知の知の知の知 - 社会福祉法人大阪手をつなぐ育成会

い~な
あまみ
中 央
しらさぎ
さくら
大阪+知的障害+地域+おもろい=創造
知の知の知の知
社会福祉法人大阪手をつなぐ育成会 社会政策研究所情報誌通算 581 号 2011.11.7 発行
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処方薬へのポイント禁止 厚労省、値引きと認定
朝日新聞 2011 年 11 月 2 日
厚生労働省は2日、医師の処方箋(せん)をも
とに出される薬(処方薬)を薬局が販売する際、
ほかの商品の購入などに使えるポイントを付ける
ことを原則禁止にする方針を決めた。法律で値引
きが認められていないものにポイントを付けるこ
とが「実質的な値引きにあたる」と判断した。来
年4月から実施する。
公的医療保険が適用される処方薬は全国一律の
価格になっている。健康保険法では、薬局が患者
の自己負担分から独自に値引きすることを認めて
いない。
ただ、患者の支払いにポイントを付けることを
禁じる規定はなく、昨夏ごろから大手ドラッグス
トアを中心にポイント導入が広がった。ドラッグ
ストアでは生活用品も売られ、ポイントをためて
安く買える。これに対し、日本薬剤師会などが問
題視していた。
「こころ基本法」制定を 精神障害者 自立支援求め
東京新聞 2011 年 11 月 7 日
水戸で署名活動
「こころの健康を守り推進する基本法」の制定を目指し、
署名を呼び掛ける会員ら=水戸市のJR水戸駅单口で
精神障害者やその家族でつくる県精神保健福祉
会連合会(古池源造会長)は六日、JR水戸駅单
口で「こころの健康を守り推進する基本法」制定
を求めて国会へ提出する請願書の署名活動を行っ
た。
同基本法は、精神疾患のある人が地域で自立し
た生活ができる精神保健・医療・福祉の一貫した
サービスシステムの実現や、国民のあらゆる心の
問題の相談と解決にあたるチームを地域に設置することなど総合的な政策を求めている。
署名は昨年、医療機関や有識者などで設立された「こころの健康政策構想実現会議」の
呼び掛けに応じて実施。会議は、来年一月までに全国百万人の署名を目指している。
水戸駅では、連合会員ら約六十人が同基本法の概要を説明するパンフレットを通行人に
手渡し、署名の協力を呼び掛けた。古池会長は「日本は精神障害者の自立を支援する仕組
みが遅れている。地域で安心して暮らせるようきめの細かい支援が必要だ」と訴えた。県
内では約一万五千人の署名が目標。 (北爪三記)
高次脳機能障害:同じ障害もつ人に手引書 志木の市川さん、希望者に無料配布 /埼玉
◇個性生かし担える役割ある 記憶力や注意力低下…症状さまざま
毎日新聞 2011 年 11 月 6 日
交通事故や病気で脳に損傷を負い、集中力や記憶力などが低くなる「高次脳機能障害」
を持つ人たちに、それぞれの個性を生かし、障害者・家族の会で役割を担ってもらうため
の手引書を、同じ障害をもつ会社員、市川剛さん(46)=志木市在住=が作った。市川
さんは「それぞれの良いところにスポットライトを当てることが大事。役割を担うことで
障害を負っても人の役に立てるとわかれば、自信がつき社会復帰にもつながる」と話す。
手引書は、会合の際に障害者が担える役割分担を、実例を参考に具体例で説明している。
パソコンが使えるAさんはメールの案内送信係▽細かい数字に強いCさんは当日の会計と
受付▽車いすで言語に障害のあるDさんは、当日の受付で資料を参加者に渡す係--など
だ。
市川さんは99年に脳出血で倒れた。高次脳機能障害のため、仕事の手順を決めて計画
通りに進めることが難しくなった。「昔の自分に戻れない」と苦しんだが、5年ほどして
「障害を負った新しい自分」を受け入れ、個性を生かそうと思えるようになった。今は仕
事の手順を細かくメモに書き、遅くても一つずつ実行している。
07年に当事者の会「未来の会」を作り、今月まで12回の会合を開いた。会合の準備
や運営は、参加する各当事者に割り振ってきた。自分と同様、障害も含めた個性を生かし
てほしいとの考えからだ。
手引書は、この経験に基づいて作った。作業をすると自信がつきできることが広がる。
