ルワンダ (441KB、2016年8月)

ルワンダ医療情報
以下は必ずしも最新の医療事情ではありません。詳細(特に緊急時対応や予防薬の
服用方法など)については現地医療事情に詳しい医療専門家から常に最新のアドバ
イスを受けるようにしてください。
最新更新履歴:2016年3月21日更新
1.赴任前の準備
(1)予防接種
日本から入国する際、黄熱ワクチン予防接種を義務づけている(2016 年 3 月から)。
赴任前に日本での.狂犬病、A 型肝炎、B 型肝炎、破傷風、着任時には現地で流行性
髄膜炎(ACWY)、腸チフスのワクチン接種を勧める。現地で予防接種を受ける場合
は、薬局でワクチンを注文・購入し、医療機関へ持参し接種する。
乳幼児については、主治医に相談し、基本的予防接種(BCG、ポリオ、三種混合、
麻疹)をできる限り接種してから赴任するようにする。終了できない場合、現地でも接
種を継続できるが接種時期や接種回数が異なるので、それまでに受けた予防接種記
録、母子手帳は必ず持参すること。また、英訳したものがあればなおよい。(ワクチン
の入手先については、「3.医薬品、衛生用品」の「(4)薬局」を参照)
(2)その他の準備
持病のある人は、現地での受診の可能性を考え、病名、治療内容(内服薬につい
ては商品名ではなく一般名で記載)、現在の状態などを記載した英文の紹介状を主
治医に書いてもらい持参する。持病の治療薬については現地で主治医を見つけるま
での2~3ヶ月分は持参すべきである。
また、健康上問題がない場合でも、派遣前健康診断書の控え(英文版)を必ず持
参する。
眼鏡・コンタクトレンズは、処方箋があればキガリ市内で作成・購入が可能である。
ただし、品質的には不明な部分もあるため、予備を持参すべきである。対応レンズが
ないものは、ナイロビに発注し取り寄せる。洗浄液も入手可能であるがきわめて高額
である。
歯科治療に関しては、開業医がおり、補填・歯冠・ブリッジ・抜歯などの治療可能で
はある。ただし、赴任前の日本での治療を済ませておいたほうがよい。
医薬品については、信頼できる常備薬を持参するのがよい。また。現地で日本製
の医薬品は入手できないが、種類によっては同成分の欧米製のものは入手可能。
防虫スプレーは入手可能である。中国製の蚊取り線香や電気式蚊取マットもスー
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パーマーケットなどで入手可能だが、日本製よりも臭いが強いため、気になる人、ま
たは小さいお子さんがいる場合などは日本から持参したほうがよい。(入手先につい
ては「7 保健衛生」の「(3)その他の留意点」を参照)
2.医療事情
(1)医療機関
ルワンダの首都キガリについての医療状況は、一般的な病気は対応可能であるが、
循環器、消化器、脳外科、事故等の重症時は近隣のナイロビ、南アフリカ、もしくはヨ
ーロッパ等へ緊急移送が必要である。医療機関は政府系、ミッション系、私立系に大
別される。信頼度、衛生面、薬品および器材の充足度などから、ミッション系、私立病
院や開業医を受診することを勧める。
また、地方に関しては、概して医療レベルは医療従事者の技術、施設ともに期待で
きるものではない。緊急時には地方医療機関で処置を受けても、その後すぐにキガリ
の医療機関に移動(移送)して治療を続けることが望ましい。
King Faisal 病院
所在地:キガリ市内 Kacyiru
電話:+250-(0)252582654/582469
緊急時 +250-(0)252-588888
Fax:+250-(0)252-583203
Website:www.kfh.com
住所:P.O.BOX 2534 Kigali
診療時間:24時間
診療科目:全科(心臓外科、脳神経内科、消化器内科、精神科などの専門科除く)
備考:外来と入院が可能である。また、救急外来があり、24 時間受け付けている。
ヘリポートあり。キガリ市内で邦人が入院できる施設でもある。
設備的には整っていて CT・MRI が稼動している。
診察料:8,000Frw (専門医は 10,000Frw)
VIP 個室料:30,000Frw~60,000Frw/日(食事含)
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Hopital la Croix du Sud
所在地:キガリ市内
電話:+250(0)785246882
緊急:2025
Website:www.hopitalcroixdusud.com
診療時間:24 時間
診療科目:産婦人科、内科、小児科、皮膚科、歯科、耳鼻科、外科
備考:REMERA にある 100 床の私立病院。産婦人科専門病院から総合病院に
移行。小児のワクチン外来あり。24 時間緊急外来あり。産婦人科医師は
24 時間体制。
初診料:10,000 Frw
個室料:35,000~90,000 Frw(食事含)
Kigali Medical Center
所在地:kimironko Marketの近く
電話:+250(0)782300252
診療時間:水曜日・日曜を除く 8:00~15:00
診療科目:産婦人科、皮膚科
