EPTJ Newsletter from DKN Research

#0820、2008年6月8日
今週の話題
JPCAショー2008(その2)
水曜日(11日)からJPCAショーが始まりました。過去最大規模とのこ
とで、東京ビッグサイトの東ホールのフロアは完全に展示ブースで埋め尽くされ
ています。JPCA事務局としてもブースの配置にはかなり苦労したようで、オ
ープンセミナーや面談コーナーなどのスペースはかなり小さくなっています。V
IPラウンジなどもだいぶ圧縮されている感じです。世界のエレクトロニクス業
界全体がスローダウンする中で、JPCAショーは賑わっています。もっとも、
ショーのブース申し込みは昨年にはほとんど決まっていたわけですから、各出展
者としては最近の苦しい台所事情をなんとかやりくりして、ようやく出展してい
る企業も結構あるかもしれません。そういえば、いくつか虫食いのように空いて
いるブーススペースもありました。
私自身は初日、二日目と、ずっと会場にいたのですが、ミーティングが多か
ったのと、会場を歩いていて昔のお友達に呼び止められる頻度が極めて高く、ほ
とんど展示を見ることが出来ませんでした。3日目はもう少し見学する方に時間
を取りたいと思います。そのようなわけで、現時点においては、ショーの展示に
ついて報告できる立場にないのですが、雰囲気だけでもお伝えしたいと思います。
展示する側がかなり、力が入っているのに対して、来訪者の方はちょっとス
ローかもしれません。例年ならば、10時の開場前から、受付に長い行列ができ
るのですが、今年はあまり長く待たなくともよかったようです。しかし、時間が
経つにつれて来場者は増え、人口密度はどんどんあがりました。昼食時のカフェ
テリアには、いつものように長い順番待ちの行列ができました。
別に数えたわけではありませんが、今年は海外からの出展社や来訪者が多く
なっているように感じます。アジア諸国からの来訪者はもちろん多いのですが、
今年は欧米からの来訪者もかなり多くなっています。私が認識しただけでも、韓
国、中国、台湾、シンガポール、香港、タイ、インド、米国、カナダ、ドイツ、
スイス、オーストリア、英国、イスラエル、フランス、等々。特に目に付いたの
は韓国からのビジターで、個人レベルで動いている人々がたくさんいた他に、グ
ループでまわっている人たちもかなり目に付きました。たまたま出会ったある韓
国の準大手クラスの基板メーカーの社長がいうには、10人近い人数できている
とのことです。この会社の場合特にブースを持って出展しているわけでなく、幹
部社員の3分の1近くが、見学のためだけにきていることになります。会場では
中国語の会話もだいぶ耳にしましたが、北京語、広東系、台湾系、その他なまっ
たものなどかなり多様で、あちこちから来ているようです。これらの地域からみ
れば、この20年間で、日本との距離が極めて近くなってきているといえるでし
ょう。
1
近年、日本のプリント基板産業の地盤沈下がかたられていますが、このよう
にJPCAショーへの海外からの来訪者の数と地域を見てみると、少なくともプ
リント基板の製造技術、材料技術、実装技術については、まだ日本のメーカーが
総合的にリードしているといえるでしょう。しかしながら、日本メーカーのリー
ドはわずかなものです。定常的な新規技術開発の手をゆるめれば、短時間の内に
追いついてきます。
(次週へ続く)
沼倉研史
DKN リサーチ
今週のヘッドライン
2008年6月8日
1.
Gartner(米国の市場調査会社)5/28
2008年第1四半期における西ヨーロッパの携帯電話販売は、
前年同期比で16.4%の下落。2001年以来のマイナス成長。
2.
MSI (台湾のマザーボード大手)5/28
マザーボードOEM生産の事業を、シンガポールの大手EMS、
フレクストロニクス社に売却し、自社ブランドの製品に集中する方針。
3.
LG電子(韓国のエレクトロニクス企業大手)5/28
これからは、PDPへの大型投資は控え、LCD関連の設備投資に
シフトしていく方針。
4.
Asustek(台湾のマザーボード最大手)5/28
2008年第2四半期には、Eee PC 廉価版のPCの出荷が130万台に
達する見込み。当初計画の80%。
5.
MIC(台湾の調査機関)5/28
2008年第3四半期における台湾の携帯電話の出荷は、第2四半期から
21%増の2506万台に達する見込み。
6.
サンミナSCI(米国のEMS大手)5/29
カルフォルニア州コスタメサの工場(多層硬質基板とフレキシブル基板を
製造)を閉鎖へ。一部の従業員は他工場へ転籍、他はレイオフへ。
7.
Asustek(台湾のマザーボード最大手)5/29
2008年中に台湾でPDAタイプの携帯電話「P320」を2万セット
販売する計画。アジアパシフィック全体で、携帯電話は20万セットを
販売。
2
8.
Chin-Poon(台湾の基板メーカー大手)5/30
自動車、コンシューマー機器向けの受注が低調。今年の販売は、当初の
計画を下回る成長率(10%)の150億NT$に留まるとの予測。
9.
Exception Group (ヨーロッパの電子機器メーカー)5/30
40万ポンドを投資して、英国の Tewkesbury に新しいプリント基板製造
ラインの計画。50ミクロンラインの回路が形成できる能力を想定。
10.