メール送信係を務めたAさんは、自ら、会のポスターロゴ作成を申し出たという。
手引書は無料。申し込みはメールで市川さん([email protected])まで。【西田真
季子】
■ことば◇高次脳機能障害
脳が損傷を受けた場所により、さまざまな症状が出る。記憶力や注意力、集中力の低下、
言葉が出ない、知人の顔が分からない、怒りっぽくなる--など。障害者数は全国で約3
0万人と推計されている。外見に異常がないため、障害者と理解されずに苦しむ人も多い。
創造力や感性 健常者に披露
障害者らが創作ダンス
読売新聞 2011 年 11 月 6 日
大勢の観客を前に創作ダンスを披露する障害者ら
ダンスを通して障害者の創造力や感性を引き出し、健
常者に障害について考えてもらおうと、新潟市は5日、
東区プラザ(同市東区)で、NPO法人と協力して創作
ダンスの発表会を開いた。障害者と健常者の壁を、ダン
スなどを通してなくす活動をしている神戸市のNPO法
人「DANCE BOX」が企画、同区内の授産施設「ほ
がらか福祉園」と「ワーカーズゆたか」の利用者と職員
ら計17人がダンスを披露した。
発表者は普段着のまま、クラシックや盆踊りの音楽にあわせ、思い思いに体を動かした。
なかには、立ち止まって、創作した物語を大声で話す障害者もおり、約100人の観客は
興味津々の様子で見入っていた。
同NPO法人の大谷燠(いく)プロデューサーは「健常者と障害者の間には、介助すると
いう上下関係が出来てしまっているが、彼らの動きがアートになることを知ってもらうこ
とで、障害はただの違いであり、対等な関係だと理解してほしい」と話した。
全国障害者スポーツ大会:5選手「もっと頑張る」
鶴岡市長に結果報告 /山形
毎日新聞 2011 年 11 月 6 日
第11回全国障害者スポーツ大会山口大会に県代表として出場した鶴岡市在住の5選手
が1日、同市庁舎を訪れ榎本政規市長に出場報告をした。
訪れたのは小林吉哉さん(59)=卓球▽菅原正さん(50)=フライングディスク▽
斎藤美幸さん(25)=同▽猪熊幸子さん(24)=卓球▽石川琴望さん(16)=陸上。
菅原さんがフライングディスクの1競技部門で優勝したほか、小林さんと斎藤さんも2位
になるなど、5人とも好成績だった。報告を受けた榎本市長は「今回の経験と好成績を生
かしてさらに上を目指し、また、たくさんの仲間を作ってほしい」と激励、祝福した。
同大会は10月22日から3日間の日程で山口市で開かれ全国から約5500人が集い、
熱戦を展開した。5人は「とっても楽しかった。もっともっと頑張ります」と話していた。
【佐藤伸】
交流拠点:芸術通じ障害者支援 「アーツスペース
◇就労、自立へ 開設イベント
ワン・バー・ワン」開設
/愛媛
毎日新聞 2011 年 11 月 6 日
障害者と健常者が芸術を通じて交流する拠点「アーツスペース ワン・バー・ワン」が
5日、松山市一番町1のフジコビルGに開設された。障害者を就労支援するNPO法人さ
なえ(松山市)と、アート系の3NPOでつくる「アートプラットホームえひめ」が街な
かの交流拠点として運営。同日には開設イベントとして、ダンスやワークショップ、トー
クイベントが開かれた。【栗田亨】
「さなえ」は松山市内で障害者の就労支援事業所を運営している。昨年12月、市中心
部にある同ビルに障害者の自立支援や就労場所として、食堂やカフェ、ギャラリー、縫製
作業所などを開設。現在、約50人の障害者が働いている。
一方、アートプラットホームえひめは昨年3月まで、同市中心部の大街道商店街で、県
内のアーティストや劇団などが集うアートステーション「おいでんか」を運営。閉鎖後に
新たな交流拠点を探していた。両者が空間を共有することで、アートによる障害者の自立
支援などにつながるとしている。
「ワン・バー・ワン」はビル3階の一角約90平方メートルにギャラリーやワークショ
ップなどができるスペースと、創作室を備えている。障害者と健常者が一カ所に集い、作
品の展示やワークショップの開催などを通じて、作品を共同制作するきっかけになるとし
ている。
5日のイベントでは、ギターなどの生演奏をバックにダンスパフォーマンスや、障害者
