工大広報 ��� ��� 2005年6月2 1日 発行 東北工業大学広報委員会 〒982-8577 仙台市太白区八木山香澄町35―1 TEL022(229)1151 ホームページアドレス http: //www.tohtech.ac.jp 新入生 オリエンテーションに参加して 新大学院生 研究への抱負 卒業生からの一言 大学入学前および卒業後の学習支援 特集:最先端技術は今 進級・卒業状況 / 就職情報 第56回総体開催迫る 新入生 オリエンテーションに参加して 有意義な学生生活をおくるために 大学生活への思い 電子工学科1年 情報通信工学科1年 NONAKA KAZUHIRO SATO TOMOMI 野中 千裕 佐藤 智美 電子工学科のオリエンテーションは,1泊2日の泊まり がけで行なわれました。この学外オリエンテーションは, これから大学生活を過ごす上で大変有益なものとなりまし た。特に,初日の大悲山 仁先輩の話では,今の社会がど のような人材を求めているのかを聞くことができました。 そこでは,礼儀,健康,人の和,やる気と協調性が必要で あり,さらに独創的なことをするには一人で行動できる実 力が必要であることを学びました。2日目の末廣輝男教授 の講演では,基本情報処理技術者や,各種資格について簡 潔に,かつ解りやすく説明され,資格取得への取り組みに 対する意欲を沸かせてくれました。また,先輩方主催の談 話会では大変楽しい一時を過ごすことができました。感謝 しております。 私は4年間,自分に甘えを許さずに,イソップの話に出 てくる蟻のようにこつこつ勉強し,キリギリスのように冬 に凍えることのないような実力をつけたいと思っています。 入学して間もなく新入生オリエンテーションが行なわれ ました。情報通信工学科では,全体のガイダンスで授業や 大学生活についての詳しい説明がありました。後日,セミ ナーⅠとして,各研究室に10名前後が配属されオリエンテー ションが行なわれました。そこでは,昼食を摂りながらコ ミュニケーションを取ったり,大学院生の先輩と触れあっ たり,先生の研究内容を聴かせていただいたりと大変貴重 な経験をさせていただきました。 新入生オリエンテーションを通して思ったことは,大学 生活には幅広い自由とそれなりの自己責任が伴うというこ とを忘れてはならないということです。また様々な人との コミュニケーションを大切にしていきたいと思います。 卒業後,立派な社会人として好きな仕事に打ち込めるよ うに,これからは目標を持って,毎日を過ごしたいと思い ます。 建築見学会を通して 大学生活に向けて 建築学科1年 建設システム工学科1年 YURI MACHIKO ADACHI SHO 由利 真知子 足立 翔 建築学科のオリエンテーションでは,建築見学会が行な われました。白石市文化体育活動センター,白石城,名取 市文化会館,せんだいメディアテークを回りましたが,ど れも素晴らしく,自分もこのような建築物を,いや,これ 以上のものを造りたいと思うと同時に,建築に携わる者と しての責任の重さを実感しました。特に,それまで何も知 らずに何度も足を運んでいた「せんだいメディアテーク」 の構造やコンセプトを聞き,身近な建物でも興味を持って 見たり調べたりすることが大切なのだと気づかされました。 今回の見学会を通して,建築に対する想いがさらに強く なったように思います。今は授業についていくだけで精一 杯の毎日ですが,この恵まれた環境の中で理想を大きく持 ち,自分を成長させていきたいと思います。 建設システム工学科のオリエンテーションでは,初めに 授業内容や大学生活についてのガイダンスがありました。 建設システムのエンジニアになるためには,自分が想像 していた以上の多くの教科が必要だということに驚かされ ました。それと同時にこの4年間で自分がすべて修得する ことができるかどうか不安になりました。 また,オリエンテーションでは基礎が大切であり,大学 では専門的な学習が多く日々の積み重ねが不可欠であると いうことを知りました。大学生活はまだ始まったばかりで すが,色々なことにチャレンジする気持ちを忘れず知識を 身につけ,自分が選択した道を自分のものにするためにも, 建設システムの学習という同じ目標を持つ友だちと励まし 合い競い合いながら,充実した4年間の大学生活となるよ うに頑張っていきたいと思います。 大学生活への期待 自分の足で見て歩いて デザイン工学科1年 環境情報工学科1年 ABE MARIE KANNO YOUTARO 安部 まりえ 菅野 陽太朗 大学生活にたくさんの希望を抱いて入学してきた私たち は,学内の「見て歩き」で,教授や先輩方の話を聞いたり, 研究室を見学することで予想以上のデザインの幅広さと楽 しさ,厳しさを感じることができました。 高校時代に体験入学に参加した時よりも,大学で勉強し ている中身についてより詳しく説明があり,それぞれの研 究室でどのようなデザインについて研究しているのか分か りました。このような機会を設けていただいたことで,学 内のいろいろな設備を知りました。それらを自ら十分に活 用して,実際に自分の手で物に触れ,作る楽しさや難しさ をこの4年間で経験していきたいと思いました。 これからの4年間という長いようで短い時間を,自分な りに目標を持ち,先生方や,共にデザインの道を目指す先 輩方や友だちからたくさん刺激を受け,成長していきたい と思います。 大学という新たな環境で生活するようになって約1週間 がたち,とても広大な敷地にある多様な施設・設備に驚き, また圧倒されていた時期に行なわれた今回のオリエンテー ションは,自分の足と目で本学を肌で感じる,という意味 で本当に充実したものとなりました。 私は入学するまでは,大学というところの印象として, とても堅苦しくて,勉強する以外には何の魅力もなく,た だ就職するための知識を蓄えるだけの場所だと思っていま した。しかし,実際に見て聞いてみると,勉強は自主的に 自由に何でもできるし,それ以外にも様々な楽しみがある, とても有意義な場所だと分かりました。 これからの約4年間,色々なことに興味を持ち,自分の 希望する進路目標を見つけ,あせらずに確実に進んでいき たいと思います。 2 新大学院生 研究への抱負 これからの2年間 充実した大学院生活 を目指して 「創造から統合へ」を実践 できる研究者をめざし 通信工学専攻 博士(前期) 課程1年 土木工学専攻 課程1年 博士(前期) 電子工学専攻 博士(後期)課程1年 木村 進矢 千葉 透雄 佐藤 悠介 KIMURA SHINNYA CHIBA YUKIO SATO YUSUKE 大学院に進学することで,勉強でき る期間が卒業していった友人たちより 2年長くなりました。この期間に私は, 特に研究室での研究に力を入れていき たいと思っています。 今まで私は,コンピュータの勉強に 力を入れてきました。これからは,こ の技術が研究にどのように使うことが できるのかを考えていきたいと思いま す。 講義もより専門的になりました。