ドイツ連邦食料・農業・消費者保護省プレス公告 Bundesminsterium für Ernährung、Landwirtschaft und Verbraucherschutz NO 36 NO36 2012・9・21 1 連邦農業大臣がドイツの模範的”バイオエネルギー村”を表彰 連邦農業省は、シュレーベン村(SchlÖben チューリンゲン州)、オーバーロ ースフェ村(Oberrosphe ヘッセン州)、グロースバール村(Grossbardorf バイエ ルン州)を、”2012 バイオエネルギー村”として表彰した。全体的な構想、革 新的技術・資源の効率的な取り扱い、平均以上の住民参画でもって、3つの村 がコンクール審査委員会を、納得させることができた。 ”我々のバイオエネルギー村は、ドイツにおけるエネルギー転換の先駆者で ある。そして同時に村民の広範な合意を得た、農村における気象に優しいエネ ルギー供給の看板でもある”と、連邦農業大臣イルーゼ アイグナーが、受賞 者にお祝いを述べた。コンクール”2012 バイオエネルギー村”は、その地域 と村住民の参画を評価し、そして他の自治体にも再生可能なエネルギーへの転 換の動機づけに貢献する。 コンクール参加の前提条件は、その地域と自治体がエネルギー需要の半分以 上を、地域のバイオマスで生産していることである。2012 年に多様な構想を もった 41 のバイオエネルギー村が、表彰を目指して応募した。審査委員会は、 特にバイオエネルギーの供給割合の高さ、バイオマスの持続的な取り扱い、革 新的そして効果的な施設運営技術、住民との結びつき、プロジェクトの公的情 報提供を、評価に際して考慮している。 ”将来的に自治体など町の現場で、人々にエネルギー政策上の改革を、確信 させることが常に重要である。まさに住民参加の組み合わせによって、素晴ら しい再生可能なエネルギー生産と、価値創造がエネルギー転換を成功させる。 -1- バイオエネルギーの分散した生産と利用は、エネルギー転換に際して大きく 貢献し、そして農村地域に多くの長所をもたらす”と、アイグナー大臣が述べ た。”2012 バイオエネルギー村”賞は、見本市”バイオエネルギー地方”の分 野で、11 月 14 日ハノーバーで授与される。3 つの村の全部が、連邦農業大臣 から”2012 バイオエネルギー村”の表彰状と 10.000 ユーロ(約 100 万円)の 賞金を授与される。この賞金は、受賞者の構想のさらなる発展のために、受賞 したバイオエネルギー村が、自由に使用できる。 2012バイオエネルギー村:受賞村の概要 ◎ シュレーベン村(チューリンゲン州) バイオエネルギー村シュレーベンの構想は、ニーダーザクセン州におけるバ イオエネルギー村ジュンデとオーストリのアグユスイングから刺激を得て、 2009 年に住民協同組合・有限会社エネルギー村シュレーベンを設立した。こ れには、熱エネルギーのあらゆる買い手のみならず、自治体、郡そして地方の 農業関連企業も参加している。 エネルギーの大きな部分は、シュレーベン村においてもバイオガス施設であ る。そこで生産されたバイオガスは、小規模ガス導管で3つのブロックー発電 所に、さらに供給されている。幾つかの現地において、480 人の住民のために 地域での電気と暖房を、直接供給している。冬に補完的な暖房で、500KW の 能力を有する木材砕片による熱生産施設でもって、供給される。シュレーベン 村の人々は、可能な限り短い輸送距離と相乗効果を利用するという、効率性に 注意を払っている。 5.8 km長さの近距離住民暖房ネットワークの敷設と並行して、エネルギー、 水、下水道建設予定路線を改善し、そしてブロードバンドケーブルネットを設 置する。これらの熱源は、その土地に定住している農業経営・企業から生産さ れ、牽引車として投入される。木材砕片は、自治体の景観ー保全対策と、協同 組合加盟員の森林残材から提供される。電気を節約するために、この村の住民 は街路照明を LED ー電球に改造するといった、多くの節約対策を講じている。 さらに買い手が異なる時間帯に暖房することによって、住民の暖房利用カー ブが、穏やかになっている。 -2- ◎ オーバーロースフェ村 ヘッセン州のこの村は、バイオエネルギー村のもとで協同組合組織でもって、 パイオニアになっている。既に 2005 年に村民は、化石エネルギーからの脱却 を必要としていた。