と愛媛大生らが共同で段ボールアートを制作した。続くトークセッションでは、「アート
プラットホームえひめ」に参加するNPO法人カコアの徳永高志理事長が「感動する作品
に(障害の有無など)人の属性は関係ない。一度線引きを取っ払いたい」と訴えた。「さ
なえ」の山崎澄人事務局長が「障害者の就労や自立を見据え、アートを社会との接点の一
つとして利用していきたい」と定期的なイベント開催を呼びかけた。
障害者のアート集団 演奏に合わせ絵描く JR博多駅
西日本新聞 2011 年 11 月 6 日
福岡市博多区の障害福祉サービス事業所「JOY
倶楽部」に通う知的障害者でつくる美術集団「アト
リエブラヴォ」(アトブラ)のメンバーが5日、J
R博多駅ビル内のアミュプラザ博多で、ちんどん屋
の演奏に合わせて鉄道の絵を描いた=写真。
アトブラがアミュプラザ博多のアパレル店「ラパ
ンブロカンテ」と共同企画した「美の超特急展」の
一環。ちんどん太鼓とアコーディオンがメロディー
を奏でる中、アトブラの本田雅啓さん(27)が約
40分かけ、縦1・6メートル、横1・2メートルのキャンバスに渦巻き状の線路を走る
列車を描き、買い物客の拍手を受けた。演奏した新井武人さん(30)は「面白い色使い
ですね」と驚いていた。
同展は13日まで。入場無料。会場には作品約50点が飾られている。アトブラメンバ
ーは13日午後1時からも、音楽に合わせて絵を描く。
障害者の製品支援へ売り場
中国新聞 2011 年 11 月 6 日
専用のコーナーで障害者施設の商品について話す古城店長(左)と岡
田さん
福山市東深津町の業務資材販売店モダン・プロ福山店は、
市内の障害者施設が製造した商品の販売コーナーを店内に
設けた。
市内の約30施設の商品を1週間から10日で入れ替え
る。クッキーや革細工など常時約35種類が並び、価格は1
00~3千円。
古城竜次店長(41)は昨年、障害者が施設で商品を作って得る工賃が安い現状を知った。
販路拡大に協力するため、同市伏見町の一般社団法人トータルライフサポートふくやまに
連携を申し出た。
同法人は、市内の60施設が集まって昨年4月に設立。布小物や菓子などの大口の注文
を共同で受け、障害者の工賃アップなどを図っている。
同法人の岡田奈央さん(29)は「このような形での連携は初めて。支援の輪が他の企業な
どにも広がってほしい」と期待していた。
障害者喫茶:りんどうが10周年
次のステップへ気持ち新た--県庁本館1階 /熊本
毎日新聞 2011 年 11 月 5 日
障害者の雇用拡大と啓発のため営業を始めた県庁本館1階の「ふれあい喫茶りんどう」
が5日、開店10周年を迎える。スタッフらは「これからも障害者が働いていくステップ
にしたい」と気持ちを新たにしている。
知的障害のある子供がいる保護者らでつくる「県手をつなぐ育成会」が01年11月5
日に開店。当時は障害者の働く場としての飲食店は珍しかったという。店長の山口喜代子
さん(62)は3代目で、4人で平日店を切り盛りしている。
山口さんは、スタッフには自分の子供のように店の作業は何でもさせている。同じこと
を繰り返し注意することはあるが「何年働いたとか、何度言われたからできるというもの
ではない。彼らには毎日が新しい日なのだとこちらが学んでいけば、何でもできるし楽し
く働いてもらえる」と話す。
田中さゆりさん(30)と小宮未恭(みく)さん(29)は10年前の開店から働いて
いる。田中さんは「養護学校時代の先生が店に寄って『頑張れ』と言うので、頑張るうち
に10年たった。冷やかされたり冗談も言われながら、お客さんと話すのは楽しい」。小
宮さんも「させてもらえる仕事が増えて、料理も楽しくなった。ファミリーレストランの
ような大きなお店でも働いてみたい」と次の目標も出てきた。
今は常連客を中心に1日50~60人の客が訪れ、昼の店内は大忙し。山口さんは「で
きること、得意なことは人それぞれ。ここをステップにして他のところで働いていくこと
になれば」とほほ笑んだ。【結城かほる】
就労生活支援へ 指定障害者の新事業 与那原
沖縄タイムス 2011 年 11 月 6 日
「サポートセンターあすなろ」開所式で、内間友和さんと照喜