こ れらの知識を自分のものにできるよう に,そして研究の体験など,大学院で の経験を社会へしっかり還元できるよ うに勉強していきたいと思います。 勉強と研究だけに専念できる2年間 は大変貴重な時間です。悔いの残らな いように頑張っていこうと思います。 私の大学院生活は,学部卒業論文発 表終了と同時に始まりました。高橋敏 彦教授の下で,投稿していた土木学会 講演会での第1次査読結果が届き,4 月上旬まで全文査読原稿(第2次審査) を作成することになったためです。大 学院入学前の春休みは,その原稿のデー タ再整理,図面作成,原稿作成などに, 土・日曜日もほとんどなく,深夜まで 頑張ることもありました。この1か月 間で,研究の厳しさと楽しさの一端を 経験したような気がします。 大学院の講義では,学部で学んだこ とを基礎として,さらに高度な専門知 識を学んでいます。予習復習が大変で, 四苦八苦しておりますが,充実してい る毎日を送っています。 後で振り返った時に,大学院での2 年間が,研究をとおして人間的にも大 きく成長した時期であったと言えるよ うに励んでいきたいと思っています。 現在,電子工学の領域は,めまぐる しく変化する時代のニーズに応えるべ く常に斬新な技術が求められています。 このような背景のもとで,私は研究 というものの重要性を改めて認識して います。本学大学院博士 (前期)課程で は,より深い専門知識と研究における ノウハウを学んできましたが,博士 (後 期)課程では公共福祉に貢献する研究 を行なう能力を養い,社会のニーズや 問題に対して的確な目的意識を持つこ とが大切であると考えています。 これから研究を続けていくにあたり, 私は専門知識・技術の習得とともに, 社会の動向に対して幅広い観点と,大 局的なものの考え方を意識していきた いと思っています。そして,本学のス ローガンでもある「創造から統合へ」 を実践できる研究者を目指したいと考 えています。 自信を持つために 新たなフィールドにて 将来に向けて デザイン工学専攻 博士(前期) 課程1年 環境情報工学専攻 博士(前期) 課程1年 建築学専攻 博士(後期)課程1年 山舘 和麿 丹野 幸司 藤田 智己 YAMADATE KAZUMA TANNO KOJI FUJITA TOMOMI 私は石川善美研究室に所属していま す。その石川研究室の仲間が次々と就 職していくなか,私は就職するか進学 するか悩んでいました。長い間考えた 結果,私は大学院に進学することを決 めました。大学4年間で色々なことに ついて学んできましたが,その一つひ とつを理解し,社会のために貢献でき るかと言われれば,正直なところ私は 自信が持てませんでした。その不安な 部分を取り除き,自分自身の考えに自 信を持って行動できるようになるとい うことが,進学を決めた理由になりま す。 大学院では,学部では経験できない 様々なことを学ぶことができます。し かし2年間という限られた短い期間し かありません。私はこの2年間に石川 教授の指導を受け,なおかつ,自発的 に様々なことを学び,理解していきた いと思っています。 環境情報工学科第1回生としての4 年間を終え,共に学んだ仲間たちはそ れぞれ違う道へと進み,私は大学院に 新たな道を選択することでより高度な 知識・経験を積むことを選びました。 私が専攻する都市環境保全工学部門 では,環境問題の中でも,現在も過密 化・高層化などの変化をし続けている 都市環境についての問題を扱います。 都市化からもたらされる問題の多くに は,個人の感覚的なもの,また現状で 予測が困難なものがあり,身近な問題 であるにもかかわらず一般に理解しに くい面があります。これらの問題を理 解しやすくするために数値化・図式化 する技術を学び,新たに研究すること で,社会に対して貢献できる技術者と なることが私の大学院生としての目標 であります。 このような場を与えてくれた周りの 方々に感謝しつつ,充実した2年間を 送りたいと思います。 3 同期の友人が自分の進む道を見つけ 次々と社会人になっていくなか,本学 に入学して6年,今やっと自分が進ん でいきたいと思える道を見つけること ができました。それが「研究」という 道です。 学部4年より船木尚己研究室に所属 し,川股重也名誉教授と船木講師のも とで発展途上国の地震被害低減を目的 とした研究に携わり,自分なりに「研 究」のおもしろさを見出すことができ ました。 大学院博士(後期)課程に進学し,さ らに専門的な知識を必要とするなかで, 今までに学んできたことをより一層深 め,研究過程で起こる問題点を解決す るための力,研究者になるための力を 身につけていきたいと考えています。 進路として選択した「研究」という道 を実現できるよう日々努力していきた いと思います。 〉 〉卒業生からの一言 求められる人材と今なすべきこと コミュニケーション能力の ある技術者に 標は何か,上司はその目標を達成することで何をしようとして いるのか」 ,と自分なりに整理してから行動を起こすようです。 私たちも当然,自ら目標を立て,その目標を達成する方法を 自分で考え,場合によっては他のメンバーを巻き込んで,目標 を達成できる人材を期待しています。 (品質) ,Cost (価格) ,Delivery (納 私どもの会社では,Quality 期),Moral(モラル),Safety(安全)が求められます。恥ずか しいですが,私は入社したとき,この言葉が何を意味するのか 解りませんでした。自分が専攻してきた電子通信工学に何が関 係あるのか考えようともしませんでした。 しかし,経験を積むごとに「QCDMSが解らない技術者は技 術者ではない」ということが解ってきました。品質管理,原価 計算・財務会計,納期管理,モラル・関連法規,安全は,企業 経営にとっても,自分たちが作った製品・サービスを利用する ユーザーにとっても必要不可欠なものだからです。技術だけに 偏った技術者ではなく,バランスの取れた技術者になることが 必要と考えます。 私たちが入社した頃は,企業は一般的に学卒社員を10年かけ て一人前に育てるといわれていました。しかし,今は即戦力に (体力) がないと,やりたい運 なる人材を求めています。基礎力 動もできません。また,仕事は人と人とのつながりで,コミュ ニケーション能力も求められます。 社会に出てからは様々な能力が要求されます。学生時代はま ず自分の専門分野の基礎をしっかり身につけ,自分がやってい ること以外にも目を向け,社会や経済の動きにも敏感になり, 幅広い知識を吸収することが必要だと思います。 基礎をしっかり学び,それが何に応用されているのかをつか み,人と人とをつなぐコミュニケーション能力を育てて下さい。 東北工業大学生の活躍を期待しています。 株式会社TTK(旧社名 東北通信建設株式会社) 開発・研修センター副所長 高橋 一夫(電子工学科 昭和49年卒業) TAKAHASHI KAZUO 東北工業大学を卒業して,あっという間に31年が過ぎました。 今回,「卒業生からの一言」ということで初めて筆をとらせて いただきました。 