口の中に
入れて、出来る限り強く息を吹き込む。頬はへこみ、目は飛び出さんばかり、そして U 字
管の左側にあるジュースは少しずつ上に上がる。なんとかちょうど 50 センチメートルくら
いまで上がる。想像できるだろうか?そこまで持ち上げるために全力を尽くしているので、
そのままでいることなど、数秒間もできない。そこで、私は左側の管のジュースを 50 セン
チメートル持ち上げたのだが、このことは、右側の管で 50 センチメートル下げたというこ
とでもあるので、私は垂直方向に約 100 センチメートル、すなわち 1 メートル(39 インチ)
のジュースの柱を移動させたことになる。もちろん、シュノーケルを通して呼吸をする際
には空気を吸うのであり、吐くわけではない。それゆえ、おそらく吸う方が楽ではないだ
ろうか?そこで、もう一度同じ実験をしてみる。ただし今度は出来る限り管の中のジュー
スを吸い込んでみる。しかし、その結果は、ほとんど同じであった。つまり、私が吸った
側では、およそ 50 センチメートルしか上がらなかったのだ。反対側は 50 センチ下がって
いる。私は全くもって疲れ切っている。
私は水深 1 メートルでのシュノーケリングを真似てみた。これは大気圧の 10 分の 1 に等
しい。生徒たちはいつも、このデモンストレーションに驚く。そして、年上の教授よりも
自分の方が良くできると考える。そこで、大きくて強そうな生徒を招き、挑戦させてみる。
懸命になって顔を真っ赤にして、そしてショックを受ける。私よりもほんの少し、数セン
チメートルほどしか上げることができないのだ。
ここから、私たちがシュノーケルを使って息をしながら深くまで潜ることができるか、
その上限がまさにここ、すなわちたったの 1 メートル(約 3 フィート)であることが分かる。
そして、実際にはほんの数秒間、なんとかできるにすぎない。これは、多くのシュノーケ
ルが 1 メートルよりもかなり短く、通常約 1 フィート程度にすぎない理由である。もっと
長いシュノーケルを作ってみよう。どんな管でも構わない。そしてどうなるか見てみよう。
潜水して少しシュノーケリングする際に、胸にかかる圧力がどれくらいか、おそらく疑
問に思っていることだろう。海面下 1 メートルで、大気圧の 10 分の 1 である。あるいは 1
平方センチメートルあたり 10 分の 1 キログラムであるとも言える。ここで、胸の面積はお
およそ 1 平方フィート、つまり 1,000 平方センチメートルである。したがって、胸にかか
る圧力は約 1,100 キログラム、そして肺中の空気圧により胸の内壁にかかる圧力はおよそ
1,000 キログラムである。よって、圧力が 10 分の 1 に変わることで、圧力は 100 キログラ
ム、つまり 200 ポンドの差になってしまうのだ!このような見方をすると、シュノーケリ
ングは極めて大変なことに見えるのではないか?そしてもし水深 10 メートルに潜ったとし
たら、静水圧はおおよそ大気圧と等しく、表面 1 平方センチメートルあたり 1 キログラム
となるだろう。そしてあなたの貧弱な胸にかかる圧力はおよそ、肺で 1 気圧により生み出
され外向きの圧力を約 1,000 キログラム(1 トン)も上回るものとなるだろう。
これこそ、アジアの真珠狩りの潜水士(中にはいつも 30 メートルも潜水する人もいる)が
そのような深さで命を危険にさらしている理由である。彼らはシュノーケルを付けないた
め、息を止めなければならない。これは数分しかできないことであろう。そのためすぐに
仕事を終わらせなければならないのだ。
ここで潜水艦に代表される機械の成果をあなたは本当に正確に評価することができるだ
ろうか?水深 10 メートルにいる潜水艦を考え、その内側の空気圧が 1 大気圧であると想定
してみよう。静水圧(潜水艦の外と内との間での圧力差)は 1 平方メートルあたり約 10,000
キログラム、1 平方メートルあたり約 10 トンであり、とても小さな潜水艦であっても、た
った 10 メートル潜るのに極めて強固でなければならないことが分かるだろう。
