ROCKY NOTE http://rockymuku.sakura.ne.jp/ROCKYNOTE.html 出血性脳卒中、虚血性脳卒中の鑑別(100616) JAMA の THE RATIONAL CLINICAL EXAMINATION シリーズの中の論文。脳卒中の 2 つのタイ プの鑑別に有用な身体所見を検討している。 もちろん、CT がすぐに撮影できる状況ならばそれほど役に立つ情報では無いかもしれない。結 論にもあるように、身体所見だけで判断するには限界があり、確定診断のためには CT などの画 像検査が必要だからである。 プライマリ・ケア医にとっては、まず内科がメインの病院へ紹介するか、最初から脳外科のある 病院へ紹介するかの判断には役に立つ場合があるかもしれない。ただし、紹介先の選定に多くの 選択肢が無いケースも多いと思うので、これらの情報が有用かどうかはケースバイケースと思う。 LR 95% CI 昏睡 6.2 3.2-12 項部硬直 5.0 1.9-12.8 神経欠落症状を伴う痙攣 4.7 1.6-14 拡張期血圧>110 mm Hg 4.3 1.4-14 嘔吐 3.0 1.7-5.5 頭痛 2.9 1.7-4.8 頚部雑音 0.12 0.03-0.47 TIA の既往 0.34 0.18-0.65 シリラートスコア Siriraj score>1 5.7 4.4-7.4 シリラートスコア Siriraj score<−1 0.29 0.23-0.37 Several findings significantly increase the probability of hemorrhagic stroke: coma (likelihood ratio [LR], 6.2; 95% confidence interval [CI], 3.2-12), neck stiffness (LR, 5.0; 95% CI, 1.9-12.8), seizures accompanying the neurologic deficit (LR, 4.7; 95% CI, 1.6-14), diastolic blood pressure greater than 110 mm Hg (LR, 4.3; 95% CI, 1.4-14), vomiting (LR, 3.0; 95% CI, 1.7-5.5), and headache (LR, 2.9; 95% CI, 1.7-4.8). Other findings decrease the probability of hemorrhage: cervical bruit (LR, 0.12; 95% CI, 0.03-0.47) and prior transient ischemic attack (LR, 0.34; 95% CI, 0.18-0.65). A Siriraj score greater than 1 increases the probability of hemorrhage (LR, 5.7; 95% CI, 4.4-7.4) while a score lower than −1 decreases the probability (LR, 0.29; 95% CI, 0.23-0.37). Nonetheless, many patients with stroke lack any diagnostic finding, and 20% have Siriraj scores between 1 and −1, which are diagnostically ROCKY NOTE http://rockymuku.sakura.ne.jp/ROCKYNOTE.html ROCKY NOTE http://rockymuku.sakura.ne.jp/ROCKYNOTE.html unhelpful (LR, 0.94; 95% CI, 0.77-1.1). シリラートスコアは聞きなれないが、以下のような計算式で計算できるスコア。1 より大きい場合、 出血性脳卒中の可能性が高くなる。実感がわかないので、仮に以下のようなケースで計算してみ る。 昏睡あり 5 嘔吐あり 2 2 時間以内に頭痛無し 0 (昏睡なら頭痛について聞けないよなぁ・・・) 拡張期血圧 90→9 糖尿病あり、狭心症無し、間欠性跛行無し -3 (調整のための定数) -12 これだと、計 1 点となり、どちらともいえないことになる・・・。(計算が合っているのか自信が無い が・・・) (参考文献 1 より引用) まあ、プライマリ・ケアの現場では診断より判断が重要な場合も多いので、身体診察だけでガチ ガチに判断するのではなく、身体診察をうまく利用して、患者や家族が十分メリットを受けられるよ うに、また、後方病院との連携がうまくいくように心がけていきたいと思う。 参考文献 1. Runchey S, McGee S. Does this patient have a hemorrhagic stroke?: clinical findings distinguishing hemorrhagic stroke from ischemic stroke. JAMA. 2010 Jun 9;303(22):2280-6. ROCKY NOTE http://rockymuku.sakura.ne.jp/ROCKYNOTE.html
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