現在,株式会社TTK(旧社名 東北通信建設株式会社)の 開発・研修センターで社内システム・ネットワークの構築,イ ンターネット関連の技術研修,IP系工事(インターネット技 術を活用した企業情報通信ネットワークの構築)の現場支援を 行なっております。 情報通信の分野は技術の進歩が速く,新しい技術やサービス が次々と出てきます。私どもの会社の主事業である通信インフ ラの構築は,電話網のIP化と加入者回線の光ファイバ化によ り,電話サービスが始まって以来100年に一度の大転換期にあり, 情報収集と学習が欠かせないものになっています。 私の部署には東北工業大学を始め多くの若手学卒社員がおり, これらの技術変化に対応すべく,新入社員・IP系技術の社員研 修,JAVAプログラムの開発,現場のルータ・サーバー設定な どの支援に従事しています。 活躍している社員に共通していることは,コミュニケーショ ン能力があり,大学での基礎をしっかり身につけ,一般的な知 識も豊富で理解力があることです。 人の話をきちんと聞き,上司から仕事を指示された場合でも, 「上司が指示した仕事の背景には何があるのか」,「指示した目 自律型人材と コミュニケーション 求められる人材となるには「自律型人材」であることが必要 であると考えます。内容は多岐多様に別れますが,簡潔に言え ば,「目的意識と責任感を持ち,方向性を定め素早く柔軟に仕 事を進めていける人材」であり,高度成長時代と異なった人材 像であるといえます。これは,市場(消費者)のニーズが多様 化し,変化もスピードアップしたことから企業が組織・人事に 対し考え方を変化させることが必要となったことによるものです。 皆さんも,「オンリーワン(独自性価値)」という言葉を耳に したことがあると思いますが,会社がすべてを保障できなくなっ てきている現在,自分自身でキャリア形成していかなければな らない時代なのです。 しかし,日本的風土や環境からいえばそれがすべてではない ことも事実です。どんなにIT化が進んだ時代であっても従事 しているのは人間であり,それを繋ぐ手段は「コミュニケーショ ン」であるからです。 これまで「コミュニケーション」といえば皆さん自身の選択 に委ねられていたわけですが,社会に出ると自分の意志にかか わらず「コミュニケーション」を図り効率よくことを運ぶこと が要求されるということを覚えておいて下さい。 最後に「自律型人材」や「コミュニケーション」のスキルアッ プに学生生活を大いに活用することを奨めます。 これを書きながら自分の学生生活を顧みて,今の時代を生き る皆さんに助言するとすれば「社会や会社では思うように挑戦 できる機会は少ない。学生時代こそ臆せず何にでも挑戦できる 絶好の時期である」ことをつけ加え,学生生活が有意義なもの となるようエールを送りたいと思います。 がんばれ!無限の可能性を秘めた学生諸君! 株式会社復建技術コンサルタント 交通・環境部 交通計画3課課長補佐 斎藤 圭司(土木工学科「現 建設システム工学科」 SAITO KEIJI 昭和63年卒業) 私が所属する建設コンサルタント業は建設関連業と称され, 6〜7割を公共事業が占める業界です。私たちの使命は社会 資本の整備・管理を通じて豊かな暮らしを実現する一翼を担 うことにあり,私は道路設計に携わっています。 特に近年は台風・豪雨・地震など自然災害が頻繁に発生し, 私たちの生活が脅かされる状況から,防災対策や環境面をは じめとする社会資本整備がより一層重要となっています。す なわち,国民がより安全に安心して生活できる社会整備が望 まれており,それに応えることが私たちの責務であると考え ます。 しかし,現在の日本は構造改革のもと緊縮財政による公共 投資抑制により社会資本整備が思うように進んでいないこと も事実です。 また,公共事業は不特定多数に対して幅広く便益を生み出 さなければ評価されにくいという難しい面を持っています。 だからこそ,「自信と誇りと勇気を持って豊かな暮らしの実現 を目指す」というはっきりした目標設定ができるのも事実です。 これまで,私たちを取巻く社会や環境に触れましたが,こ のような時代背景を持つ皆さんが「21世紀の仕事人」として 4 インターネットを活かした建築学科の 昨年度の入学予定者にパスワードを交付し,試験的に運用し ましたが,入学後も学力向上のため,特に1年生に受講を勧め ています。 Post-learning は,技術向上を支援する国家資格などの取得 へのステップとし,APECエンジニア登録の要件を満たすため の Continuing Professional Development(継続能力開発 略称 CPD)の一つとして実施する予定です。 開講する科目は,表2のとおりですが,このうち「建築実務 演習Ⅰ」は,東北工業大学一番町ロビーでの実施を予定してい ます。科目はいずれも,大学院に開講されているものですが, 大学院に入学しなくても,科目受講の制度を活かし,働きなが ら受講できる仕組みを整えています。建築の実践的な科目なの で,社会的なニーズに応じた内容で講義が構成されます。 この5科目を,建築学科ではプロフェッショナル・コースと 呼んでおり,受講修了者には審査の上,建築学科から修了証が 発行される予定です。正式に大学院に入学しなければ単位とし ては認められませんが,社会人の大学院入学をすすめる方策の 一つとしてとらえています。 プロフェッショナル・コースは,後期の正式開講に向けて「授 業コンテンツ」を作成中ですが,現在,建築のホームページか ら,試験的講義を見ることができます(図3)。 大学入学前および卒業後の学習支援 建築学科 教授 谷津 憲司 建築学科ではこれまで,学内ネットワークの活用により,学 生個人の能力,大学生活状況を総合的に把握し,教員が個別に 教育・生活面で学生を支援していくシステムを独自に開発して きました。多面的な学生の能力を把握し,教員が一元的にこれ を把握し,タイムリーに学習支援するものです。 これは,STAC(Student Ability Catalog)と呼ばれるシス テムで,全部で6つのファイルで構成されています。それぞれ のファイルの役割は,表1のとおりですが,このうちDとFファ イルを特に,Pre & Post Learning Support System(略称 PPLSS) と呼んでいます。この2つのファイルは,いずれもe-Learning (遠隔教育)を目的に整備されるもので,大学入学前および, 大学卒業後の学習支援システムです。 全体の仕組みは図1のようになります。 Pre-learningでは,推薦入学などで,入学予定者が早い時期 に確定する本学の特長を生かし,基礎数学を入学前に学習して もらうもので,現在, 「微分法・積分法」 「ベクトル」 「三角関数」 「放課後の数学」「行列」の5科目が建築のホームページから 受講できます(図2)。 (やつ けんじ) ○国際社会への貢献 ○ライセンスの取得 学習意欲旺盛 大学入学予定者 4 年 大学院 会 大 学 1 年 2 年 社 3 年 社 会 ○地域・社会との連携 ○基礎学力の向上 ○専門への導入教育 Pre-learning� 図1 Pre&Post Learning Support System の概要 図2 建築学科における Pre Learning のトップ画面 Post-learning� 図3 建築学科における Post Learning の講義画面 表1 STAC構成ファイルの役割 A B C D E F 構成ファイル名 Achievement file Behavior file Cluster file Development file Employment file Fundamental learning file ファイルの役割 学生の成績, 取得単位, 出欠状況, 分野別能力把握 学生生活, 教師コンタクト状況, 父母連絡状況把握 学年, クラス別, 単位取得状況, 成績分析データ群 卒業後の支援プログラム, ライセンス, CPD対応 個人別学生求職活動記録・支援, 企業分析データ群 専門導入教育・専門基礎支援プログラム 表2 大学院プロフェッショナル・コース開講科目 開講科目名 建築実務演習Ⅰ 建築実務演習Ⅱ 建築実務演習Ⅲ 建築実務演習Ⅳ 建築実務演習Ⅴ 講義内容 計 画 演 習 ・ 設 計 演 習 計 画・歴 史・環 境・都 市 計 画 生 産・施 工・複 合 構 造 設 計 耐 震 構 造・空 間 構 造 解 析 制 振 ・ 免 震 構 造 解 析 5 単位数 2 2 2 2 2 担当教員 谷津・槻橋・他 志田・高橋・沼野・渡邉・石井 小野・田中・最知・他 鈴谷・小野瀬・田中・他 阿部・船木・他 特集 最先端技術は今 垂直磁気記録HDDの製品化について 理事長・学長 岩崎 俊一 私がライフワークとしてきた垂直磁気記録方式が,ようやく 製品化されることになりました。昨年12月13日(月)の東芝の 発表に続き,去る4月5日(火)には日立が世界に向けて商品 化の発表を行ない,産業界の注目を浴びました。その折りの発 表文には私の感想が含まれているので,その内容を以下に述べ ます。 「私は1951年頃から磁気記録に関する研究を始め,最も重要 な課題は 高記録密度化 であると認識しました。当時,磁気 記録は水平方向の磁化だけの比較的シンプルなものとして捉え られていましたが,それはとても複雑な現象で磁性体はベクト ルとして磁化されていることに気がつきました。すなわち,磁 束ベクトルには水平方向だけではなく,垂直方向にも発散され ており,1975年頃に垂直磁気記録が記録密度の向上に有用であ るという予感を持ち始めました。それ以降,その基本構造の決 定,実験によるデータ集め,若手研究者の育成,研究所の設立, 試作ノート型パソコン 試作ノート型パソコンを試験中の岩崎学長 国際会議の開催など,実用化に向けた全ての活動をリードして きました。 垂直磁気記録は,今後の社会を大きく変える可能性を秘めて おり,21世紀における我々のライフスタイルをも変える重要な 技術になると信じています。私が長年携わってきた垂直磁気記 録技術が,今日,実用化されようとしているのはとても喜ばし 」 いことです。 以上が今回の世界に向けた発信の一部ですが,その反響は多 くの新聞,WEBなどに見ることができます。 2.5型「垂直ディスク」 (いわさき しゅんいち) 第1期ハイテク・リサーチ・センター る振動制御・地域防災システムの開発研究」という三つのプロ ジェクトを推進するために,学外の研究機関の研究者も含む総 勢57名が参加して精力的に研究が行なわれました。平成15年度 からの3年間は本学の独自資金によってプロジェクト研究が継 続されてきました。 さる3月15日 (火),9号館メモリアル・ホールで学長はじめ 学生・院生,学外者を含む大勢の参加を得てシンポジウムが開 催され,この8年間におよぶ研究の成果が発表されました。「ハ ロゲン化物半導体材料」プロジェクトでは,臭化タリウムとい う新しい化合物半導体材料を用いたガンマ線・X線検出器を開 発し,現在世界のトップに立つ高性能を実現しました。これは 今後,医用画像診断装置などに大いに活用されることが期待さ れています。「資源循環」プロジェクトではコンクリートなど の建築廃材の再利用のための性能評価法の開発,地中熱源を得 て空調用エネルギー消費量を低減する方法,水生植物を用いた 水質浄化の実験的研究などが大きな成果をあげました。「重力 場擾乱,リアルタイム地震動情報」プロジェクトからは,仙台 市内に設置された地震動観測装置アレーで集積された地震動デー タにもとづく,地域ごとに異なった様相を示す「地面の揺れ」 のリアルなシミュレーションが披露され,予想される宮城県沖 地震を前にして,大きな感銘を与えました。また,10号館建設 において実用化された新方式のダンパーを用いた制振システム の開発,微弱な電磁波現象の観測による地震予知の可能性など, 極めて重要な社会的課題に応える研究成果が報告されました。 シンポジウム開催 電子工学科 教授 末廣 輝男 本学の第1期ハイテク・リサーチ・センターは文部科学省に よる資金助成を得て平成9年度に5か年計画としてスタートし ました。「ハロゲン化物を中心とした半導体材料の開発と光電 「資源循環型社会実現のための戦略的 変換素子への応用研究」, 研究」および「重力場擾乱およびリアルタイム地震動情報によ (すえひろ てるお) ※ 平成17年5月第1期ハイテク・リサーチ・センター第3プロジェクト平成 14年度〜平成16年度研究成果報告書が発行されました。 6 特集 最先端技術は今 四角い断面を持つMoO2ナノチューブの 合成に世界で初めて成功 電子工学科 助教授 阿部 俊三 四角い断面を持つ金属酸化物ナノチューブの合成に電子工学 科阿部俊三研究グループが世界で初めて成功した(電子顕微鏡 写真参照)。物質は二酸化モリブデン(MoO2)である。チュー ブ断面は長方形と正方形が見られ,一辺の長さは100ナノメー トル(ナノは10億分の1)から1万ナノメートルである。チュー ブの長さは断面の約50倍である。先端が一部ふさがっているの もある。ちなみに人間の髪の毛の太さは約10万ナノメートルで ある。 ナノチューブとしては,わが国で発見されたカーボンナノチュー ブが有名である。最近は,炭素以外にもパナジウムやアルミニ ウムといった金属の酸化物のチューブが注目されつつある。金 属酸化物は複合強化 材,燃料電池用触媒材 料,ガスセンサ材料, 発光体材料,追記型光 記録用フォトクロミッ ク材料などへの応用が 期待されている。これ まで発見された金属酸 化物がすべて円形 チューブであるのに 四角い断面を持つMoO2ナノチューブ 対し,今回発見した チューブは,正方形や長方形の断面を持つことが特徴である。 しかし,なぜ四角いチューブができるのか,そのメカニズムは まだ不明である。 二酸化モリブデンは,本来,自動車排気ガスの硫黄酸化物 (SOx)成分低減に重要な,石油の脱硫処理(イオウ除去)に 必要不可欠な触媒である。