大 矢 知-浩,一司

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ノ
有価証券諸法 と会計監査制度
有 価 証 券 諸 法 と会 計 監 査 制 度
一
二四六
大 矢 知 ・ 浩 ・
司
周 知 の如 く . ア メり カ にお け る 代表 的 監 査形 態 は、 一九 三 〇 年 代 を 以 って信 用 監 査 か ら 強 制 監 査 へと転 換 し てい る。 こ
の転 換 は、 当 時 代 の社 会 的 要 請 、 す な わ ち株 主 保護 の要 請 にも と つく も の で あり 、 具 体 的 に は 、
コ 九 三 三 年 の有 価 証 券
(
1)
(
2)
法L(
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三①
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; {巳ωω)、 さら に は ﹁一九 三 四 年 の証 券 取 引 所 法 ﹂ (球 団 け
冨 穿 。7§σ
q・>g 。剛一
8幽) にお け る 会 計監 査 規
定 の導 入 が 、 そ の転 換 点 であ る 。﹁
こ の小 稿 で は、 これ ら 有 価 証券 諸 法 制定 の背 景 、 有 価 証 券 登 録 届出 制 度 と会 計 監 査 規 定 、 さ ら に は会 計 士 の責 任 規 定 を
考 察 し、 如 何 に株 主 保 護 規 定 の 一環 と し て の会 計 監 査 が 社 会的 制 度 と し て確 立 さ れ る に 至 った かを 明 ら か にす るβ
(1) 以下︾有価証券法と略記する。
(2) 以下、証券取引所法と略記する。・
ニ
ア メリ カ にお け る 連邦 有 価 証 券 法 お よび 証 券 取 引 所法 制定 の直 接 的 背 景 は、 一九 二九 年 の経 済 恐 慌 に求 め ら れ る。 ウ ォ
コ ル衛 に お け る 株式 市 場 の大 曝 落 以 来 、 ア メリ カ経済 は、 ま す ま す 渓 刻 味 を 加 烹 、 亦 ってな い不 況 に直 面 し た。 当 時 の設
資 不 安 は 、 世界 的 なも ので あ り 、多 く の大 企 業 は 相 次 いで破 綻 し、 そ の株 式 を 無 価 値 と した 。 そ の損 失 は、 一九 二 九 年 九
月 一日 にお け る ニ ュー ヨーク 証券 取 引 所 金 上 場 株 式 価 値 八九 〇 億 ド ル が、 同 年 十 月 に 一八○ 億 ド ルに 、 さ ら に 一九 三 二 年
に は 一五 〇 億 ド ルと下 落 し て、 僅 か の期 間 に そ の損 失 が 七 四〇 億 ド ルに達 し た こ と、 ま た社 債 で は九 三〇 億 ド ルの 損 失 を
ま ね い て いた こと か ら し て、 如 何 に尨大 なも の で あ ったか 理 解 で き る。 勿論 、 これ ら の大 企 業 の破 綻 な いし は 株 式 市 場 の
暴 落 は、財 務諸 表 の不 正 表 示 ま た はそ の他 の不 正 行 為 に よ って の み惹 起 され たも ので なく 、資 本 主義 経 済 のも つ必 然 的要 因
に よ る こ と明 ら か で あ る。 し か し、 何 れ にせ よ 、 会社 の財 務 諸 表 の不 正 表 示 が投 資 家 に与 え た 衝 動 も 、 ま た少 なく な か っ
た の で あ る。 し ば しば 引用 され るよ う に 、 一九 三 三 年 上院 銀 行 通 貨 委 員 会 (
o。・
量器 O。ヨ旦蓉8 8 野島 一
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q帥 9 基 コ受) の ﹁ア
メリ カ に おけ る 不 正 表 示 ま た は詐 欺 に よ る有 価 証 券 の販 売 にも とつ く 損 失 は、,不 況 以前 に お い て毎 年 一七 億 ド ル以 上 、 ニ
ュー ヨー ク州 のみ で毎 年 五徳 ド ル以 上 と算 定 さ れ 、 過 去十 年 間 に おけ る損 失 は 二 五〇 億 ド ル の巨 額 に達 す る﹂乏の報告か
らも 、 そ の弊 害 が如 何 に著 し い も の であ った か理 解 でき る。
か か る投 資 不安 を 取 り のぞ ぎ 、株 式 市 場 の 回復 を はか り 、産 業資 本 に充 分 な る資 金 を 供 給す す る こ とが 、当 時 の ア メリ
カ経 済 の要 求 で あ った 。 こ のよ う な 経 済 的要 求 に し た が って、 有 価 証 券 の取 締 、 株 主 保 護 を意 図す る連 邦 法 の制 定 が 考 え
ら れ た の であ る。
他 方 、 ま た 証 券 取締 に対 す る政 治 的 要 請 も 見 逃 す ごど の でき な い要 素 であ る 。 例 えば 、 上 院 は、 通 貨 委 員 会 の決 議 をも
って 、 株 式 取 引 委 員 会 を 設置 し、 一九 三 三 年 に 至 って 従来 の ﹁有 価 証 券 の発 行 な ら び に分 配 に関 す る状 態 調 査 ﹂ に ﹁会 社
取 締 役 の公 衆 に対す る責 任 の検 討 ﹂ と いう 目 的 を 加 え 、種 々 の調 査 活 動 を 通 じ て、 ニ ュー .デ ィ ー ル政 策 の遂 行 に歩 調 を
合 わ せ て いた 。 ク ロイ ゲ ル ・ア ンド ・ト ル会 社 社 債 販 売 の調査 、 イ ン スル 公益 投 資 会 社 破産 事 件、 ナ シ ョナ ル ・シテ ィ銀
行 不 正 事 件 等 の内 幕 調 査 、 さ ら に は、 ウ ォー ル街 の 王ルガ ン商 会 、 タ ー ン .ロ ェブ 商 会 の有 価 証券 発 行 に関 す る操 作 、脱
有価証券諸法 と会計監査制渡 ,
二四七
有価証券諸法 と会計監査制度 、
税 の摘 発 が そ れ であ る。 '
二四八
以上 の よう な 経 済 的 あ る いは 政 治 的要 請 のも と に、 連 邦 有 価 証 券 法 お よび 証券 取 引 所 法 が 制 定 さ れ た の で あ る が、 こ の
年 代 ま で、 証券 取 締 に関 す る 規 定 が 全 然 な か った か と云 え ば 、 そ う で は な い。 既 に各 州 にお い て 有 価 証券 の発 行 に関 す る
取 締規 定 が あ った。 遣れ ら 各 州 の規 定 は 、 一般 にブ ル ー ・ス カイ 法 (
しd冨 ωξ 冨 蓄 ) と総 称 さ れ て おり 、 一八 五 二年 マサ
チ ュー セ ッツ法 (ζ霧幹 ︾9・塵 労。
8ぎ ω目。。α卜・噛ρ ωoω.)に、 そ の最 初 の規 定 が み ら れ る。 し かし 、 一般 的 証券 法 と し て は、 一
九 一 一年 の カ ンサ ス法 (国師戸 ﹃ お芦 ρ ・
おω・
) が 最 も 有 名 で あ り 、 そ こ で初 め て、 ブ ル ー ・スカ イ法 と いう 名 称 が 一般的
に 使用 され た。 そ の後 、 こ の カ ンサ ス法 に なら って、 殆 ん ど の州 が ブ ルー ・ス カ イ法 を 制 定 し た も ので あ る。
い ま 、 カ ンサ ス法 を 概 略 す れ ば 、 そ の規 定 は証 券 と証 券 販 売 員 の登 録 か ら なり 、
卜
銀 行 局 長 官 (留 押o。白豆 路。
9H
) の許 可
証 な き と き は 、 有 価 証 券 の 売 却 を 禁 止 す る と い う も の で あ る 。 こ こ で 、 登 録 さ れ た 発 行 者 (冒く①
ω§ 。
具 o。
旨趣曙 ) は 、 年 二
・ 証叢
引 における詐欺的行為 および登録要件違反は・管財人 (
鑑 )任命 の根 拠とされ たのであ 飽
回 の報 告 書 の 提 出 お よ び 一定 の 帳 簿 と 勘 定 の 保 持 が 要 求 さ れ A ま た 登 録 者 の 費 用 で 調 査 (一
口。。
履 ま コ)
、を 受 け ね ば な ら ず 、 婚
讐 産 の藩
し か し な が ら、 こ の カ ンサ ス法 を は じ め 、各 州 の規 定 は、 ま ち ま ち であ った。 例 え ば 、 ニ ュージ ャ ー シ ー州 に お い ては
単 に詐 欺禁 止条 項 (
﹀鼠 {
轟巳 即呈 ω