名晴香さんが利用者代表であいさつし、「えいえいおー」と気
勢を上げスタートを祝した=与那原町与那原の同センター
【与那原】与那原町の特定非営利活動法人あすなろ
福祉会(又吉利幸理事長)は1日、国、県の指定障害
者サービス事業所として、町与那原に新たに作業所や
事務所など併設した「サポートセンターあすなろ」(安
谷屋利江子施設長)を開いた。開所式には利用者や関
係者が出席、新たなスタートを祝した。
同会はこれまで町の委託を受け、町内の別の作業所で地域活動支援センターとして活動。
さらに今回、新施設で指定障害者サービス事業所として、作業が主の就労継続支援B型(定
員14人)と訓練が主の生活介護(定員6人)を町内外から受け入れる多機能事業所を開
所させた。
今回の施設は民間のアパート1階の2室を借り受け、作業場や事務所と調理室などにす
る。
現在、就労継続に13人、生活支援に2人が在籍。作業は、これまでの町内の公共施設
清掃や企業から請け負う室内軽作業のほか、サーターアンダギーなどのお菓子の製造・販
売にも乗り出す考えだ。
開所式で又吉理事長は「たくさんの夢と希望が詰まった利用者が輝くステージができた」
と喜びを語った。
利用者を代表し、内間友和さん(31)と照喜名晴香さん(20)は「新しいあすなろ
は、きれいで広いです。これからも掃除や仕事を頑張ります」とあいさつ。
全員で「えいえいおー」と気合を入れた。
障害者のパン屋さん 日本に学び、ブータンで人気店に
産経新聞 2011 年 11 月 5 日
JICAシニアボランティアの久世陽子さんの指導を受けながらパイ生地
をつくる障害者男性
日本から遠く離れたブータンの首都ティンプーで、地元の障害
者によって製造された日本風のパンを販売するパン屋がある。ブ
ータン社会で偏見の対象になっている障害者の「“声”になる運
命を感じた」というブータン人女性ジグメ・ウォンモさん(46)
が日本の支援を得て立ち上げた店だ。素朴なパンの味は、地元住
民や外国人を魅了する人気店へと成長しつつある。(ティンプー
田北真樹子)
パンの香ばしい匂いが食欲を刺激する。「ビッグベーカリー」のショーケースには食パ
ンやテーブルロール、カレーパンなどが並ぶ。聴覚障害や軽度の知的障害を持つ21~3
4歳の6人が、JICA(国際協力機構)シニアボランティアの久世陽子さん(42)の
指導のもとで焼き上げた商品だ。2009年7月に開店し、約30種類のパンのほか、焼
き菓子やケーキまで幅広いレパートリーを備える。
ビッグベーカリーの経営者であるウォンモさんは、パン職人の6人が卒業した「ダクツ
ォ職業訓練センター」の創設者でもある。
ウォンモさんが障害者のために生きることを決定づけたのは、病院での障害児のための
ボランティアだった。そこでみたのは、通学も就職もできず、家族にも見捨てられた障害
児たちの姿だった。
「仏教国ブータンでは、障害者は前世で残酷な行為をしたため、現世で障害を持って生
まれたと信じる人が多いのです」とウォンモさんは説明する。
1999年、ウォンモさんは11年間務めたブータン・オリンピック協会のテコンドーの
コーチをやめ、ティンプー市内にある知人宅のガレージで障害児のための学校を始めた。
知人からは「時間の無駄」と冷たく言われ、政府からも支援を拒まれた。だが、2年後に
自身の貯金に加えて、4代国王夫人が会長を務める団体の支援を受けて、ダクツォを設立
した。
08年にはJICAのプログラムで訪日し、東京で障害者を雇用するパン屋を知った。
パン屋であれば軽度の障害者が働くことができると直感。「日本風であればブータンでは
競争相手がいない」とビジネス感覚も働いた。JICAもウォンモさんの構想を支援し、
同年からシニアボランティアの派遣を始めた。
ティンプー市内には老舗のパン屋もあるが、2代目シニアボランティアの久世さんによ
ると、本格的に複数種のパンを取り扱う店はビッグベーカリーが初めてという。最近は市
内のスーパーやカフェにも商品を卸すようになり、売り上げも順調に伸びている。売り上
げで材料費、店舗の賃料、人件費をまかない、利益が出れば自転車操業が続くダクツォの
運営費に回すという。
ウォンモさんは障害者を「リトル・ブッダ(小さな仏様)」と表現する。「彼らを見る