四角いチューブにより触媒性能が上 がるかもしれない。他に電気を通す性質があるので太陽電池や フラットパネルディスプレイに用いられる電子銃に使用可能な どその応用は未知数である。 阿部研究室では,東北大学 学際科学国際高等センター 末光 眞希教授との共同研究で長年,アセチレンと酸素の燃焼炎を使っ たダイヤモンド薄膜の合成に関する研究を行なってきた。基板 に用いたMo板の裏側に黒褐色の物質が堆積しており,電子顕 微鏡で観察したところ,四角い断面を持つチューブを発見した。 今回の四角いチューブは10年前に阿部研究室で発見していたが, 高分解能評価装置が無く研究進行の妨げになっていた。それが, 第1期ハイテク・リサーチ・センターの開設以来,評価装置も 充実したことと,その後,カーボンナノチューブに刺激され2 年ほど前から共同で本格的に物質同定を開始した。この研究は, まだ創造の段階であり,今後応用に向け発展させたい。 (あべ としみ) 第2期ハイテク・リサーチ・センター 研究ガイド コミュニケーションと先行制御 情報通信工学科 教授 沢田 康次 しかしそれより速くなると,手の運動は見ている物体の運動 の先に行くのです。どの程度先に行くのかといいますと,人 によって違いますが,20分の1秒程度です。 不思議に思った私たちはなぜ手は物体の先に動くのか,ど うして20分の1秒程度なのか,どうして人によって違うのか を調べました。 その結果,次のようなとても面白いことが分かりました。手 は目的物体より先行することによって,その物体の動きが突 然変化した時にその変化に対応しやすい。しかもその対応し やすさは人によって異なるにもかかわらず,それぞれの人は 変化に一番対応しやすい時間差だけ先行しているのです。人 や動物が脳を持ったのは,動いている別の動物を捕まえるた めであったことを考えるとこの結果は当然ともいえるのです。 先行することによって二人の間のコミュニケーションも滑ら かになることが分かりました。私たちはこの制御方法を「先 行制御」と名づけ,将来ロボット間のコミュニケーションに使っ (さわだ やすじ) てみようと考えています。 私たちが目指しているハイテク研究は前回この欄で紹介が ありましたハイテクセンター長 米山務教授の無線通信技術の 完成を中心として,それを支える技術と通信するコンテンツ〈内 容〉の研究です。そのコンテンツの研究の一つとして人と人, 人と環境のコミュニケーションの研究があります。 コミュニケーションがスムーズにいく人と,なんとなくぎ こちない人がいます。これはどうしてでしょうか。ロボット 同士がヒトと同じようにコミュニケーションができるのでしょ うか。このような問題に応えるために,私たちはこの数年コ ンピュータの画面に動く物体を人がマウスで追いかける時, 動く物体と手の動きの間にどんな関係があるのかを丁寧に調 べました。皆さんの想像では,動く物体を見て追いかけるの であれば,いつでも手の運動は動く物体に遅れて動くはずだ, しかも物体の速度が速くなればなるほど,ますますの遅れは 大きくなると考えませんか。 ところが意外なことが分かりました。画面上の運動が1周 するのに2秒以上かかる時は,皆さんの想像どおりでした。 7 国際交流シリーズ 16 意義ある海外研修旅行 義な研修であったとの感想でありました。 また,皆でワインやビールを飲みながら,その日その日の印 象や出来事を語り合う機会も多く,建築に対する考え方,外国 と日本の文化の違い,などについて夜遅くまで議論していた様 子で,私から見ると「一皮むけたなぁ」と感じられる場面も多 かったようです。 さらに,食べ物や飲み物に関しては,素材,味,マナーなど, 住居間に関しては間取りや室間に対する認識などについて,日 本との差異を身近に感じたようで,今後の学習において建築を 真から理解する糧として貴重な認識を加えた様子でありました。 以上,大過なく研修を終えましたが,参加した学生が参加し なかった学生を巻き込んで広い見地から,さらなる向上を図る ことを期待したいと思っています。 建築学科 教授 小野 英哲 恒例の建築学科海外研修旅行が,平成17年3月1日(火)か ら3月14日 (月)までの2週間にわたり行なわれました。 参加学生は例年より少なめではありましたが,2年生〜4年 生計15名と添乗員,筆者と合計17名の研修で,少人数なりにま とまった中味の濃い研修であったと思われます。 訪問先はバルセロナ,ミラノ,ベニス,フィレンツェ,ロー マ,プラハ,パリで各都市において建築的に意味のある建物を 中心に見学しました。 ほとんどの学生は初めてみる都市,町並,建物を感慨深げに 研修した他,人々の行動,生活の一端も観察でき,非常に有意 (おの ひでのり) パリの裏通り バルセロナ・サグラダファミリア (聖家族教会) ホテルの室内例(浴室) プラハの商店街 進級・卒業状況 教務部次長 渡 と挙げる学生が比較的多く見受けられます。大学時代は色々と 思い悩むことも多いですし,講義も専門性が強いながら基礎的 な内容が多く,必ずしも当初からの自分の興味と講義内容との 関連が実感できない場合があるかもしれません。 しかし皆さんはまだ修業の途中です。私は,早計は禁物と考 えます。自分の興味のある分野とともに,その周辺分野を含め た学習が将来必ず役に立ちます。大志を胸に大学生になったの でしょうから,頑張りましょう。深い専門知識と幅広い教養こ そが自信と創造力を育てます。大学は皆さんを支援します。ま た,より高度な能力を身につけたい場合は大学院に進学しましょ う。現在本学では86名の大学院生が日々修業を重ね,トップレ ベルの研究を推進し,社会に貢献しています。 本学には皆さんの能力を伸ばす道が開けています。それを活 かすのは皆さん次第です。進級や卒業を目指すだけでなく,よ り高い目標を実現しましょう。 浩文 新年度が始まって早くも2か月半が経ちました。落ち着いて 勉学に勤しんでいることと思います。例年にならい前年度の進 級・卒業状況を示し,学生の皆さんに若干のアドバイスをいた します。 下の表は,平成16年度の3年次および4年次への進級状況と 卒業認定状況を示しています。学科により大きく差があります が,3年次への進級不可率は全体で14.2%,4年次への進級不 可率は同じく5.5%となっています。3年次への進級不可率は 一昨年度(13.5%)を上回っています。 昨年度の退学する学生のうち約半数が留年学生となっており, 留年は退学理由の一つであるのは間違いありません。余裕のあ る計画的な単位修得が望まれます。