冨 )を 制 定 し 、公 衆 に有 害 であ る と認 め た有 価 証 券 の販 売 を 停 止 さ せ る権 限 を 法 務 長 官
に与 え た に す ぎ な い州 も あ れ ば 、 ま た ミ シガ ン州 等 の如 く 、 証 券 の販 売 業者 また はそ の代 理機 関 が 州法 の条 件 を 満 た さ な ,
い場 合 に限 り 同 州内 にお け る販 売 を 禁 止す る州 も あ った 。 さ ら に は 、 イ サ ノ イ州 にお け る 如 く 、 売 買 さ れ る有 価 証券 に対
し て条 件 を 課す るも のも あ った 。 大 体 にお い て ブ ル ー ・ス カイ 法 の規 定 す る と こ ろ は、 e 詐 欺 禁 止 条項 、⇔ 証券 業者 に対
る す る登 録 ま た 鳳 免許 制度 、⇔ 証券 の登 録 ま た は 免許 制 度 に区 分 さ れ う る が 、 こ の規 定 に加 え て、 そ の販 調 べ方 法 に お い て
も 、 各 州 に お い て 区 々で あ った。 そ の方 法 は、 大 体 次 の如 き 点 を 主 眼 と し て い た と いわ れ る 。 6 有 価 証券 の 性質 の調 査 、
(
5)
⇔ 発行 会社 の資 産 調 査 、 ⇔発 行 会 社 の収 益 調 査 、 ㈲ 投機 的 と 非投 機 的 発 行 の区 分 等 であ る。
と こ ろ が 、 これ ら の法 は、 e 各 州 に立 法 の差 異 が あ り 、各 州 とも 白 州 の主 要 産 業 、 著名 取引 所 の上 場 証 券 、 公益 企 業 の
有 価 証 券 を 除外 し、 甚 だ し き は手 数料 を得 るた め に何 等 の取 締 を も為 さ な い州 さえ あ った か ら 、発 行 会 社 は 自 己 の都 合 の
よ い州 で 発 行 し た後 、 他 の州 に販 売 でき た こ と、 ロ ア メリ カ に お け る有 価 証 券 発 行 の大 半 を 取 扱う 有 力 な ウ ォー ル街 の金
融 勢力 に 対 し て各 州 の官 吏 は 極 め て無 力 であ った こ と、 等 そ の効 果 は余 り 発 揮 され て いな か った の であ る。
一方 、 有 価証 券 流 通 機 構 の母 体 た る 証券 取 引 所 に関 し ても 、 同様 に 州法 の支 配 下 にあ った が 、商 品 取 引 所 が 法 人 格 を 有
す る の を 常 と し た の に反 し 、 証 券 取 引 所 は 任意 団 体 的 組 織 であ った 。 し た が って、 州 政 府 す らも 直 接 に徹 底 的 な る 監 督 を
行 なう こ とが で きず 、 取 引 所 上 の取 締 は 全 く取 引 所 会 員 によ る自 治 制 度 の運 用 に待 ち、 取 引 所 理 事会 の みが 取 引 所 会 員 に
対 し て 絶 対 最高 の統 制 権 を も って い た。 か か る証 券 取 引 所 に 対す る 法 的無 統制 は、 一部 の者 に よ って悪 用 さ れ 、多 く の弊
ハ
害 を 現 わ し て いた の であ る。
こ のよ う な社 会 的 経 済 的 背 景 のも と に制 定 され た 有 価 証 券 諸 法 に会 計 士 に よ る強 制 監 査 制 度 が導 入 さ れ た の であ る が、
そ れ は ニ ュー ヨー ク株 式 取 引 所 お よ び ア メリ カ会 計 士協 会 の活 動 に負 う と ころ が多 か った 。
いま 一度 、 ニ ュー ヨ ーク 証 券 取 引 所 の活 動 に つい て ふり か え れば 、 一八 六 六年 にお け る 証券 発行 会 社 に対 す る財 務 諸 表
の要求 に 遡 の ぼら ね ば な ら な い。 そ の後 、 ︼九 〇 九 年 に至 って取 引 所 に 上 場申 請 す る全 会 社 を し て財 務 状 態 お よび 営 業 成
績 に関 す る年 次 報 告 を 公 表 す るこ と に 同意 せ し め た の であ る 。 これ は 、 さ ら に 一九 二 六 年 強 化 され 、 上 場会 社 は財 務 諸 表
(
8),
を 含む 年 次 報 告 を 公 表 し 、株 主 総 会前 少 なく とも 一五日 以前 に株 主 へ提 出 す る こ とを 要 求 さ れ る に 至 って い る。 か よ う な
ニ ニー ヨ ー ク証 券 取 引 所 のイ ニシ ャチ ープ は、 有 価 証 券 諸 法 制 定 に至 る ま で続 く の であ る が 、 こ の活 動 で最 も 会 計 監 査 制
度 導 入 に影 響 を 与 え たも の は 、 ア メリ カ会 計 士 協 会 と の協 同活 動 であ っ允 。 そ れ は 、 一九 二九 年 の株 価 暴 落 によ り 受 け た
有価証券諸法之会計監査制度 二西九 噛
〆
有 価 証 券 諸 法 と会 計 監 査制 度 . 二五 〇
一般 株 主 の 多 大 な 損 害 に 鑑 み 、 適 正 な 会 計 方 法 と 独 立 し た 会 計 監 査 が 、 あ る 程 度 の 財 務 的 損 失 を 阻 止 で き る ど い う 認 識 の・
も と に 生 ま れ た も の で あ る 。 こ の 活 動 は 一九 三 二 年 か ら 三 三 年 と 続 き 、 そ こ か ら の 重 要 な 成 果 は 、 e 上 場 申 請 の 認 可 条 件
と し て 独 立 の 公 認 会 計 士 の監 査 証 明 書 の 添 付 を 要 求 す る 取 引 所 の 声 明 書 (一九 三三 年 一月 )、お よ び 口 会 計 士 協 会 作 成 に よ る
'
(
9)
会 計 方 法 に 関 す る 提 案 の 取 引 所 に お け る 採 用 (一九 ゴゴニ年 一〇 月 ) で あ っ た 。
特 に、 前 者 は 、 上 場申 請 会 社 に独 立 の会 計 士 によ る外 部監 査 を 要 求 す る と と も に、 そ の監 査 範 囲 に つ いて 、連 邦 準 備 局
った 。
の ﹁財 務 諸 表 の 検 証 ﹂ (<。﹁
5。慧 8 。h雲8 昌。乾 ω榮 。
∋①三。・
)に 示 さ れ た 監 査 範 囲 以 下 で あ っ て は な ら な い と 要 求 す る も の で あ
(
10)
以 上 の よ う な ニ ュー ヨ ー ク 証 券 取 引 所 の 方 針 は 、 直 ち に シ カ ゴ 証 券 取 引 所 に お い て 踏 襲 さ れ 、 上 場 会 社 ば か り で な く 、
・
当 時 の会計 士職 業自 体 に多 大 の影 響 を 与 え た。 とり わ け 、 連 邦 有 価 証 券 法 お よび 証 券 取 引 所 法 に お げ る 会計 監 査 制 度 の導
入 の 端 緒 を 開 い た も の で あ る 。 . , . (1) ピo
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(5 ) 帝 国 生 命 保 険 株 式 会 社 調 査 課 、 米国 連 邦 有 価 証 券 法 、 昭 和 九 年 、 二 三- 二 四頁 。
(6) 同 掲 書 二 四頁 。 も っと も 、 経 済 の発 展 に つれ て証 券 取 引 が 州 際 にわ た って広 く行 われ る にし た が って 、 個 々の州 法 だけ で は白 州 の投 資 家 を 保護
(ぎ 含 綿 ユm一8 旨 葺 。・。・一
〇コ) の 調査 報 告 、 一九 一八年 には 、連 邦 準 備 局 に より 設 立 さ れ た資 本発 行 委 員 会 (Oo且冨 = の讐 ⑦ 8 ヨ ∋一算。o) に おけ る 証
す み こと が 困難 と な り 、 特 殊 な 領 域 に お い て は 、既 に有 価 証 券 法 制 定 以 前 に連 邦政 府 に よ る規 制 が 議 論 さ れ た 。 例 え ば 一八九 八年 設 立 の産 業 委 員 会
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網嚢 ω。hω。三 8
,券 規 制 が あ る。 さ ら に 一九 二〇 年 の運 送 法 (目轟 コ聲 o葺 ㊤二。ロ ﹀葺) にも 鉄 道 運 送 業 者 の証券 発 行 規 制 が あ る が 、 し かし 包括 的 な連 邦 法 は 一九 三 三
(7) 福 田 敬 太 郎 、.