Parlex(米国のフレキシブル基板メーカー大手)5/30
全社的な合理化の一環として、マサチューセッツ州 Methuen 工場の
従業員150名の内、29名をレイオフへ。
11.
IDC(米国の市場調査会社)5/30
ルーマニアの携帯PC市場が急成長。2007年の売り上げは
8億28百万ドル。2008年は12.6億ドルに増大と予測。
12.
DataBeans Inc.(英国の市場調査会社)5/30
2007年における世界のオプトエレクトロニクスの市場は
159億ドル。2008年には174億ドル、2013年には
312億ドルに成長と予測。
13.
China Federation of Logistics and Purchasing(中国)6/1
5月に入ってから中国の経済が軟化の様相。
Purchasing Manager s Index が4月の59.2から53.3に下落。
14.
Gartner(米国の市場調査会社)6/3
2008年における世界の半導体市場は、4.6%成長の
2865億ドルに達すると予測。
15.
Compal(台湾のエレクトロニクス企業大手)6/4
2008年第2四半期におけるノートブックPCの出荷目標を、当初の
10%増から5%増に下方修正。
16.
Asustek(台湾のマザーボード最大手)6/5
2008年における廉価版PCの市場は、1000万台の規模にまで
成長するとの予測。
17.
IDC(米国の市場調査会社)6/5
2008年第1四半期における世界のPC用プロセッサーの出荷は、
前期比で9.2%の減少。前年同期比では、数量で25.7%、
3
売上げで15.9%の増加。
18.
ZVEI(ヨーロッパの業界団体)6/4
2007年の世界のプリント基板市場は、前年比で8.7%成長の
515億ドルの規模に。日本を含むアジア諸国が市場をリード。
19.
Jabil Circuits(米国のEMS大手)6/6
ベトナムの工場(従業員650名)でのHP向けインクジェット
プリンターの生産。激しいインフレにもかかわらず、運営は順調。
20.
SEMI(半導体製造装置業界団体)6/6
台湾の半導体メーカーの2008年の設備投資は、前年比で33%の
大幅減少を予測。2009年には回復へ向かう見込み。
21.
Purchasing (米国の業界メディア)6/5
ラスベガスで開催された Electronics Distribution Show で、多くの
ディストリビューターが今後の景気の減退を懸念。
22.
MiTAC(台湾の電子機器メーカー)6/6
新しいモデルの導入により、2008年のGPS機器の出荷は、前年比
で30%増の1000万セットを越える見込み。
23.
iSuppli(米国の市場調査会社)6/3
2008年における世界のデジタルフォトフレームの市場は、前年比で
58.8%増の2270万ユニットに達すると予測。
(注)このヘッドライン・ニュース・レターは速報性を重視するために、若干の誤訳や数
字の変換に誤りがある場合もございます。ご了承下さい。
DKNリサーチ
栄泰産業株式会社
最近の興味深い文献から
Articles of DKN Research
1.
Screen Printing for High-Density Flexible Electronics , Robert
Turunen, Masafumi Nakayama and Dominique Numakura, Printed Circuit FAB,
October, 2007, http://pcdandm.com/cms/content/view/3846/95/
4
2. 「印刷法による高密度多層フレキシブル•エレクトロニクス回路の総合加工プ
ロセス技術」沼倉研史、電子材料、 2007年10月号、 工業調査会、
Total Process Solution for the High-Density Multi-layer Flexible
Printable Electronic Circuits , (Japanese only) Dominique Numakura,
Denshi Zairyo, October, 2007
3. New 「ロール・ツー・ロール(RTR)によるフレキシブル基板の製造可能
性と課題」沼倉研史、2008年3月、情報機構
Roll to Roll Production of Flexible Circuits, Possibilities and
Issues
Dominique Numakura, Joho Kiko, Tokyo, March 2008 (Japanese
only)
4.
Coombs
Printed Circuits Handbook, 6th Edition, Part 15-Flexible
Circuits , Dominique Numakura, McGraw Hill, New York, September, 2007
5. New
Screen Printing Process for High Density Flexible Electronics ,
Robert Turunen, Dominique Numakura, Masafumi Nakayama and Hisayuki
Kawasaki, IPC Printed Circuit Expo/APEX and the Designers Summit, April
2008.
6. New
Global Flexible Circuit Industry, Market Trends and Technology
Trends by Applications , Dominique Numakura, International Symposium of
KPCA Show, April, 2008 (English power point file is available.)
From the Major Industry Magazines
1.
Using Statistical Tools in Electronics Manufacturing
and Craig Hamilton, CircuiTree, May 2008.
, Rob Emery
2.
Evaluating Manufacturability and Operational Costs for New
Conformal Coating Processes
, Jason Keeping, Circuits Assembly, May
2008.
3.
Working with Large, Thick PCBs
et al, SMT, April, 2008
, Jennifer Nguyen, Robert Thalhamer,
4.
Don t Let Your Signals, STUB THEIR TOES
Circuit Design & FAB, May, 2008.
, Eric Bogatin, Printed
5.
DRIE for MEMS devices , Michel Puech, Jean-Marc Thevenoud, et al,
Advanced Packaging, April, 2008
5
7.
Process requirements for high density SMD placement
Gastel, Global SMT & Packaging, March 2008
8. Microflex Circuit Applications for Medical Devices
& DI Magazine, January 2008
6
, Sjef van
, Luke Volpe, MD