また退学理由に,「勉強意 欲が湧かない」 「自分のやりたいことと授業内容が一致しない」 (建築学科 助教授 わたなべ ひろのり) 平成16年度 3年次および4年次への進級状況と卒業認定状況 3年次進級 区 分 学生数 進級可 電 子 工 学 科 190 167 人数 % 卒業認定 学生数 卒業者 卒業不可 人数 % 3 1.9 145 145 0 0.0 210 174 36 17.1 169 160 9 5.3 168 166 2 1.2 平 建 築 学 科 200 180 成 土木工学科 16 (建設システム工学科) 132 93 年 工業意匠学科 度 (デザイン工学科) 124 114 20 10.0 167 153 14 8.4 169 165 4 2.4 39 29.5 108 101 7 6.5 111 107 4 3.6 10 8 9.2 106 103 3 2.8 環境情報工学科 合 8 人数 % 学生数 進級可 進級不可 23 12.1 159 156 通信工学科 (情報通信工学科) 進級を確認する学生たち 4年次進級 進級不可 計 99 91 8 8.1 87 79 8.1 106 103 955 819 136 14.2 796 752 59 1 1.7 44 5.5 759 745 3 2.8 60 14 1.8 就職情報 ▲ ▲ ▲ 自信を持って臨もう! ! 就職部長 古賀 秀昭 6月も下旬にさしかかり,4年生の皆さんは就職活動に忙し いことと思いますが,進み具合はいかがでしょうか。1年のう ちで現在が就職活動のピークの時期です。就職希望者が全員内 定を得られるよう祈念しております。もちろん,私たち教職員 は学生の皆さんの状況をただ黙って見ているのではありません。 「就職してから自分が何をやりたいか」「自分はどんな職業に 向いているか」「学校推薦をもらいたいがどうしたらよいか」 などについて卒業研修担当の教員,学科の就職委員の教員,就 職課の事務の方々に相談してみて下さい。やり取りの中から何 かいい回答が得られるはずです。そして,自らの就職の方針が 決まったら,それに自信を持って向かって行なって下さい。た だし,自分を正しく見つめる目,すなわち「自己分析」がきち 就職講演会(平成17年2月) んとできていなければなりません。自信を持つには結局は「自 己分析」です。「自分は何なのか」 , 「自分は何ができるのか」 , 「自 分が他の人と違うところは何なのか」などこれらに答えを見つ けられれば就職内定は必ず得られます。自信を持って臨みましょ う。 昨年度の本学の就職内定率は全体で94.9%となり,久しぶり に90%台の中程となりました。これは日本経済の復活を反映し ているのかもしれません。求人数も大幅に増加しています。そ れに加えて,平成16年度4年生の健闘と関係教職員の努力の賜 でしょう。中でも特筆すべきは電子工学科が100%を達成した こと,昨年度初めて卒業生を世に送り出した環境情報工学科の 健闘(最終的に95.1%)が大きいと思います。もちろん,他の 学科も前年度の内定率を上回っています。大学の使命の一つと して就職希望者を全員就職させるということがあります。教職 員も全力を尽くしますが,学生諸君も自信を持って就職活動に 臨んで下さい。 (環境情報工学科 教授 こが ひであき) 就職情報(各企業ファイル)を検索中の学生 本見学会は,東北産学官連携協議会(会長 東北経済産業局長 本部和彦)『学 生による地元企業見学会事業』の採択事業として,執り行なわれました。 ソニーの工場見学会に参加して 通信工学科4年 福士 真理恵 昨年12月7日(火),多賀城市のソニー(株)仙台テクノロジー センター工場見学会に参加し,創立者である井深大さんに関す るビデオの上映や,ブルーディスクの製造工程,最新機器など の見学を通し,直に最先端のもの造りを感じることができまし た。 中でも興味深かったものは,AIBOです。AIBO自体は以前 から開発されていましたが,私が見学したものは,それをさら に改善,向上させたものでした。機能だけではなく,体の各部 の構造にも注意が払われており,これまでは箱型の胴体に足を つけただけだったものを,胴体と脚の間に丸い肩の部分を作り, 足が沈み込んでいるスタイルにしたり,顔についても,これま でより曲線的に作られたりしていました。しかし,脚を肩に沈 情報通信工学科の皆さん み込ませることで,使用する人が指を挟んでしまった際,怪我 をしないよう敏感に感知しなければならないという点や,顔を 曲線的に作ることで,電子部品の基盤を小さくしなければなら ないという点が新たな課題として浮かび上がり,大変苦労され たそうです。AIBOはこれまでも喜怒哀楽を表現してきました が,実際にはそれ以外の感情も存在するため,それらの表現も つけ加えられており,動物よりも人間に近いもののように感じ られました。 また,地球環境の保全に関する取り組みも積極的に推進して おり,おみやげとして,バイオマス資源により作られる植物原 料プラスチックで作られたMDをいただきました。 工場というと,同じものを大量生産するための場所というイ メージが強かったのですが,実際は新たな機器を導入し,生産 の効率化が図られていたり,今あるものをさらに良くするため の工夫がされていたりと,あらゆる最新技術に触れることがで きる場所でした。 (ふくし まりえ) 電子工学科の皆さん 9 第56回 総体 開催迫る 初夏に繰り広げられるスポーツの祭典,第56回東北地区大学総合体育大会は6月17日 (金) から7月3日 (日)まで,盛岡市を中心とした市町村を会場に開催されます。このうちスキー種 (金)までの予定で,岩手県雫石スキー場で開催されます。 目は平成18年1月25日 (水)から27日 参加は51大学,約6,500名に及び,本学から20種目に約280名の選手が参加します。各クラ ブともすでにエントリーを済ませ本番に向けて調整に余念のないところですが,是非前年を 上回る成績を挙げてほしいものです。 主 催 東北地区大学体育連盟・文部科学省 主 管 岩手大学 参 加 者 東北地区大学体育連盟加盟 51大学 約6,500名 種目別競技日程及び会場 程 6月 日 競技種目 陸 上 競 技 水 泳 硬 式 野 球 準硬式野球 テ ニ ス ソフトテニス バスケット ボ ー ル バレーボール ハンドボール サ ッ カ ー ラ グ ビ ー 卓 球 バドミントン 柔 道 剣 道 弓 道 空 手 体 平成17年6月17日 (金) 〜7月3日(日) 道 操 7月 男 女 注1 日程欄の○は実施日,△は準備日,予は予備日です。 (閉会式)は種目毎に各会場で行ないます。 