このことが、17 世紀初頭に潜水艦を開発した先人の成果をとても驚くべきものにしてい
る。この人は Cornells van Drebbel というオランダ人である。私はこのことを話せてとて
もうれしい。彼は水深 5 メートルのところでしか潜水艦を操作できなかったが、たとえそ
うであっても、大気圧の半分の静水圧に対処しなければならなかった。そして潜水艦を皮
革と木材で組み立てたのだった!当時の記録によると、彼はイギリスのテムズ川で挑戦し
た際に、この深さで自分の手造り品の一つをうまく操作することができたらしい。この手
造り品は 6 人の漕ぎ手によって動かされたと言われている。また、16 人の乗客を乗せ、数
時間潜ることができた。潜水艦には水面に出すシュノーケルが付いていた。開発者は国王
ジェームズ 1 世を驚かそうと期待し、国王をその気にさせて海軍に何隻もの潜水艦を注文
してもらおうと努めた。しかし、残念だが、王や海軍大将は十分には感銘を受けず、潜水
艦は決して戦争で使われることはなかった。おそらく、秘密兵器として van Drebbel の潜
水艦は感銘を与えなかったのだろう。しかし、工学の成果として、これは全く注目に値す
るものだった。
現代の海軍潜水艦がどれほど深く潜ることができるかは軍事上の機密だが、一般的に言
われているのは水深約 1,000 メートル(3,300 フィート)である。ここでは静水圧は 1 平方メ
ートルあたり約 100 大気圧、100 万キログラム(1,000 トン)である。驚くまでもなく、アメ
リカ軍の潜水艦は極めて高品質な金属でできている。ロシアの潜水艦は更に深くまで進む
ことができると言われているが、これはより強いチタニウムで作られているためである。
潜水艦の壁が十分に強くなかった場合、あるいはあまりに深くに潜水した場合に潜水艦
にどのようなことが起こるかを示すのはたやすい。
それは、私たちの大気圧がどんな時であれ働く準備ができている、ということである。
いついかなる時でも。
物理学者の方法で大気圧を見てみると、全く異なるもの、すなわち素晴らしく力強い圧
力の均衡が見える。私たちの命は、こういったほとんど目に見えない力の均衡なしでは存
立しえないだろう。この力は大気圧と静水圧、そして動かしえない重力である。これらの
力はとても大きいため、もしこれらの力の平衡がほんの少しでもずれてしまったら、ある
いはそうなった時は、大災害を引き起こしてしまう。上空 35,000 フィート(そこでの大気圧
はたったの 0.25 気圧しかない)時速 550 マイルで運行している飛行機の胴体の継ぎ目に隙間
が生じると想定したら?あるいはパタプスコ川の川面から 50~100 フィート下にある、ボ
ルチモア湾トンネルの屋根に、髪の毛ほどのヒビが入ったとしたら?
次にあなたが街の通りを歩くとき、物理学者を考えてみてほしい。実際にあなたが見て
いるものは何か?まず、個々の建物すべての内側で荒れ狂うすさまじい戦いの結果を目に
する。もちろんそれは事務所での政治ではない。戦場の一方では、地球の重力がもたらす
引力が、あらゆるもの、すなわち壁だけでなく床も天井も、もちろん、机もエアコンのダ
クトも郵便の落とし口もエレベーターも秘書も CEO も同じように、モーニングコーヒーや
クロワッサンですら、下に引き落とそうと努めている。反対側では、鋼とレンガとコンク
リート、そしてついには地面そのものが合わさった力が、建物を空に向かって押し上げて
いる。
それゆえ、建築・建設工学についての一つの考え方として、静止した状態を目指して下
向きの力と戦う技法である、というものがある。羽のような摩天楼を、重力から逃れてい
ると考えることもできよう。そのようなことはしていない。文字通り、新たなる高みに向
けて戦っているのである。ほんの少し考えてみれば、行き詰まりがわずか一時的なものに
すぎないことが分かるだろう。私たちの自然界の力は無情に働く中で、建材は腐食し、弱
り、崩壊していく。ただ時間の問題である。