2008 年に 240 の全世帯のうち、123 世帯と自治体の建物が、7 kmの長さの近距離暖房ネットワークに接続された。暖房は、近くにあるバイ オエネルギー施設のブロック暖房ー発電所から供給される。これは、2011 年 にネットに接続された。 木材砕片は、近隣自治体からの樹冠樹と剪定枝からつくられる。近距離暖房 ネットワークと砕片施設は、村民協同組合が運営している。”緑の電気”は、 ブロック暖房発電所と並んで、自身の太陽光発電施設並びに村営企業ーマール ブルグービーデンコップが供給する。これによって生ずる仕事は、村民自らが ボランテイアで担っている。さらに 8 つの州を結ぶネットワークを設立し、そ の加盟者は毎年会合し、情報交換をしている。世界中から訪問した多くのグル ープが、この村の構想から多くの刺激を受けている。 ◎ グロースバール村(バイエルン州) この村 950 人弱の住民へのエネルギー供給は、電気と暖房熱を生産するバイ オガス施設が確保している。木片砕片ボイラーが、暖房熱を近距離暖房ネット ワークに供給する。他の地域における多すぎるプロジェクトと反対に、この村 における暖房熱供給は、始めからバイオー施設が計画され、そして適切な規模 が決められた。これは、41 人に専業ー兼業農家が原料供給基盤を担い、そし て食品残さを自らの畑に散布している。 その基盤は、専ら施設所有者の生産からもたらされている。その際、トーモ ロコシの割合が地域の畑全体の 7%以上と、高くなっている。耕地の利用率を 緩和するために、花咲く細長い土地に種子が播かれ、そして草種混合によって 原料基盤を補完している。この村の特徴は、共同の企業家精神に強く表れてい る。住民は 2005 年以来、約 1.500 万ユーロ(約 15 億円)を、再生可能エネル ギープロジェクトに投資している。 -3- バイオガス施設と並んで同じく共同経営の近距離暖房ネットワークは、1.900 万Wの能力をもった太陽光発電施設を設置した。過去において合計 346KW の 定格出力をもつ 4 つの小規模施設が、設置されている。グロースバール村にお ける構想が、130 人以上の従業員を伴った中小企業の移住を、良く示している。 この背景として、現地での決定的な長所である、近距離暖房への接続が理解 されたおことである。 2 ドイツ連邦政府内閣が新しい農業市場構造法を可決 連邦政府内閣が、9 月 19 日に新しい農業市場構造法草案を決定した。同時 に 1969 年に発効してきた市場構造法は継続され、そして EU -牛乳ー一括法 実行のための根拠規則が策定された。牛乳分野を強化するために、EU ー農相 理事会が、2010 年 3 月に決定した生産者組織の統合と専門分野連合会を、法 的に承認するものである。 同時にこれは、ドイツの牛乳生産者に牛乳の共同販売のために、ドイツの牛 乳生産組織とその統合助長のための、活動の余地を与えることに活用される。 この新しい農業市場構造法でもって、ドイツは EU ー牛乳一括法とさらに将来 的な EU ー規則を実行に移すための、前提条件を創り出す。次の歩みの中でこ れまでの市場構造法のための、新しく条例法を改正し適応させる。 3 今週の数字:ドイツにおいて毎年1人当たり、1.3㎥ の木材が 使用されている。 これは、基礎年 1997 年対比で約 20%の伸びに相当している。同時に”木材の 憲章”の目標に対して、最初に計画した目標データに 2 年早く到達している。 かっての連邦政府が主導した憲章は、1 人当たり木材消費量の上昇が、2014 年までに 1.3 ㎥に到達することを計画していた。気象と環境のために目標の早 期達成は、良い知らせである。樹木のCO 2 ー蓄積効果を通じて、または持続 的生産からの木材加工―細工に際して、残材からのエネルギー効果を通じて、 気象ー環境保護のため多くの長所をもたらす。 -4- 予定よりも早い目標達成は、林業ー木材業のためにも喜ぶべき情報である。 1.700 億ユーロ(約 17 億円)の年平均販売額は、ドイツにおけるこの分野で、100 万以上の就業の場を確保している。”木材の憲章”の結果をさらに確保するた めに、連邦政府は 2014 年までに憲章政策を、計画どおり継続する。 2012・9・26 青森中央学院大学 中川 一徹 -5- 訳
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