注2 表彰式 ス キ 日 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 1 2 3 (木) (金) (土) (日) (月) (火) (水) (木) (金) (土) (日) (月) (火) (水) (木) (金) (土) (日)数 2 △○○ 男 2 △○○ 女 男 △○○2 女 4 ○○○○予予 2 予 ○○ 3 ○○○予予 4 ○○○○ 3 ○○○予 2 ○○ 予 4 ○○○○ 男 4 ○○○○ 女 4 ○○○○ 4 ○ ○ ○ ○(予) 男 4 ○○○○ 女 3 △○○○ 男 2 △○○ 女 3 ○○○ 男 1 △○ 女 1 ○ 男 △○ 1 女 △○○2 3 △○○○ 3 ○○○ 3 ○ ○○ 2 ○○ ○○ 2 男 ○ 1 女 男 △ ○○ 2 女 男 △○1 女 男 △○ 1 女 3 △○○○ 男 3 △○○○ 女 3 △○○○ 男 △○ 1 女 男 △○1 女 ー �� 競技会場 岩手県営運動公園陸上競技場 岩手県営運動公園補助競技場 盛岡市立総合プール 岩手県営野球場 滝沢総合公園野球場 花巻球場 雫石町営野球場 大迫町民野球場 紫波運動公園内野球場 岩手県立大学野球場 岩手県営運動公園テニスコート 岩手県立大学テニスコート 滝沢村東部テニスコート 国民年金健康センターテニスコート 岩手県立大学テニスコート 雫石町営体育館 岩手大学第一体育館 盛岡大学体育館 滝沢村東部体育館 岩手県立大学体育館 矢巾町民総合体育館 岩手大学第一体育館 県営運動公園サッカー場 県営運動公園ラグビー場 盛岡南公園球技場 花巻スポーツキャンプMURA 松尾村上寄木ラグビー場 矢巾町民総合体育館 滝沢総合公園体育館 岩手県営武道館 岩手県営武道館 岩手県営武道館 花巻市武徳殿 岩手大学弓道場 岩手県営武道館 岩手県営武道館 雫石スキー場(予定) 土木学会2級技術者資格審査合格おめでとう 本学から3名,私学では第6位の好成績! 建設システム工学科 学科長 外門 正直 平成16年度に実施された技術者資格認定試験の結果が去る1 月21日(金)に発表されました。①特別上級技術者で61名,② 上級技術者で49名,③1級技術者で39名,④2級技術者で530 名(内,大学院在学生432名)が合格となりました。本学大学 院土木工学専攻からは,現在博士(前期) 課程2年生の岡崎秀一 君,加藤悠司君,福島健市君が④で合格しました。合格者数で 見ると,表に示すとおり,本学が私学では第6位の好成績です。 合格者の皆さん,おめでとうございます。 土木学会には,技術者の能力を認定して技術力を保証する技 術者資格制度があります。土木技術者としての能力を前記の① から④の4段階に分けており,順に,任務遂行能力が①は日本 を代表する者,②はリーダーの能力の者,③は自己の判断で任 務を遂行できる者,④は与えられた任務を正しく遂行できる者 としています。これらは世界各国との技術レベルの互換性を視 野に入れたものでもあります。 ①から③の資格は実社会に出てそれなりの経験を積んだ後に 受験することができます。大学卒業で受験できるのは④のみと なりますが,受験生にはかなりレベルの高い試験となりますの 自己紹介 で,合格は大学教育修得の大いなる成果を示すものとなります。 したがって,資格の取得は就職活動でも大変プラスに作用する (ともん まさなお) といえます。 私立大学合格者数 順 1 3 5 6 9位以下省略 加藤 悠司 君 3 福島 健市 君 心機一転 悩みは成長へのチャンス 〜オーダーメイドの幸せつくりのために デザイン工学科 講師 梅田 弘樹 UMEDA HIROKI 布柴 靖枝 私はこれまで,一工業デザイナーとして,デザインを社会の 中で実践する立場にいました。具体的には1991年から約6年間 キャノン㈱で製品デザインに携わった後,フィンランドのヘル シンキ芸術デザイン大学へ留学,現地で工業デザイン事務所を 起こし,オリジナル製品のプロデュースや,日フィン間の産学 共同デザインプロジェクトの指導といった経験を積んできまし た。このたび,本学デザイン工学科の講師に着任し,プロの教 育者・研究者という立場に生まれて初めて立った訳ですが,こ れを「一歩引いた観点から客観的にデザインを捉える機会」と して,そこから広がる新たな可能性に賭けてみたいと思ってい ます。これまでの,「ものづくりの現場」での経験を通して培っ た技量,判断力,哲学を武器に,これからはより広い意味での 「デザインによる社会貢献」に取り組んでいきたいと考えてい ます。 NUNOSHIBA YASUE 主に,学生や保護者の方々のカウンセリング(心のサポート 役)にあたります。個人カウンセリングだけでなく家族カウン セリング,グループカウンセリングやコンサルティングが専門 です。悩みは成長へのチャンスと言われています。自分の弱さ に向き合える人は強い人です。大いに悩んで,より自分らしい 生き方を模索するお手伝いができれば嬉しく思います。今後, 心と体の健康を支援する「ウェルネスセンター(仮称)」の立ち 上げの仕事もしていく予定です。皆さんが本学で気持ちよく学 び,自分自身のオーダーメイドの幸せつくりと自己実現に向け てのお手伝いができればと考えております。どうぞお気軽にカ ウンセリングルームにお立ち寄り下さい。よろしくお願い申し 上げます。 新たな気持ちで 新鮮な気持ちで 情報通信工学科 合格者 6 5 4 私 立 大 学 名 早稲田大学,東京理科大学 中央大,武蔵工業大 日本大学(理工) 東北工業大学, 高知工科大学,名城大学 岡崎 秀一 君 新任教職員 のみなさん 助教授 (臨床心理士) 位 位 位 位 位 講師 松田 勝敬 環境情報工学科 嘱託助手 藤田 光則 MATSUDA MASAHIRO FUJITA MITSUNORI 海まで望める素晴らしい環境の本学で,教育・研究の機会を 与えていただき,大変嬉しく思っております。仙台は私にとっ て初めて生活する土地であり,新たな職場と相まって新鮮な気 持ちで過ごしております。 私は学生時代に音声に関して,特に音声生成についての研究 を行なっておりました。大学で働きはじめてからは,一転して コンピュータネットワークやデータベースに関する研究に取り 組んできました。これまでは基幹ネットワークを管理・運用す る部局で,これらの分野について主に実践的な研究・開発を行 なってまいりました。本学ではこれまでの経験を生かして,常 に最新のことを教育・研究に役立てるように,努力を続けてい きたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。 今年3月に本学大学院環境情報工学専攻の博士(前期) 課程を 修了し,本学に助手として勤務できる機会を与えていただき大 変嬉しく思っております。 大学院では江成敬次郎教授のもとで水生植物ヨシを使った水 質浄化について研究してまいりました。ヨシを使った言葉の一 つに「葦の髄から天井をのぞく」という言葉があります。これ は自分の狭い見識に基づいて物事を判断することの例えですが, この言葉のようにならないように広い視野を持ち,社会に還元 できるような研究に取り組んでいきたいと思っております。 これまでは教えられる立場でしたが教える立場に変わり不安 を抱えております。今後,教育研究に励む所存ですので,よろ しくお願いいたします。 �� 北海道大学より論文題目「緩傾斜堤の水理特性に関する基礎的 研究」で博士 (工学)の学位を取得されております。 高橋教授は,中学,高校時代を通じてバスケットボール部に 所属していたスポーツマンでもあります。趣味も多彩で,鮎釣 りでは東北代表として全国大会に出場したほどの腕前です。最 近は仕事も多忙を極めており,釣り竿の出番も少なくなったと 嘆いておられました。また,日本酒への思い入れも大きく,全 国のおいしい酒の銘柄や酒蔵の情報に通じておられ,その知識 の豊富さには驚かされます。