米 国株 式 取引 所 法 案 、 商 業 研 究 所 講 演 集 第 六 十 七冊 、 四﹂ 五頁 。
年 、 以 降 の こと で あ る。
(8) ピoξ 。。 ぴoのρ oO・6︻
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(10 ) 冒 ヨo・α Uo臥 団α順o﹁αω、国ぢ件o蔓 9 ℃=三 胃 >08 二三 ぎmq 一口 窪 Φ q三 富α ω冨 冨 ω-一8 0"℃P δ Ol 一包 . 一九 三 三年 、 三四年の有価証券諸法制
定 に 至 る約 三 十年 間 に ニ ュー ヨ: ク証 券 取引 所 が 独 自 で 払 った株 主 保護 努 力 の資 料 と経 過 に つ いて は 、稿 を改 め た い。
有価証券諸法 と会計監査制度 `
二五 一
よ る監 査 証 明書 を 添 付 し な け れ ば な ら な い こと が規 定 され た の でみ る (第七条)。 か かる 有 価 証 券 登 録 制 度 と会 計 監 査 制 度
出 書 に記 載 され る 財 務 諸表 に 独 立 の会 計 士 ま た は公 認 会 計 士 (団
&8。
乱。
鼻 陰 茎。 9
88三p三 。﹁6①﹁
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配 ℃・宴。潜
8。二三p三) に
(第八条 )。 そ こ で届 出 書 の内 容 を 要 約 した 目 論 見書 (只。ひ・
℃受 器) の発 行 お よ び有 価 証 券 の売 出 が 許 可 さ れ る 。 こ の登 録 届
査 さ れ 、提 出後 二〇 日 (訂正届出書 の提出が訪 った場合 は、そ の提出後二〇日) を経 過 し た後 、 届 出 の効 力 が 発 生 す る の であ る
を 添 付 し た 登録 届 出 書 を連 邦 取 引委 員 会 に提 出 し な け れ ば な ら な い (第六条および第七条)。こ の登 録 届 出 書 が 同委 員 会 で審
一〇 万 ド ル以下 で委 員 会 の承 認 を 受 け たも のを 除 い て、 ス ケデ ュー ルA に 列記 され た記 載 事 項 を 記 載 し 、 且 つ所 定 の書 類
す な わ ち 、株 式 、 社 債 等 一定 の有 価証 券 (
第二条)を発 行 す る 会社 は 、適 肘 除 外 証券 (①
×琶 ℃邑 器2円
三①ω
) お よび 公募 総 額
行 者 は 、 そ の証 券 を 発 行す る に 際 し て 、売 却 さ れ る 証 券 に関 す る 登 録 届出 書 (窓
σq百重 藁 葺 もo暮①
具 ①器 ) を 連 邦 取 引 委 員 会
(剛巴。邑 ↓邑 。08旨 誘一
8) に提 出 す る こ と が義 務 づ け ら れ て い る。
い る。 特 に、 こ こ で取 り 上げ る 問 題 は第 一篇 に規 定 さ れ てい る 登 録 届 出書 に関 す る 規 定 であ り 、 そ こ で は、 有 価 証 券 の発
法 律 ﹂ と定 義 さ れ 、 第 一篇 二 九 三 三 年 分有 価 証 券 法 L お よ び第 二 篇 ﹁ 一九 三 三 年 の外 国 証券 所有 者 会 社 法 ﹂ か ら 成 って
有 価 証券 の性 質 に関す る充 分 な る 且 つ公正 な る 公開 の規 定 、 そ の販 売 にお け る詐 欺 防 止 、 な ら び に そ の他 の目 的 の た め の
る 。 ま ず 、有 価 証 券 法 に つい て み れば 、 こ の法 律 は 、 そ の前 文 に ﹁州 際 な らび に外 国 商 業 上 お よび 郵 便 によ り 売 却 さ れ る
前 述 し た社 会 経 済 的背 景 のも と に、 一九 三 三 年 に有 価 証 券 法 が、 翌 一九 三 四年 に は 証 券 取 引 所 法 が 制 定 され た の であ
三
有価証券諸法 と会計監査制度 二五二 '
と の関 連 に お い て、 問 題 とな る 規 定 は、 e 貸 借 対 照 表 と損 益 計 算書 、 お よび 独 立 の会 計 士 によ る監 査規 定 、 ⇔ 、 登 録 届 出
書 を審 査す る委 員会 の権 限 規 定 、 ⇔ 、 登 録 制 度 に おけ る会 計 士 の責 任 規 定 で あ る。
ま ず 、 財 務 諸 表 お よ び 会計 監 査 制 度 と関 連 のあ る 登 録 届出 書 の記 載 事 項 は、 ス ケデ ュ ー ルA に次 の如 く 規 定 さ れ て い
る。 す な わ ち 、
一、登録届出書提出前九〇日以内の日付による貸借対照表⋮⋮。もし、 この記載が独立の会計士または公認会計士の証明したものでな
いときは、 このスケデ ュールにより提出しなければならない貸借対照表 のほかに、独立の会計士または公認会計士の証明を受けた発
行者の資産 および負債 についての同様に詳細 なる貸借対照表にして 一年以内のも のを提 出し なければならない (スケデ ュールA第二五
項)
。
二、損益計算書 については、最近の会計年度および これに先立 つ二会計年度 の、各年度に関す るも の。もし当該発行者 の営業三年以内
の場合 には、 その営業の各年度に関す るもの。もし登録届 出書提出の日付が最近会計年度の締切後六ケ月以上の場合 には、その締切
日より実行し得 べき最近の日付までの計算書。⋮⋮当該計算書 は独立の会計士または公認会計士 の証明を要する (スケデ ュー嘘A第二
六項)。
三、発行される有価証券の手取金またはその 一部 をも って直接 または間接 に事業の買牧に充当す る場合には、当該事業 の最近三会計年
度 の損 益計算書 にして、 このスケデ ュール第 二六項 の規定 による要件 を充たし、独立の会計士または公認会計士の証 明を受けたるも
の。ならびに同様 の証明を受けた貸借対照表にし て第二五項の規定による要件を充 たし、
登録届出書提出前九Q日以内 のも の。もし発
行者の事 業の買牧が登録届出書提出前九〇日以上 の場合には、発行者が当該嶺業を買収し た期日現在 のもの (スケユールA第二七項)
。
﹁
,
この第 七 条 お よび ス ケデ ュー ルA の規 定 にお い て、 初 めて 会 計 士 に よ る財 務 諸 表 の監査 制度 が法 的 に規 定 さ れ た の であ
る。
か か る登 録 届 出 書 は 、連 邦 取引 委 員 会 に提 出 さ れ 、 そ こで厳 格 な 審 査 を 受 け ぬ献 次 ら な 駆。 連 邦 準 備 委 員 会 の審査 権 κ
ついて越 汰の如く、第 案 規 定さ墾 いゑ
Q
一、 登 録 届出 書 が形 式 上不 完 全 ま た は内 容 不 正確 なり と 委員 会 が認 め た場 合 に は 、申 請 後 一〇 日 以 内 に注 意 (コ9一
8) をな し た 後 、さら
に聴 聞 (
