道徳教育の充実を目指した取組のまとめ【阿久根市立脇本小学校】 【道徳の時間の充実に向けた指導法改善の取組:授業実践のポイント】 ① 事前にとったアンケートを活用し,授業の導入段階で問題意識を高め「めあて」 を確認するとともに個人の道徳的価値を高めることができたかを知る手がかりにし た。 ② 価値の焦点化を図るために一枚絵やワークシートなどを利用する。 ③ ワークシートは「追求・深化」の場面では,主人公の思いを語らせることで児童 の道徳的価値を理解し,「自覚化」の場面では,今までの自分を振り返り言葉で書 かせることにより個人の道徳的価値が授業でどのように高まったかを理解する。 1 主題名 「 本当の勇気とは 」〔1-(3)〕 (1) 資料名 「 心にひびくかねの音 」( 学研 ) (2) 本時のねらい 周囲に反対されたり自分が不利な立場になったりしても,自分がよいと思うことや 正しいと信じることを勇気をもって行おうとする心情を養う。 2 授業の展開 主な学習活動等 意 識 化 1 時間 正しいと思っていたことでもで きなかった経験について話し合う ○ 5 本当の勇気をもって生活す るためには,どのような気持 ちが大切だろうか。 焦 点 化 追 求 ・ 深 化 自 覚 化 終 末 2 指導上の留意点 資料「心にひびくかねの音」を 読み,場面の状況や登場人物の関 係をつかませる。 ねらいとする価値への方向付け をし,日常生活の中での道徳的行 為から問題を意識させる。 ○ 勇気をもって行動した方がいい とわかってはいても,できないこ とがあることに気づかせ,めあて に対する意識をもたせる。 ○ 5 3つ場面での主人公の思いにつ いて考える。 T:アルベルトは友達に誘われて 小鳥をうちに行くときどんな 気持ちだっただろうか。 T:パチンコで小鳥を狙っている 22 とき,アルベルトはどんな気 持ちだっただろうか。 T:「何をするんだアルベルト」と 言われたときのアルベルトの 気持ちはどんな気持ちだった 10 だろうか。 4 今までの自分の生き方を振り返 る。 T:自分が正しいと思ったことを勇 気をもって行動できなかったこ とがありますか。また,できた ことがありますか。 ○ 5 ○ 3 アルベルト・シュバイツァーの 残した格言から,彼の生き方につ いて知る。 3 ○ ○ ○ ○ ○ 一枚絵を基にあらすじをつか ませ,話し合いの場面を焦点化 させていく。 よくないことだと思いながら も仲間と一緒にいたいという気 持ちに共感させる。 勇気とともに生命尊重の心に ついても感じ取らせる。 友達と一緒だからうってしま おうという気持ちと,小鳥を殺 してはいけないという主人公の 気持ちの両面をとらえさせる。 自分の考えを明確にし整理さ せるためにワークシートを活用 する。 これまでの自分の言動を具体 的に想起させて考えさせること により高まった価値を生活に当 てはめて内省できるようにする ワークシートにこれまでの自 分の考えや経験をまとめる。 教師の話から,自己の望まし い生き方を感得できるようにす る。 【板書】 児童の言葉で本時 の道徳的価値に迫 る板書。 一枚絵を使い,主人公 の心情に迫れる場面 を焦点化していく。 ねらいとする 価値へ方向付 ける。 【自分を振り返るためのアンケートとワークシートに書き込む児童】 アンケートでは大きく 3 項目について問う。 ① 身につけさせたい道徳的価値についての 現在の意識 ② その価値についてのできた経験 ③ その価値についてのできなかった経験 事前のアンケートに自分の経験を具体的に書かせることで,今までの自分の 振り返りや「これからどうすればいいか」授業で考える際の手助けになる。 【成果と課題】 (1) 事前のアンケートを授業の中で効果的に活用することにより,その単元で身に付 ける道徳的価値に気づき,高めていくことができた。 (2) ワークシートの活用により,物語の主人公として心情を表現したり,自分自身の 経験を踏まえて,道徳的価値に迫ったりすることができた。 (3) 事前にアンケートをとったり,一枚絵を準備したりするのはかなり時間がかかる ので,今年度作成した一枚絵やワークシートやアンケートなどは,来年度も活用で きるように保管しておく必要がある。 (4) 道徳の授業以外でも,児童の道徳的価値が高まるように意図的に体験活動の場を 作り,取り組んでいく必要がある。
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