探求心が旺盛で途中では簡単に諦 めない性格が,本来の研究はもとより趣味の分野にも発揮され ているものと思われます。 高橋教授の丁寧で分かりやすい講義には定評のあるところで あり,平成16年度の優秀教員に選ばれたのもうなずけるところ です。研究室のモットーは「よく学び,よく遊べ」。高い研究 目標を持って一生懸命頑張り,一方,ストレスが溜まることも あるので研究室では楽しい行事を多く計画しているとのことで した。今後の益々の研究の発展とこれまでにも増しての熱い指 導を期待いたします。 建設システム工学科 教授 中山 正与 建設システム工学科 高 橋 敏 彦 教授 TAKAHASHI TOSHIHIKO 「よく学び, よく遊べ」を モットーに 平成16年4月に教授に昇任され,また大学院の指導教授に任 命されました高橋敏彦教授は,山形県真室川町の出身です。本 学の土木工学科を昭和53年に卒業され,ただちに助手として土 木工学科に勤務,すでに退職されておりますが沼田淳名誉教授 のもとで海岸水理学の研究と学生の教育にあたられました。昭 和63年には,一年間にわたって東北大学の土木工学科に内地留 学し,貴重な経験を積まれました。一貫して緩傾斜堤の研究を 継続しておられ,その成果は土木学会論文集や国際会議におい ても発表されています。平成11年には長年の研究が認められて (なかやま まさとも) 消費者トラブルに気をつけよう 平成17年度入学式 学生部次長 4月6日(水)午前10時から香澄町キャンパス体育館にお いて,平成17年度入学式が学部と大学院合同で,新入生,ご 父母,ご来賓,教職員の列席のもと厳粛に挙行されました。 今年度学部入学者は電子工学科157名,情報通信工学科178 名,建築学科182名,建設システム工学科100名,デザイン工 学科103名,環境情報工学科97名の計817名が入学しました。 課程38名(電 また,大学院工学研究科入学者は,博士 (前期) 子工学専攻5名,通信工学専攻6名,建築学専攻9名,土木 工学専攻10名,デザイン 工学専攻2名,環境情報 工学専攻6名),博士(後 期)課程8名(電子工学 専攻2名,建築学専攻3 名,土木工学専攻2名, デザイン工学専攻1名) , 総数46名が入学しました。 4月7日(木),8日(金)の両日,1年生と4年生を対 象に,消費者教育講座が開催されました。消費生活に関 する様々なトラブルへの意識を高めてもらおうとの趣旨で, 学生部が企画したものです。昨年は新たに大学生活を始 める1年生を対象にしましたが,今年は,これから社会 に巣立つ4年生も対象に含めました。 7日(木)は金融広報アドバイザーの進藤恵美さん,8 日 (金)は消費生活専門相談員の齋藤幸子さんをお招きし, 1学科30分程度でお話いただきました。進藤さんは主に クレジットカードのトラブルを紹介され,カードの種類, 仕組みなどを説明した上で, 「 クレジットは借金である」 ことを理解しよう,と話されました。齋藤さんは悪質商 法全般を扱われ,迷惑メール,不当請求などをめぐる事 例を紹介した上で,その対応の仕方と,消費生活相談窓 口の利用を呼びかけました。 具体的な事例の多い真に迫るお話で,学生は身近に潜 むトラブルの深刻さを思い起こすことができたようです。 工大広報について (教職課程センター講師 かたやま ふみお) 「工大広報」は,本学の諸情報をお伝えするために,年6回(4月・6月・ 7月・11月・1月・3月)発行してお届けしています。学生の皆さんは,学内 の下記の場所に,いつでも持ち出して読むことができるように用意してあ りますので活用して下さい。 ● 二ツ沢キャンパス:1号館1階ホール,学生ホール ● 香澄町キャンパス:1号館1階ホール,3号館,5号館, 6号館,大食堂通用口,学生課前(談話室) また, 「工大広報」は本学のホームページでもご覧になれます。トップペー ジの「大学情報」をクリックし,続いて「工大広報」をクリックしてみて 下さい。 本誌に関するご意見・ご感想をお待ちしています。 (「工大広報」編集委員会) 平成17年度の「工大広報」編集委員会 委 員 長 委員(幹事) 委員(幹事) 委員(幹事) 委 員 委 員 委 員 委 員 委 員 委 員 委 員 委 員 委 員 教 授 教 授 助教授 講 師 助教授 教 授 助教授 助教授 講 師 教 授 教 授 講 師 助教授 〒982−8577 庄子 新井 荒井 丹治 阿部 小島 大沼 近藤 最知 高橋 中山 小濱 神 片山 文雄 晃子 信一 俊也 道彦 俊三 正美 正昭 一郎 正芳 敏彦 正与 暁子 正照 デザイン工学科 建設システム工学科 デザイン工学科 人間科学センター 電子工学科 情報通信工学科 建築学科 環境情報工学科 教務委員会 学生部委員会 就職委員会 図書館委員会 eラーニングセンター キャンパス短信 ◆不安を抱えて入学してくる新入生の「何でも相談」に応じよう と組織した「キャンパスナビゲーター」が新学期早々,香澄町・ 二ツ沢キャンパスで活躍しました。緑色のジャンパーを着た学部 学生会や課外活動連合委員会など7団体の有志が,空き時間や昼 休み時間を利用して構内の要所に立ち,積極的に応対している姿 が印象的でした。 ◆4月11日(月),午前10時から平成17年度二輪車運転実技講習会 が二ツ沢キャンパス体育館前の広場で開催されました。宮城県警 察交通機動隊白バイ隊,宮城県二輪車安全普及協会の方々が指導 にあたり,34名の学生が受講しました。 ◆4月15日(金),本学の平成16年度「優秀教員」として,電子工 学科 阿部俊三 助教授,情報通信工学科 沢田康次 教授,建設シ ステム工学科 高橋敏彦 教授,デザイン工学科 梨原宏 教授,環 境情報工学科 古賀秀昭 教授の5名に表彰状と金一封が贈られま した。この賞は,教育面,研究面,大学の運営に対する貢献,社 会に対する貢献,これらの面で本学の教員の鑑となるような方々 に授与されるものです。 ◆5月21日(土),デザイン工学科 山下三郎 名誉教授の退職記念 講話会とパーティが,ホテル仙台プラザで開催されました。 (内 線) 465 433 469 512 327 368 425 545 407 456 499 530 392 編集後記 早いもので寒かったり暑かったり安定しない気候だった春から梅雨に入ろ うとしております。廊下で迷っていた新入生も学生生活に慣れてきたようです。 ( 「工大広報」編集委員会) 宮城県仙台市太白区八木山香澄町35−1 東北工業大学広報室 気付 TEL:022-229-1151 内線549 FAX:022-228-2131 Eメール:[email protected] ホームページアドレス: http://www.tohtech.ac.jp 表紙写真:本学一番町ロビーでの,吹奏楽部コンサート風景 (撮影・建設システム工学科助手 赤間 孝次) 12
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