富 国二口α
q)の 機会 を与 え て より 一〇 日以 内 の期 間 をお き て後 、 そ の命令 にし た が って登 録届 出 書 が改 訂 され な い限 り 、 効 力 発
二、 登 録 届 出書 に 重要 事 項 に 関し 虚 偽 の記 載 が行 わ れ て おり 、 ま た記 載 に つい て誤 解 を さ ける た め に必 要 な重 要 事 項 記 載 のを 省 略 し て
生 日 前 に そ の届出 の効力 発 生 を 拒 否 す る命 令 を発 す る こ と が でき る (
同条 1ω)。
い る こと を委 員 会 が何時 に ても 認 めた る と きは 、注 意 を発 し た る後 一五 a 以内 の聴 聞 の機 会 を お き て後 、届 出 書 の効力 発 生 を停 止 す
る停 止 命令 (ω
80。匹①﹁)を 発す る こと が でき る (
同条一④)。
三 、.か かる審 査 を なす に当 り 委員 会 また は 委員 会 の任命 す る 職 員 は、 審 査 に関 係あ る 事 項 に関 し 、発 行 者 、引 受 人そ の他 の者 と面 会 し
帳 簿 ま た ぽ書 類 の作 成 を 要求 し 、 宣 誓 ま た は確 認 を行 わせ 、 も しく は取 調 を なす こと が でき る 。 さ ら に委 員 会 は、 そ の判 断 にし たが
い発 行者 の資 産 お よ び負債 を表 示 す る 貸借 対 照 表 ま た は損 益 計算 書 あ る いは そ の両 者 の作 成 に つい て、 委 員会 の認 可 す る会 計 士 ま た
は公 認 会計 士 の 証 明 を受 け る こ と を要 求す る こと が でき る 。 もし 発 行 者 ま た は引 受 人 が協 力 せ す、 あ るい は審 査 を 妨 害も し く は拒 絶
し た る とき は 、当 該 行 為 は停 止 命 令 を発 す る根 拠 とな る (同条1ω)。・
さら に、 か か る審 査 権 と共 に特 別 の権 限 と し て、 施 行 規 則 を 決 定 す る権 限 、 とり わ け 、 登 録 届 出書 の記 載 様 式 、 貸 借 対
照 表 な ら び に 損益 計 算 書 に表 示 さ れ る 項 目 あ る い は明 細 、 計 算 書 の作 成 、資 産 お よ び負 債 の評 価 、 減 価 の決 定 ⋮⋮ 等 を規
定 す る 権 限 を 有 し て い る。 (第 一九条)
上 記 三 点 にわ た る連 邦 準 備 委 員 会 の審 査権 は、 財 務 諸 表 とそ の監 査 証 明書 を 外部 の投 資 家 に公 表 し ても よ い かど う かを
行 政 的観 点 か ら審 査 す る こ とを 建 前 に し て い る の で あ る から 、 会 計 士 監 査 を も う 一度 取 調 べ る と いう 二 重 監査 と は 考 え ら
(
2)
れ な い。 いず れ に し ても 、 届 出 の効 力 が発 生 し た後 でな け れ ば 、 目 論 見書 を 配布 す る こ とが でき な い の であり 、 そ れも 効
力 発生 後 十 三 ケ月 以 上 を 経 過 し た 後 に 目論 見書 が用 いら れ る 場 合 には 、 同書 類 の記 載 事 項 は 、 そ の使 用 に 先 立 つこ と十 ニ
ケ月以 内 の 目附 のも の でな け れば な ら な い の で あ る。 (第 一〇条1㈲日)
さ て、 上 述 の有 価 証券 法 は 、証 券 の売 出 を規 制 す るも の であ り 、 そ の後 の有 価 証 券 取 引 に つ い ては 、 証券 取 引所 法 の規
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'
有価証券諸法と会計監査制度 二五四
制 を 受 け る。 す な わ ち 、 ﹁一九 三 四年 の証 券 取 引 所 ﹂ は 、そ の前 文 に ﹁州 際 な ら び に外 国商 業 上 お よび 郵 便 に より 行 な う
証 券 取 引 所 ま た は 店 頭 市 場 の規 定 、 当該 取 引 所 ま た は 市 場 にお け る 不 公平 且 つ不 公 正 な 慣 行 防 止 な ら び に そ の他 の目 的 の
た め の法 律 ﹂ と定 義 さ れ て いる。 こ こ でも 、 第 一篇 ・﹁証 券 取 引 所 の取 締﹂ およ び 第 二 篇 ﹁ 一九 三 三年 の有 価 証 券 法 改 正 ﹂
より な ってお り 、 こ の第 一篇 のも と に、 国 法 証 券 取 引 所 (
ロ。
・
二。邑 § 。ユ号 。。。
皆一
善 駐) の 登録 (第六条l a)、取 引 所 お よび 会
員 業 者 の登 録 取 消 、 除 名 等 (
第十九条)、有 価 証 券 の取 引 所 への上 場 のた め の登 録 (第 一二条)、 ブ ロー カ ー Hデ ィー ラ ー の
.
登 録 と監 督 (
第 =五条 )等 々が 規定 され て い る。
こ こ で、 会 計 監 査 制 度 と の関 連 にお い て問 題 と な る規 定 はハ 有 価 証券 上 場 の た め の登 録 に関 す 惹 規定 で あ る。 ま ず 、 第
一二 条 に よ る と、 上 場 を 申 請 す る発 行者 は、 申 請 書 を 国 法 証 券 取 引 所 に提 出 す る こ と に より (
謄本を委員会 に提出)、当 該 取
引 所 に お け る 登録 を受 けね ば な ら な い (同条lb)
。 そ し て 取 引所 が当 該 証 券 の上 場 お よ び 登 録 を 承認 した 旨 、 委 員 会 に証
明 し てか ら三 〇 日 以内 の期 間 が経 過 した のち 、 そ の上 場 は 有効 とな るも の であ る (同条l d)
。 こ の申 請 書 に は、 発 行 者 の
資 本 構成 、発 行証 券 の期 間 、 経 営 者 、 財 務 諸 表 等 に つ いて 詳細 な詔 載 が 要 求 さ れ て い る (同条l b)。 い ま財 務 諸 表 に つい
てみ る と、
一、過去三会計年度 の貸借対照表。ただし、委員会の規則 により要衷 される場合 には、独立 の会計土の証明のあるも の (i)
。
二、過 去三会計年 度 の損益計算書。ただし、委員会 の規則 により要求される場合には、独立の会計士 の証明 のあるもの つJ)。
三、委員会 が投資家保護 のため必要 または適当 と認めるその他 の財務諸表 (k)
。
が申 請 書 に記 載 を 要 求 さ れ てい る。
さ ら に、 こ の上 場 会 社 お よ び登 録 届 出 書 を 提 出 し た 非 上 場会 社 は、 そ の証 券 、 財 務 の状 況 に つい て定 期 報 告 書 を 取 引 所
お よ び委 員会 .