こういった均衡のとれた振る舞いは、巨大な都市において最も驚異的なものであろう。
2007 年ニューヨーク市で起こった惨劇を考えてみよう。これは 83 年前に地下に設置され
た直径 2 フィートのパイプが突然、それまで運んでいた高圧の蒸気に、もはや耐えきれな
くなってしまったものである。その結果生じた間欠泉はレキシントン通りに 20 フィートの
穴を吹き飛ばし、レッカー車を飲み込んで、77 階建てのクライスラービルをほとんど上回
るまで噴き上げた。そのような破壊的な力が絶妙なバランスの中でほとんど常に保たれて
いなかったならば、誰一人としてどこの通りも歩くことなどできないだろう。
非常に大きな力の間でのこういった行き詰まりは、その全てが人の手によるものではな
い。木を考えてみよう。穏やかで静かで静止している、そしてゆっくりと、不満も言わず。
木は、静水圧はもちろん、重力とも戦うために、様々な生物学的戦略を講じている。毎年
新たな枝を伸ばし、年輪に新たな輪を加え続けるとは何とすごいことだろう。これにより、
木と地球との間の重力がより大きくなっても、木はより強くなっているのである。そして
更に、木は最も高い枝にまで樹液を押し上げている。木が 10 メートル以上の高さに達する
のは驚くことではないのだろうか?結局、水は私のストローではたったの 10 メートルしか
上がらず、それ以上には達しなかった。なぜ(そしてどうやって)、水は木の中をもっと高い
ところまで上がることができるのだろうか?最も高いアメリカスギは高さ 300 フィート以
上であり、どうにかして水をてっぺんの葉にまで運んでいるのである。
これこそ、嵐の後に大きな木が倒されていることに、私が同情を覚える理由である。強
風、そして枝にたまった氷や大雪によって、木が組み立ててきた力の絶妙なバランスは、
何とかひっくり返されてしまう。この果てしない戦いを考えると、私たちの祖先が四本足
ではなく二本足で立ち上がり、事に臨み始めた古の時代について、私はいっそう高く評価
していることに気が付くのである。
〔解答例〕
A
1)
人がシュノーケルを付けて水に潜った場合に、水面下でどのくらいの深さまでなら、水上
の空気をシュノーケルを通じて肺に取り込めるかどうかということを知る目的で行った。
2)
省略(第 4 段落を参照して、自分で書いてみてください)
3)
管のジュースを吸い上げた場合であっても、ジュースの柱が移動する距離は、管に息を吹
き込んだ場合と同じで、約 1m であった。
B
窒素分子が、血液や組織に過剰に蓄積し、浮上後に、血管や組織の損傷が生じ、筋力低下、
めまいや炎症などが起こる。
C
1)
地上では、1 ㎠あたり約 1kg の空気がその上に存在し、約 10N の重さが加わっている。こ
れを大気圧と言う。大気圧を表す単位は、atm である。また、
「1atm=1013hPa=760mmHg」
となる。
2)
mmHg という単位が使われている。
76 ㎝(760 ㎜)の水銀柱による圧力が、
1atm に相当する。
よって、血圧が 100 ということは、水銀柱 100 ㎜分の圧力ということになる。
3)
省略(物理の問題なので)
4)
空気は圧力が高いほど、圧縮されて密度が高くなる。しかし、高地に行くと、圧力が下が
ってきて、空気の密度が小さくなる。このため、酸素が薄くなり息苦しくなる。
D
チタン
Ti
E
ペンキ缶に真空ポンプを取り付けて、中の空気を少しずつ吸い出す。飲料水のプラスチッ
クボトルから空気を吸い出すなど。
F
省略(物理の問題なので)
G
ストローを使った実験では、10 メートルまで水を吸い上げるのがやっとだった。しかし、
木は重力に逆らって、それ以上の高さの枝の所まで樹液を吸い上げているから。
H
根圧が導管内の水を押し上げようとする。また、導管では毛細管現象が起こる。また、導
管内では、水の凝集力が高い。また、蒸散作用が導管内の水柱を押し上げることの一助に
なっている可能性がある。
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