だけで気持ちの中に慈悲がわき上がってくるから」。その御利益は十分だったようで、ウ
ォンモさんはいま、事業拡大に期待を膨らませている。
手をつなげば心もつながる
朝日新聞 2011 年 11 月 5 日
24年前の「抱きしめてBIWAKO」で実行委員長を務めた中澤弘幸さん
=京都市伏見区
【あす「抱きしめてBIWAKO」
】
琵琶湖岸で人々が一斉に手をつなぐ「抱きしめてBIWAKO」
が6日に開かれる。24年前のイベントでも琵琶湖を囲めるか心
配されたが、20万人以上が集まり成功した。当時の実行委員長
だった中澤弘幸さん(65)は東日本大震災を経験した今こそ、
つながり合う大切さを再認識する必要があると語る。今回も「人
の輪」に加わるつもりだ。
【発案の中澤さん「周りの人」思う機会に】
「琵琶湖を抱きしめよう」と思いついたのは、障害者に対する、
ある重い問いかけがきっかけだった。
中澤さんが大津市の児童養護施設「湘单学園」の園長だった1987年、当時近くにあ
った重症心身障害児施設「第一びわこ学園」の老朽化が問題になった。新築・移転の費用
を捻出するためには、幅広い寄付が必要だった。
ある日、主宰していた命について考える勉強会で、参加者の一人が疑問を投げかけた。
「身
動きができず、意思を伝えることもできない重症心身障害児が生きていることに、社会的
にどんな意味があるのか」
。考え抜いた末、「命の線引きをしてはいけないから」との答え
を出した。
重い障害がある子どもを見捨てれば、その子に比べて軽い障害の子にも厳しい目が向け
られる。命の線引きを始めれば、それをしていた人もいずれ線引きの対象になる。つらい
立場に置かれている子どもたちこそ助けるべきだ――そう考えた。
そこで思いついたのが、琵琶湖岸で大勢の人が手をつなぐことだった。
「人間の体の3分
の2は水でできており、滋賀で暮らしていれば体は琵琶湖の水でできていると言ってもい
いはず。命そのものの湖を抱きしめることで大切さを感じ取ってほしい」と願った。
初めての「抱きしめてBIWAKO」は24年前の11月8日にあり、21万人以上が
参加した。集まった6千万円が第一びわこ学園に寄付された。
今回のイベントでは「びわ湖の日」の制定30周年に合わせ、水の恵みに感謝し、環境
を守る大切さを訴える。参加費500円は、県の学習船「うみのこ」の建造基金などとし
て寄付される。当日、中澤さんも大津港で人の輪に加わる。
「人と人の間に生きるのが人間。
集まれば、自然に周りの人のことを思い、生きる意味を感じられるはず」
「抱きしめてBIWAKO」は6日午前10時に受け付け開始。11時45分にリハー
サル後、正午に一斉に手をつなぐ。
(千種辰弥)
知的障害者の支援大会
NHK ニュース 2011 年 11 月 6 日
知的障害者の支援活動を続けている団体の全国大会が、皇太子さまも出席されて、6日、
東京で開かれました。
「全日本手をつなぐ育成会」は、知的障害
のある子どもの親たちによって昭和27年に
設立され、知的障害者の就職や進学の支援な
どを続けてきました。東京・千代田区で開か
れた60回目の全国大会には、長年活動を見
守ってきた天皇皇后両陛下の出席が予定され
ていましたが、天皇陛下のかぜのため取りや
めとなり、代わって皇太子さまが天皇陛下の
名代として出席されました。そして、障害者
やその家族らおよそ4000人の参加者を前に「知的障害のある人々の人格が一層尊重さ
れ、地域の人々と共に充実した生活を送ることのできる社会が築かれていくことを切に願
います」と天皇陛下のおことばを読み上げられました。今回の大会は東日本大震災で被災
した障害者の支援がテーマとされ、東北3県の会の代表らが、家族を失い十分な支援が受
けられなかったり、以前と異なる生活環境になじめず苦しんだりしている障害者がいるこ
とを報告しました。これを受けて、大会では、障害者を災害から守る活動に一層力を入れ
ていくことなどが確認されました。
月刊情報誌「太陽の子」、隔月本人新聞「青空新聞」、社内誌「つなぐちゃんベクトル」、ネット情報「たまにブログ」も
大阪市天王寺区生玉前町 5-33 社会福祉法人大阪手をつなぐ育成会 社会政策研究所発行