に提 出 す る こ と が規 定 され 、 (
第 一三条I a、第 一五条ld)、 そ の報 告 書 が 取 引 所 お よび 委 員 会 に備 置 さ れ て 一
般 に公 開 さ れ る の であ る (
窮二四条l b)。
こ の定 期 報 告書 に含 ま れ る 記 載 事 項 は ・委 員 会 にお い て定 め ら れ 、委 員会 の規 則 によ り 要 求 され た とぎ は 独 立 の会 計 士
の証明 に よ る細 のと さ れ て い る。 ま た、 委 員 会 の 審査 権 に つい ても 、 有 価 証 券 法 の規 定 の如 く 瓢調 査 な らび に違 反 行 為 の・
差 止命 令 お よび 告 発 の権 限 が第 二 一条 によ り 与 え ら れ て い る。
ただ 、 有 価証 券 法 の規 定 と 異 な る点 は、 監 査 証 明 の要 求 を 委 員 会 の規 則 に ま か せ て いる 点 であ る。 これ は 、 そ の後 の証
券 関係 諸 法 令 、﹁一九 三 五 年 公 益 事 業 持株 会社 法 ﹂ (
↓富 津 窪 。q二年窯出9α冨 09鵠遷 ︾g 。
0 8切)、 ﹁一九 四 〇 年 投 資 会社
ヨ 法 ﹂(↓苛 ぎ<①。。
冒・纂 O。喜 誓罵 >g 。h一
〇お) に引 継 が れ て いる。
以上 の如 く 、 有 価 証券 の新 規 売 出 に際 し ては 有 価 証券 法 によ り、 売 出 証 券 に関 す る登 録 届 出書 、 さら に、 売 出 証 券 の取
引 所 上 場 申 請 な らび にそ の上 場 認 可 後 にお い て は証 券 取 引 所 法 によ り 、 上 場 申請 書 お よび 定 期 報 告 書 が要 求 され た の で あ
る。 か か る 書類 に含 ま れ る財 務 諸 表 に対 し て会 計 士 の監 査 証 明 書 の添 付 が 規 定 さ れ る こ と によ って、 証 券 制 度 の 一環 と し
る て の会 計 監 査 制 度 が .
一応 完成 され た の であ る。
こう し た 一連 の立 法 制 定 は 、 会計 監 査 の重 要 性 の認 識 をさ ら に追 加 し たも の であ り 、 連邦 準備 制 度 に おけ る 会 計 監 査 制
度 導 入以 来 、 ア メ リ カ にお け る 会 計 監 査 の発 展 と実 践 に最 も 大 き な 影 響 を 与 え た要 因 であ った 。 以後 こ の立法 制 定 によ り
従 来 の監 査 目的 で あ惹 信 用 目 的 に と って代 って 株 主 保護 目的 が、 そ の主 流 を 占 め る に至 る。 しか し、 ま た こ の こと は 同 時
に会計 士 側 の責 任 を加 重 す るも の でも あ った 。
(1) 一九三四年有価証券法の改正により、連邦取引委員会から証券取引委員会 (
ω①2暮 一
鶴 節& 団xo冨コ守qoOo∋ヨ奮δコ) に法の所管が移管されて
いる。
(2) 久保田音二郎、財務諸表監査、昭和三十四年、六二頁。
(3) 団X・﹀。二 誌 (
凶
×悼
)
噛鵠o巨轟 O。・﹀。二 罫 ぎく.Oo.>9 吻
ωO
(
ε。
有価証券諸法 と会計監査制度 二五五
有 価 証券 諸 法 と 会計 監 査 制 度 .
二五六
と になる。
れが当該州内 において募集 され取引 させる 一方他州でも募集されること になるので、 これらの証券 は連邦法と州法 の双方 の規制 のもと におかれる こ
(4) アメリカにおける他 の法 制と同様 に証券発行 に関すを規制は、連邦法 と州法と の間 には、適 用範 囲の分担と複合が存在する。例えば 一定額以内 で
一州 のみに売出される証券 で、そ の発行者がそ の州で設立された法人 であ る場合 には、・
州法のみ適用 されるが、ある規模以上の証券 については、そ
四
証 券 制 度 の 一環 とし て会計 士 に よ る 会計 監査 制 度 を 導 入 し た 侑 価 証 券 法 お よ び 証券 取 引所 法 は、 ア メ リ カ会 計 監 査 制
度 に決 定 的 影 響 を 与 え た 。 そ れ は 特 に、 会計 士 の 責 任 規 定 に お い て 著 し いも の であ る 。 従 来 ま では 、 単 に コモ ン .ロ ー
(
08弓6コ訂 ≦) によ り そ の都度 、会 計 士 の法 的 責 任 が 判決 さ れ 、特 に 、第 三 者 (
島 己 冨三。
。。
)、に対 す る責 任 にお い ては 、
軽過失 (
ヨ①
器 器σ
q
置①
ロ8) には 一般 に責 任 を有 毛 な い と され てき た。
これ に対 し て、 有 価 証券 法 は、 会計 士 の第 三 者 、 す な わ ち 証券 の購 入者 お よ び 所 有者 に対 す る責 任 を 明 確 にし 、 か つ不
正 八津①
巳 ) と同 様 に軽 過 失 にも 会計 士 の責 任を 認 める に至 って い る。
ま ず 、 有 価 証 券 法 に つい て み る と 、第 一一条 ㈲ にお い て ﹁登 録 届出 書 の効 力 が 発 生 し て いる部 分 に (m
ミ 鳴鳥 鼠 暮①冷騨
蜂﹁
⇔ユ8 ω
冨8ヨ8r ≦プ窪 ω
⊆。ゴ悪鳥 簿 9。
ヨ①①跨9二く①)重 要 事 項 に つい て事 実 と 異 な る 記載 が行 なわ れ、ま た 登 録届 出書 に記 載 し
な け れば な ら な い重 要 事 項 も し く は そ の記 載 に つい て誤 解 を 避 け る た め に 必要 な重 要 事 項 に つい て の記 載 が省 略 され て い
る 場合 ﹂ に 、当 該 証 券 を 取 得 し た 者 は訴 訟 を提 起 す る こ とが でぎ る と 規定 し て いる 。 こ の場 合 、 会計 士 に問 題 を 限 定 す れ 、
ば、
﹁本 人 の同 意を 得 て登 録 届 出 書 のあ る部 分 を作 成 も し く は 証 明 し た者 とし て、 ま た は当 該 登 録届 出 書 に関 連 し て用 い
ら れ る報 告 書 も し く は 評 価書 を作 成 し、 も しく は証 明 し た 者 と し て氏 名 が記 載 さ れ てい る ﹂ (第 一一条㈲一 4)場 合 に限 ら 噛
れ る。 こ こ に重 要 事 項 (
ヨ帥§ 色 焼
p
9) とは 、﹁虚 偽 の記 載 ま た は記 載 の省 略 が 、 当 該 証 券 の取 得 、持 続 あ る い は処 分 に関 し
て合 理 的 な 者 の行 為 (
8乱 9け窯 印 ︻
8。
。
。匙 二。ヨ嘗 ) に影 響 を 及 ぼ す 事 実 L で あ 麓
こ の会 計 士 の法 的 責 任 を追 求 で き る提 訴 権 者 は ﹁そ の 取得 に際 し、 そ の者 が 事 実 と 異 な る こ とま た は 省 略 され て い る こ
とを 知 って い た こ とが 明 ら か にさ れ な い限 り 、 当 該 証券 を 取得 し た者 ﹂ であ り 、 登 録 届出 書 の提 出 時 に証券 を購 入 した 者
ば か り で なく 、 そ の後 の 取得 者 も 含 ま れ る の であ る。 し か し、 ﹁事 実 と異 な る 記 載 ま た は記 載 の省 略 が 行 な われ て い る こ
とを発 見 し た時 か ら 、 ま た は 正当 な注 意 を 払 えば 発 見 さ れ た であ ろう 時 か ら 二 年 以内 に、 且 つかか る発 見 が 正当 な 注 意 に
より な さ れ た も の で な い場 合 お よび いか な る場 合 に お い ても 証 券 が善 意 によ って 公募 さ れ た 時 か ら 一〇 年 を 経 過 し た の ち
は 提訴 す る こと が で き な い﹂ (第 一三条) の であ る 。 さ ら に、 こ こ で追 求 さ れ る 会計 士 の民 事 上 の責 任 に つい て は、 第 一 一
条1 ⑥ に規 定 さ れ る。 す なわ ち 、 会計 士 はe 証 券 に対 し て支 払 った対 価 に利 息 を 付 し た るも の より 、 そ の証券 を提 供 し て
得 た る収 入 を 差 引 い たも のを 弁償 す るか 、 口訴 訟者 が最 早 やそ の証 券 を 所 有 せ ざ る場 合 に は損 害 賠 償 の責 を負 わ ね ば な ら
な い の であ る。
この よう な 会 計 士 の虚 偽 ま た は記 載 の省 略 によ る損 害 額 に限 定 され な い過 重 な 責 任 を免 れ る た め には 、 会計 士 は ﹁そ の
記 載 が真 実 であ る と いう こ と を証 明 す る際 に、 信 じ た こ と の記 載 を要 し、 届 出 の効 力発 生 日前 にe 重 要 事 項 の虚 偽 の記 載