備考:エジプト人女医(Dr.Hebat SALAMA)が 2015 年に開業。邦人も利用。
初診料:27,300Frw(超音波代含む)
Polyclinique du Plateau 診療所
所在地:キガリ市内
電話:(250)252572125/252578767
FAX:(250)252572125
診療時間:月曜~日曜
8:00~21:30
診療科目:内科、小児科、 眼科、耳鼻科、
皮膚科、産婦人科、熱帯医学
備考:個人経営のクリニックで、7名の医師がおり、3名の医師が交代で診療を行
なっている。マラリア等の感染症への対応が可能である。個室は完備されて
いるが食事の提供はない。現地の中流家庭以上の人が多く利用している。
初診料:16,000Frw
休日、夜間:16000Frw
個室料:50,000(食事無し)
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RWANDA MILITARY Hospital (通称 KANOMBE Hospital )
所在地:キガリ市内 キガリ空港の近く
電話:+250(0)252586420
診療時間:月曜日~土曜日
8:00~17:00
診療科目:全科(心臓外科、神経内科の専門科を除く)
備考:防衛軍と厚生省の資金で運営されている。一般人にも広く利用されている。
医師も診察時は軍服着用。専門医は King Faisal と同じ医師。
USAID からのハード・ソフト面での援助を受けている。CT・MRI は準備中。
専門医の診察が必要な際に利用可能。邦人が入院できる環境はない。
ドクターカーを所有。
PINEDA Dental Clinic 歯科クリニック
所在地:キガリ市内
Avenue de Kiyovu Muhima Zone5
電話:+250(0) 788564377
診療時間:完全予約制
月曜~木曜日 8:00~16:00
金曜
8:00~12:00
備考:King Faisal 病院で歯科医長を勤めた
フィリピン人の女医が院長。現在4名
の医師が常勤(フィリピン人3名、ルワ
ンダ人1名)。設備等は比較的そろっ
ており、清潔感もある。クラウン、ブリ
ッジ等の作成は可能である。義歯については、型どりを行ない、ナイロビのド
イツ人技工士に送り、2週間以内に入手可能。邦人が利用している施設。歯
科については、できるだけ派遣前に日本での治療を済ませて来られることを
勧める。
Dr.Agarwal’s Eye Hospital (私立の眼科病院)
所在地:キガリ市内 No.19,Rebero,Rukiri2 REMERA
電話:+250(0)788185429
備考:2013 年 1 月に開業した眼科単科病院。インドに本院がある。白内障の手術
緑内障、網膜症など眼に関する疾患の治療を実施。
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眼鏡店
キガリ市内には、多数の眼鏡店が開業している。
(2)緊急時の対応と措置
キガリ市内及び近郊では、King Faisal 病院と Kanombe(軍)病院が救急車を持っ
ており、24 時間対応可能。
3.医薬品、衛生用品
(1)携行することが望ましい医薬品
医薬品はキガリ市内で購入できる。ただし、漢方薬、整腸剤は入手不可能である。
常備薬と、持病のある人は常用薬を持参すること。
(2)現地で調達できる医薬品
常備薬は処方箋がなくても購入可能であるが、抗生物質などは医師の処方箋が必
要となる。持病のある人は必要な薬の処方箋を日本の医師に、英文で作成してもら
い、持参することが望ましい。
(3)現地で調達できる衛生用品
生理用ナプキンやタンポンも大型スーパーや薬局で購入できる。高価ではあるが
有名医療メーカーの包帯、ガーゼ、脱脂綿も購入できる。避妊具(コンドーム)・経口
避妊薬も購入できる。
(4)薬局
薬局はキガリ市内に多数あり、土日、24 時間の営業を行なっているところもある。
医療分業のため、病院で受診し処方箋を持って薬局で薬の購入をすることになる。
Pharmacie CONSEIL 薬局
所在地:キガリ市内
電話:(250)572374
FAX:(250)572374
備考:店内は清潔で、整理整頓されている。マラ
リア予防薬、治療薬もここで購入可能であ
る(予防薬:メファキン、治療薬:コアテムな
ど)。薬はヨーロッパ製(ベルギーなど)がほとんどで、他の薬局よりも価格は
高いが品質の信頼はある。キガリに支店が 2 店舗(Kacyiru, Gacuriro)。
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PharmaVie 薬局
所在地:キガリ市内
電話:(250)571062/5710922
FAX:(250)571492
備考:ワクチンの注文・購入ができる。ワクチンの在庫がない場合、ベルギーから
取り寄せになるため、最低 3 週間は余裕を見たほうがよい。マラリア抗原迅速
診断キットは現在入手不可能(2016年3月現在)。
4.妊娠、出産、育児
(1)妊娠した場合の対応
合併症がない妊婦の場合、妊娠中期までの検診をキガリで受けることは問題ない
