東洋英和女学院大学死生学研究所・(財)国際宗教研究所 共催「生と死」研究会第14回例会 シンポジウム 生と死に寄り添うー臨床と宗教ー 2015年11月21日(土)14:40-17:50 発題1 奥野滋子 おくの しげこ 司会渡辺和子 死生学研究所所長 東洋英和女学院大学教授 死から学ぶ生きる力 順天堂大学医学部客員准教授 プロフィール 金沢医科大学医学部卒業。順天堂大学医学部麻酔・ペインクリニック 科学講座、総合病院衣笠病院ホスピス、神奈川県立がんセンター緩 和医療科、順天堂大学医学部附属順天堂医院がん治療センターを 経て、現在順天堂大学医学部緩和医療学研究室客員准教授。医療 法人社団若林会湘南中央病院在宅診療部長。医学博士。2010年 に本学大学院人間科学研究科(宗教学分野)修了。人間科学修士。 人間科学・宗教をベースにした医療の可能性を探る。 主要業績 「緩和医療医として患者から学ぶ死生観」『死生学年報2010』リト ン、2010。「伴侶を亡くした男性の二事例-緩和医療現場での学 び-」『死生学年報2011』リトン、2011。「緩和医療現場における『お 迎え』現象とその周辺」『死生学年報2014』リトン、2014。『ひとりで死 ぬのだって大丈夫』朝日新聞出版、2013。『「お迎え」されて人は逝 く』ポプラ社、2014。 発題2 津曲真一 つまがり しんいち 内容紹介: 老い、病気、死の怖れ、永遠の命への希求、親しい人との死別の悲 嘆は、場所や時代を問わず、人間にとって共通の問題である。とりわ け死にゆく人の周囲にいて寄り添う人にとっては、死の恐怖は大問題 である。張りつめた緊張の中にいると、逃げ出したくなるのは当然のこと だろう。私は死を看取る人の役割は 2つあるように思う。1つは死にゆく ひとのためのもの、つまり死にゆく人を安心させ、彼らが自分の人生を 肯定する作業を手伝う役割であり、もう1つは自分自身の成長に喪失 体験を取り込む力を育て、自分の死生観を振り返るという看取る人自 身のための仕事である。 チベット仏教と終末医療 東京理科大学等兼任講師 プロフィール 東京芸術大学音楽学部卒業。東京大学大学院宗教学宗教史学修 了(文学博士)。東京理科大学等兼任講師。専門は宗教学・音楽学。 主要業績 The Meaningful to Behold: A Translation of Longchenpa’s Biography and Explanatory Notes (1) 、2014年。「死者への眼差し:チベットに於 ける死後世界の叙述とその意義について」『死生学年報2014』リトン、 2014年。 発題3 谷山洋三 たにやま ようぞう 内容紹介: 今日の終末医療に関する論議では、重い病気で不治と判断された患者の終 末期を「生の延長」と捉え、延命や苦痛の緩和といった医療的側面だけではな く、その生活を支えながら自然な死を迎えるための手助けをする「エンド・オブ・ライ フケア」の概念が重視されつつあります。今回は、チベット仏教が人間の在り方を 強く規定するチベット人社会に於ける終末期医療の実例、および、欧米において チベット仏教を実践する人々に対して行われる終末期医療の特徴や問題点な どについて示しながら、チベット仏教とエンド・オブ・ライフケアの関係について考え ます。 臨床宗教師の展望と課題 東北大学大学院実践宗教学寄附講座准教授 プロフィール 東北大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。長岡 西病院ビハーラ病棟ビハーラ僧、四天王寺大学准教授、上智大学グ リーフケア研究所主任研究員などを経て、現在東北大学大学院文学 研究科准教授(実践宗教学寄附講座)。仏教看護・ビハーラ学会理 事、日本スピリチュアルケア学会評議員、日本死の臨床研究会世話 人、日本ホスピス・在宅ケア研究会評議員、いのち臨床仏教者の会代 表、臨床スピリチュアルケア協会代表代行、心の相談室理事。専門 は、臨床死生学、仏教福祉学。 主要業績 『仏教とスピリチュアルケア』(編著)東方出版、2008年。『スピリチュア ルケアを語る』(編著)関西学院大学出版会、2010年。 ❑シンポジウム会場 ❑最寄駅 六本木駅(日比谷線徒歩10分) 東洋英和女学院大学大学院 麻布十番駅(大江戸線徒歩5分、南北線徒歩7分) (六本木)201教室 ❑参加費1,000円(本学院在校生・教職員無料) 東京都港区六本木5-14-40 ❑当日先着順100名様❑事前申込み不要 [email protected] 内容紹介: 「臨床宗教師」とは、布教伝道を目的とせずに公共空間でスピリチュアル ケアや宗教的ケアを提供する宗教者(僧侶、神職、神父、牧師など)を指 す。東日本大震災後に、’chaplain’の邦訳として、在宅緩和ケア医である 岡部健医師が提唱した新しい用語である。臨床宗教師の活動の場は、現 状では医療、福祉、災害ぐらいであるが、将来的には欧米のチャプレンのよ うに警察、消防、刑務所、学校等でも活躍してほしい。社会的認知度を上 げていくこと、研修の機会の増やし、かつ質の担保をしていくことが当面の 課題である。 <予告> 2016年 1 月 1 6 日 ( 土 ) 受付開始14:10 東洋英和女学院大学死生学研究所〈公開〉連続講座「生と死に寄り添う」 第7回 第8回 大林雅之「『小さな死』によせて」 森岡正博「人間のいのちの尊厳はどこにあるのか?」
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