お よび 口 記 載 の必要 な重 要 事 項 な いし 誤 解 を 避 け る た め に 必要 な重 要 事 項 の記 載 の省 略 を 知 った場 合 には 、 直 ち に委 員 会
に届 出 ね ば な ら な い﹂ (委員会規則第 一五条)。 ま たぐ 当 該 登 録 届出 書 が有 効 とな り た る後 に お い て は ﹁重 要 事 項 に関 し て、
記 載が真 実 であり 、 ま た 記 載 の省 略 のな い こと を、 合 理 的 調 査 の後 、自 己 の信ず べき 合 理 的 根 拠 を 有 し 、 且 つ信 じ た る こ
と﹂ (
第 = 条一 ㈲) を 証 明す る必 要 が あ る。 こ こに お い て、 ﹁合 理 的 調 査 お よ び 信 じ た こ と に つい て の 合 理 的 な る根 拠
(§ 8碁げ8 葺 ①。・
ユσq葺一
9 ⇔民 屋 ω
。きげ冨 σ
q﹁
。目窪h
。﹁冨訃げ)を 決 定 す る に際 し て 、 合 理 性 の 基準 は信 用 関 係 に携 惹者 に要 求 せら
れ るも の (ω
δえ鋤
乱・
。
ρ二冒二鋤℃臼8コ92℃≦=
σ
q螢臣 二。冨曙 邑舞団
。コω
ご℃) によ る ﹂パ第 一一条一㈲) とさ れ て いる。
有価証券諸法と会計監査制度 二五七
有価証券諸法と会計監査制度
二五八
か く 如 く 、 有 価 証 券 法 は 会計 士 に対 し法 的 地 位 を 与 え る と 同 時 に過 重 な 責 任 を 課 し た も の であ るコ した が って、 これ に
対 応 し て 会 計 士 の監 査範 囲 は非 常 に拡 大 さ れ 、 従 来 取 引 の テ スト で充 分 であ った 監 査 が 、 一時 精 密 監 査 (
儀舞 昌& 讐象 ) を
(
4)
な す 程 度 にま で拡 大 さ れ た と 云わ れ て い る。 特 に、 訴 訟 権者 の拠 証 責 任 が 、 会 計 士 の責 任 に帰 属 す る 届 出 書 に関す る重 要
事 項 の虚 偽 の記 載 お よ び記 載 の必 要 な 重 要 事 項 も し く は 誤解 を さ け る た め に必 要 な 重要 事 項 の省 略 を 拠 証 し 、 且 つ訴 訟 の.
目 的 であ る 記 載 の作成 ま た は証 明 し た 旨 の記 名 さ れ た 同 意 の拠 証 に限 定 さ れ 、 そ の後 に お い ては 、す べて 会計 士 に抗 弁 の
拠 証 責 任 が 課 せ ら れ た点 にあ る。
こ のよ う な 会計 士 の責 任 規 定 は、'
さ ら に 一九 三 四 年 の改 正 に て若 干 修 正 を受 け 一層 明 確 にさ れ て い る。 そ の主 要 な 改 正
(
5)
点 は次 の通 り であ る。
e、訴訟 の制限規定 に関して、訴訟有効期間 が重要事項の虚偽の記載または記載 の省略発見後 一年以内、およびいが なる場合 にも証券
売出後三年以内に短縮されたこと (
第二〇七条)
。
⇔、民事上の責 任に関して、証券に対 して支払われた対価 (その証券が公募された時の価額を超えない) とH提訴時 におけるその価額との
差額ある いは⇔提訴前に市場 で処分した場合 の価額と の差額、もしくは口証券に対して支払われた対価と提訴時における価額と の差
額 より損害が少 ない場合、提訴以後判決 に至るまでに証券が処分 された場合 の価額 との差額 についての損害額 に限定ざれたこと。さ
らにかかる損害額 の 一部もしくは全部が会計士に責 任のある登録届出書 に関し て、重要事項の虚偽 の記載または必要な記載 の省略か
ら生じ た証券価格の下落以外のも のから生じ ている旨拠証する場合には、そ の部分に関する損害を補償する必要がないと補足された
こと。
(
第二〇六条㈹)
日、合理的調査および信じたことに ついての合理的根拠を決定するに当り、合理的なることの基準が、
﹁信用関係に携 る者に要求され
る基準﹂から﹁自己の財産を管理す る際に十 分な注意を行 う者に要求 される基準 (自・蕃民碧α器ρ臭 亀 9胃且Φ
"伴召碧 言 穿Φヨ鴛夷§ ①黒
。h三ω。≦5冒。唱鐙ぞ)
﹂ に代 ったこと (
第二〇六条1ω)。
口
(
7)
以 上、 有 価 証 券 法 にお け る 会計 士 の責 任 規 定 を レぜ 一 に従 って要 約 す れ ば 、
'
e 、 登 録届 出 書 に記 載 さ れ た 証券 の取得 者 は、 会 計 士 と直 接 契 約関 係 に な いと い う事 実 に も拘 らず 、 会 計士 を提訴 で きる 。
⇔ 、 提 訴権 者 の請求 権 は、事 件 を構 成す る財 務 諸 表 に おけ る 虚 偽 の記 載 も し く は 誤解 を 生 む省 略 を 申 立 てる こと にも とつ く。 こ の場 合
提 訴 権 者 は、 会 計 士 に財 務 諸表 証 明 の際 過 失 あ る い は不 正 が あ った こ とを 挙 証 す る責 任 は な い。
国 、 提 訴 権者 は、記 載 を信 頼 し た こと 、 あ る いは 蒙 った損 害 が 財 務諸 表 上 の不 正 ま たは 誤解 を生 む記 載 によ る も の であ る こ と を証 明 す
る 必 要 は ない。 ・
㈲ 、 会 計 士 は、自 己 の証 明 せ る財 務 諸表 が財 務 諸表 作 成 日 の み な らず、 登 録 届 出 書 の効 力 発 生 日現 在 に お い ても (
器 9 島。 ユヨ。乏冨 コ
昏。男Φ
α
q聾 冨け
一
8 ω3冨3①暮 び①8 ヨ。①凍9帥ぞ。
)真 実 であ る こ と に つい て、 合 理 的 調査 の後 、信 ず べき 合理 的 根 拠 を有 し 且 つ信 じ た こ
と を 実証 す る こと によ って、過 失 お よ び不 正 のな い こ と を証 明 し なけ れ ば な ら な い。
㈱ 、 会 計 士 は、 ま た、提 訴 権 者 の損 害 の 一部 もし く は 全部 が財 務 諸 表 に お け る虚 偽 の記 載 ま た は誤 解 を 生ず る省 略 以 外 の原 因 か ら 生 じ
た旨 証 明 し な け れば な ら な い。 コ モン ・ロー に お いて は 、提 訴 数 者 が 蒙 った損 害 を主 張 す る場 合 、 会 計 士 の過 失 ま た は不 正 が そ の 近
因 であ る と いう こと を証 明 す る こ とが 上告 審 判 決 (
駄葺 ヨ国葺く。B 。。
。) の 一部 であ った よ うに 思 わ れ る。
、
(
8)
こ れ に 対 し て 、 証 券 取 引 所 法 に お け る 会 計 士 責 任 規 定 第 一八 条 は 、 有 価 証 券 法 弟 一 一条 に 比 べ 、著 し く 弱 め ら れ て い る 。
こ こ で 、 第 一八 条 - ⑧ に つ い て概 略 し よ う 。 す な わ ち 、 第 一八 条 は ﹁申 請 書 、 報 告 書 ま た は 文 章 中 に 、 そ れ が 作 成 さ れ た
時 お よび そ の当 時 の状 況 に照 し て (
舞 普・ ユヨ①。
乱 言 チ。﹃σ
。鐸 。= 冨 。冒・暴 § 6①
。。自 画臼 ≦募 玉 梓惹 も・§ 号 ) 重 要 事 項 に 関 し
虚 偽 も し く は 誤 解 を 生 じ さ せ る 記 載 を 行 な い 、 ま た は 行 な わ せ た 者 は 、 善 意 に よ り (冒 σq8 ユ蛍 子) 行 動 し 且 つ当 該 記 載 が
虚 偽 ま た は 誤 解 を 生 じ さ せ る も の で あ る こ と を あ ら か じ め 知 ら な か った 旨 を 立 証 し な い 限 り 、 (当 該 記 載 が虚 偽 ま た は 誤 解 を
生じ さ せ る も の であ った こと を 知 らず に) そ の 記 載 を 信 頼 し て 、 当 該 記 載 の 影 響 を 受 け た 価 格 で 証 券 の 売 買 を 行 な っ た 者 に 対
し 、 当 該 信 頼 に よ り 生 じ た 損 害 の責 を 負 わ な け れ び な ら な い ﹂ と 規 定 し て い る 。 い ま 、 こ の 第 一八 条 一 ㈲ の 規 定 と 有 価 証
(
9)
、券 法 弟 一 一条 の 規 定 を 比 較 す れ ぱ 、
e、第 一八条は登 録届出書の効力発生日要件 (⑦隔
{
。9ぞ⑦岳8 器4三おヨ。算)に関する規定をもたす、訴訟 を提起するには ﹁記載が作成さ
有価証券諸法と会計監査制度 二五九
﹁
,有 価 証券 諸 法 と 会 計 監査 制 度 ・ , '
二六 〇
'
れ た 時 お よ が その 当時 の状 況 に照 し て﹂ 虚 偽 ま た は誤 解 を生 じ させ るも の であ ら ねば なら な い と規 定 す る。 し た が って、 会 計 士 は サ.