と思われる。しかし、妊娠中期の安定期に日本へ帰国し、出産することを勧める。
キガリでも出産や帝王切開術ができるが、感染の心配、急変時の対応、輸血が必
要となった場合の血液の安全性、新生児の対応は疑問である。
(2)出産後の対応
早産、流産などの対応は可能と考えるが、緊急、異常分娩等の対応を考慮すると
日本での出産を勧める。超音波診断は可能である。
(3)育児
哺乳瓶、チクビなどは、スーパーや薬局で入手できる。哺乳瓶の消毒剤もある。粉
ミルク、ベビー石鹸、ベビーオイルなども購入可能である。紙おむつも購入できるが高
価である。布おむつ、肌着類は質が悪いため、生後 6 ヶ月ぐらいまでのものは、日本
から持参したほうが良い。
乳児用の玩具を購入する場合は、形状(角や接続部)の安全性を確認したほうが
よい。概して中国製のものが多い。
5.手術
(1)現地で可能な手術
急性虫垂炎、外傷の縫合などの緊急手術を要する場合を除き、ナイロビ、南ア、
ヨーロッパ、もしくは日本で受けるほうがよい。
(2)手術設備の状況
キガリ最大規模の病院は、手術器具、術後のケアーを受ける ICU 等、ひととおりの
設備を備えているが、手術による感染の心配はある。
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(3)その他の留意点
輸血用血液については、ナショナル血液銀行から各病院へ支給される。ドナーの
HIV 陽性率は1%である。献血時 HIV、B 型肝炎、梅毒のスクリーニングを行っている
が、マラリアの検査はしていない。輸血感染症の可能性があるため、輸血をした場合
は感染症のフォローが必要である。
6.現地での傷病
(1)一般の疾病
高地(首都のキガリは標高約 1500m)の環境に順応するまでは、倦怠感、下痢、微
熱、頭痛等の症状がでやすいと思われる。よくかかる病気としては、次のようなもの
がある。
・皮膚疾患:虫さされ(小さな傷でも化膿しやすい)、真菌性皮膚炎
・消化器疾患:下痢を主訴とした細菌性胃腸炎、胃炎など
・呼吸器疾患:かぜ、咽頭炎など
基本的には、生もの、生水は口にしない。
(2)風土病、感染症
特に注意すべきはマラリアである。ほとんどが熱帯熱マラリアで、薬剤耐性がある。
適切な治療が行われない場合、重篤な症状を呈し死に至ることもある。マラリアは乾
季と雨季で発生頻度に差があり、標高 1500 メートル以下の地域では、一年中どこで
も見られるので、発熱症状(微熱も含む)があれば、必ずマラリアも疑うようにする。
基本的に蚊帳や防蚊スプレー・蚊取り線香などの使用での防蚊対策を徹底するこ
と。特にキガリから離れた地方では、罹患率が高いところも多く、対応に信用できる医
療機関が少ないため、予防薬内服を検討したほうが良い。
狂犬病、破傷風が見られる地域のため、予防接種を受けておくことが望ましい。
(3)有害動物、病害虫
蚊、ダニ、ノミ、やけど虫(雨期に発生:体液が触れた部分に火傷のような水膨れが
できる。眼に入ると結膜炎を起こす)、ブユ、ムカデ、ネズミ、ゴキブリは日常よく見ら
れる。毒グモや毒蛇は、稀である。屋外への外出の際には、長袖・長ズボンの着用が
必須である。また、咬まれた場合の手当方法を習得しておくこと。
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7.保健衛生
(1)飲料水
都市の水道水は消毒されているが、雨季には、濁った水が蛇口から出てくることが
あり、水質管理が不十分なため、安全面での保障はない。水道水は、まず濾過器で
濾過してから、必ず煮沸してから料理や飲用に使用する。ペットボトルに入った水も購
入できる。特に「水」として飲用する場合にはペットボトルに入った水を勧める。
(2)濾過器の入手
キガリのスーパーマーケットなどで購入できる。ただし、フィルターとして使用される
濾過棒(名称:キャンドル)は4~6ヶ月ごとに交換が必要なので、スペア用として余分
に購入しておくようにするとよい。
(濾過器の購入先:「ナクマット」あるいは「T2000」という中国系雑貨店にて購入可
能。(18000Frw~30000Frw)
(3)その他の留意点
*現地後で「イソコ」と呼ばれる市場では、緑黄色野菜・果物類・穀物など豊富にそろ
っている。バランスの取れた食生活を送るのは可能である。
*蚊取り線香・蚊取りマットおよび蚊帳はキガリ市内で入手可能。
購入先:キガリ市内のスーパーマーケット・薬局で購入可能.
蚊取り線香 2000Frw/蚊取マット本体 2000Frw・マット 1000Frw 蚊帳 5000~
8000Frw
*2008 年にケニア系大型スーパーがキガリ市内中心部に出現して、それにあわせ
て市内の至るところで外国人の生活に必要なものを取り扱う店が増えた。数年前
に比べると食材や日用品の入手も容易になってきている。しかし、日本とは異なる
状況であることを念頭に、自分自身で健康管理ができるように前もって必要なもの
を準備することが望ましい。また、持病が悪化した場合や、下痢や発熱の処置など
の知識を日頃から身につけておくことを勧める。
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