ブ セ ェク エント ・イブ ン ッ (ω
ロ匿 。
ρ口。9 。︿。三。。
) に対 す る 責 任 をも た な い の であ るが 、 勿 論 重 要 な意 義 を も つ サブ セ ェク エント ・イ
ブ ン ツの発 生 を実際 に知 って いる場 合 に は 、監 査 報 告 書 に 適切 な表 示 を行 う こと が必 要 であ ろ う。
⇔ 、第 一八条 にお け る提 訴 権 者 は、 財 務 諸 表 を信 頼 し たこ と およ び そ の信 頼 によ り損 害 が生 じ た こ とを 証 明し なけ れ ば な らな い。
⇔ 、提 訴 権者 は、 会計 士側 の過 失 ま た は不 正 の拠 証 責 任 を も た な いが 、会 計 士は 、 善意 によ り 行動 し且 つ当該 記 載 が虚 偽 ま たは 誤 解 を
生 じ さ せ るも のであ る こと を 知 ら なか った 旨 の抗 弁 が与 え られ て い る。 そ れ ゆ え に、会 計 士 の善意 (ぴq。
a 芭 昏)が 立 証 さ れ る と ころ
では、■第 三 者 に 対し 軽 過 失 (日。話 器 α
q言 o
目 o) の責 任 をも たな い よう に 思 わ れ る。
以 上 の如 く 、 従 来 コモ ン ・ロ ー の下 に お い て は不 正 (冨 &) に対 し て 会計 士 の第 三 者 責 任 を 認め 、例 外 は み る に し ても 、
過失 (
需σq蒔 窪8) に対 し て は、 第 三者 責 任 を認 め て いな か った のに対 し 有 価 証券 法 の規 定 にお いて は 軽 過失 に対 し ても そ
れ を認 めた の であ る 。 こ のよ う な 明文 に よ る会 計 士 責 任 の規 定 は 、 会計 監 査 制 度 に、三 つの影 響 を 与 え た も のと い え よ う 。
そ の 一つ は、 会 計 士 責 任 の強 化 傾 向 であ る 。英 国 お い ても 一九 二九 年 法 弟 三 七 条 の改 正 であ る 一九 四 八 年 会社 法 (O。ヨー
(
40)
思幕 ・。>2 。= 逡。。)第 四 =一
条 に有 価 証券 法 弟 一 一条 に匹 敵 す る 規 定 が採 用 され 、 さ ら に は、 コモ ン ・ロー にお い ても 過 失 に
(
11)
対 す る会 計 士 の第 三 者 責 任 を 規 定 す る 一般 的 傾 向 が み られ る。
そ の 二 は、 過 失 (
莞σq凄窪8) の基 準 す な わ ち 会 計 士 の行 動 基準 の確 立 であ る 。 これ は 監査 基準 、さ ら に は職 業 的 行 為 の規
程 (国幕 ω。{津。h
①鼠。邑 o。コ含3 の確 立 であ る。 特 に、 監査 基準 は、 正 当 な 職 業 的 注 意 (α器 窟。h
①
邑89 § ①
)す な わ ち ﹁監
査 人 は、 監 査 の実 施 お よび 報 告 書 の作成 に つい て は、 正 当 な 職 業 的注 意を も って これ を 行 な わ ねば な ら な い﹂ と規 定 す る
に至 る。
そ の 三 は 、 一般 に認 めら れ た 会 計 原則 の重 視 で あ る。 一般 に認 め ら れ た会 計 原 則 に準 拠 し て財 務 諸表 が作 成 さ れ な い と
ぎ は、 た と へ脚 注 お よび 監 査 報 告 書 に限 定 が 行 なわ れ た とし ても 、 そ の財 務 諸 表 は誤 解 を 生 む も の或 い は 不 正確 なも の と
秘 )
推 定 さ れ る。
し か し な が ら 以 上 述 べ た 有 価 証 券 法 お よ び 証 券 取 引 所 法 の 下 に お け る 会 計 士 の第 三 者 に 対 す る 責 任 規 定 は 、 単 に 証 券 の
購 入 者 お よ び 所 有 者 の み に 適 用 さ れ 、 一般 債 権 者 に 対 し て は 適 用 さ れ る も の で は な い 。 ま た 当 法 規 は 、 そ の 適 用 が 証 券 の
一州 の み が 、 連 邦 法 と 同 様 の 会 計 士 責 任 規 定 を 有 す る に す ぎ な い も の で
州 際 取 引 分 規 制 を 目 的 と し て い る と こ ろ が ら 、 厳 格 な 州 内 取 引 は そ の 規 制 を 受 け な い 。.し た が っ て 、 ブ ル ー ・ ス カ イ 法 の
適 用 を ま た ねば な ら な い の で あ る が、 フ ロリダ 州
(
13)
あ る。
(1) コモ ン ・ロー に おけ る 一般 原 則 は 次 の如 く で あ る。 す な わ ち、 も し 、 会 計 士 が 監 査 人 と し て の サ ービ スを 提 供 す る 場合 、 会 計 士 は同 一職 業 に従 事
す る者 が 共 通 的 に有 す る伎 倆 をも ってそ の業 務 を 遂 行 でき る と表 明 し て い るも のと 認 めら れ る。 し たが って、 も し 、 そ の こと に失 敗 す る な ら ば 、 自
己 の過 失 によ って 生 じ た損 害 に対 し て依 頼 人 に責 任 を も つ のであ る。
(2) 例 えば 、 ウ ル トラ マ レス事 件 (⊂一耳印∋碧 窃 8 ﹁や ∼ ↓oロo冨 y ω"信一H①<ざ >oo8 腎 p馨 .。・ピ①ひq巴 因o。。唱oコ匹玄 一
詳鴇.一⑩切♪ 署 陰一。。OI 一㊤ド 山 群
(以 下 9 。h>.と 略記 )<o一・切9 (U。ρ おωωy 7 置O.
獣 恕 、 ウ ルト ラ マ レス事 件 の監 査史 的 意 義 、 産 業 経 理 第 一六 巻 (昭 和 三 一年 一〇 月 ) 六 二一 六七 頁 。
(3 ) 6q篇 目。巽 O。乙 oF >6n。二5一碧 房 o口口 誓 ① ω。。ξ 三 。ω﹀。件.岩 茸 p匙 oh>8 08 3コ蔓
(h置口o冨蔓 ) の義 務 に 関す る認 めら れ た コモ ン ・ロー に よ る定 義 に
(4 ) 冒 日①ω 田 拝 牢 邑 § 。・。h>。8 ・暮 雪 冨 雪 号 = 冨 ω・2 ﹁一
二㊦ω >g 。= Φω・。、匂.。h>二 <。炉 切9 (u8 ﹂ oωω)ら 軽0一
.(5).ω℃①5§ o邑 。p ぎ げ養 コ h >§ 窪§ 三 。・§ 璋
。。⑦§ 三 ・。。要 9 睾 ぴq。 >g 。= ⑩ω癖唱い 。h> 二 く。 o。。 (og ・奮 蒔) 喝℃・§ ← ㎝切・
(6 ) こ の変 更 は、 大 部 分 心 理 学 的 理 由 によ る も の と 云 わ れ る。 す な わ ち、 受 託 者
代 え る こ と に よ って 、起 り う る 不確 実 性 を と り のぞ い て いる 。 し た が って 、実 質 的 に は、 図①ωけ讐oヨ①暮 oh 目H臣 窃 卜。α 吻一謹 にお いて 採 用 さ れ た 基
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有価証券諸法 と会計監査制度
有価証券諸法 と会計監査制度
五
二六二
一連 の連 邦 法 が、 一九 三 三 年 か ら 一九 四〇 年 にか け て制 定 さ れ、 そ の いず れ も 会 計 監 査 制 度 に 重 要 な 影 響 を 与 、
見て い
る。 周 知 の如 く 、 そ の最 初 の立 法 が 、証 券 の登 録 を 規 定す る有 価 証 券 法 であ る。 こ こで は とり わ け 、 委 員 会 へ提 出 す る登
録 届 出 書 に記 載 さ れ る貸 借 対 照表 と損 益 計 算 書 の監 査 証 明 の規 定 と会 計 士 責 任 の規 定 が重 要 な 意 義 を も って いた。
■一九 三 四 年 の証 券 取 弥 所 法 は 、証 券 取 引 所 の登 録 、 取引 所 への上 場 証 券 の登 録 お よ び委 員 会 への定 期 報 告 書 の提 出 を規
定 し て いる 。 こ の法 律 のも と に、 証券 取 引 委 員 会 が 創 設 さ れ、 会計 事 項 に対 し て 広範 な管 轄 権 が授 与 さ れ る に至 る。 特 に
唱九 三 三 年 法 と 異 な る 点 は 年次 報 告書 に記 載 さ れ る財 務諸 表 の監 査 証 明 が 法 によ り義 務づ け ら れ ず に、 委 員 会 規則 に より
要 求 さ れ て いる 点 お よ び 会 計 士 責 任 の規 定が 弱 めら れ てい る点 であ るり
こ の二 立 法 の要 求 お よ び 証券 取引 委 員 会 の活 動 は 、 会 計 監査 制度 を 整備 し、,デ ィ スク ロージ ャ ー (
島巴8二邑 を徹 底 し
て、 証 券 に つい て の正 確 な 情報 を で き るだ け 充 分 に公 開す る こ と に より 一般 投資 家 に適 格 な 判 断資 料 を 与 え る こと を そ の
基 本 理 念 と し て いる ので あ る。 し た が って、 こ の両 法 規 で 不 足す る投 資 家 保 護 規 定 は ﹁一九 三 五 年 の 公 益 事 業持 株 会 法
の比 率 お よ び 金額 の保 持 、 担 保 化 否 定条 項
法 ﹂、 一九 三 九 年 の ﹁信 託 証券 法 ﹂、 コ 九 四〇 年 の投 資 会 社 法 L にお い て順 次 整 備 さ れ る に至 る。 特 に、 一九 三 九 年 の信
託 証 券 法 は 、 信 託 証書 に規 定 され た 規 約- 例 えば 純当 座 資 産 (
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等 1 に つい て会 計 士 の検査 を受 け る こ とを 規 定 し 、 さ ら には 、会 計 士 の監 査 証 明 に関 し て、 次 の如
く 詳 細 に規 定 し て い る。 ﹁証 書 に規 定 さ れ た 規約 また は条 項 (
8邑ぎ 旨。二 身。冨馨) を 遵 守 し て い る こ と に関 す る証 明 ま た
は 意 見 は、 e 証明 ま た は意 見 を お こなう も の が、 かか る規 約 ま た は条 項 を読 ん で いる 亡ど の記 載、 口 か か る証 明 ま た は 意
見 に含 ま 九 る記 述 ま た は意 見 の基 礎 とな る検 査 ま たは 調査 の性 質 と範 囲 に関 す る 簡 潔 な 寵 載 、⇔ か か るも の の意 見 にお 躯
て、 こ のよ う な規 約 ま た は 条 項 が 遵 守 され で い るか ど う か に関す る 専 門的 意見 (三 。9a 。℃互3)を 表 明す る に 当 って 必要
とさ れ る 検査 また は調 査 を な し た どう か の記 載 ㈲ か か る も のの意 見 で ば こ の よう な 規 約 ま た は条 項 が 遵 守 さ れ て い る か ど
う か の記 載 が含 ま れ ね ば な ら な いL
さ ら に、 一九 四 〇 年 の投 資 会社 法 は、 委 員 会 へ提 出 す る財 務諸 表 の みな らず 、 株 主 へ報 告す る財 務 諸 表 に関 し ても 、 独
立 の会 計 士 によ る監 査 が委 員 会 によ り要 求 さ れ る に至 る。 こ こ でも 、 会計 士 の 監査 証明 に関 し て、 かな り 詳 細 に規 定 さ れ
る の であ る。 (第三〇条第五項)﹁独 立 の会計 士 によ る証 明 は 、 会計 士 が 包 括 的 に、 か つ信 頼 し う る財 務諸 表 を提 出 す るた め
に通 例 行 な う 会計 監 査 と比 較 し て、 そ の範 囲 ま た を手 続 にお い てそ れ に劣 ら ぬ 程 度 の会 計 監 査 にも つ くも の で なけ れ でな
ず 、 か つ委 員 会 が 公益 ま た は投 資 家 保 護 のた め 、規 則 に よ って会 計 監 査 の性 質 お よ び範 囲 、 会 計 士 の所見 な らび に 意見 に
関 し て定 める こと が でき る資 料 を 添 付 し たも の で なけ れ ば な ら な い 。 そ のす べ て の報 告 は、 独 立 の会計 士 が、 規 則 によ っ
て委 員 会 の規 定す る と ころ に従 い、 実 際 の検 査 (
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9巨 ①
養 三量 目
8) に より 、 ま た は 保管 者 か ら の証 明 書 を 受領 す る こと に
よ って証 券 の所 有 を検 証 し た旨 記 載 しな け れ ば な ら な い﹂ と。
以 上 の如 く 、 一九 三 三 年 の有 価 証券 法 お よび 一九 三 四 年 の証券 取 引所 法 を 出 発 点 とし て 一九 四〇 年 ま で に、 体 系 的 証 券
ま
コ
制 度 に会 計 監査 規 定 お よ び 会 計 士 責 任 の規定 が導 入さ れ 、 こ こ に株 主 保 護 目的 を 有 す る社 会 的 経 済的 制 度 と し て の会 計 監
査 制度 が 、 完成 され た 竜 の と云 え る ので あ る。
二詣
八三
なお条文 の翻訳は、帝国生命株式会社調査課、米国連邦有価証券法、大蔵省理財局証券第 一課訳外国証券関係法令集 を参照した。
有価証券諸法 と会計監査制度